「一応聞いておくけど
それはいったい何のつもりかしら?」
私は彼女が妙にうれしそうに手に持っている
不思議な衣服らしき物を睨みながら尋ねた
「あぁ、これか?
香霖が持ってたんだがな外の世界の服でブレザーとか言うらしい
ほら、他にもいろんなのがあるぜ」
「で?そのぶれざーとやらを私の家に持ってきてどうするつもり?」
「もちろん、アリスを着せかえて遊ぶんだぜ」
呆れて溜息すら出てこない
「今すぐ家から出て行くなら善
出て行かないなら追い出すわよ」
「着たくないのか?
……アリスが着たら可愛いと思ったのになぁ」
かっ、可愛いって!!
「しょ、しょうが無いわねぇ
どうしてもって言うなら着てあげなくもないわよ」
「本当か?
ありがとな、大好きだぜ」
だ、大好き……
「はっ!!」
「うんうん
思ったとおりすげぇ似あうぜ」
大好きといわれて嬉しさのあまりぼぉっとしていたみたいだ
気付いたらさっき魔理沙が持っていたぶれざーに着替えさせられていた
「ところで、何であんたまで着替えてるの?」
「えっ?
な、何でだろうな?」
魔理沙は私と色違いの服を着て前に立っていた
「私に着せるために来たんならあんたが着る必要ないんじゃない?」
「そっ、そうだよな
私としたことがうっかりだぜ」
そういって、凄く残念そうに服を着替えようとする
……もしかして、魔理沙は私に着せるという口実の下
自分が着たかったんじゃないのだろうか
「ちょっと待ちなさい
私だけ着るのは不公平だからあんたも着なさい」
「ア、アリスが言うならそうするぜ」
嬉しそうだなぁ
着たがっているのがバレバレだ
大方一人で家で着替えているのが恥ずかしかったのだろう
「次はこれなんてどうだ?」
その服は知っているワンピースとか言う服だ
凄く女の子らしい色合いとビーズなどの装飾がされている
「何て言うか変な気分ね」
「どうしたんだ?」
「いつもと違う服を着てるって考えてるとね
不思議と開放的になるわ」
「そうだな、アリスはこんな服着たことなさそうだしな」
「あら、魔理沙は着たことあるの?」
「あぁ、小さい頃はこんな服ばっかり着てたぜ」
「そう」
小さい頃の話をする時の魔理沙は楽しそうなのに辛そう
凄く矛盾した表情をしている
小さい頃に何かあったのだろう
気になるが今は聞く時じゃない
「ねぇ」
「ん、どうしたんだ?」
「何で魔理沙は普段からこんな感じの服を着ないの?
すごく可愛いのに」
魔理沙の頭を撫でながら尋ねてみる
「…………」
「…………」
返事が無い
どうしたのかしら
「魔理沙?」
「か、かかか、かわいって」
可愛いと言われたことに動揺しているようだ
こういうところも本当に可愛いとおもう
「ちょっと落ちつきなさい」
「ふ、不意打ちなんて
ず、ずるいんだぜ」
「何が不意打ちなのよ」
「急に可愛いって言うなんて吃驚するじゃないか」
魔理沙は褒められる事に慣れていない
だから、急に褒めると吃驚して固まってしまうらしい
「はいはい、で?何で着ないの」
「だって、恥ずかしいじゃないか」
「恥ずかしい?」
「こ、こんな可愛い服
私に似あうはずないし」
そういう事か
「そんなことないわよ
凄く似合ってるし魔理沙も可愛いわよ」
「……本当?」
「本当よ、私は嘘はつかないんだから」
「そっか」
嬉しそうだ
魔理沙は本当はとても弱い存在だ
その事が魔理沙にとっては嫌らしく
皆の前では凄く無理をしている
でも、私の前でだけ本当の姿を見せてくれる
そうやって魔理沙は私に癒しを求めてくる
その事が私は凄く嬉しい
「姉妹みたいね」
「な、何が?」
「こうやってお揃いの服を着て一緒に並んでると
姉妹みたいに見えるわねってことよ」
「そ、そうか
姉妹か……」
「嫌だった?」
「い、嫌じゃないよ
お、お姉ちゃん……?」
グッときた
これはまずい、上目遣いでお姉ちゃんと甘えてくる魔理沙
あまりの可愛さに気絶するところだった
「ど、どうしたんだぜ?」
「何でも無いわ」
「そっか、それならいいんだけどな」
「そう言えば、この服は霖之助さんの所にあったらしいけど
また盗んできたの?」
「いや、これは香霖がくれるって言うからもらってきたんだ」
「そう、じゃあこれは自由にしてもいいのね」
「何かに使うのか?」
「そうね、今度これを着て人里にでも行ってみる?」
「そっそんな恥ずかしい事で出来る筈ないんだぜ」
「大丈夫よ、いつもの服装と違って魔理沙だって気付く人はいないわ」
「そうかな?
じゃ、じゃあまた今度一緒に行こうな」
「えぇ」
終
後日談
結局人里に行くことはなかった
その理由は、あの日の事を射命丸に撮られて
記事にされたからだ
『白昼の逢引』
と言う記事で私達が一緒に服を着替えている写真や
着替えた後の光景が載せられていた
もちろん、そんな記事を載せられて許しておけるはずが無いので
私と魔理沙の手で全治半年の重症の身にしてやった
まぁ、射命丸をやっつけた所で記事が無かった事になる訳も無く
魔理沙の可愛さに気付いた連中が連日魔理沙の家に押し掛けてきた
挙句の果てに
あんな可愛い魔理沙は、あんたにはもったいないとか言いながら
私の家にまで来るやつが出始めた始末だ
そんなこんなでどっぷり疲れた魔理沙は暫くの間
私にべったりだった
まぁ、その事だけで私にとっては良かったかな
それはいったい何のつもりかしら?」
私は彼女が妙にうれしそうに手に持っている
不思議な衣服らしき物を睨みながら尋ねた
「あぁ、これか?
香霖が持ってたんだがな外の世界の服でブレザーとか言うらしい
ほら、他にもいろんなのがあるぜ」
「で?そのぶれざーとやらを私の家に持ってきてどうするつもり?」
「もちろん、アリスを着せかえて遊ぶんだぜ」
呆れて溜息すら出てこない
「今すぐ家から出て行くなら善
出て行かないなら追い出すわよ」
「着たくないのか?
……アリスが着たら可愛いと思ったのになぁ」
かっ、可愛いって!!
「しょ、しょうが無いわねぇ
どうしてもって言うなら着てあげなくもないわよ」
「本当か?
ありがとな、大好きだぜ」
だ、大好き……
「はっ!!」
「うんうん
思ったとおりすげぇ似あうぜ」
大好きといわれて嬉しさのあまりぼぉっとしていたみたいだ
気付いたらさっき魔理沙が持っていたぶれざーに着替えさせられていた
「ところで、何であんたまで着替えてるの?」
「えっ?
な、何でだろうな?」
魔理沙は私と色違いの服を着て前に立っていた
「私に着せるために来たんならあんたが着る必要ないんじゃない?」
「そっ、そうだよな
私としたことがうっかりだぜ」
そういって、凄く残念そうに服を着替えようとする
……もしかして、魔理沙は私に着せるという口実の下
自分が着たかったんじゃないのだろうか
「ちょっと待ちなさい
私だけ着るのは不公平だからあんたも着なさい」
「ア、アリスが言うならそうするぜ」
嬉しそうだなぁ
着たがっているのがバレバレだ
大方一人で家で着替えているのが恥ずかしかったのだろう
「次はこれなんてどうだ?」
その服は知っているワンピースとか言う服だ
凄く女の子らしい色合いとビーズなどの装飾がされている
「何て言うか変な気分ね」
「どうしたんだ?」
「いつもと違う服を着てるって考えてるとね
不思議と開放的になるわ」
「そうだな、アリスはこんな服着たことなさそうだしな」
「あら、魔理沙は着たことあるの?」
「あぁ、小さい頃はこんな服ばっかり着てたぜ」
「そう」
小さい頃の話をする時の魔理沙は楽しそうなのに辛そう
凄く矛盾した表情をしている
小さい頃に何かあったのだろう
気になるが今は聞く時じゃない
「ねぇ」
「ん、どうしたんだ?」
「何で魔理沙は普段からこんな感じの服を着ないの?
すごく可愛いのに」
魔理沙の頭を撫でながら尋ねてみる
「…………」
「…………」
返事が無い
どうしたのかしら
「魔理沙?」
「か、かかか、かわいって」
可愛いと言われたことに動揺しているようだ
こういうところも本当に可愛いとおもう
「ちょっと落ちつきなさい」
「ふ、不意打ちなんて
ず、ずるいんだぜ」
「何が不意打ちなのよ」
「急に可愛いって言うなんて吃驚するじゃないか」
魔理沙は褒められる事に慣れていない
だから、急に褒めると吃驚して固まってしまうらしい
「はいはい、で?何で着ないの」
「だって、恥ずかしいじゃないか」
「恥ずかしい?」
「こ、こんな可愛い服
私に似あうはずないし」
そういう事か
「そんなことないわよ
凄く似合ってるし魔理沙も可愛いわよ」
「……本当?」
「本当よ、私は嘘はつかないんだから」
「そっか」
嬉しそうだ
魔理沙は本当はとても弱い存在だ
その事が魔理沙にとっては嫌らしく
皆の前では凄く無理をしている
でも、私の前でだけ本当の姿を見せてくれる
そうやって魔理沙は私に癒しを求めてくる
その事が私は凄く嬉しい
「姉妹みたいね」
「な、何が?」
「こうやってお揃いの服を着て一緒に並んでると
姉妹みたいに見えるわねってことよ」
「そ、そうか
姉妹か……」
「嫌だった?」
「い、嫌じゃないよ
お、お姉ちゃん……?」
グッときた
これはまずい、上目遣いでお姉ちゃんと甘えてくる魔理沙
あまりの可愛さに気絶するところだった
「ど、どうしたんだぜ?」
「何でも無いわ」
「そっか、それならいいんだけどな」
「そう言えば、この服は霖之助さんの所にあったらしいけど
また盗んできたの?」
「いや、これは香霖がくれるって言うからもらってきたんだ」
「そう、じゃあこれは自由にしてもいいのね」
「何かに使うのか?」
「そうね、今度これを着て人里にでも行ってみる?」
「そっそんな恥ずかしい事で出来る筈ないんだぜ」
「大丈夫よ、いつもの服装と違って魔理沙だって気付く人はいないわ」
「そうかな?
じゃ、じゃあまた今度一緒に行こうな」
「えぇ」
終
後日談
結局人里に行くことはなかった
その理由は、あの日の事を射命丸に撮られて
記事にされたからだ
『白昼の逢引』
と言う記事で私達が一緒に服を着替えている写真や
着替えた後の光景が載せられていた
もちろん、そんな記事を載せられて許しておけるはずが無いので
私と魔理沙の手で全治半年の重症の身にしてやった
まぁ、射命丸をやっつけた所で記事が無かった事になる訳も無く
魔理沙の可愛さに気付いた連中が連日魔理沙の家に押し掛けてきた
挙句の果てに
あんな可愛い魔理沙は、あんたにはもったいないとか言いながら
私の家にまで来るやつが出始めた始末だ
そんなこんなでどっぷり疲れた魔理沙は暫くの間
私にべったりだった
まぁ、その事だけで私にとっては良かったかな
お姉ちゃん…堪りませんな!(何 良いマリアリでした。
ありがとうございます
そう思って頂ければ幸いです
≫2様
はい、アリスじゃなければ死んでましたよ
気が確かでなかったとはいえ、棒立ち状態のアリスを着替えさせた魔理沙…恐ろしい…ww
10作品、おめでとうございます!