Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

桃の缶詰

2010/08/20 22:05:19
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缶切りで桃の缶詰をキコキコと切り取る私、そして横には寝込んでいる咲夜さん

「…御免なさいね、美鈴」

「気にしないで下さい、咲夜さん」

そう、咲夜さんが風邪を引きました

「…はい咲夜さん、口開けて下さい」

「大丈夫よ、一人で食べれるわ」

「はい、あ~んして下さい」

私はそんな咲夜さんの言葉を無視してスプーンを咲夜さんの口へ運ぶ

「うぅ」

唸りつつ口を開ける咲夜さん、可愛いです

「美味しいですか?」

「…うん」

桃を飲み込んでから頷く咲夜さん、そう言えば昔もこうして風邪を引いたとき咲夜さんにこうやって桃の缶詰を食べさせてあげたんだっけ

「美味しいと感じられれば大丈夫ですね、咲夜さん」

桃を食べ続ける咲夜さんに私は言った

「…御免なさい」

「大丈夫ですよ、生きている限り病気にかかるのは仕方ありません」

「…うん」

それでも沈んだ表情を浮かべる咲夜さん

「そうだ、今日何か食べたいものありますか?」

「そうね、久しぶりに貴方が作ったお粥が食べたいわ」

「分かりました、お粥ですね」

私は咲夜さんが平らげた桃の缶詰を片づけながら注文に応じた

「…あぁそれから咲夜さん」

「何?」

「今日一日はしっかり休んで下さい、良いですね」

そう、咲夜さんはしっかり言っておかなければ働きだしてしまう癖があるのだ、いや真面目に働くというのは良いことなんですけどね、ただ体の調子が万全でない時はしっかり休んで欲しい物だ

「…でも仕事が」

「今の咲夜さんの仕事はしっかり休んで早く良くなることです、良いですね?」

「…はい」

私は咲夜さんの前髪を掻き上げ、熱っぽい額にキスをした

「じゃあ、しっかり寝ていて下さいね」

「…うん」

私は部屋の明かりを消し、厨房へ向かった、咲夜さんの注文のお粥を仕込むために
薄暗い部屋の中で私は目がさえて眠れなくなっていた、理由は簡単
「あんなことされたら寝れるわけ無いじゃない、バカ…」
でも怒る気にはなれない、むしろ嬉しい
「…何年ぶりだろ、美鈴にキスされたのなんて」
私は口の中にまだかすかに残っている桃の缶詰の甘さを感じつつ、瞼を閉じた

厨房でお粥の仕込みをしている途中、意外な人物に声を掛けられた
「それは咲夜に食べさせるお粥かしら?」
「お嬢様、どうしてここに?」
そう、我が主、レミリア・スカーレットだった
「んー、まぁ特に何もなく」
「…そうですか」
しかしこの後、お嬢様の言葉のお陰でお粥を台無しにしそうだった
「何年ぶりかしらね?咲夜にでこチューなんてしてあげたのは」
「………何で?」
お嬢様はにっこりと微笑んで、私は引きつった笑みを浮かべた

どうも、フルーツの缶詰のシロップを炭酸水で割って飲むのが好きな投げ槍です
そういえば風邪を引いたときのフルーツの缶詰ってどうしてあんなに美味しいのでしょうね?不思議です
投げ槍
コメント



1.華彩神護.K削除
ふむ…
風邪ひいたとき…

看病無しでずっと昼から3チャン見てた記憶しかない…
夜ごはんはうどん
2.名前が無い程度の能力削除
桃が椛に見えた……どっちにしろ甘くて美味しそう。
3.下上右左削除
咲夜さんが風邪ひくときは一気にひくタイプなら美鈴の天下だったりしそうと妄想
本当に酷い人はただの風邪で40℃位になりますしね・・・うん・・・つらいんだよ・・・
4.削除
自分は滅多に風邪に罹らないタイプ。そして罹ったら普通の風邪でも長続きするタイプ。
桃の缶詰は食べた事無いな~。桃そんなに好きじゃないし。

お話はすっごい良かった!昔思い出した!GJ!
5.エクシア削除
普段は頼りがいのあるけど、こういうときは弱弱しい咲夜さん。
普段はちょっと頼りないけど、こういうときは優しくて頼りがいのある美鈴。
ホント、良いコンビだと思います。

あぁ、俺も美鈴に看病してもらいたい・・・。
6.奇声を発する程度の能力削除
桃缶は凄く美味い!後、甘かった!