注:前回からの続きです。
________17:00 地底(地霊殿)
魔理沙「……あー暑い。相変わらずだな、この館の暑さは」
妖夢 「あなたが厚着だからじゃないんですか?」
魔理沙「いや、本当に暑いんだよ。半分死んでるお前にはわからないだろうが」
妖夢 「だから死んでるじゃなくて、半分霊って言ってください。何度言わせるんですか」
燐 「ここ地霊殿は、もともと灼熱地獄だった場所の真上に建ってるんだにゃ。
あたい達はもう慣れたけど、暑いのはそのせいだにゃ」
魔理沙「見な。廊下の床、いたるところに天窓があるだろ。ちょっと覗いてみろよ」
妖夢 「おお~、ほんとだ。まるでかまどですね」
燐 「灼熱地獄跡は放っておくと火力が上がって、それにつられて怨霊の数も増えてしまうんだにゃ。
だからきちんと管理するために、さとり様はあたい達みたいなペットに仕事を任せてるんだにゃ」
妖夢 「観光客でもないのに、ご丁寧に説明までしていただいて……勉強になります」
魔理沙「というか、お前はいつまでその気色悪い口調なんだよ」
燐 「ほっとけにゃ。さ、ここがさとり様がお待ちしている部屋だにゃ。とっとと入れにゃ」
妖夢 「では失礼して……あ、ドアを開ける前にノックでしたね」
???「ノックは要りませんよ」
妖夢 「えっ?」
???「鍵もかかってはいません。そのままお入りなさってください」
妖夢 「……ドアがなんか喋ってるんですが」
魔理沙「向こうから声がするってことだろ。常識的に考えて」
妖夢 「まあ……そうですよね。ではお言葉に甘えて、失礼します」
妖夢 「(でも、なんでわたし達が来たのがわかったんだろう。足音が聞こえたのかな……)」
さとり「ようこそ、地上の方々。わたしが地霊殿の主、古明地さとりです」
妖夢 「お、おじゃましてます」
妖夢 「(このひとが…………見たところ、たいして妖気は感じないみたいだけど)」
さとり「そちらにかけて、楽になさってください。
ああ、お燐はもう行っていいわ」
燐 「はいだにゃ」
魔理沙「おや。なんだ、寝込んでるって聞いたが、普通に元気そうじゃないか」
さとり「『……ツラは相変わらず病人だが』と思っているようですね。大きなお世話です。
相変わらずあなたは口が……もとい性格が悪い」
魔理沙「それこそ大きなお世話だ。
お前、とても風邪ひいてるようには見えないんだが?」
さとり「風邪で寝込んでいたのは五日ほど前の話。今はすっかり快復しました。
最近来客が多いので、人払いに風邪が続いて寝込んでいることにしていただけです」
魔理沙「要はただ居留守を決め込んでたってだけか」
さとり「最近は貴方のような輩が多いからね。
貴方がたが、うちの野菜を目当てだということはわかっていますよ」
妖夢 「……ねえ、さっきからあの人、何なんです? なんだか言ってること……」
さとり「『……言ってることおかしいし、ひょっとして電波ですか?』と訊きたいみたいですね。
電波という言葉の意味はよくわかりませんが、精神は比較的安定しているつもりですよ」
妖夢 「……えっ!? なんで声に出す前に……」
魔理沙「あっはっはっは~。さすがのお前もやっぱり驚いたな。
はっはっはっはっ」
妖夢 「えっ?えっ?えっ? もう、なんなの~」
さとり「『わたしも初めて会った時は相当驚いたからなぁ。
いやぁ、ここまで事前に何も話しておかなくて正解だったぜ。ああ楽しい』だ、そうです。
どうやら、あなたはわたしについて何も知らされていなかったみたいですね」
妖夢 「はあ、まあ。ここで灼熱地獄跡の管理をされている、としか」
魔理沙「はっはっはっはっ。いやぁ、いい反応ごちそうさまだぜ」
妖夢 「……あなたまさか、こんなくだらないドッキリのためだけに、
こんな地底くんだりまで連れて来たんじゃないでしょうね?」
魔理沙「おっと、刀は無しだぞ、刀は。
つまりだな、こいつは、心が読めるんだとさ」
妖夢 「ええっ!? 心が読めるっ?」
さとり「そう、改めてはじめまして。
あなたは半分幻の庭師、魂魄妖夢さん……ですね?」
妖夢 「はわわっ、二つ名まで……」
さとり「心を読めるといきなり言われても、簡単には信じられないでしょう。
試しに、何か考えてみてください。言い当ててみせますから」
妖夢 「ええっと、そうですね。じゃあ……」
さとり「ふむふむ……『そういえばこの人、なんでこんなやけに腕が短いんだろ』ですか。
それはデザインした絵師の腕がきっとアレなせいなので、あんまり気にしないでくれると助かります」
妖夢 「おお~、一字一句そのままに……。
心が読めるというのは本当なのですね。ということは、あなたは……」
さとり「お察しの通り。この名の示すとおり、覚(サトリ)の妖怪です。
わたしはこの左胸にある第三の眼によって、他者の心理を見通すことができます。
正直わたしは今のようなリアクションは見飽きているので、そう恥ずかしがることはありませんよ」
妖夢 「そう口に出されると余計に恥ずかしくなるんですが……」
魔理沙「ま、そういうことだ。こいつは心が読める。
それゆえに対等に話せる相手がいなくなり、周りには誰もよりつかなくなった。
こんな地底の外れに住むことになった原因だな。
だがまあどちらかというと能力よりも、
空気を読まないで相手の考えをホイホイ言ってのける性格の方が問題な気もするが」
さとり「そういうあなたも、無礼なことをすぐ口に出すわね。
人にものを頼む態度としては、なかなか立派なものだわ」
魔理沙「言っとくが、わたしはただここまで案内してやっただけだぜ。
お前に頭を下げるのはこのチンチクリンの方だ。
まあ、言わなくてもわかってるんだろうが」
さとり「ふむ……なるほど。
境界パーソナリティでアパシー気味だった主人が、突然気まぐれで鍋が食べたいと言ってきたと。
それであなたは食材を集めに幻想郷を走り回っているわけですね」
妖夢 「おおっ、本当に会話いらず……。
思ったことがすぐ伝わるんですね」
魔理沙「てか、お前主人を境界とか言っちゃ駄目だろ」
妖夢 「でも、それならこちらが必死になる事情もわかってくれたかと思います。
どうかそちらで作っている野菜を、少し分けていただけませんか?」
さとり「なになに、あなたが欲しいのは、長ネギに白菜、あと欲張れば椎茸にエノキダケ……ですか。
どれもうちの庭にありますよ。
でも、あなたの記憶では、材料はデュエルをして集め回れと言われているようだけど?」
妖夢 「ああん、口に出して言わないでくださいぃ」
魔理沙「なんだ。じゃあお前、やっぱりデュエルで勝たないと駄目じゃんか」
妖夢 「うう~、だって、こんなリアルで心を読む人とやって勝てるわけがないじゃないですか……」
魔理沙「やれやれ。怖い者知らずのお前も、今度ばかりは自信無いってか。
てか、遊戯王原作でもやってたネタだしな。心を読める相手との戦いは」
さとり「あら、わたしは構いませんよ。
むしろ地上の方がどれだけの力を持っているのか、試してみたいわ。うふふふふ」
妖夢 「うう……やるしかないのかな。
じゃあ、わかりました。代わりに約束してください。
わたしが勝ったら……」
さとり「ええ、わかってますよ。
あなたのご入り用な分、好きなだけ持っていって構いません。
では、わたしが勝ったら…………そうですね。
わたしの言うことを、何でも一つだけ聞いてもらいましょうか。いかがです?」
妖夢 「(……ここまでくれば、もう退くわけにはいかない。
もし心を読む相手がいたら……そんなことを、まるで想像しなかったわけじゃない。
剣の究極、すなわち無心とは、剣に心を全て預けること。
今のわたしに、そこまでの境地に至る力量があるのか……)」
妖夢 「(……わからない。でも、試してみるしかない。
わたしは自分の信じる剣を、心を、魂を―――半分だけど―――、
全ての矜持をカードに乗せて戦う!)」
妖夢 「このデュエル、受けます。
いざ尋常に、勝負です。古明地さとりさん!」
さとり「うふふふふ……
自分の未熟さを十分に知りながら、信じることによって忠義を全うしようとするあなたの気概、よくわかります。
しかし悲しいかな、信じるということは、他の脇目を振ることすらできないということ。
すなわち視界の狭窄。本来見えるべきものすら見えなくなる。
対して、わたしはこの第三の眼によって全てが見える。
勝敗は圧倒的な視野の差に決するでしょう。
さあ、いらっしゃい。わたしのマインドスキャンで、あなたの全てを見通してさしあげましょう!」
妖夢【幽明夢見じ断想剣】LP8000
VS
さとり【こころのリフレクティア】LP8000
魔理沙「んじゃまずコイントスだな。どれどれ、わたしがしてや……」
さとり「お待ちなさい。インチキをして妖夢さんの方を勝たせようとしていますね。
そんなことをしたらあなたの指を詰めますよ」
魔理沙「う、やっぱりばれてたか。
もう疚しいことは考えないから、そんなヤクザみたいなことは言わないでくれ」
さとり「とはいえ、多少のハンディはつけてあげないとそちらも辛いでしょう。先攻は差し上げます。
ああ、気を悪くすることはありませんよ。
何もわたしは相手を舐めているつもりはありません。
少しでも手ごたえがある方が楽しめる、ただそれだけのことですから……」
妖夢 「(うう、思考どころか、こちらの感情すらも読み取れるのか。
果たしてこんな相手に勝てるのか……)」
妖夢 「ならば、先攻をいただきます。ドロー!」
妖夢 「モンスターを裏守備でセット。ターンエンドです」
妖夢 LP8000:手札5:裏守備
さとり LP8000:手札5:無し
魔理沙「(さて……始まったか。
こちらの作戦も、姦計も、全てを見透かしてしまう相手……あいつはさとり相手にどこまでやれるのかな。
不謹慎かもしれないが、ちょっと楽しみだぜ)」
さとり「では……わたしのターンですね。ドローします」
さとり「センジュ・ゴッドを召喚しましょう」
《センジュ・ゴッド/Senju of the Thousand Hands》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、
デッキから儀式モンスターカード1枚を選択して手札に加える事ができる。
さとり「誘発効果発動。デッキからサクリファイスを手札に加えます」
妖夢 「(……!?
サクリファイスって、あの……!)」
さとり「正解です。このままではフェアではありませんので、一つ公言をしておきましょう。
わたしのデッキは儀式サクリファイス。
この儀式モンスター、サクリファイスの能力を最大限に引き出してゲームを支配するコントロール系デッキです。
あなたのそのデッキは、不死武士を軸にした戦士族のシンクロ召喚デッキ、そうですね?」
妖夢 「(なっ……!? デッキ構成まで……。
そうか。わたしの手札の6枚もわかれば、こちらのデッキを把握するぐらいは容易い……)」
妖夢 「(いや、それもわからないぞ。
心を読めるといっても、どこまでがその範囲なのか……。
思考だけか、それとも無意識の範囲まで汲み取れてしまうのか。
もし後者だとしたら、わたし自身普段意識できない深層心理まで読み取れるということに……
デッキの構成がしれたのも、おそらくは……)」
さとり「その裏守備モンスターは『不死武士』ですね。
攻撃はしても無駄なようですのでやめておきます。ターンエンド」
魔理沙「(……当然セットされたカードも看破される、か。
そりゃ、相手の手札が全部見えているも同然だからな。
いや、考えも手にとるように読めるのだから、妖夢の不利はそれ以上……)」
さとり「忠告しておきますが、これからするのは、あなたの知っているデュエルではない。
固定観念を捨てることです。
あなたは〝わたしに心を視られている〟ということを前提して戦わなければならない
―――もちろん、その行動をさらにわたしが視るという、第二の前提まで頭に入れたうえで、ですが―――。
これはカードゲーム。静止した競技です。
一瞬の剣戟と違い、あなたは思考を重ねざるを得ない。
あなたが今立っているのは、上下も左右も無い螺旋の回廊です。
答えの出ない思索、巡り続ける焦燥。
心を視られ続ける苦痛に、あなたはいつまで耐えられるかしら……」
妖夢 LP8000:手札5:裏守備
さとり LP8000:手札6:センジュ
妖夢 「(ううっ、なんというプレッシャー……!
妖気こそ凄まじいほどではないものの、これは幽々子様や紫様に匹敵する……!)」
妖夢 「(くっ、駄目だ。臆するなと言ったはずだ。
長期戦になればなるほど不利なのは目に見えている。ここは、一気に……!)」
妖夢 「手札から、ジャンク・シンクロンを召喚します!」
《ジャンク・シンクロン/Junk Synchron》 †
チューナー(効果モンスター)
星3/闇属性/戦士族/攻1000/守1000
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する
レベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。
妖夢 「墓地にモンスターがいないので誘発効果は発動しません。
さらに不死武士を反転召喚です」
《不死武士(ふしぶし)/The Immortal Bushi》 †
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1200/守 600
このカードは戦士族モンスターの生け贄召喚以外の生け贄にはできない。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、
自分フィールド上にモンスターカードが存在しない場合、
このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地に戦士族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
さとり「ふふふ……シンクロ召喚でレベル6のゴヨウ・ガーディアンを呼ぶつもりですね? わかっていますよ」
妖夢 「(く……だが、今更引き返せない!)
レベル3のジャンク・シンクロンに、同じくレベル3の不死武士をチューニングします。
ゴヨウ・ガーディアンをシンクロ召喚!」
《ゴヨウ・ガーディアン/Goyo Guardian》 †
シンクロ・効果モンスター(制限カード)
星6/地属性/戦士族/攻2800/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
そのモンスターを自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する事ができる。
妖夢 「あなたの場に伏せカードは無い。バトルフェイズです。
ゴヨウ・ガーディアンで、センジュ・ゴッドに攻撃!」
さとり「ダメージ計算直前で手札から誘発即時効果を発動します。これはオネストです」
《オネスト/Honest》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1100/守1900
自分のメインフェイズ時に、フィールド上に表側表示で存在する
このカードを手札に戻す事ができる。
また、自分フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスターが
戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、
エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力は、
戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。
さとり「オネストの効果によって、センジュ・ゴッドの攻撃力は4200になる。
ゴヨウ・ガーディアンは返り討ちですね」
妖夢 「(くぅ、やはり読まれていた……。
迂闊な攻撃は全て無謀だというのか。
でも、まさかオネストまで入っているとは……)」LP8000→6600
妖夢 「カードを2枚伏せます。ターンエンド!」
妖夢 LP6600:手札3:伏せ2
さとり LP8000:手札5:センジュ
さとり「サクリファイスを除けば、このデッキは比較的光属性のモンスターで占められています。
オネストも十分に機能してくれますよ。ドローしましょう」
さとり「……右の伏せは『激流葬』、左は『聖なるバリア―ミラーフォース』ですね。
ならば新たにモンスターを召喚する必要も無いでしょう。
センジュ・ゴッドでダイレクトアタックです」
妖夢 「(……こんな下級相手にミラフォは使えない。結果的にアド損になってしまう)
通します」LP6600→5200
さとり「メインフェイズ2で、モンスターをセット。
当然ですが、セットは召喚ではないため激流葬は発動できません。
1枚伏せて、ターン終了」
魔理沙「(……うーん。やはりというか、思考を読まれるってのは思った以上にやりにくいんだな。
こりゃ、本当に手も足もでないで終わるってことも……)」
妖夢 LP5200:手札3:伏せ2
さとり LP8000:手札4:センジュ、裏守備、伏せ1
妖夢 「(今度は伏せカード……さすがにもうオネストは無いのか?
じゃあ、本命は伏せの方……?)」
妖夢 「(……ああもう! 駄目だ駄目だ!
こうして考えることこそ、さとりさんの術中なんだ。
迷いを捨てろ、魂魄妖夢!)」
妖夢 「ドローします! スタンバイフェイズ、墓地の不死武士を守備表示で特殊召喚。
メインフェイズで、手札からDDアサイラントを召喚します」
《D(ディー).D(ディー).アサイラント/D.D. Assailant》 †
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1700/守1600
このカードが相手モンスターとの戦闘によって破壊された時、
そのモンスターとこのカードをゲームから除外する。
さとり「『このモンスターならばもし仮にオネストの効果を発動したとしても、相手を道連れにしてアド損させられる』、ですか。
期待値の高さを選んだわけですね」
妖夢 「くっ……ええそうですよ。
アサイラントでセンジュゴッドを攻撃します!」
さとり「正直ですね。伏せは発動しません。センジュゴッドは破壊されます」LP8000→7700
妖夢 「(トラップじゃなかった……。
読み間違えてくれた? いや、使う必要もなかったということだろうか)
これでターンエンドです」
妖夢 LP5200:手札3:アサイ、不死武士、伏せ2
さとり LP7700:手札4:裏守備、伏せ1
さとり「わたしのターン、ドロー」
さとり「わたしの前で正直であることは懸命です。
しかし同時に愚かでもある。
この能力の前に従順になることは、意志の放棄に他ならない
―――まあ、最終的にそうさせるのがわたしの戦術でもあるのですが―――。
あなたはこのカードを前に、さらに立ち向かう気力を喪失させることでしょう。
イリュージョンの儀式を発動」
《イリュージョンの儀式(ぎしき)/Black Illusion Ritual》 †
儀式魔法
「サクリファイス」の降臨に必要。
フィールドか手札から、レベルが1以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。
魔理沙「(くるかっ。サクリファイスが!)」
さとり「手札のネクロ・ガードナーをリリースします。
来なさい……サクリファイス」
《サクリファイス/Relinquished》 †
儀式・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
相手モンスター1体を指定してこのカードに装備する。
(この効果は1ターンに1度しか使用できず、
同時に装備できるモンスターは1体のみ)
このカードの攻撃力・守備力は装備したモンスターの数値になる。
戦闘によってこのカードが破壊される場合、
かわりに装備したモンスターが破壊され、
超過した戦闘ダメージは相手プレイヤーも受ける。
さとり「守備表示です。優先権を行使し、起動効果を発動。
サクリファイスは1ターンに一度、相手モンスターを吸収することができます。
対象はもちろん、DDアサイラント」
妖夢 「(嫌な予感がするが……使うならここしかない!)
チェーンしてトラップです。激流葬!」
《激流葬(げきりゅうそう)/Torrential Tribute》 †
通常罠(制限カード)
モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動する事ができる。
フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
妖夢 「フィールドのモンスターを全て破壊します!」
さとり「ふふふ、ならばそれにさらにチェーン。亜空間物質転送装置です」
《亜空間物質転送装置(あくうかんぶっしつてんそうそうち)/Interdimensional Matter Transporter》 †
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、
発動ターンのエンドフェイズ時までゲームから除外する。
さとり「対象は当然サクリファイス。異次元に避難させます。
そしてチェーン処理後、裏守備のクリッターの効果が発動されます」
《クリッター/Sangan》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分のデッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
さとり「さらにクリッターの誘発効果発動。デッキからDDクロウを手札に加えましょう。
ターン終了。エンドフェイズに、異次元からサクリファイスが戻ってきます」
妖夢 LP5200:手札3:伏せ1
さとり LP7700:手札3:サクリファイス
魔理沙「激流葬はこれ以上無いぐらい見事にスカったな。
ここであいつがサクリファイスを出してきたってことは、お前の手にはモンスター除去の魔法は無いんだろう?」
妖夢 「う……まあ」
妖夢 「(不死武士はおそらくクロウの効果で除外されるだろうし……
本当に、全てが彼女の思うが侭に操られている錯覚に陥ってしまう。
一体どうすれば……)」
さとり「ふふふ……長考も結構。しかしこれだけは言わせてください。
〝迷っている時点で、すでに出遅れている〟のですよ」
妖夢 「(ううっ! 見透かされている……わたしの、この浮き足立ったこころが……)」
妖夢 「……スタンバイフェイズで、墓地の不死武士の効果を発動します」
さとり「しかしあなたはすでに無意味だということがわかっている。
チェーンしてDDクロウの誘発即時効果です。
このカードを手札から捨て、不死武士を除外」
《D(ディー).D(ディー).クロウ/D.D. Crow》 †
効果モンスター
星1/闇属性/鳥獣族/攻 100/守 100
このカードを手札から墓地に捨てる。
相手の墓地に存在するカード1枚をゲームから除外する。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
妖夢 「なら……メインフェイズで、コマンド・ナイトを召喚です!」
《コマンド・ナイト/Command Knight》 †
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1200/守1900
自分のフィールド上に他のモンスターが存在する限り、
相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
また、このカードがフィールド上に存在する限り、
自分の戦士族モンスターの攻撃力は400ポイントアップする。
妖夢 「自身の永続効果で、コマンド・ナイトの攻撃力は1600になります!
サクリファイスに攻撃!」
さとり「ふふふ、わたしは言いましたよね。
視野が狭くなると、足元すら見えなくなる。
墓地のネクロ・ガードナーの効果発動です」
《ネクロ・ガードナー/Necro Gardna》 †
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。
相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
妖夢 「(ああ……しまった)」
さとり「あなたがこのターン、焦燥でろくに相手の墓地情報すら把握しきれていなかったのはわかっていました。
ネクロ・ガードナーを除外することで、その攻撃を無効にします」
妖夢 「い、1枚伏せて……ターンエンドです」
魔理沙「(フィールドにモンスターを残せば、次のさとりのターン、サクリファイスに吸収される。
これならいっそ何も召喚しないほうがよかったな。
まさに、手の平の上……妖夢の奴、完全に翻弄されてるぜ)」
妖夢 LP5200:手札2:コマンド(攻1600)、伏せ2
さとり LP7700:手札2:サクリファイス
さとり「だいぶ失意の色が濃くなってきたようですね。
わたしとしては少々残念ですが……何もしないならばドローします。
サクリファイスの起動効果でコマンドナイトを吸収。そして終末の騎士を召喚」
《終末(しゅうまつ)の騎士(きし)/Armageddon Knight》 †
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1400/守1200
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、
自分のデッキから闇属性モンスター1体を選択して墓地に送る事ができる。
さとり「誘発効果で、デッキの儀式魔人リリーサーを墓地に送ります。
終末の騎士で、妖夢さんにダイレクトアタック」
さとり「あなたのもう1枚の伏せカードが、『トゥルース・リインフォース』であることはわかっています。
使ったらいかがですか? ミラーフォースではもったいないでしょうから。
デッキから特殊召喚するモンスターは……そうね、悪シノビ辺りがよろしいのでは?」
妖夢 「(く……こちらがしようとしていた事を、完全に見透かされてる。
ここは逆らってミラフォを撃つべきなのか、
それともそうやって正着手から外させることこそ、相手の思う壺なのか……)」
妖夢 「(……っ! 駄目だっ! わからない……!)」
妖夢 「…………リバースカードオープン!
トゥルース・リインフォースを発動します。デッキから、悪シノビを攻撃表示で特殊召喚!」
《トゥルース・リインフォース/Reinforce Truth》 †
通常罠
自分のデッキからレベル2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行う事ができない。
《悪(お)シノビ/Vengeful Shinobi》 †
効果モンスター
星2/闇属性/戦士族/攻 400/守 800
表側攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された時、
自分のデッキからカードを1枚ドローする。
さとり「ふふふ、〝やはり〟そうきましたね。
終末の騎士で悪シノビを攻撃します」
妖夢 「悪シノビは破壊されますが、誘発効果で1枚ドローします」LP5200→4600
さとり「どうぞ。ターンエンドです」
妖夢 LP4600:手札3:伏せ1
さとり LP7700:手札2:サクリファイス(攻1200・守1900)、コマンド(サクリ装備)
妖夢 「(……やはり、だって? あそこはやっぱりミラフォだったというの?
でも、そんなことは……)」
魔理沙「(……完全に術中だな。デュエル云々より心理戦で負けてるじゃないか。土俵が間違ってるぜ)」
魔理沙「(しゃあない、声でもかけてやるか……)
おい、妖夢」
妖夢 「(しかし、これでライフは4000台。モンスターを並べられ一斉攻撃されれば堕ちる圏内に……。
ミラフォよりもライフを温存すべきだったのか……)」
魔理沙「おーい」
妖夢 「(……でも!
あのサクリファイスを倒すためにも、モンス除去は温存し、牽制で時間を稼ぐべき……)」
魔理沙「……こっち向けよ白ヘル」
妖夢 「誰の頭がヘルメットだってんですっ」
魔理沙「しっかり聞こえてんじゃないか」
妖夢 「人間の耳はそういうふうにできてんですよ。カステラ・パーティってやつです」
魔理沙「カクテル・パーティ効果な。それはそうと、お前、ごちゃごちゃ考えすぎなんだよ。
おんなじ所ぐるぐる回るにわとりみたいになってるじゃないか」
妖夢 「に、にわとりですか……?」
魔理沙「ああ。見ようによっちゃうまそうだったな」
妖夢 「……こんな時に意味わからんことで口を挟まないでくださいよ」
魔理沙「口を挟んだのは、そういうことじゃない。アドバイスをしたかったからだ」
妖夢 「アドバイス……? なにかいい手があるんですかっ?」
魔理沙「うむ。ほら、あれだ。お前の心を読まれるんなら、その半霊でプレイすりゃいいんじゃないか?
もしくはそいつで、心を見られないようにガードする」
妖夢 「…………。
そんな遊戯王原作みたいな真似できるわけないでしょう。
この半霊はあくまでわたしの一部なんです。魂が二つあるわけじゃありません。
自分の思い通りに扱えても、自立的な行動はできないんです」
魔理沙「お堅いやっちゃなー。そこまで設定に忠実じゃなくてもいいだろうに。
たまにはいいだろご都合主義も」
妖夢 「だから登場人物に過ぎないくせに設定とかいうのはやめてくださいっ。
いい加減怒りますよっ」
魔理沙「もう怒ってるけどな。
それはまあいい。わたしが助言したいのは別のことだ」
妖夢 「別のこと~?」
魔理沙「ああ。どれだけ策を練ったところで、相手には筒抜けなんだ。
だったらいっそ、もっとどっしり構えてればいい。
自分で選ぶ最善手は、常に一つしかない。正攻法でいけばいいさ」
妖夢 「しかし、正攻法でいって裏をかかれたら……」
魔理沙「裏をかかれない方法なら、一つだけあるだろ。
お前も気づいているはずだ。それは……」
さとり「あら、いただけませんね。第三者による助言は禁止行為のはずですが」
魔理沙「へへ、まあ固いこというなって。どうせお前にもとっくに筒抜けなんだろ」
さとり「ふふふ、ならばルールに抵触しないように、わたしが代弁してあげましょう。
魔理沙さんはこう言いたいそうです。
『心を読めるさとりが唯一予測できないもの、それは次のドローカードだ。
たった1枚で形勢を覆すのは厳しいが、端緒を開くだけならお前のドロー力で十分なはずだ』、と」
魔理沙「憎たらしいぐらい一字一句そのままだな。
まあ、やるだけやってみろってことだ」
妖夢 「(むう……確かに。少し考えすぎだったかも……)」
妖夢 「(でも、魔理沙さんの言うことも一理ある。
次にわたしが引くカードは向こうには予想できなくても、
デッキを操るわたしならば手繰り寄せることができるはず……)」
妖夢 「(わたしが心に描くのは……あのカードだ!)
ドローしますっ!」
妖夢 「(…………来た! これでサクリファイスを倒せる!)
手札のミスティック・ソードマンLV2を墓地に送り、ライトニング・ボルテックスを発動します!」
《ライトニング・ボルテックス/Lightning Vortex》 †
通常魔法
手札を1枚捨てて発動する。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。
妖夢 「これであなたのモンスターは全て破壊です!」
さとり「ふふふ……なるほど。
そのドローの力こそが、あなたの本当の強さというわけですね」
妖夢 「(これで端緒は開けた……。
わたしの手札は知られていても、この展開までは予測していなかったはず。
あとは、我が剣で押し通るまで!)」
妖夢 「手札から、戦士の生還を発動します。
墓地のジャンク・シンクロンを手札に加え、これを召喚。
ジャンク・シンクロンの効果で、墓地のミスティック・ソードマンLV2を守備で特殊召喚です」
《戦士(せんし)の生還(せいかん)/The Warrior Returning Alive》 †
通常魔法
自分の墓地に存在する戦士族モンスター1体を選択して手札に加える。
《ミスティック・ソードマン LV(レベル)2/Mystic Swordsman LV2》 †
効果モンスター
星2/地属性/戦士族/攻 900/守 0
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、
このカードを墓地に送る事で「ミスティック・ソードマン LV4」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する。
さとり「(……狙いはシンクロ召喚。
レベル3のチューナーとレベル2のモンスター、そしてさらにあと一体……)」
妖夢 「最後に、墓地の戦士の生還を除外し、手札からマジック・ストライカーを特殊召喚です」
《マジック・ストライカー/Spell Striker》 †
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻 600/守 200
このカードは自分の墓地に存在する魔法カード1枚を
ゲームから除外し、手札から特殊召喚する事ができる。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
妖夢 「いきます。レベル3のジャンク・シンクロンに、レベル3、マジック・ストライカーと、レベル2のミスティック・ソードマンLV2をチューニング!」
妖夢 「シンクロ召喚! 推参せよ、ギガンテック・ファイター!!」
《ギガンテック・ファイター/Colossal Fighter》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2800/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードの攻撃力は墓地に存在する
戦士族モンスターの数×100ポイントアップする。
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する
戦士族モンスター1体を選択し自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
魔理沙「おおっ、ギガンテック・ファイターかっ!」
妖夢 「ギガンテック・ファイターの攻撃力は、墓地にある戦士族の数だけ攻撃力を上昇させます!」
ギガンテック・ファイター 攻撃力3600
妖夢 「バトルフェイズです。
ギガンテック・ファイターでダイレクトアタック! 迷津慈航斬!!」
さとり LP7700→4100
妖夢 「(やっとまともなダメージを与えられた……)
ターンエンドです」
妖夢 LP4600:手札0:ギガンテック(攻3600)、伏せ1
さとり LP4100:手札2:無し
さとり「ドローします」
さとり「貪欲な壷を発動。
墓地のクリッター、センジュゴッド、オネスト、終末の騎士、DDクロウをデッキに戻し、さらに2枚ドローしますね」
《貪欲(どんよく)な壺(つぼ)/Pot of Avarice》 †
通常魔法
自分の墓地に存在するモンスター5体を選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。
さとり「……ふふふ、楽しかったです。久しぶりに歯ごたえのあるデュエルができました」
妖夢 「は、はあ。それはどうも……」
魔理沙「おーい、過去形になってることに気づけ」
妖夢 「えっ? あっ、ほんとだ。なんで過去形なんですか?」
さとり「貴方の頭には少々間違った目算がある。
サクリファイスを破壊したところで自分が有利になったと思ったのがそれです。
儀式モンスターは再度召喚するのに手間もコストもかかる、そう思っていますね?」
魔理沙「思ってるぜ」
妖夢 「あなたに言ったんじゃないでしょう。まあ、わたしも思ってましたが」
さとり「今時になるとサポートカードも充実し、儀式モンスターの召喚もそう難しいことではなくなりました。
極端に言えば、毎ターン儀式モンスターを出せてもおかしくないほどにね。
手札から、契約の履行を発動します」
《契約(けいやく)の履行(りこう)/Fulfillment of the Contract》 †
装備魔法
800ライフポイントを払う。
自分の墓地から儀式モンスター1体を選択して
自分フィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時、装備モンスターをゲームから除外する。
さとり「墓地より、蘇生制限を満たしている儀式モンスターを特殊召喚します。
蘇りなさい、サクリファイス」LP4100→3300
妖夢 「(なっ!? またあのモンスターが……)」
さとり「守備表示です。
サクリファイスの起動効果発動。ギガンテック・ファイターを吸収します。
サクリファイスは、ギガンテック・ファイターの攻撃力・守備力を得る」
サクリファイス 攻撃力2800
妖夢 「(ギガンテック・ファイターが……吸い込まれた)」
妖夢 「(でも……まだわたしの場にはミラフォがある。
サクリファイスで攻撃してきたら、これを……)」
さとり「当然、そちらのケアも万全ですよ。手札より、マンジュ・ゴッドを召喚」
《マンジュ・ゴッド/Manju of the Ten Thousand Hands》 †
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、自分のデッキから
儀式モンスターカードまたは儀式魔法カード1枚を選択して手札に加える事ができる。
さとり「誘発効果発動。デッキより、救世の儀式を手札に加えます」
魔理沙「(!? また儀式をするつもりか……)」
さとり「救世の儀式を発動。その際、儀式の生け贄として、場のマンジュ・ゴッドと、墓地の儀式魔人リリーサーの効果を使用しましょう」
《救世(きゅうせい)の儀式(ぎしき)/Ritual of Grace》 †
儀式魔法
「救世の美神ノースウェムコ」の降臨に必要。
手札・自分フィールド上から、レベルの合計が7以上になるように
モンスターをリリースしなければならない。
自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、
このターン自分フィールド上に表側表示で存在する
儀式モンスター1体は魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にならない。
《儀式魔人(ぎしきまじん)リリーサー/Djinn Releaser of Rituals》 †
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守2000
儀式モンスターの儀式召喚を行う場合、
その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、
墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事ができる。
このカードを儀式召喚に使用した儀式モンスターが
フィールド上に表側表示で存在する限り、
相手はモンスターを特殊召喚する事ができない。
さとり「このカードは墓地から除外することで、儀式の生け贄として使用することが可能なのです。
合計でレベル7のモンスター達を儀式の供物に捧げ……儀式召喚。
救世の美神、ノースウェムコ」
《救世(きゅうせい)の美神(びしん)ノースウェムコ/Divine Grace - Northwemko》 †
儀式・効果モンスター
星7/光属性/魔法使い族/攻2700/守1200
「救世の儀式」により降臨。
このカードが儀式召喚に成功した時、
このカードの儀式召喚に使用したモンスターの数まで、
このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するカードを選択して発動する。
選択したカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードはカードの効果では破壊されない。
妖夢 「(……ノースウェムコ!?)」
さとり「特殊召喚成功時、誘発効果発動。
ノースウェムコは場のこのカード以外のカードを指定することで、
そのカードが表で存在する限りカード効果では破壊されません。
わたしは当然、サクリファイスを指定します。つまり……」
妖夢 「(……サクリファイスを倒さない限り、ノースウェムコも効果では破壊できない。
すなわちこのミラフォも効かない……)」
さとり「正解です。
では、バトルフェイズ。ノースウェムコで、プレイヤーにダイレクトアタック」
妖夢 「(うう……まずい。これじゃあ、あと一撃で……)」LP4600→1900
さとり「『あと一撃で終わってしまう』、ですね。
ですが正しくは、〝もう終わっている〟のですよ。
わたしはリバースカードを1枚伏せ、ターンを終了させます」
妖夢 LP1900:手札0:伏せ1
さとり LP3300:手札0:サクリファイス(攻2800・守1000)、ノースウェムコ、ギガンテック(サクリ装備)、伏せ1
魔理沙「もう終わっている……? どういう意味だよ。
次は妖夢のターンだ。次のドロー1枚で……」
さとり「『1枚で、奇跡が起きることだってある』、ですか。
確かに、これがデュエルモンスターズである以上、可能性としては十分にあり得ることでしょう。
奇跡などという大層な言葉を使わなくともね。
でも、このデュエルに限っていえば、その可能性は〝100%存在しない〟のです」
妖夢 「な、なぜそんなことが言えるんですか!」
さとり「では、一つ簡単な問いかけを。
あなたは、心を視る能力を持っている者が使って、
もっとも凶悪な効果を発揮するカードは何か知っていますか?」
妖夢 「もっとも凶悪な効果を発揮するカード……?」
魔理沙「まさか、その伏せカードがそうだっていうのか?」
さとり「いかにも。
次にあなたがカードをドローした瞬間、わたしはこのリバースカードを発動させるでしょう」
魔理沙「(ドローした、瞬間……)」
魔理沙「(瞬間…………ということは、まさか!)」
さとり「……正解です。
奇跡など差し入る余地が微塵も残されていないことが、わかったでしょう」
魔理沙「……フン、なるほどな。確かにこの勝負、お前の勝ちは揺るぎないらしい」
妖夢 「えっ!? あなたまで、何を……」
さとり「すぐにわかるでしょう。あなたがドローすれば」
妖夢 「…………」
妖夢 「(……わたしが生き残る可能性。
とりあえずモンスターカードを引ければ、壁として急場を凌げるはず。
次の相手のターン、サクリファイスや他のモンスターを召喚して攻撃してきたとしても、
ミラーフォースでノースウェムコ以外のモンスターは破壊できるからだ。
となると、狙いはやはりモンスターカードか……)」
妖夢 「……では、引かせてもらいます。ドロー!!」
つ 不死武士
妖夢 「(…………よし、モンスターカード!
これでとりあえずなんとか助かった。
ノースウェムコは儀式魔人リリーサーを生け贄にしているから、不死武士の効果は使えないけど……。
まだ諦めるのは早い。こうして凌いでいけば、いずれ逆転の目も……)」
さとり「ですから言っているでしょう。逆転の目はありません。
ドローフェイズ終了時にトラップ発動。マ・イ・ン・ド・クラッシュ」
《マインドクラッシュ/Mind Crush》 †
通常罠(制限カード)
カード名を1つ宣言する。
相手は手札に宣言したカードを持っていた場合、
そのカードを全て墓地へ捨てる。
持っていなかった場合、自分はランダムに手札を1枚捨てる。
妖夢 「(……なっ!? マイクラ!?)」
妖夢 「(そうか、このカードだったのか……!)」
さとり「普通は単体での運用は状況が限られるこのカードも、
心が視えるわたしが使えば百発百中のハンデスカードと化す。
不死武士を捨てなさい」
妖夢 「(これで、わたしの手札はゼロ……)」
妖夢 「(…………駄目だ、勝て……ない。強すぎる……)」
妖夢 「……参りました。サレンダーします……」LP1900→0
・・・・・・To be continued
続きを楽しみに待ってます。
さとりん鬼畜だよさとりん・・・
このヒトが使えばはたき落としや禁止令も壊れカードになりそうデース
いっその事こっちの情報が筒抜けなら天変地異や正々堂々を使用して互いに情報をイーブンにしてやるのもアリですね。
一つ疑問点があったのでそれを
ラストドローの不死武士はスタンバイフェイズで特殊召喚できるのでこのターンはまだ凌げたんじゃないのかな、と思ったり
結局次のターンで終わってしまうかもしれないですが、気になったので報告させていただきます
あとマイクラは制限だね
それから終末の騎士がターンの切れ目にエンチャンターになっていたのに気付いたので報告させていただきます
コメ返し遅れてしまい申し訳ありません。
ご指摘いただいた部分は修正させていただきました。
>>2
その辺もさとりんが使ったらやばそうですね~
マイクラだけじゃないですね
>>3
そういえばサレンダーは初めてでしたか……
リアルじゃしょっちゅう見るんですけどねw
>>5
結果として6の方の通りでしたが、間違いの指摘はいつでも大歓迎(?)ですので、
気づいたところがあればこれからもぜひ、遠慮せずにお願いします~
ペガサスと同じタイプのデッキならそれはそれでハートフェルトファンシー。嘘の無い(つけない)ファンシーですね。