Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

見事に赤く熟した林檎の木の傍には何がありますか?

2010/08/27 05:06:08
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某日、博麗神社



ある風が気持ち良い昼過ぎに霊夢さんは私に言いました。

「早苗、これから私は貴方に背中しか見せないから」

そう言って霊夢さんは立ち上がって台所に向かいました…。

しかし…背中しか見せないってどういう事でしょう。




言葉通りでした。

「………」

「………」


霊夢さんは私の横に座り私に寄りかかる様に背を向けご飯を食べています。

食べづらいでしょうに、一体どうしたのでしょうか…。

私の顔を見たくないとかなら――すっごーーく傷つきますが――分かります。

でも今の霊夢さんはむしろ甘えているような仕草なのです。子犬さんなのです。


「………」

「………」

「………」

「…ごちそうさま。皿片づけるわ」

そう言ってまた台所に行って帰って来た霊夢さん。

帰って来る時はさすがに前を向いてますが俯いていて顔を見せてくれません。


その後、



――縁側でゆっくりしている時も



「ズズズ…」

「……ふぅー、ふぅー」

…あ、私猫舌です。なんであの温度のお茶を霊夢さんは飲めるのかが分かりません。

でもやっぱり霊夢さんは私の横に背を向けて座って私に寄りかかってくるんですよねぇ…。

「ズズズズ…」

「…霊夢さん?」

「!!……何」

呼びかけたらビクッ!とされてしまいました。

「その…何でも無いです」

「……そう」

…しょんぼりされました。



――境内の掃除を手伝っている時も



「………」

「………」

ザッザッザ!!

「………」

「………」

ザッザッザッザ!!

「………」

「……ぁ」

「霊夢さん?」

「!何でも無い…」

「………」

「………」

ザッザッザッザッザ!!


ああ、やっぱり霊夢さんは可愛いです…

私が後ろ向いている時に(実は見えていますが)チラッ、チラッと見てくるんですよ!?

霊夢さんは意地っ張りだからこんな時は自分から止めるって言えないんですよねぇ…



――お風呂に一緒に入る時も



「……」

「……」

やっぱり無言になっちゃいますね…。

霊夢さんの所のお風呂は二人で入るには少し狭いので私が伸ばした足の上に霊夢さんが座椅子に座るようにして自分の背中を私に預けてきます。

これが二人でお風呂に入る時のお決まりの体勢なのです。

「……」

「……」


―――ふふふふふ…待ってました!この時を!!

この時は一番油断しやすい魔の時間なのですよ!霊夢さん!!

まあ、何するかと言うと…


「とりゃーー!!!」

「!!!!!」


必殺、抱き付き!!!


「んん~…」

「ちょ、早苗!?」

ああ、霊夢さんの鼓動が聞こえます…。

「すべすべ~」

「―――!!!」

ワアキャアドタバシャゴンッ!!シーン…



――風呂上がり



「痛い…」

「自業自得よ、まったく…」

やっぱり後ろ向いてますけど耳まで真っ赤なのが見えてますよ霊夢さん。

あー、皆さん。風呂場ではしゃいではいけません。頭打ちますよ。

「涼しいですね…」

「もう秋だからね」

縁側で背中合わせで座り涼んでいる私達。

そろそろいいですかね…。


「霊夢さん」

「!!!」


後ろから覆いかぶさるように霊夢さんに抱きつく。

ゆるゆると霊夢さんが抵抗してくるけどギュッと少し力を込めたらおとなしくなった。

「今日は…一体どうしちゃったんですか?」

「………」

「霊夢さん?」

「………」

「私の事…嫌いになっちゃいました?」

「……違う」

「それじゃあ…どうして?」

あ、この口調…お母さんにでもなった気分になりますね。

「……早苗は前に言ったよね。一緒にご飯を食べたりゆっくりするのは勿論、一緒にお風呂に入ったりするのは友達として当たり前って」

「あー…、はい。そうですね。…それが?」

「始めは何も…いや、楽しかったし嬉しかった。魔理沙は今でこそ親友だけど…小さい頃は巫女の格式だとか立場とかで中々会えなかったから一日を共に過ごす『友達』は早苗が初めてだった」

「………」

「でも最近…早苗の事を考えると、その…胸がドキドキするというか…」

「え?」

「お、可笑しいよね!友達なのに…。でも、なんかこう、変な感じになって顔が熱くなって早苗の顔もちゃんと見れなくて…」

「…だからずっと私に背中を向けてたんですか?」

「……うん」


全くこの人は…


「…か、可愛いじゃありませんかーー!!!」

「!?や、ちょ!早苗!!?」

とりあえず再びギュッと抱きつき、頬ずりスリスリ。

「心配なんてしなくていいんですよ?」

「うん」

「遠慮もしなくていいんです」

「うん」

「甘えたいなら甘えていいんです」

「うん」

「不安なら私を頼っていいんです。むしろ頼って下さい」

「うん」

「…伝えたい事があるなら顔を見て話して下さい」

「…うん」

そういって霊夢さんが私から離れて半回転。顔を真っ赤にしたまま私の顔をじっと見つめてくる。




「わ、私は」

「はい」


「早苗が…っ!!」

「はい」

























「――――好き…です……」

























「…よく出来ました」

私は恋人を正面から抱きしめた。



――就寝



あの後、さすがに寒くなってきたという事もあって二人で一緒の布団で寝る事になりました。(諏訪子様達?何か言ってきたらマジカル☆バールのようなモノ!!を一振r…ジョウダンデスヨ?)

「でもやっぱりこっち向いてくれないんですね…」

「…恥ずかしい…から」

「どうすればこっち向いてくれます?」

「……キス、して?」

「こっち向いてくれなきゃ出来ませんよ」

「うー…」

「仕方ないですね」

「!」

そう言って霊夢さんの腰と額に手を当てて丁度霊夢さんの頭が私の胸元に来るように引き寄せました。

「あらあら、視界から霊夢さんが消えてしまいました。これでは顔が見えません」

「わざとらしい…」

そう言いながらもゴソゴソと体の向きを変え私の胸に埋もれるように抱きついてきました。

「顔、真っ赤です」

「見えてるんじゃない…」

「…そこ、安心します?」

「ん…なんか気持ちいい…温い…」

「…霊夢さん」

「ん?」


私は霊夢さんにキスをした。


「なんでおでこ?」

不服そうに唇に人差し指を当てる。

「口は明日のおはようのキスです」

「…ずるい」

「何がですか?」

「…何でも無い」

「そうですか、さすがに眠いので…お休みなさい…」

「…お休み」


早く朝が来ないかな…
―――落ちたリンゴを優しく受け止めてくれる美しい緑の草原があります。

どうも、華彩です。慣れない事はするもんじゃない。

なんか甘を目指したのはりんとき以来じゃないでしょうか。
風呂場で頭打つと結構ヤバいですよ。
十何日前にお婆ちゃんの家で風呂掃除してて一人ぐらいなら踊れそうだったので踊ってみたら序盤でこけて風呂の淵に頭ぶつけました。痛い!!
次は何が出るかな―。

では
華彩神護ofぷにふに戦車:ころねーす
http://lainasu.blog101.fc2.com/
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
ニヤニヤ…とても甘かったです!!
後、お風呂掃除する時は本当に気をつけないといけませんよw
2.下上右左削除
おお・・・画面を黒くしたらにやけてる自分がいた・・・
3.削除
なんだ、SSかと思ったらラグドゥネームだったか
4.華彩神護.K削除
コメ返し

奇声を発する程度の能力 様
それはなによりです。

…今度からやめときます。

下上右左 様
…にたー

唯 様
苦いじゃないですか!!
5.削除
いや、ラグドゥネームは今現在で最も甘い(砂糖と比較すると22万倍~30万倍の甘味)物質なんだけど……
サッカリンって言ったほうが良かったね、ごめんなさい。これからも頑張って下さい。
6.華彩神護.K削除
コメ返し

唯 様
いや、知ってます。実際に舐めると許容値を振り切って苦いです…。
現在微カオスを執筆中。
7.名前が無い程度の能力削除
私はその落ちた林檎を抱く草原を遠巻きに見ながら、別の林檎を一齧りしました。
林檎とは思えないほど甘過ぎて思わずむせかえってしまいました……。
上品だけど、大変甘かったです。砂糖を生み出せそうなくらい。
8.名前が無い程度の能力削除
マジカル☆バールのようなモノ!!
先輩とぼくですね、たぶん
凄く甘いです、この調子で糖分で世界の支配を!