私の名は『李・チャード=鱒田Ⅳ世』。
この人里の片隅でバーのマスターをやっている。
この店を開いてはや幾年・・・。
様々な客を見てき、相手をしてきた。
私の人生の経験の大半は、この店で培ってきた。
いや・・・。
ここへ来る客に教わったというべきか。
決して繁盛している訳でもなく、それでもチラホラ客がいて、会話を肴に酒を楽しむ落ち着いた空間。
そんなこの店に、今日も迷える子羊が迷い込んでくる・・・。
「いらっしゃい・・・。」
「キツイのを一杯、頼むわ。」
カウンターへ腰掛けたのは、見た目10歳前後のお嬢さん。
そんな子供が客として来てもいいのか、マスターよ。
そういう輩もいるだろうが、そいつは素人の考えってやつだろう。
長年、この店で様々な客を相手にしてきた私になら、そんな外見に惑わされたりはしない。
まるですべてを見透かしたような真紅の瞳。
ニヤリと笑う口元から見える刃のような歯。
そして何よりも背中から生えている漆黒の翼。
私の直感が告げている。
コイツは人間じゃないと・・・。
だが、その佇まいは気品のようなものを感じさせる。
上客の予感。
ならば、こちらもプロとして、それ相応のモノを出さなくてはならない。
私は素早く材料を幾つかシェーカーに入れ、手際よくシェイクする。
このひと時が私の気持ちを高揚させる。
長年培ってきた私の腕に、客がどんな好反応を見せてくれるか・・・。
「ジャック・ローズ(※にんにく入り)だ。」
ふっ、ローズか・・・。
まさに、この真紅のお嬢さんにぴったりなチョイスだ。
真紅のお嬢さんは、ふっ、と笑い、楽しそうにグラスを回すと、それを一気に飲み干した・・・。
「うにゅ・・・。ゆでたまごある?」
次にやってきたのは、年頃の長身の女性客。
胸に輝く真紅の宝石のようなものが印象的な、鴉のような翼を持った客だ。
・・・ん?真紅で思い出したけど、さっきのお嬢さんはどうしたかって?
あの客なら、飲んだ直後にのた打ち回って泡を吹いて倒れたさ。
キツイのを、と注文したのは、あのお嬢さんだからな。
私に落ち度はないさ。
今頃、彼女はバイトのホールの青年に運ばれて、店裏のゴミ捨て場で安らかに眠っているはずさ・・・。
それはともかく・・・。
ふむ、たまごか。
これは意外な注文をしてきたな・・・、と考え込むのは一瞬。
ここで迷ってしまったらプロとして失格だ。
すぐさま、私はこの客に提案をする。
「ここはバーでね。もちろん、軽い食事も提供しているわけだが・・・。せっかくこの店に着たんだ。それより、たまごを使った飲み物でもいかがかね?」
そう言うと、彼女は嬉しそうに、「うにゅ!それでいい!!」と返してくれた。
さあ、ここからがプロの見せ所だ。
先ほど拭いておいたグラスに、たまごを数個割って入れ、そのまま客の前に置いた。
「さあ、これを飲んだらエネルギッシュになれるぞ。」
女性はそれを一気に飲み干すと、急に立ち上がり、某ボクシング映画のテーマソングを口ずさみながら、シャドーをしながら出て行った。
その際に、彼女が腕につけていた長細い棒状のものが扉を破壊していったが、その程度でうろたえる私じゃない。
こんな店をやっているんだ。
客が酔って、そこいらの物を破壊してしまうことなんてよくあること。
いつも通りに、そこらの客に修理させればいいだけの話さ・・・。
「このさいきょーの私に相応しいのを一杯!!」
「ソルティ・ドッグだ。」
※氷に塩をかけると溶けやすくなります。
「いらっしゃい・・・、・・。」
ふっ、ついにこの時が来たか。
今宵は特別な日になりそうだな。
「お邪魔するわ。」
「お、マスター。久しぶりだぜ。」
そう言い、カウンターに腰掛けたのは2人の少女。
一人は、赤と白の奇妙な巫女装束に身を包み。
もう一人は、黒と白を基調とした、とんがり帽子にエプロンドレスのような服装。
服装も、雰囲気も違うが、同じツートンカラーがそうさせるのか、どこか妙な連帯感を感じさせる2人。
「じゃあ、今日は何を飲もうかしら。」
何事もなく注文をしようとする紅白巫女。
だがしかし。
「その前に、今までのツケを払ってもらおうか。」
「お賽銭に余裕ができたらね。てか、マスター。あんたもウチの神社に参拝にきたら?ツケが返ってくるかもよ?」
「あんた『も』って、お前んところにまともな参拝客来たところ見たことないんだがな。」
そうぼやく黒白魔法使い。
「君がツケを払えば、もしかしたら賽銭箱に金が入る日が来るかもしれないぞ。」
「ならば力ずくで奪ってみる?もっとも、持っていたらの話だけど。」
その瞬間。
私と巫女の間に、ただならぬプレッシャーが立ち込める。
手を伸ばせば届きそうなのに、まるで壁ができたかのような重圧感。
やれやれ、また始まったぜ、と言いながら少し自分の席を離れたところにずらす魔法使い。
それが、合図となった。
覚悟するがいい、巫女よ。
今宵こそ、貴様から金を巻き上げる・・・!
先に動いたのは巫女のほうだった。
いや、動いたというのは表現がおかしいか。
目の前にいたはずの少女が、突如として視界から消えた。
店内の何処にも見当たらなくなった、が。
甘い。
店内に姿も気配も無いということは、店外に出ただけという話。
「ほぅっ!!」
私はすぐさま跳躍し、店の天井を突き破って夜の空に舞う。
「しっ!!」
そしてそのまま、高速の手刀を繰り出す。
「っっ、甘い!」
それを片腕で受け流し、もう片方の拳を顔面へ打ち出す巫女。
それを敢えてかわさず、ヘッドバットをするように己の額を巫女の拳に叩きつける。
「くっ・・・。ならば!!」
一瞬、痛みに顔を顰めるものも、間髪いれず私の腹に強烈な蹴りが入る。
中々の蹴りだ。
が、この程度で我が鍛えられた腹筋を壊すことなぞ出来ぬ。
互いに一度距離をとり、構えなおす。
「ふっ、流石は博麗の巫女。そこいらの客とは違うな。」
「当たり前でしょ。けどマスターもやるわね・・・。なら!!」
次の瞬間。
巫女の両拳に幾多の色を放つ光が収束する。
その光は、まるで彼女の手を包み込み、守るかのように唸りを上げる。
「この『近戦格闘型夢想封印』に耐えられることが出来るかしら!?」
「愚問!今日こそ、その光の拳ごと我が鉄拳で貴様を打ち破って見せようぞ!!」
今宵も血に飢えた客を相手にすることによって、己を高みに持っていく。
それこそが、この幻想郷でバーを構え、幾多の客を相手にしてきたマスターの使命!!
上空で少女とおっさんが激しく拳をぶつけ合っている頃、店内では。
「んじゃ、まずは軽く一杯と、なんかつまみ。」
「わかった。」
そういって、私はシェーカーを振りはじめる。
「ふっ・・・。月を見ながらの一杯ってのも、中々のものじゃないか?」
「いや、穴開いた天井から見る月はどうかと思うぞ?てか、いいのか?明日、確か雨降るんじゃ・・・?」
「なに、心配ないさ。そのときは客に傘をさしてもらえばいいだけの話さ。」
そうか・・・、と何か諦めたような微妙な顔をしながら、出された一杯を口に含む魔法使い。
ここには色々な客が集まる。
酔って陽気に歌いだすもの。酒に飲まれて潰れるもの。時には酒の勢いで暴れだすもの。語りだすもの・・・。
そういう客らを相手にしてきて、私は成長してきたのだと思う。
グラスを磨きながら、ふと上を見上げる。
空には、明日雨が降るとは思わせないような、雲一つかかっていない月。
それを見ながら、今宵もどんな客が来るのかを、心躍らせながら待つ。
私の名は『李・チャード=鱒田Ⅵ世』。
この人里の片隅でバーのマスターをやっている。
どこに来たのか分かってるのかw
ちょwww絶対確信犯だろwwwww
あれ?
プレイリーオイスターでも勧めてみてはいかがか。
一応カクテルの一種らしいのでw
量産型ってwww
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