「はあ・・・相変わらずお賽銭がないわねえ・・・」
博麗霊夢は10にも満たない数の賽銭を見て大きなため息をついた。
食うのに困るほど貧乏というわけでもないが、賽銭がないのは神社として喜ばしくないことだ。
巫女として、実はよく知らない神社の神に何か悪いような気がちょっとは起こったりするのである。
どうにか集まらないものかなぁーっと境内の掃除をしながら考えていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「霊夢、いるかしら?」
「ん?・・・アリス?」
霊夢は声のする方向に顔を向ける。
そこに居たのは、昔から付き合いのある七色の人形使い・・・ではなく
「あー・・・驚かないでね。」
そこに居たのは、霊夢が初めて見る人間だった。
いや、妖怪かもしれない。というか妖怪として分類していいのかもわからない
"それ"は黒い体を持ち、銀色の胸当てを付け、ところどころに黄色のラインが走り
なにより顔が黄色いバツ印のマスクだった。
「・・・あー、宝具『陰みょー(ry」
「いやいや待って霊夢!?私よ!アリスよアリス!」
その正体不明のモノはガタイの良さに似合わず、焦りながら霊夢の肩をつかみ可愛く揺さぶってきた。
霊夢はどうも白けたような冷たい目線のまま問いかける。
「アリス、なにそれ?」
アリスと呼ばれたソレは、顎の部分に手を置くと、困ったように答えた。
「それが…よくわからないのよ。今朝香霖堂の近くでベルトのようなものと、数字が書かれた変なのを見つけて
傍に説明書もついてたから、その通りにしてみたら、こんな姿に…」
「それって外の世界か河童のいたずらじゃないの?」
霊夢は呆れたようにため息をつきながら、境内の掃除を再開し始めた。
「んー河童にここまでの技術力があるかしら……。なにせ、この姿になってから、肉体のパワーが上昇したのよ?」
試しに、とアリスは足元の地面を見据えると、右手に握りこぶしを作り、おもいっきり振り下ろした。
「でぇあああああああああああああああ!!!!」
バーン!っという音と共に、アリスの足元の地面は大きく弾け、直径数mはあろうクレーターが意図も簡単に現れた。
思わず霊夢も目を見張った。魔法使いとしては一流のアリスだが、肉体的には見た目相応の可憐な少女だ。
どこぞの鬼のような怪力は持っていないはずである。
「アリス……それは一体……」
「さあ?説明書ならあるから貴方も読んでみれば?」
ぽんとアリスに紙の束を手渡される霊夢。
とりあえずパラパラと読んでみると、赤字で書かれた奇妙な注意書きが目についた。
『※なお、このカイザのベルトは、オルフェノク以外が装着すると、装着者は灰にな・・・」
「あ、そうだ霊夢。貴方もつけてみる?今外すわ」
そういってアリスは、腰に巻いてあるベルトを触った。そして少し手間取りつつもベルトの中央にある謎の機械を外す。
そしてベルトを持ったまま霊夢に向かって手渡そうとし
「ちょ・・・アリス待った待った!!」
「はいこれ、貴方もつけてmィ」
シャーと、アリスの体が灰になって崩れた。
まるで、最初から砂で出来ていたかのように、サァーっと流れるように。
アリスのいた場所には、アリスの上海人形と灰の塊が山をつくっていた。
「……」
あまりの事態に霊夢はただ立ちすくんでいた。
(これ……どうすればいいのかしら?流石に箒で片付けたらマズイわよね。紫かなぁ……やっぱこういうのは
その前になんか全責任が私にあるってことになりそうな予感が……今のうちに隠蔽工作を…)
などと考えていると、またもや聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おーい霊夢。お茶飲みに来たぜ。」
普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
霊夢の昔からの友人であり、アリスとも付き合いは長かった。
彼女が今、空から境内に降りる。
ちょうどアリスだったものの上に。
どさっと、魔理沙の足が上海人形を踏んだ。
魔理沙を自分の足元を確認した。上海人形と、謎の灰。
よくみれば灰の中に見覚えのあるリボンが見えた。
「・・・・・・」
少しの沈黙ののち、魔理沙は叫んだ。
「れ、れ、れ・・・霊夢がアリスを燃やしたァァァァァァ!!!??」
「いやいやいやいや違うわよってか違うっていうかちょ!?マスパやめなさい!?」
「見損なったぜ霊夢!恋愛関係のもつれからアリスを殺すなんて・・・許さ゛ん゛!?」
「だから違うの、これは(ry」
「これは犬走椛って奴の仕業らしいねえ・・・あいつは悪魔なんだよ」
「どっから出てきたニュー天狗!?」
「なんだって!?それは本当かい?」
「霖之助さん!?・・・てか魔理沙、ちょ!?首だめ!死ぬ!ってか折れる!?」
こうして三日三晩にわたって続いた巫女vs魔法使いの戦いは、後に血の9月13日として
求聞史紀に記録されるのであった。
※アリスは魔界神が美味しく元に戻しておきました。
博麗霊夢は10にも満たない数の賽銭を見て大きなため息をついた。
食うのに困るほど貧乏というわけでもないが、賽銭がないのは神社として喜ばしくないことだ。
巫女として、実はよく知らない神社の神に何か悪いような気がちょっとは起こったりするのである。
どうにか集まらないものかなぁーっと境内の掃除をしながら考えていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「霊夢、いるかしら?」
「ん?・・・アリス?」
霊夢は声のする方向に顔を向ける。
そこに居たのは、昔から付き合いのある七色の人形使い・・・ではなく
「あー・・・驚かないでね。」
そこに居たのは、霊夢が初めて見る人間だった。
いや、妖怪かもしれない。というか妖怪として分類していいのかもわからない
"それ"は黒い体を持ち、銀色の胸当てを付け、ところどころに黄色のラインが走り
なにより顔が黄色いバツ印のマスクだった。
「・・・あー、宝具『陰みょー(ry」
「いやいや待って霊夢!?私よ!アリスよアリス!」
その正体不明のモノはガタイの良さに似合わず、焦りながら霊夢の肩をつかみ可愛く揺さぶってきた。
霊夢はどうも白けたような冷たい目線のまま問いかける。
「アリス、なにそれ?」
アリスと呼ばれたソレは、顎の部分に手を置くと、困ったように答えた。
「それが…よくわからないのよ。今朝香霖堂の近くでベルトのようなものと、数字が書かれた変なのを見つけて
傍に説明書もついてたから、その通りにしてみたら、こんな姿に…」
「それって外の世界か河童のいたずらじゃないの?」
霊夢は呆れたようにため息をつきながら、境内の掃除を再開し始めた。
「んー河童にここまでの技術力があるかしら……。なにせ、この姿になってから、肉体のパワーが上昇したのよ?」
試しに、とアリスは足元の地面を見据えると、右手に握りこぶしを作り、おもいっきり振り下ろした。
「でぇあああああああああああああああ!!!!」
バーン!っという音と共に、アリスの足元の地面は大きく弾け、直径数mはあろうクレーターが意図も簡単に現れた。
思わず霊夢も目を見張った。魔法使いとしては一流のアリスだが、肉体的には見た目相応の可憐な少女だ。
どこぞの鬼のような怪力は持っていないはずである。
「アリス……それは一体……」
「さあ?説明書ならあるから貴方も読んでみれば?」
ぽんとアリスに紙の束を手渡される霊夢。
とりあえずパラパラと読んでみると、赤字で書かれた奇妙な注意書きが目についた。
『※なお、このカイザのベルトは、オルフェノク以外が装着すると、装着者は灰にな・・・」
「あ、そうだ霊夢。貴方もつけてみる?今外すわ」
そういってアリスは、腰に巻いてあるベルトを触った。そして少し手間取りつつもベルトの中央にある謎の機械を外す。
そしてベルトを持ったまま霊夢に向かって手渡そうとし
「ちょ・・・アリス待った待った!!」
「はいこれ、貴方もつけてmィ」
シャーと、アリスの体が灰になって崩れた。
まるで、最初から砂で出来ていたかのように、サァーっと流れるように。
アリスのいた場所には、アリスの上海人形と灰の塊が山をつくっていた。
「……」
あまりの事態に霊夢はただ立ちすくんでいた。
(これ……どうすればいいのかしら?流石に箒で片付けたらマズイわよね。紫かなぁ……やっぱこういうのは
その前になんか全責任が私にあるってことになりそうな予感が……今のうちに隠蔽工作を…)
などと考えていると、またもや聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おーい霊夢。お茶飲みに来たぜ。」
普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
霊夢の昔からの友人であり、アリスとも付き合いは長かった。
彼女が今、空から境内に降りる。
ちょうどアリスだったものの上に。
どさっと、魔理沙の足が上海人形を踏んだ。
魔理沙を自分の足元を確認した。上海人形と、謎の灰。
よくみれば灰の中に見覚えのあるリボンが見えた。
「・・・・・・」
少しの沈黙ののち、魔理沙は叫んだ。
「れ、れ、れ・・・霊夢がアリスを燃やしたァァァァァァ!!!??」
「いやいやいやいや違うわよってか違うっていうかちょ!?マスパやめなさい!?」
「見損なったぜ霊夢!恋愛関係のもつれからアリスを殺すなんて・・・許さ゛ん゛!?」
「だから違うの、これは(ry」
「これは犬走椛って奴の仕業らしいねえ・・・あいつは悪魔なんだよ」
「どっから出てきたニュー天狗!?」
「なんだって!?それは本当かい?」
「霖之助さん!?・・・てか魔理沙、ちょ!?首だめ!死ぬ!ってか折れる!?」
こうして三日三晩にわたって続いた巫女vs魔法使いの戦いは、後に血の9月13日として
求聞史紀に記録されるのであった。
※アリスは魔界神が美味しく元に戻しておきました。
>※アリスは魔界神が美味しく元に戻しておきました。
ほう、魔界神さまがアリスをどのように『美味しく』元に戻したか興味がありますねぇ・・・。
とりあえず、私もどのように『美味しく』元に戻したのか気になります…