Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

幻想郷天下一トーナメント ~仲間集め編~

2010/09/13 10:37:17
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はじめに

この話は、自分がずっと頭の中で妄想していた『東方キャラで天下一武闘会的なものをやったら』という内容を形にしたものです。
バトルを描写する文章力も大長編を書く気力もなくずっと頭の中だけに留まっていましたが、
作家スレにて許しをもらいまして、「かんたん文章」にて公開させていただきます


描写を簡略した文章
名前「セリフ」の形式
台本に近い文章。

このような「かんたん文章」が許せない、SSとして認めない!と考えている方は、ここで回れ右をしてください。
許していただける方はどうかお付き合いください





幻想郷天下一トーナメントの手紙が魔理沙のもとにやってくる。
こんな面白そうなイベントに参加しないわけがない!と息巻く魔理沙。
しかし、その手紙にはこんな文章が・・・・

魔理沙「・・・・チーム戦。4~5人でチームを組んでくださいってか。」

魔理沙「ふむ、組織を組んでるやつらならいいが、私はそういうわけじゃないからな。」

魔理沙「まずは仲間集めといくか!」



魔法の森編

さっそく魔理沙は近くにいるアリスを誘おうとする。
しかし、アリスのもとにも手紙が来ていて、アリスの考えは違った。

アリス「なるほど・・・それで、最初に近場にいる私を潰そうってわけね。」

魔理沙「はあ?何言ってるんだ?私はただ・・・」

アリス「黙りなさい。あいにく私は簡単にやられるつもりはないわ。行くわよ!」

魔理沙「話を聞けって!・・・しょうがない、いっちょやるか!」


アリスと魔理沙のバトル。
間一髪のところでマスタースパークが決まり、魔理沙が勝利をおさめる。

アリス「・・・私の負けよ。よかったわね、身近な敵が一人消えて。」

魔理沙「ああ、そうだな。お前は敵なんかじゃない、私の仲間になれ!」

アリス「・・・私を?本気で言っているの?」

魔理沙「嘘なんかつくかよ。お前の力が必要なんだ。
     負けたんだから文句は言わせないぜ。私と一緒に戦ってくれるな?」

アリス「・・・仕方ないわね。そんなに言うなら、なってあげなくもないわ。」


口ではそう言っているものの、表情はとても柔らかだった。
アリスが一人目の仲間になった!







紅魔の湖編


アリス「で、他の仲間のアテはあるの?」

魔理沙「それがなあ、まったくないんだぜ。」

アリス「ないんだぜ、じゃないでしょ。最低でもあと2人か3人は集めないと。
    霊夢には声をかけたの?」

魔理沙「いや・・・・霊夢はいい。やめておこう。」

アリス「・・・?」

霊夢の名が出ると、魔理沙の表情に少しかげりが見えた。
不思議に思うアリスだったが、それ以上追及することはしなかった。

アリス「じゃあ、これからどうするのよ。」

魔理沙「紅魔館にでも行こうかと思ってる。あそこなら馴染み深いし、一人ぐらいなら貸してくれるんじゃないか?」

アリス「そううまくいけばいいけど・・・」



~~紅魔館にて~~

レミリア「ダメよ。」

アリス「やっぱり・・・」

魔理沙「そう言わずに一人ぐらいさあ、パチュリー貸してくれよ。」

レミリア「もう我が紅魔館は5人チームでの出場を決めているわ。
     美鈴、咲夜、パチェ、小悪魔、そして私。」

魔理沙「・・・・フランはいないのか?」

レミリア「出せるわけないでしょ。あの子の狂気はまだ収まったわけじゃない。
     ・・・そういうわけだから、うちからは一人も出せないわよ。他をあたりなさい。」

アリス「仕方ないわ。魔理沙、あきらめましょ。」

魔理沙「・・・ちぇっ、わかったよ。」




紅魔館から帰る道すがら、湖の傍で集まってるチルノたちを見つける。
そこへ降り立つ魔理沙とアリス。


魔理沙「よ~、バカルテッド勢ぞろいだな。何やってるんだ?」

チルノ「あ、魔理沙!バカっていうなー!」

ルーミア「私達もこの大会に出たいのかー。」

アリス「あなたたちが?・・・悪いことはいわないから、やめておいたほうがいいわよ。」

大妖精「そうだよ、絶対危ないから、やめようよ~。」

リグル「紅魔館の人達とか、すっごく強い人たちが出るんでしょ?
     私達が出ても、たかが知れてるよ。」

ミスティア「・・・・とまあ、こんな感じで賛成派と反対派にわかれてるって感じ。
       私も反対派かな。屋台の仕事のほうが大事だし。」



「あら、あなたたちはそんな心配することはないのよ?」



魔理沙「あ、お前はたしか・・・」

チルノ「レティ!」

突然現れたレティを見て、歓喜の表情いっぱいにして駆け寄るチルノ。しかし・・・

レティ「邪魔よ。」

そのチルノを片手で払いのけるレティ。あわててチルノに駆け寄るミスティア達。

大妖精「チルノちゃん!」

ミスティア「大丈夫?」

チルノ「レティ・・・?」

信じられないといった表情でレティを見つめるチルノ。
レティは怪しい表情を浮かべながら、吹雪を起こす。

魔理沙「なっ・・・・おい、なんのつもりだ!」

レティ「私も大会に参加しようと思ってね。といっても、チームはこんな雑魚達じゃない。
    私が仲間に入れてもらうのは・・・八雲紫のチーム。」

アリス「八雲紫!?・・・・悪いけど、あなたじゃあそこには入れないと思うけど。」

レティ「それがそうでもないのよ。あの一家は紫、藍、橙。あと2人の空きがあるわ。
    最強と謳われた八雲紫だもの、あのチームに入りたいと思ってる妖怪はたくさんいるわ。
    それが一番、優勝への近道だものね。そして紫は私の前に現れ言った。
    あの氷精たちを氷付けにすれば、私をチームに入れてくれると!」

魔理沙「お前そんなこと信じてるのかよ!嘘に決まってるだろ、私達を潰しあいさせるための!」

アリス「・・・・ダメね。きっとあのスキマ妖怪に心をいじられてる。正気に戻すには・・・」

魔理沙「・・・ぶちのめすしかないってことか!」



レティvs魔理沙&アリス+バカルテッド 
八雲紫の力を得て、大幅にパワーアップしたレティの前に苦戦するも、
大妖精達の説得で再び立ち上がったチルノの力を借りて、レティを倒す。



チルノ「・・・・レティ!」

レティ「チルノ・・・ごめんね。私、どうかしていたわ。紫と会ってから、私は・・・」

チルノ「もういいよ・・・もういいから!」

レティ「気をつけて・・・この大会は危険よ。私と同じように、紫にそそのかされている奴がまた出てくるかもしれない・・・。」


レティはそれだけ言い残して気を失った。そっとレティを寝かせるチルノ。
そして、魔理沙とアリスに向き合う。

チルノ「魔理沙・・・お願いがあるの。あたいを仲間に入れて。」

アリス「・・・理由を、聞かせてくれる?」

チルノ「あたいは、レティをこんなにした紫をゆるせない。
     だけど、みんな・・・大ちゃん達をきけんな目にもあわせたくない。
     だから、魔理沙達といっしょに、この大会に参加するの。」

魔理沙「・・・わかった。一緒に戦おう、そんで、紫をぶっ飛ばすんだ!・・・やれるな?」

チルノ「あたりまえよ!・・・だって、あたいは、さいきょーだもの!」



チルノが仲間に加わった!




白玉楼編


魔理沙「よし、じゃあ次は・・・冥界に行くぞ!」

チルノ「めいかいって、妖夢とかがいるところ?どうして?」

魔理沙「この大会で紫が不穏な動きをしてるのは間違いない。
     だが、私達は紫のいる場所に行くことは無理だ。
     だったら、奴らに一番近い冥界の奴らに話を聞こうってことだ。」

アリス「可能ならば、そこで仲間も増やしたいわね。」

チルノ「あたいも行く!」

魔理沙「よーし、善は急げだ!行くぜ!」



~~白玉楼にて~~


湖で起こったことを幽々子に説明する3人。

魔理沙「・・・ということがあったんだ。」

幽々子「なるほどね~。一応言っておくけど、私は関与してないわよ?
     私はこんな大会なんかに興味ないし。」

チルノ「参加しないの?」

幽々子「しないわよ~。面倒だもの。」

アリス「紫からの誘いはあったんじゃない?ここの二人と八雲一家を合わせると、ちょうど5人になるし。」

幽々子「ええ、でも断ったわ。面倒だし、今の話を聞いちゃったらなおさらね。
     紫のことだから何か意図があるんでしょうけど、そんなことする人と一緒のチームにはなりたくないわ~。」

魔理沙「なんだこの幽々子・・・すげえまともだぞ。既に心をいじられてるんじゃないか?」

幽々子「失礼ね!」



一方そのころ、魔理沙達3人を通し庭の手入れに戻った妖夢。

妖夢「通しちゃったけど大丈夫かな。まあアリスがいるから無茶はしないと思うけど・・・」




「残された枠は2つ・・・いや、3つになる。」
「あの紫のことだもの、弱い橙は仲間に入れるとは思えないわ~。」
「つまり、ここで冥界の二人をたたいておけば、私達がチームに入れる確率があがる!」



その妖夢の元に、怪しい影が降り立つ。


妖夢「・・・千客万来ですね。あなた達も幽々子様に用が?」

メルラン「ええ、そうよ~、でも、あなたにもあるわ~。」
リリカ「私達が八雲チームに入るために、ここで邪魔者は消しておかなきゃね!」
ルナサ「・・・・そういうことだ。いくらお前とて、3人同時相手はキツかろう。」


魔理沙「3対4ならどうかな!」


妖夢「魔理沙!・・・それに、アリス、チルノ!」

アリス「帰り道すがら、とんでもない場面に出くわしちゃったわね。」

チルノ「よくわかんないけど、レティと同じことしようとしてるなら、させないわよ!」


ルナサ「面白い、トーナメントの前哨戦ってわけだ。妹たち、行くぞ!」


そのまま、1VS1のバトルに突入する。


チルノVSリリカ
リリカの狡猾な嘘に騙され攻撃を受けるものの、キーボードを凍らせ戦闘不能にしたチルノが勝利

アリスVSメルラン
メルランの力でハイテンションにして混乱させようとしたメルランだが、
アリスは冷静さを失うことなくメルランに勝利する

魔理沙&妖夢VSルナサ

ルナサの音で欝になり一時戦闘不能に陥りかける妖夢だが、
魔理沙の言葉で復活、二人でルナサを撃破する。



魔理沙「ふう・・・初めてのチーム戦だったが、まずまずだな!」

チルノ「あたいたち、さいきょーね!」

アリス「相手が格下だったとはいえ、上々ね。・・・あれ?妖夢は?」


勝利を喜ぶ魔理沙達。しかしそこに、妖夢の姿が無いことに気づく。

「いやいや、なかなか面白いものを見せてもらったよ。」


そしてあらわれる、もうひとつの影。それは・・・


アリス「八雲・・・・藍!」

藍「いかにも。君達の強さはなかなかのものだったよ。だが・・・まだ甘い。」


藍の腕の中には、気を失った妖夢がいた。


魔理沙「妖夢!」

藍「幽々子嬢、これが見えますか?あなたの大事な庭師が私の腕にある。
  我々のチームはまだ人数が揃っていなくてね、うっかりこの庭師を洗脳してしまうかもしれない。」

幽々子「・・・・どういうつもり?」

藍「簡単な話ですよ。選んでください。庭師が洗脳されつつ私達のチームに入ってもらうか、
  それとも庭師を解放するかわりに、主人自ら私達のチームに入ってもらうか。
  紫様は、あなたに入ってほしいと思っているでしょうけどね。」

魔理沙「汚ねぇぞ!」

チルノ「ひきょうだ!」

幽々子「・・・・いいわ。私があなた達のチームに入る。その代わり約束してちょうだい。
     もう妖夢には手を出さないと。」

アリス「幽々子!そんな・・・」

藍「懸命な判断、ありがとうございます。・・・じゃあ、行きましょうか。」


藍の言葉と同時に、白玉楼にスキマがあらわれる。
スキマに向かって歩いていく幽々子。

幽々子「・・・魔理沙。最後にひとつ、お願いがあるの。聞いてくれる?」

魔理沙達にひとつの願いをたくして・・・・




目が覚めた妖夢。自分が人質になって幽々子を渡してしまったことで、激しく自分を責める。
そんな妖夢に魔理沙は、幽々子から預かった言葉を告げる。

魔理沙「幽々子は最後に、私達にこう言っていった。
     ・・・・妖夢を、私達の仲間にしてくれってな。」

妖夢「私が、あなた達の仲間に・・・?」

魔理沙「ああ。それでトーナメントを勝ち上がって、自分のチームを倒してくれ、だってさ。」

アリス「私達もそれには異存なし。あなたの意思さえあれば、仲間に入ってほしい。」

チルノ「一緒に戦おうよ!」


3人の言葉を受けて、刀を握りしめる妖夢。

妖夢(・・・幽々子様。私がふがいないばかりに、すみませんでした。
    必ず救い出してみせます。この刀、そして、仲間達と共に!)


妖夢「・・・私も、戦います。あなた達と一緒に、戦わせてください!」


妖夢が、仲間に加わった!









竹林編



魔理沙「これでめでたく4人になったわけだ。一応、最低限の人数は揃ったが・・・」

アリス「やっぱり、5人いたほうがいいわね。他のチームも、きっと5人で揃えてくるはず。」

チルノ「次は、どこに行くの?」

妖夢「・・・私にひとつ、考えがあるのだけど。」


妖夢が提案した場所、それは・・・


~~永遠亭~~

妖夢の提案で永遠亭へとやってきた4人。
鈴仙の案内を受けて、輝夜の部屋へと招きいれられた。


輝夜「・・で、私達のところに来たってわけね。」

妖夢「ここの姫様はあまり好戦的じゃないから、もしかしてと思って。」

輝夜「残念だけど、参加するつもりでいるわ。なんたって優勝したら・・・」

チルノ「なになに?優勝したら何かあるの?」

輝夜「・・・なによあなたたち、まさか知らないの?優勝したら何が得られるか。」

輝夜のその言葉を聞いて、顔を見合わせる魔理沙達。

魔理沙「いや・・・・手紙にゃなにも書いてなかったし、ただ面白そうだから参加しただけだぜ。」

アリス「あとは私もチルノも妖夢も、その魔理沙に誘われた形だしね。」

輝夜「そう・・・まあ、そのうち知ることになるわよ。」

輝夜は含みをある笑みを浮かべ、それ以上は語ろうとはしなかった。
その後すぐに表情を変え、今度はいたずらっぽい笑みを浮かべる。

輝夜「それはそうと、私達は参加するけど、そちら誰かをレンタルすることはやぶさかではないわ。」

妖夢「本当ですか!?」

輝夜「ええ。実は私が仲間にしたいと思ってる奴が一人居てね、でもそいつがなかなか首を縦に振らないのよ。
    もしそいつを連れてくることが出来たら、代わりにうちのイナバを仲間に加えてかまわないわ。」

輝夜は魔理沙に、その人物の写真と地図を手渡した。

魔理沙「・・・!こいつは・・・」

輝夜「知ってるでしょう?頼んだわね。」



~~竹林にて~~

魔理沙たち4人は、地図の通りにある人物の家へとやってきた。

魔理沙「・・・というわけだ。」

妹紅「なるほど、・・・騙されてるよ、あんた達。」

魔理沙が妹紅の家へとやってきた経緯、輝夜からの頼まれたことを話すと、
妹紅は大きくため息をはきながら呆れてみせた。」

チルノ「だまされてるって?あたいたちが?」

妹紅「大方仲間をあげるだなんて甘い言葉に乗ったんだろうが、
    私はあいつのチームに入る気はないし、あいつも私を自分のチームに入れる気はないだろう。
    つまりあいつのお得意の無理難題ってわけ。困る姿を見て楽しんでるに過ぎないよ。」

魔理沙「ああ。そのくらいのことは、お前の名前があいつから出た時点でわかっているさ。」

妹紅「ならいいだろ?他をあたって・・・」

魔理沙「だが、この魔理沙様がただ何もなしに騙されてやるわけがないだろ?
     別の目的があってここに来たんだ。・・・妹紅、私たちのチームに入ってくれ!」



妹紅「断る。」


魔理沙「・・・私たちのチームに入れば、いずれ永遠亭のチームともあたる。
     そうすれば、輝夜とも戦えるぜ?」

妹紅「あいつとはいつだって戦える。それこそ明日でも明後日でもな。
    わざわざお前たちのチームに入る必要はない。」

チルノ「いっしょに戦ったほうがつよいよ!」

妹紅「私一人で勝たなきゃ意味がないんだ。それにこのトーナメントとやらにも興味ない。
    ・・・・さ、話はここまでだ。他をあたりな。」

妹紅はそう言うと、家の扉を閉めてしまった。

妖夢「・・・やはり無理があったんじゃないですか?彼女を仲間にするってのは。」

アリス「妹紅の言う通り、他をあたったほうがいいんじゃなかしら。」

方針転換を進める二人。しかし魔理沙は首を横に振る。


魔理沙「二人とも、この私が一度狙ったものをすんなりと諦める人間だと思うか?」

アリス「思わないわね。身をもって体験してるし。」

魔理沙「そういうことだ。私は絶対に、あいつを仲間にしてみせる!」

チルノ「おー!」

妖夢「・・・といっても、本人はあの調子だし、ここからの挽回は難しいような気がしますけど。」

魔理沙「本人へのアプローチはもう無理だろうな。だから外堀から攻める!」

チルノ「外堀?」

魔理沙「人里に居るだろ?あいつと親しいハクタクがさ。」

アリス「あ・・・」


~~人里~~


慧音「・・・それで、今度は私のところに来たわけか。」

魔理沙「頼むぜ、あいつを説得してほしいんだ。」

アリス「あなたの言葉なら、妹紅も聞き入れてくれると思って。」

慧音「ふむ、私個人の意見を言わせてもらうなら、私もお前たちに賛成だ。
    あいつは『仲間』というものを持ったことがない。
    お前たちの仲間に加わるという経験は、必ずあいつにとってプラスになる。」

妖夢「それじゃあ・・・!」

慧音「しかし、そのトーナメント自体が胡散臭いものでもある。
    お前たちは知っているか?このトーナメントの優勝商品とやらを。」

アリス「・・・輝夜も言っていたわ。一体何があるの?」

慧音「はっきり言って、とんでもない代物だ。
   手にするものによっては、幻想郷のバランス自体が崩れかねない。」

魔理沙「そんなにすごいものなのか!?」

慧音「ああ。・・・それは・・・」

慧音が口を開きかけたその瞬間であった。
あわてた様子で、村人が慧音の家へとやってきた。


村人「け、慧音様!」

慧音「どうした!」

村人「こ、この人があなたに会いたいと・・・うっ!」


村人は首に手刀を入れられて気絶して倒れこむ。それをあわてて受けとめる慧音。
後ろから現れたその姿は・・・・


慧音「風見・・・・・幽香!」

幽香「あら?お客さんがいっぱいいるわねぇ。まあいいわ。
    私もトーナメントに参加したいのよ。誰か人里で強そうな人間、4人ほど見繕ってもらえないかしら?」

慧音「馬鹿を言え!そんな危険な大会に、村の人間達を参加させるわけにはいかない!
    そもそもこの里にお前と共に戦えるほどの強さをもった人間なんて・・・」

幽香「構わないわよ?弱くても。私一人が相手を全滅させるもの。
    ただ5人いないと大会に参加できないらしいじゃない。だから数合わせとして、ね。
    まあ捨て駒ぐらいにはなるでしょう?」

慧音「私がそれを許すと思っているのか?」

幽香「思ってないわ。だからこうして『話し合い』に来てるんじゃない。
    人質はこの里の人間全員。わかりやすくていいでしょう?」

慧音「くっ・・・」

魔理沙「あー、ちょっといいか?」

緊迫した雰囲気の中、魔理沙が二人の間に割って入った。

魔理沙「私の記憶が正しければ、お前がこんなにトーナメントに参加したいと考えるってのは、ちとキャラが違う。
     強さを証明するためっていったって、お前の強さは既に幻想郷に知れ渡っているわけだから、優勝する必要もないわけだ。
     お前がこんな真似までして、大会に参加したいと考える理由はなんだ?」

幽香「決まってるじゃない、優勝商品よ。そう・・・・」


幽香「『○○をする程度の能力』をね!」


アリス「・・・え?どういうこと?○○って。」

幽香「○○は空白だと思ってもらえればいいわ。そしてその空白には、自分の好きなものを書き込める。
   つまり、自分の好きな能力が手に入るってことよ。
   そうね、私だったら・・・・『私以外のすべてを跪かせる能力』とかかしら。」

妖夢「・・・生粋のドSですね。」

魔理沙「関わり合いになりたくないぜ。でもこれで合点がいった。
     普段乗り気じゃない奴も乗り気なのはこれが目当てだったんだな。」

幽香「分かってくれたかしら?それじゃああなた達は邪魔だからさっさと消えなさい。
    私が用があるのはこのハクタクさんと、弱くてかわいい里の人間達だけよ。」

魔理沙「そう言われて、はいそうですかと引き下がるわけにはいかないだろう。
     それに勘当されたとは言え、ここは私の故郷でもあるんだ。
     故郷を人質にとられてるんじゃあ、黙ってるわけにはいかないぜ!」

アリス「・・・私にとっても人形劇を披露する大事な場。壊させるわけにはいかない。」

チルノ「あたいは難しいことはよくわからないけど、あんたが悪いってことはわかるよ!」

妖夢「私も同意見です。剣士として、私の前で人質なんて真似はさせない!」

慧音「・・・お前たち。」



幽香「面白い、面白いわ!全員まとめてかかってきなさい、私を楽しませられるのならね!」


魔理沙(チルノ、お前に頼みたいことがあるんだ。)

チルノ(なに?)

魔理沙(あいつを・・・呼んできてくれ)




チルノ(・・・わかった!)



魔理沙の言葉を受けて、チルノだけがこの場を離れた。
そして、幽香vs魔理沙・アリス・妖夢の戦いがスタートする。



~~再び竹林にて~~


ドンドンドン!ドンドンドン!


妹紅「なんだ・・・またお前か。何度も言うが私はお前たちと・・・」

チルノ「ちがうの!みんなが・・・大変なの!」

チルノは今里で起こっていることを妹紅にたどたどしくも説明する。

妹紅「・・・なんだと?」

チルノ「だから、おねがい!いっしょに・・・」

妹紅「・・・ああ!全速力で行くぞ!捕まってろ!」

チルノ「わわっ!」

妹紅はチルノの手を掴みながら、全速力で慧音の家へと向かった。


~~人里~~

その頃、魔理沙達と幽香のバトルは、3vs1にも関わらず幽香が圧倒的に優勢だった。

妖夢「くっ・・・!」

アリス「つ、強い・・・桁が、違うわ。」


幽香「あらあら、その程度?まったく楽しくないわ。」


魔理沙(息一つ乱してないのかよ・・・勘弁してほしいぜ)



幽香「つまらないオモチャに用はないわ。そろそろ終わりにしようかしら。
    そうね、こういうやられ方は美しいんじゃないかしら?」

幽香は手のひらをくるっと回す。
すると地面から、巨大な牙のようなトゲをもった花が出現した。

幽香「私のかわいい人食い花。ああ、もちろん妖怪でも幽霊でも食べるから安心なさいな。
    花と一体になって死ねるだなんて、素敵な死に方だと思わない?」

魔理沙「へっ、残念だが私はヨボヨボの婆さんになるまで死ぬ気はないぜ。」

幽香「嫌だわぁ、そんな死に方、美しくない。まだ肌がきれいなうちに、死んでおきなさいな。」


魔理沙に牙をむく巨大人食い花。絶対絶命の状況である。
その時であった。


妹紅「パゼストバイフェニックス!!」

妹紅とチルノが戻ってきた。
そして妹紅の出した炎が、人食い花を焼き尽くす。


幽香「な!?」

妹紅「悪い、遅くなった・・・・!おいお前。」


妹紅は幽香に向き合い、睨み付ける。



妹紅「私の『仲間達』に、何をしてるんだ!」



幽香「ふふ、私の可愛い花を燃やしてくれて・・・この代償は高くつくわよ?」

妹紅「こっちのセリフだ!花だけじゃ不服だろう、お前も燃やしてやるよ!」

闘気を高める二人。しかし、そこにあらわれたのは


「あらあら、二人とも落ち着きなさいな。」


・・・スキマであった。


妖夢「・・・・!!」

チルノ「紫!」


紫「皆さん、大会も始まっていないのにヒートアップしすぎですわよ?」

幽香「・・・スキマ妖怪が、何の用よ?」

紫「いえね、あなたが仲間を求めていると聞いたものですから。
  私のチームもあと一人で5人になりますの。是非あなたに入ってほしくてね。」

幽香「・・・・」


少し考えるそぶりを見せる幽香。そして・・・


幽香「・・・分かったわ。ここからハクタク達を説得するのも骨が折れそうだし。
    ただし、能力の権利は私ももらうわよ?」

紫「もちろん、構いませんわ。」

幽香「そういうわけだから。またトーナメントで会いましょう?
    ・・・今度はもっと強くなって、私を楽しませて頂戴な。」


幽香は紫と共にスキマの中へと入っていった。
そして残ったのは・・・満身創意の魔理沙達。

アリス「・・・・・」

妖夢「・・・・・」

チルノ「・・・・」

それでも、アリスたちの表情は暗かった。歯が立たなかったという敗北感が胸を支配する。

魔理沙「おいおい!おまえら元気出せよ!」

アリス「でも魔理沙、私たちは・・・・」

魔理沙「村の人間たちを守った!幽香を退けた!どんな結末であれ、この戦いは私たちの勝利さ!
     それに・・・・新しい仲間も増えるしな!」


魔理沙は、妹紅に向き合った。

妹紅「・・・ああ。分かったよ。慧音と里のためにここまでしてくれたんだ、
    それを無視してつっぱねるほど、私も子供じゃない。
    それに・・・・負けられない奴、闘わなきゃいけない奴もいる。」

妹紅が思い浮かべるのは、先ほど中断された闘いの相手、そして永遠の宿敵である月の姫。


妹紅「私でよければ力になる。藤原妹紅だ。よろしく。」


妹紅が仲間になった!


チルノ「これでやっと、5人そろったね!」

妖夢「ええ、これでトーナメントに参加できる!」

アリス「戦わなきゃいけない相手は、随分増えたけれど・・・」

魔理沙「私達5人で、勝ち抜いていこうぜ!!」



メンバーが5人揃った!
そしてここに、『チーム霧雨』が誕生した!!



それと同時に、各勢力もメンバーを集め、参加を表明する・・・


~~チーム永遠亭~~

輝夜「そう、妹紅は魔理沙のチームに。残念ね・・。」

永琳「ご安心ください。5人目はちゃんと連れてきましたから。」

輝夜「・・・ふふ、妹紅。トーナメントで会うのを楽しみにしてるわよ?」



~~チーム紅魔館~~

レミリア「準備はいいな?お前たち。」

美鈴「はい!」

咲夜「もちろんですわ。」

小悪魔「は、はい!」

パチュリー「・・・・・・」


レミリア「我が紅魔館の強さを、幻想郷に知らしめてやる!」


~~チーム八雲~~

幽香「あら?あの猫ちゃんはいないのかしら?」

藍「橙はまだ力不足ですから。しかし大丈夫です、もう一人呼んでありますので。」

??「へへっ、こういうのは大好きだからね!」

幽香「ふうん、まあこいつなら・・・あと紫と、そこの亡霊のお嬢様ってわけ。
    なるほど、なかなかいい面子ね。」

紫「この面子を集めるのにも苦労したんですのよ。ここにいる面子以外にも『協力者』はいるわ。
  まあ、十中八九、優勝は私達に間違いないでしょう。」

幽々子「・・・・・」




~~チーム???~~


??「私には既に分かっています、初戦の相手が。」

??「流石です、それで、どこなんですか?」

??「『チーム霧雨』。魔理沙達のチームですね。」

??「魔理沙にアリスにチルノに・・・うわーバラバラだ。寄せ集めって感じだね。」

??「ええ。ですから弱点はチームワーク。ちょっと工作してやれば、簡単に崩壊するでしょう。
    ・・・・・それでは、さっそく行ってきますよ、『彼女』のもとへ。」

??「ファイトー!」







各々が目論見を抱えつつ、いよいよ幻想郷天下一トーナメントが開催される。
お付き合いいただきありがとうございました。まだ続きます。
次回もこのような形式で失礼させていただきますが、お付き合いいただければ幸いです。
七十九
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
まさに少年漫画な展開。大好物です。
かんたん文章でも中身が濃いから気にならないんで大丈夫です
続きを期待しています
2.名前が無い程度の能力削除
ジャ○プ王道展開の見本のような作品
次回にwktk
3.名前が無い程度の能力削除
まず「作家スレにて許しをもらいまして」が免罪符になるという考えがわかりません。
それと天下一武闘会的なものをやろうとしてるのにバトルシーンを殆どカットするというのも不思議です。

……というかこの商品とチーム戦ってうえきの法則……
4.名前が無い程度の能力削除
ジャンプじゃなくて日曜日だった!
ともかく王道のアツい展開でした
5.奇声を発する程度の能力削除
おお!こういう熱い展開は好きです!
久しぶりにジャン○でも読もうかなぁ
6.名前が無い程度の能力削除
賛否両論あると思いますが、私は「アリ」だと思います
キツい意見もあると思いますが、是非ともトーナメント本選まで書ききってください
7.名前が無い程度の能力削除
一つ言っておく
フラン使おうよフラン。紅魔チームに入れてあげて
8.名前が無い程度の能力削除
名前セリフはちょっとなあ。
9.けやっきー削除
私は、とても楽しめました。
漫画になったのを見てみたいなぁ…