貴方の手が冷たくてびっくりした。
白くて、傷一つない貴方の手は好きだ。
でもここまで冷たいと…、まるで死んでるみたい。
「美鈴? さっきからどうかしたの?」
「……手」
「?」
「なんでこんなに冷たいんですか?」
「え? そうかな…?」
そうですよ。
冷え性の人でも、流石にここまで冷たくはないはずだ。
ましてや今は夏。
少しぐらい暑いだろう。
「…なにかの魔法ですか?」
「そんな魔法使ってないわよ」
「じゃあ、体質の問題ですか…?」
「う~ん…。どうだろ? よくわからないわね。あまり気にしなかったから」
そんなに冷たいかしら?と首を傾げながら自分の手を触っているアリスさんが可愛かった。
そして今度は私の手を握ってきた。
「美鈴は……、温かいのね」
「そうですか?」
「ええ。例えるなら……、太陽の手、かな?」
「太陽の手、ですか…?」
なんだか響きがいい。
「美鈴は温かいから。その手、結構好きよ?」
「ッ!? あ、ありがとう、ございます…」
ちょっと照れくさくて顔を下に向けた。
アリスさんがクスクス笑ってる。
「…美鈴ったら、照れてるの?」
「そんなことないです」
「そうかしら? あ、そうだ。ねぇめーりん?」
「なんですか?」
と、私が顔を上にあげたらアリスさんが手を伸ばしてきた。
なんだろうか、と思っていると突然私の手を掴んで言った。
「この太陽の手で私をめちゃくちゃにしてよ」
その冷たい手を温めるのは私だけです。
最後のアリスの台詞に全部持ってイカれた・・・。
私もラストで逝きました
私は手が冷たい方なので、太陽の手は羨ましいです。