※作品集73・私がドキッとした瞬間の続きになっております。
出来ればそちらから読んでいただけると分かりやすいかと。
あの事件?から一週間が経った。
パチュリー様とは顔を合せていない。
まあ、私は基本外で仕事をする身だから顔を合わせることの方が難しい。
だがしかし、あんなことを言われた後ではパチュリー様との接し方がイマイチ分からない。
会わなければいいという問題でもない。
同じ館に住んでいるのだから、顔を合わせる機会いくらでもあるのだから。
というか、私あの時決めたじゃないか。
花を図書館に持っていくって。
「やっぱり気まずいかも…」
「なにが気まずいのかしら?」
「うわっ!?」
いきなり後ろから声を掛けられた。
振り向くとそこには洗濯物を運んでいた咲夜さんがいた。
「なによその反応、傷つくわね」
「すみません…。なんの気配もなかったもので」
「まあ、時間を止めていたからね。で、なにが気まずいって?」
「それ引っ張りますか…?」
「当たり前じゃないの」
咲夜さん、完全に私の話聞こうとしてる。
いつの間にか紅茶用意されてるし。
「ちょっと休憩でもしようと思って」
「いつもならスルーじゃないですか。なんで今回は食いつくんですか」
「興味があるから、じゃダメかしら?」
「探究心があるのは良いことです。でも今回は勘弁してください」
さすがにあの事を咲夜さんに話すのはマズイ気がする。
絶対お嬢様に言うって、殺されるって。
「ほら、言ってみなさいな」
「な、なんでもないですって! 仕事しないとお嬢様に怒られちゃいますよ?」
「今は寝ていらっしゃるから問題ないわ」
「瀟洒じゃないんですか!?」
「今は一人の女の子よ」
「都合がいい時だけそんなこと言って…」
「いいじゃない。ほら、ね?」
これはもう言わないと殺されるパターンだ。
どっちにしたって殺されるのか私。
「えっと、ですね。パチュリー様のことで、ちょっと…」
「パチュリー様? どうかしたの?」
「いや、その…なんというか」
「……告白でもされたのかしら?」
「ええっ!? ち、ちがいます!!」
「じゃあなんなの?」
「告白というか、なんというか…。それに近い感じなことを言われたというか…」
そこまで言うと目の前から紅茶が噴射されてきた。
咲夜さん、もう完全に瀟洒じゃなくなってますよ。
「え? ちょっと、それなにかの間違いなんじゃないの?」
「いえ、私もいろいろ考えたんですよ? でも考えれば考えるほど分からなくなってきて…」
「…パチュリー様はなんておっしゃられたの?」
「えっとですね…」
私が事の経緯を話すと、咲夜さんは「うーん」と言って私の目を見つめてきた。
「あの、なんでしょう…?」
「一度パチュリー様にお花を持って行ってあげましょう」
「やっぱり」
「それでハッキリさせればいいのよ」
「でもちょっと今は気まずいというか…」
「今行かないでいつ行くのよ! 大丈夫よ、私も陰で見ててあげるから」
「すごい不安なんですけど…」
こうして花を図書館に持って行くことになった。
咲夜さんは紅茶とクッキーを用意してくると言って館に戻った。
私は花を用意するために庭園へ向かった。
「どれにしようか」
相手に花を送ることをあまりしたことがないから困ってしまう。
花言葉は知っているが、これで向こうも知っていたらと思うとそれはそれで気恥ずかしい。
「でも、なるべくパチュリー様に合う花にしなくちゃ」
さて、選ぶとするか!
色からして紫陽花とかかな?
花言葉とかは詳しくないので、ここは美鈴の腕の見せ所ですね。
間違ってももやしだけは持って行っちゃだめだwww
後編、楽しみにしてます。
私もやっぱり紫陽花かなぁ、後編楽しみです。
続きを待ってます。
いや本当、瀟洒さがさっぱり抜けきっちゃってw
もやしを持っていく展開を想像して吹いちゃったのは内緒。