Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

最速……

2010/08/22 23:35:09
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「どうです魔理沙さん。」

「むぅ……。やっぱり追いつけない……」

「ふふ。人間風情が天狗の速さに勝てるわけがないのです。」

「……うぅ……ちくしょう」

「まぁ努力は認めてあげますがね。あなたの日々の鍛錬はいつも眺めてますから。」

「うっく……ぐすっ……うぇぇ」

「あれあれ?泣いちゃったんですか?自称幻想郷最速の霧雨魔理沙さんともあろうおかたが。」

「うぇぇん……ありすぅ……」


その場に泣き崩れる魔理沙。
文との一騎打ち(鬼ごっこ)と聞き心配で付き添っていたアリスはすぐに魔理沙の元に駆け寄った。


「ありすっ!うっ……ぐす」

「あーよしよし。いい子いい子。」



まるで母親が泣いている子供をあやしているような光景。
立会人であった椛もその様子を見て文の下へと駆け寄る。



「……文さま!文さま!」

「なんですか椛?」

「大人気ないですよ。ちょっと可哀想です。」

「ふふふ……甘いわね椛。こういう調子に乗った人間には少し思い知らせておいた方がいいのよ。」

「でもぉ……」


「ありすっ……くやしいよぉ」

「よしよし。魔理沙はよく頑張ったわ。……………………!ねぇ魔理沙?」


依然泣き止まない魔理沙をあやしながらアリスは何かを閃いた。


「……えぅ?」

「いいじゃない。幻想郷最速の座なんて譲っちゃったって。」

「……だって」

「確かにあなたは誰にも負けないくらい速かったけど……そのかわりゴニョゴニョ……も多かったでしょ?」

「え?う……うん……。まぁそうだぜ……」

「だったら、そんなの譲ったって問題ないでしょ?」

「うん……。でも……まぁな……」




「何を話してるんですか?」


なにやら相談事をしている魔理沙とアリスに文は問いかけた。
すると魔理沙は自分を抱きしめているアリスの腕を解き文に向き直った。


「ぐすん…………文屋。負けを認めてやるぜ……。だから最速の座は譲ってやる……。」

開き直ったつもりみたいだが涙声で説得力はない。
やはり完敗したことに関しては相当ショックだったみたいだ。


「分かればいいんです。分かれば。まぁ最初から決まっていたことなんですけどね。」


敗北者を見下しながら高らかに笑い声をあげる文。
悔しさで魔理沙の瞳にまた涙が溜まる。またポロポロと涙がこぼれそうになる。


さすがにこれは不味いと思った椛は文の目の前に立った。


「あ……文様!もうこんな時間ですよ。そろそろ帰って、大天狗様に報告書を提出しないと!」

「げ、もうそんな時間?急いで帰るわよ椛!それではお二人ともごきげんよう!」

「あ、そうそう。」


背の翼をを広げて飛び立とうとする文に向けてアリスは言った。


「この時間帯、妖精のちょっかいが激しいから帰り道は気をつけてね。」

「ふふ。ご忠告ありがとうございます。では」


そういい残すと天狗たちは夕暮れの空へと消えていった。


「魔理沙。」

「大丈夫。もう泣いてないぜ。……ぐすっ」


魔理沙は明らかに強がっている姿勢をアリスに見せる。
するとアリスは


「我慢しなくていいのよ。悔しい気持ちは分かるから。」

「で……でも……」

「私以外見てないから。ね?」

「うっく……ふえええええええええん!!」

「よしよし。」





「この時間帯、妖精のちょっかいが激しいから帰り道は気をつけてね。」


そんな心配不要。妖精なんて何匹来たって……
そう文は思っていた。それが後ほど裏目に出ることになる。


「文様!あれ……」


魔法の森の上空に上がった瞬間目の前に広がる異常な光景。
ものすごい数の妖精の大軍である。一匹一匹はたいした弾幕は貼れないがこれほどの数になると
強者のスペルカードに匹敵する密度となるだろう。例えて言うならばハード、もしくはエキストラクラス。
妖精達は今まさに自分たちに照準を定めている。




「……随分大部隊ね。いいわ。一気に片付けてやるわ」

「文さま引きましょう!数が多すぎです!」

「じゃああなたは逃げなさい。清く正しい射命丸が妖精ごときに背を向けるなどありえないのです!」

「文さま~!!」


そう椛に言い放ち妖精の大軍に突貫する文。

派手な弾幕勝負が繰り広げられることが安易に予想された。だが




翌日
マーガトロイド邸にて


「アリス!新聞届いてるぜ!」

「ありがと。……?この記事、いつものあの文屋の新聞じゃないわね。」


射命丸文。霧雨魔理沙から幻想郷最速の座を奪取と同時に事故王の座も!?


「あらあら。」

「どうしたアリス?」


そこには戦闘開始早々、自前の弾幕を展開する前に撃沈したのであろう
射命丸文の痛々しい姿が映っていた。


「ほらね。速さにはこういうリスクがどうしても付き物なのよ」

「なんか複雑な心境だぜ……」


同情するような視線で記事をみる魔理沙
そんな魔理沙にアリスはため息をついて優しく頭を撫でる


「速さだけがあなたの良さじゃないでしょ?」

「そりゃそうだけどさ……」

「ほら朝ご飯冷めちゃうわよ。おいで。」

「うん。」


記事をソファーにおいて二人はダイニングへと歩いていった。







ところ変わって妖怪の山



「うぇぇぇんもみじぃ……くやしぃよぉ」

「文さま、もういい加減泣きやんでください」

椛の胸に顔を埋めて泣きじゃくる文。
困ったような顔で慰めている椛

昨日の魔理沙とアリスを髣髴させる光景が広がっていた。


「だって……アイツにアイヅにはずかじいとこ……うえええん」

(……まぁちょっとは良い薬になったかも)

椛はこれからの文の行動を考えるとライバルの文屋に少し感謝をした。

「もみじぃ!もっとなぐさめてよぉ」

「わわわ……わかりましたから!よしよし。」

「……ぐす……もみじぃ……」

「なんですか?」

「あと30ぷんはこうしてて……」

「え…………。」

「嫌って言ったら泣く」

「……分かってます。私がついてますから。ね。泣き止んでください。」

めんどくさいなぁ……とか思いつつも、
普段、傍若無人でお調子ものの上司のこんな姿を見れるのは自分だけだと思うと
自分にしかこういう姿を見せないだろうなと思うと
ちょっと胸があったかくなる椛だった。
当たり前の事だけど高速移動の目測を見誤った事故が一番痛い。
ボムが一個でも残ってるともうね……orz
そんなこと考えながら今更ながら幻想郷最速をうたったネタを書いてみました。
最終的に方向性はかなりずれてますが…。
とにかくマリアリと文もみに幸アレ!

読んでくださった方。ありがとうございました。
swi
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
マリアリも文もみもどっちも最高でした!
2.名前が無い程度の能力削除
一粒で二度おいしいとな!
3.名前が無い程度の能力削除
氏の子供魔理沙とお姉さんアリスが大好きです。
4.けやっきー削除
魔理沙が可愛くて仕方ありません。
あぁもう、可愛い!
5.ぺ・四潤削除
普段と違う顔が見られて羨ましいなもみっち!
二人とも小学生みたいだww