地底への入り口にて
「ふぃ~つかれたぜ」
「なんだ生きてたの?」
「依頼をこなしてきてやったのにそれはないんじゃないか?ってかよくも騙したな!」
「あら、嘘なんてついてないわ。私は黙ってただけよ。」
「ちぇっ、温泉が楽しめるっていう時点で大嘘じゃないか。」
「温泉ならあったじゃない。ちょっと温度が高いけど」
「ならアリス入ってみろよ。あのマグマ風呂にな。」
「私はあんたほど温泉好きじゃないし。」
「まあ、どっちにしろお礼はしてもらうからな。」
「はいはい。夕飯ぐらいは作ってあげるわよ。何がいい?」
「私の口に合うもの!」
「なにそれ?」
「私がうまいと思わなかったら何度でも作り直してもらうぜってことだ。」
「あら大変。味音痴のあんたの口に合うものが私に作れるかしら?」
「言ったな!」
「なによ。やる気?」
「…………」
「…………」
「…………今日は勘弁しといてやるぜ。」
「…………そうね。」
「さ、早く行こうぜ。腹減った。」
「しょうがないわね。」
二人は並んで魔法の森へと飛び去って行った。
「あ、文さま。」
「どうです、椛。いい絵は撮れました?」
「全然です。やっぱりあの二人噂通り仲悪いんじゃないんですか?」
「ふっふっふ。まだまだ甘いですね椛は。」
「えっ?口ゲンカばっかしてましたよ?」
「そりゃ、こんな人目、もとい妖怪目につきやすいところではね。」
「どういうことです?」
「行きますよ。椛。」
「は……はい。」
魔法の森にて
「文さま!あの二人。」
「しっ!黙って。気配を殺すの。」
「あんなケンカしてたのに…………仲良さそうに手を繋いで」
「ふふふ。ココは普段誰も近づかないですからね。最初から住み着いてる妖精か、はたまたスキマ妖怪に連れてこられた哀れな外の人間くらいでしょう。」
マーガトロイド邸の玄関前
「おつかれさま。魔理沙」
「ただいまだぜ。」
ちゅっ
「ん…………」
「……ちゅっ……ん」
(………あわわ、文さま……あんな大胆に……文さま?)
(ふえ?)
(どうかされたのですか?)
(え……なんでもないですよ…………ま、まさかあんな堂々と……)
(そんなことより、文さま!シャッターチャンスです!)
(へっ……あ、ははははい。て、手が震えて……)
(ふわぁ……すごく永いチューですね……)
「ん……ぷは……あぅ…………くるしいぜ」
「ふふふ。あなたに会えなかった時間分。」
「……ばか……だれかにみられてたら……どうするんだよ……」
「前から言ってるけど、私は気にしないわよ。」
「だって……バレたら色々冷やかされるじゃないか。」
「かまわないわ。事実だし。それにいちいち面倒な芝居もしなくていいじゃない。」
「そりゃ……そうだけど……」
「それに、芝居だとしてもあんまり人前であなたの事悪く言いたくないのよ。」
「……わたしだって……そうだぜ。……言い過ぎたって思う事もあるぜ……」
「私は魔理沙が恋人だって胸張って言いたいんだけどね。」
「うぐ……」
「それとも私が恋人じゃ……嫌?」
「そんなこと無い!……けど」
「けど?」
「やっぱりちょっと恥ずかしいぜ……」
「ふふふ、しょうがない子ね。」
ぎゅっと魔理沙を胸に抱きしめる。
「ふわ……ありすぅ……」
「魔理沙が胸を張って私を恋人として紹介してくれるまで、私は待つから。」
「ごめんな……ありす……」
「謝らなくていいわ。あなたのこと好きだから。」
「わたしも……だぜ。アリス。」
魔理沙とアリス、二人は家の中へと入っていった。
(文さま!文さま!)
(はっ……椛!見ましたか?)
(もちろんです!ところで絵は撮れました?)
(あ…………)
…………………………。
(もしかして……)
(見とれてて……シャッター……切り忘れてました…………)
(あやさまのバカーーーーー)
会話文だけで、物足りない。
でも、にやけてたから私の負け。
突然、いつもより上手くいっちゃうと、とまどうことってありますよね。
次があるさ!
それはともかく、もうとんでもなく甘かったです。えぇ。