『遠い神社』
「最近神社が遠いんだぜ」
この前魔理沙が不意に言ったこの一言。
僕こと森近霖之助が気にするようなことではなかったはずだった。
僕は基本的に神社にはあまり行かないし、そもそもあまり頻繁には外に出ない。
だから関係ないと思ってたんだが……今になって痛感した。
確かに神社が遠い。
本来ならもう着いている頃にも関わらず、いくら歩いても神社に着かない。
こんなことなら気紛れで宴会に参加するなど言わなければ良かった。
だが言ってしまった以上行かなければ魔理沙の文句は酷いであろう。
それにあまり機嫌を損ねるのは良くない。
「それにしても……いつになったら着くんだ……」
空でも飛べれば些か楽なんだろうが、残念ながら僕は歩きだ。
しかも魔理沙が遠いと言うのだから飛んでも遠いんだろう。
……しかしおかしい。
神社が遠ざかって行くわけがないのにいくら歩いても着かない。
いやそれとも本当に何かの異変で神社が動いているのだろうか?
いやそれだったら霊夢自身が異変解決に動くか……。
「考えられるとしたら……紫だが」
紫の力を考えればこの現象を起こすことは可能だろうが……だがそれをしてどうなる?
ただの悪戯?
あの紫なら考えられなくもないが……。
「ここまでだと質が悪い……」
いつの間にか僕の口からは愚痴ばかり零れていた。
ここまでだと仕方ない。
「ふふ、参ってる参ってる」
「やっぱり気付かないものね」
今何か声が聞こえてきたような……。
「あの吸血鬼とかだって気付かなかったのよ? 私達の悪戯は完璧よ」
「危なくさっきはナイフ当てられそうになったけどね」
良く分からないが誰かいるみたいだな。
しかし……悪戯?
これが誰かの悪戯ということか?
「あれ……? でもあの人間どっかで見たことが……」
「というか私達の声漏れてない?」
「あっ音消すの忘れてた」
また謎の声が聞こえ、今度は急に静かになる。
音を消す……そういえばそんな妖精がいるって魔理沙が言ってたような気がするな。
この現象はまさか妖精が起こしているのか?
「しかし困ったな……これじゃいつまでたっても神社に着かない」
相手に聞こえてるかどうかは分からないが一応言ってみた。
妖精が相手ならばむしろ逆効果なのかもしれないが……。
しかし僕の予想に反して状況は変わった。
「……これは」
急に周りの景色が変わり始めたのだ。
まるで幻が消えていくかのように景色が少し歪んでいる。
これは……光の屈折?
「通してあげるわ。 あの時のお礼にね」
綺麗な凛とした声が最後に響き、そのまままた辺りは風の音が響いているだけになっていた……。
実際その後僕はすぐに神社に着くことが出来た。
結局僕だけではなく何人もあのいつまでも着かない神社に悩まされたらしい。
何故僕が通れたのかは良く分からない。
しかしあの声……前に一度だけ聞いたような気がするんだけどな。
「最近神社が遠いんだぜ」
この前魔理沙が不意に言ったこの一言。
僕こと森近霖之助が気にするようなことではなかったはずだった。
僕は基本的に神社にはあまり行かないし、そもそもあまり頻繁には外に出ない。
だから関係ないと思ってたんだが……今になって痛感した。
確かに神社が遠い。
本来ならもう着いている頃にも関わらず、いくら歩いても神社に着かない。
こんなことなら気紛れで宴会に参加するなど言わなければ良かった。
だが言ってしまった以上行かなければ魔理沙の文句は酷いであろう。
それにあまり機嫌を損ねるのは良くない。
「それにしても……いつになったら着くんだ……」
空でも飛べれば些か楽なんだろうが、残念ながら僕は歩きだ。
しかも魔理沙が遠いと言うのだから飛んでも遠いんだろう。
……しかしおかしい。
神社が遠ざかって行くわけがないのにいくら歩いても着かない。
いやそれとも本当に何かの異変で神社が動いているのだろうか?
いやそれだったら霊夢自身が異変解決に動くか……。
「考えられるとしたら……紫だが」
紫の力を考えればこの現象を起こすことは可能だろうが……だがそれをしてどうなる?
ただの悪戯?
あの紫なら考えられなくもないが……。
「ここまでだと質が悪い……」
いつの間にか僕の口からは愚痴ばかり零れていた。
ここまでだと仕方ない。
「ふふ、参ってる参ってる」
「やっぱり気付かないものね」
今何か声が聞こえてきたような……。
「あの吸血鬼とかだって気付かなかったのよ? 私達の悪戯は完璧よ」
「危なくさっきはナイフ当てられそうになったけどね」
良く分からないが誰かいるみたいだな。
しかし……悪戯?
これが誰かの悪戯ということか?
「あれ……? でもあの人間どっかで見たことが……」
「というか私達の声漏れてない?」
「あっ音消すの忘れてた」
また謎の声が聞こえ、今度は急に静かになる。
音を消す……そういえばそんな妖精がいるって魔理沙が言ってたような気がするな。
この現象はまさか妖精が起こしているのか?
「しかし困ったな……これじゃいつまでたっても神社に着かない」
相手に聞こえてるかどうかは分からないが一応言ってみた。
妖精が相手ならばむしろ逆効果なのかもしれないが……。
しかし僕の予想に反して状況は変わった。
「……これは」
急に周りの景色が変わり始めたのだ。
まるで幻が消えていくかのように景色が少し歪んでいる。
これは……光の屈折?
「通してあげるわ。 あの時のお礼にね」
綺麗な凛とした声が最後に響き、そのまままた辺りは風の音が響いているだけになっていた……。
実際その後僕はすぐに神社に着くことが出来た。
結局僕だけではなく何人もあのいつまでも着かない神社に悩まされたらしい。
何故僕が通れたのかは良く分からない。
しかしあの声……前に一度だけ聞いたような気がするんだけどな。
頑張ってくださいね