Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

トマトに埋もれたさとりさん

2010/08/11 23:15:37
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 それは、悲劇だった。


「お姉ちゃん?」
 

 今日、家に帰るとお姉ちゃんが死んでた。いや、死んでたかもしれない。
 だって私に脈をとれって言われたってわかんないよ。そういうのはプロに頼もう。お燐とか。
 いやまぁともかくお姉ちゃんが死んでた。
 うん。きっとそう。
 だってこんなにトマトが飛び散ってるんだもの。

 お姉ちゃんはトマトに埋もれてとても嬉しそう。
 そう言えば、お姉ちゃん言ってたっけ。
 トマトに埋もれるのが夢だったって。そして、それが叶ったら死んでもいいって。
 だから、こんな……。
 こんな無謀なことをしたんだ。

 私がちょっと(三日くらい)目を離した隙に、頭からトマトを被るだなんて行為に出てしまったんだ。
 だから台所でフラダンスを踊るなって何度も言ったのに、お姉ちゃんは全然聞き入れてくれなかった。
 きっと、トマトが大量に入荷したから浮かれて、ついやっちゃったんだね。
 うん。わかる。
 私も蜜柑で同じことしたもの。
 すっごい柑橘系の匂いに悩まされたけれど、私は幸せだった。

 ねぇ、お姉ちゃんも、幸せを噛み締めてるのかな。
 トマトの匂いがぷんぷんするよ。
 お空とか気絶しちゃうよ。トマト嫌いだし。
 私もちょっと気分悪い。

 お姉ちゃん。
 ホントに死んじゃったの?
 
 そんな、頭にトマトぶつけて死ぬだなんて……
 豆腐の角に頭ぶつけて死ぬより恥ずかしいよ。

 お姉ちゃん、知ってる?
 今、足の小指、すっごい腫れてるよ?
 たぶん、ぶつけたんだね、冷蔵庫に。
 恥ずかしいよ。

 ぴくぴく動いてるのは気にしない。
 だってハズイから。
 姉がこんなことするなんて、私は恥ずかしい。
 だから、私は姉のスカートをめくることにした。
 
 手をかけたところで、姉が呻いた。
 ありゃ? 目覚めそう?
 でも私の手は止まらない。
 心臓の音が邪魔をする。
 
 ちょっとずつ、ちょっとずつ、上がっていくスカート。
 私はその様子をじっと見ていた。
 
 そして、見えた!
 と、思った瞬間だった。
 お姉ちゃんの手が閃いたのだ。
 私の手に、トマトでぐちゅぐちゅの手が添えられる。

 なにこれ? 想像以上に気持ち悪い。いや、トマトが。
 
 わぁお。まるでホラーだね。
 頭から真っ赤なトマトを零しながら立ち上がる、お姉ちゃん。
 片手で握った私の手から、トマトの汁が滴り落ちる。

 まるで血みたい。

「おはよ、お姉ちゃん」
「……おはよう。で? なにしてるのですか?」
「スカートめくり」
「殴ってもよろしいですか?」
「……私、悪いことしてないもん!」

 ぷん、とそっぽを向くと、お姉ちゃんは身体中からトマトの匂いを発しながら、私の頬を抓った。

「スカートをめくるのが悪いことだと知ってますか?」
「はふみみでふ(初耳です)」
「だったら、私がめくってもかまわないわよね?」
「ひゃめて!(やめて!)」

 そんなトマト臭い手はいやなのに!
 あ、や、待って待って!

「待ちません!」

 がばぁ! っと私のスカートに手をかけるお姉ちゃん。
 でも私言わなくちゃならないの!

「私、今日履いてないの!」

 お姉ちゃんはトマトを撒き散らした。










[おわり]
なんぞこれ?

私は悪くないんだ。

悪いのはプロットもなしに長編を書こうとして行き詰った私が悪いのだ。

あれ? 悪いのは私か……なんだそうだったのか。
月空
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
衝撃のラストwwwwww
2.名前が無い程度の能力削除
ナントイウヒゲキ(棒
最後の落っこちっぷりが半端なくて笑えましたw
3.拡散ポンプ削除
一体、どんな行き詰り方をしたらこうなるのですか?

なんというか……笑っちゃいました。私の負けです。
4.名前が無い程度の能力削除
地霊殿毎日楽しそう。私も負けました。
5.名前が無い程度の能力削除
実に平和な地霊殿だあね
フラダンスだいね
トマト!