Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ひそかなたのしみ

2010/08/19 11:00:01
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 空は憎々しいほどに澄み渡り、頭上には我が物顔でどでんと居座る太陽。

 夏、である。
 どうしようもないほどに。

「毎年の事とは言え、辛いぜ…」

 ぶちぶち文句を垂れながら空を駆けるは白黒の魔女。
 色々と破天荒な彼女ではあるが、弾幕ごっこでもないのにコールドインフェルノをぶちかますのは気が引ける、という程度の分別くらいは持ち合わせている。

「まったく… せめて私が出かける時くらいは曇ってて欲しいもんだが」

 せめてもの気休めにと、少しスピードを上げる。
 乾いた空気が肌に痛い。
 髪もそれなりに痛んでいるだろう。
 乙女には由々しき季節、夏。


 目的地が見えてきた。
 麓の神社こと博麗神社。
 取り囲む森が爽やかな風を送ってくれるはずだ。
 ささやかな期待をささやかな胸に秘め、彼女は社務所の前に降り立つ。

 が。

 あいにくと風はあまり吹いていない。
 遥か上空からは強烈な陽射し。

 これ以上外にいるのはたまらんと、戸を開けた───。



「…なんだ、これ?」


 目の前の光景を信じる事ができなかった。
 そう。
 信じられなかった。
 ありえない。
 この状況を理解できる知識など今の自分には、ない。


 これはあまりに非常識だろう。
 彼女は思う。

 そうだ。
 ここは幻想郷。
 いつだったか、スキマ妖怪がこう言っていた。

「幻想郷は全てを受け入れます。 それはそれは残酷な事ですわ」と。

 しかし。

「何… してんだ、お前ら…?」

 やっとの思いで声を絞り出す。
 喉はカラカラ。
 吸い込む息が、痛い。

 この炎天下に決して近くはない距離を飛んできた。
 そしてやっと涼めるという期待を持って、入った。

 そこに“これ”だ。

 目の前には、自らの常識を微塵も残らないほどに打ち砕くものがあった。

 夏。

 夏。

 夏。

 そうだ。
 夏、のはず、だ。

 だって外はこんなに暑いじゃないか。
 太陽が自らを称えるかのように光をふりまいているのに。
 おかしいじゃないか。

 体が震えているのはきっと“未知”による恐怖。
 そうだ。
 そう思いこまなければ、自分はきっと耐えられなく───なる。

「何のつもりだ───お前ら」

「あら、見つかっちゃった」

「ねーねー、れいむぅ、早くぅ♪」

 目の前の異様な光景。
 頭がぐるぐるする。





「なんで…」










 感情が、爆発する。










「なんで炬燵ん中でアイス喰ってんだぁああああ!」





 霊夢とチルノの表情は、とてもとても涼しげで───。

「せっかくだからあんたも食べる?」
「うん」





 どっとはらい。
太陽が眩しかったからつい書いてしまったが反省はしていない。
たまにこんな無駄をやりたくなるのは仕方ありませんよね、夏ですし。(ぇ
KITT
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
確かに冷気がこもって涼しいかもしれんけど、その発想はなかったw
2.奇声を発する程度の能力削除
炬燵の中で食べるアイスも良いものだ!
3.名前が無い程度の能力削除
はーどっとはらい