Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

時間談判

2010/07/24 04:52:59
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 私の掌の中の銀の懐中時計。それは素敵なマジックアイテム。

「お願いします。 10秒でいいんです、お願いします」
「それじゃあ契約書にサインを。 ……最後の娘もこれでいなくなっちゃうわね」
「いいんです、時間を、時間を下さい」

 懐中時計の針を10秒だけ進める。そして、目の前の女が持ってきた古めかしい置き時計に私の時計を口付けさせる。
 そしてカチリとネジを押せば、彼女の時計に10秒の命が吹き込まれる。

「はい、出来たわよ」
「嗚呼、ありがとうございます。 ありがとうございます」

 私に向けて神への懺悔のように頭を下げ続ける女、私は毎日のようにこのような人間たちを目にしている。
 この地下室には時間を求める亡者たちが集まってくる。時間の切り売りをし始めてから、風の噂で聞きつけてありとあらゆる人間が私のもとへやってくる。

 10秒きっかり。それ以上は1秒たりとも与えない。それが私の定めたルール。
 この不思議な懐中時計が、他の時計へと力を貸し与える事が出来ると知って、私は見窄らしいメイドから神へと成った。
 館のヒエラルヒーはひっくり返った。どんな黄金よりも、宝石よりも、私の売る時間は価値のあるものだからだ。

 机一つに蝋燭一本、それだけが私の時間屋の店構え。しかし、それ以外には何も必要がないのだから当然だ。
 私の腰掛ける古びた椅子の背後には、大きな宝箱がいくつも置いてある。それは店の売上が入った大事な箱。

 最初はお金で売り買いをしていた。たまには外に出て買い物を楽しみたかったから。だけどもすぐに私は、この時間がそんな低俗な価値ではないと知った。
 10秒の時間を使い切った顧客たちは、皆が眼の色を変えその手に金を握って押し寄せてきた。私はメイドの仕事よりもこちらに時間を割かれ始めていた。
 だから思い切って時間の単価を上げたの。しかし、現れる客の数は減るどころか勢いを増して増えていく。ついには、私の売る10秒は黄金よりも高い値段になってしまった。

 そうなると時間を買った事のある中流階級以下の庶民は次の時間を買えなくなった。しかし、彼らにとっては時間という甘露に一度口をつけてしまったものだから、なんとしてでも私から時間を買おうとする。
 そして、先程の女のように自分の娘や自分自身を売ってまで時間を買おうとするのだ。一介のメイドだったはずの私は、いつの間にか奴隷商人になっていた。

「さくやぁぁぁあ、時間をちょぉおぉだぁぁい」

 次の客はお嬢様だった。私も敬愛していたお嬢様も今は悲しいかな、時間という蜜に身体をどっぷりと浸けて、もう自分ではその蜜壷から出られなくなっていた。
 最初はお嬢様にも、この素晴らしい力を差し上げようとしただけだった。しかし、今となっては時間廃人となった彼女に対する愛想も尽きていた。

「はいはい、お嬢様。 金貨50枚ですよ」
「も、もうそんなお金ないわよ、じ、時間をちょうだい……早くっ」

 お嬢様はその小さな腕に抱いた機械仕掛けの鳩時計を私に押し付けてきた。

「駄目ですよ。それじゃあ契約書にサインしますか? お嬢様みたいな小さな子にも買い手は付きますよ。 嫌なご時世ですね」
「あう、あうう~……じ、じじゃあ、この屋敷をあげるわ。 そ、それでいいでしょ?」
「よろしい。 それではこちらの契約書にサインを」

 私は懐中時計の針を10秒だけ進める。そしてお嬢様の抱える鳩時計にコツリとその身体をぶつけた。これで鳩時計は10秒だけ時間を停める力を得た。

「あり、ありがとう。 うふふ、私も時間を停められるわ……ふふ」

 お嬢様は鳩時計にキスをしながら地下室から出て行った。あの分では数日後にここへまたやってきて、こっちの契約書にサインをする事になるでしょう。

 私は懐中時計の針を見た。お嬢様の鳩時計に時間を与えてから、間もなく1分と40秒が過ぎようとしている。そろそろ次の客を入れよう。

 この時計には2つのルールがある。そのうちの一つが自乗の法則だ。
 時計によって時間を停めたり、または時間を他の時計に与えた場合。その時間に自乗した分の秒数だけ、私の時計はただの懐中時計に戻る。
 だから、この商売は1分40秒ごとに一人の客しかさばけないのである。

「はい、次の方どうぞー」

 私は扉の向こうに声を掛けた。そこには時間の亡者となった中毒者が待ち構えているはずだ。
 案の定、慌てたように木の扉が口を開いて私の元へと彼らをいざなった。

「じ、10秒……。10秒ください」

 若い女は薄汚れた服と淀んだ瞳を隠そうともせず、私ににじり寄ってきた。この身なりでは、到底支払いは出来そうにない。
 いつか私の元を訪れた顧客なのだろうが、生憎と顧客名簿は作っていない為にいつの来客か分からない。ただし、その中毒度だけは一級品だと分かった。

「はいはい、金貨50枚相当のお金を出してね」
「そ、そんなに……!? わ、私持ってない……こぉ、これれに時間ちょうだい……」

 女は古びた懐中時計を私に押し付けてきた。しかし、それを突き返して私は契約書を彼女の前に出した。

「貴方、綺麗にしたら器量良さそうだし……。 ばっちり売れると思うわ。 この契約書にサインしたら10秒あげる」

 深みに嵌り込んでいるこの女ならば、すぐにでもサインをするはずである。そう思っていた私だったが、女の口からは意外な言葉が飛び出してきた。

「し、勝負しましょう。 トランプで勝負して、貴方の時間と私の身体を賭けましょう。 そうしま、そうしましょう」

 唇を震わせながら言った彼女は、懐から綺麗なトランプの束を出した。私は眉を潜める。まさか時間を手に入れる為にギャンブルをしようとするものが現れるとは。
 そんなものは突っぱねるのが筋だと思ったが、しかし時間売りという退屈な商売の合間には良い余興だと思った。どうせ女が賭けに勝ってタダで時間をもらっても、この様子なら直ぐに使いきって私にすがりついてくるからだ。

「ふーん、ベットは貴方の身体イコール10秒の時間って事ね。 面白そうだから乗ってあげるわ。 勝負は何にするの?」
「イン、インディアンポーカー。 早く決着がつく、つくし。 簡単でしょ」

 意外なゲームを提案された。 久しく聞いていなかったゲームの名前だ。

 インディアンポーカーとは、互いにトランプを一枚、自分に見えぬように表にして額へと押し当て、相手のカードを見ながら自分のカードがそれよりも強いか弱いかを推測するゲームである。複数人でやるのがベターだとは思うが、一対一のインディアンポーカーもなかなか心を熱くさせそうだ。

「その様子じゃ、頭を使うゲームは無理そうだものね。 それで良いわ」
「あり、ありがとう。 お、オリは……じ、時間屋さんがオリたら5秒を私に、わ、私はオリるのに必要な5秒が払えなかったら、サインをするするわ……」

 随分と女に不利な条件だが、それでも良いのだろうか?女は私から5秒以上の時間を得るまでは、オリる事が出来ない。つまり初手で私がジョーカーを引いた瞬間に、彼女の負けが確定。そして私はオリるメリットも少ないので勝負し易いという事になる。5秒くらいの時間だったら与えてもなんの支障もないからだ。

「さ、さっそく始めましょう。 き、切るわ」
「ええ、頑張ってね」

 彼女がトランプをシャッフルする間に、私は机の下で懐中時計の針を5秒進めた。こうしておけば、後はネジを押すだけで5秒間の時間停止がスタートする。
 最初から彼女は勝つ見込みのない勝負を挑んでしまった。何故ならば、時間停止を出来る大本の時計を私が握っているからだ。
 いざとなれば時間を停めて、自分の引いたカードを見てしまえば良い。それでこのゲームは9割方負けるはずがない。

「さ、切ったわ。 時間屋さんも、切って」
「結構よ。 イカサマなんて疑ってないわ。 それじゃあ、せーの」

 私と女は同時にカードを引き、それを額に貼り付けた。

 互いの視線が、互いの額に集まる。

 なんと運の良い女であろうか。彼女の額に押し当てられているのは「ダイヤのK」であった。私が勝つには「ジョーカー」のみ、引き分けは残り3枚の「キング」という低確率だ。
 ここではとりあえず、オリるのが常識的な判断であろう。しかし、私には時間停止で確実に「勝ち」か「負け」かを確認出来るイカサマがある。もしかしたら低確率をかいくぐって、私の額には「ジョーカー」が張り付けられているかもしれない。

 ……いや、辞めておこう。ここで5秒の時を止めれば、そこから25秒間は時間停止が出来なくなる。万が一勝っていたとしても、負けて逆上した女が襲いかかってくるかもしれない。やはり負けであったとしても、時間を渡すのに25秒間を稼がなければならない。その間に痺れを切らした目の前の女が発狂してナイフでも取り出そうものなら大変だ。時間停止の無い私は殺されてしまうかもしれない。
 やはり、ここは時間停止を大事にする事にした。逆にいうのなら、時間停止さえあれば、どんなアクシデントにも私は対応出来るのだ。

「オリよ。 お見事だわ」
「ほ、ほ、本当に!? やぁぁったー」

 私は机の上にカードを戻した。「スペードのA」――なんと、最弱のカードであった。彼女は額から剥がした「ダイヤのK」を見て小躍りしていた。

「じ、時間。 5秒間下さいぃ」
「分かったわ。 さぁ受け取って」

 私は渋々と自分の懐中時計から、彼女の古びた懐中時計へと時間を分け与えてやった。
 彼女はまるで子供を愛でるように、時間の注がれた懐中時計を撫でた。

「それで? 2回戦はするのかしら? それとも5秒だけを持ち帰る?」
「す、するする。 2回戦をしましょう」

 当然ね。相手は5秒間という安全なチップを手に入れたのだから。これで私の手が強くても、手に入れた5秒間を捨てて一回は安全にオリが出来る。
 まぁ、この中毒者に一度手にした時間を捨てる事が出来たらの話だけど。

「ここからが本番ね。 じゃあ、せーのっ」

 私と女は同時に山札からカードを引いた。そして額にそれが掲げられる。



 ……なんという事でしょう。

 彼女の額には、「ジョーカー」が掲げられていた。

 凄まじい強運だ。このままでは私はオリざるを得なくなる。そうすれば10秒の時間を手に入れた彼女は、きっとこの勝負を辞めて帰ってしまうだろう。それはなんとなく癪だ。
 やはり彼女にはここで自分の自己決定権を全て脱ぎ捨てていってもらわなければならない。

 私は先程の勝負から25秒が経過したのを確認した。そして、机の下でこっそりと懐中時計の針を回した。きっかり5秒。

「うーん、これは難しいわねぇ」
「わ、わ、わたしも……悩む……」

 白々しいとは思いつつも、私は迷った振りをする。そして、目の前の女が必死に悩む様を見て愉しみながら、親指に力を込めた。

カチリ

 5秒間。無駄には出来ない。

 咄嗟に自分のカードを見る。「ハートのJ」――当たり前だが負けている。

 残り4秒。

 自分のカードを入れ替えるイカサマは出来ない。女は私のカードが「ハートのJ」だと見て知っている。流石にそれが変わればイカサマがバレるだろう。

 残り3秒。

 ならばすり替えられるのは、「相手のカード」である。相手は自分のカードを見ていないのだから。私は女の手から「ジョーカー」をひったくる。

 残り2秒。

 あまり弱いカードだと怪しまれる。さっきの白々しい演技は余計だった。時間が無い……!

 残り1秒。

 私がオリるか悩む難しい数字。「スペードの9」これだ!

「よし、私は勝負よ!」

 時間が動き出したのとほぼ同時に、私は叫んだ。多少の山札や持っていたカードの位置ズレ等は、この叫びで誤魔化せるはずだ。案の定、女は私の叫びに驚いて身体をびくりとさせた後、何の変哲もなかったように座りなおした。

 女は私の顔をまじまじと見て、信じられないというような顔をした。きっと彼女はオリを希望していたのだろう。

「うーん、じゃぁ~、わた、わたしも勝負する」

 馬鹿な女ね。勝負したら折角の5秒も無駄になる。負けた瞬間にチップを払えずに、貴方は私に売られるのに。

「それじゃあ、これで決着ね。 はい、せーの」

 私は一瞬だけカードの開示を遅らせた。彼女が自分の「スペードの9」を見て絶望する顔を見たかったからだ。
 机の上に「9」の文字が落ちた。私の指から「ハートのJ」が差し出される。

「ハートの、Aね」

 え?

 え?

 女の発した言葉のおかしさに気付き、私は目を見開いた。いや彼女の言っている事は正しい。私の指から机の上に落とされたのは、「ハートのA」――最弱のカードだ。
 いや、おかしい。私が時間停止中に盗み見た自分のカードは確かに「ハートのJ」だった……。

 そうだ、それに女もオリるかどうか悩んでいたではないか。最弱のA相手にだったら悩む必要などないはずだ。いやいや、それは女が私をオリさせない為のブラフだっただけでは……?

 違う、落ち着け! 確かに私が持っていたのは「ハートのJ」だった! という事は、これはつまり。

「随分と驚いているのね。 そんなに私のカードに勝てる自信があったのかしら?」

 し、白々しい! こいつもついさっき私から受け取った5秒で時間を停めてイカサマをしたのだ! 私が5秒間を使い切った直後に、狙いすまして5秒間の時間停止を行ったのだ! そして、私と同じように私の持つカードをすり替えたのだ!

「イカサマだ! こんな勝負は無効よ!」
「なんでイカサマなのかしら? なんでイカサマって分かるのかしら?」

 くっ、この女……騙っていたな!? 中毒者を騙って、冷静に私の事をハメやがった。 いや、しかし……こいつは馬鹿だ!

「くく、残念ね。 私は今から貴方を殺すわ。 時間を停めて、ゆっくりと丁寧にね」

 私は右手を挙げた。そこには懐中時計が握られている。時間を停める事の出来る大本の懐中時計が。
 対して奴が持っているのは5秒間の力を使い果たした只のボロ時計。私が懐中時計のネジを押しこめば、奴にはもうどうする事も出来ない。

「へぇ、やってみたら如何かしら? 時間屋さん」
「廃人は大人しく、身体でも売ってりゃいいんだ!」

 私は怒りを込めてネジを押し込んだ。これで5秒間の時間停止が起こり……

「いっとくけど、ナイフの扱いなら私の方が慣れてるわよ」

 え?

 ええ?

 私は引き出しの中のダガーナイフに手を伸ばしたまま固まった。何故、この女は動いている?喋っている?
 いや、蝋燭の火も揺らめいているし、扉からはすきま風も吹き込んでいる。そうだ、時間が停まっていないんだ。

「な、なん、なんで時間が」

 ネジを押す。何度も押す。しかし、時計は時間を停めてくれない。

「貴方も知ってるはずよね? 自乗の法則。 もっとも、あれは初心者用のリミッターなんだけど」
「知ってるわよ、そんなの! でも25秒はとっくに過ぎたはずなのに!?」
「いいえ、360000秒よ」

 な、何を言っているこの女? 理解出来ない。というか何故こいつが自乗の法則を知っているのだ……?

「説明してあげましょう。 私が貴方から5秒だけ頂いた時、そして2回戦のカードを互いに引いた時。 その時に私は5秒を使って時を停めた。 でもカードのイカサマなんてしていないわよ? ただ、貴方の手からその懐中時計をお借りして、5秒を使い切ったばかりの私の懐中時計に、10分間の時間を注ぎ込んだだけ。 だからその時計は600秒の自乗で後360000秒は使い物にならない。 いえ、後359500秒くらいかしらね」

 な、何を言ってる? 私の時計を使って勝手に時間を分けただと? そんなはずはない、だってこの時計には2つのルールが……あるはずだ。
 うわあ、唇がまともに動いてくれない。いやいや、落ち着け、落ち着け。

「ば、ば、馬鹿な、だ、だって……この時計は……」
「ああ、“さくや”しか使えないってこと? 奇遇ね、私もさくやなの。 パスワードを自分の名前にしておくなんて、玄関先に鍵を吊るしておくようなものだってお嬢様にも怒られたわ。 だって子供の頃に作ったんだもの、しょうがないじゃない、ねぇ?」

 そ、そんな。この時計を拾った時に、これは恵まれない私に神様が下さった唯一の宝だと思ったのに……私の名前が、Sakuyaって彫ってあるから、私のものだと思っていたのに。私だけのものだと、そう思っていたのに。

 はは、嘘だ。そうだ、この女の言っている事は嘘に違いない。 だって、私はちゃんとポーカーの最中に時間を停められたじゃないか。 時間を停めて女のカードをすり替えてやったじゃないか。カードを引いた直後から360000秒使えないなんて嘘だ、奴の時計に10分の時間が貯められているなんて嘘だ。

「だ、だって、停めた。私、停めた。ちゃんと停まった……」
「ああ、アレね。 ちょっと面白いから停まったフリをしていたのよ。 面白かったわー、慌ててカードを見たり探したりする貴方。 あそこで脇にある蝋燭の火が停まっていない事に気づいたら、私もちょっとは感心したんだけどな」
「あう、うそうそ。 そんなこと、する意味が無い」

 なんだろう、私の親指が痛い。 ふと視線を落とすと、指が折れている。 それほど無意識のうちにネジを力強く押してしまったのか。痛い、痛い、停まれ、停まれ。

「それじゃあ、これから9分と55秒間だけ時間を停めさせてもらうけど……。元気でね」

――あ

 私の手の中にあった冷えた感触が消えた。この数年間、ずっと苦楽を共にしてきた懐中時計は、気づけば私の手の中から消えていた。

「あ~……あっあっ」

 振り向けば私の宝箱の蓋が開けられ、中にあった人身売買の契約書や奴隷契約書は消えていた。 残されたのは空の宝箱と、蝋燭一本だけだった。

 私は全てを奪われた。私の全てが奪われた。

 失った、今までの私が積み上げてきた、その全てを。
 全て、全て……

 扉を叩く音が聞こえる。時間をくれと亡者どもが喚く。私にも時間がないというのに。時間は奪われたというのに。

 もう一つだけ残されていたものがある。 引き出しの中のダガーナイフだ。 こんなに価値のないものがこの世にあるだろうか、私の全てを守れなかったダガーナイフ。
 私はそれを咥え込んだ。




    ◇    ◇    ◇




「しょうもないわね。 外の世界に落とし物をしてくる奴なんて聞いた事もないわ」
「きっと時空の歪みのせいですわ。お嬢様。 ただしお暇をもらった分だけのお土産はあります」

 咲夜はレミリアに大きな風呂敷を差し出した。中には貴金属や宝石がたっぷりと詰まっていた。

「ふん、まぁまぁ上出来ね。にしてもさぁ、その時計なんて無くても時間が操れるのに、今更必要なのか?それ」
「私はダイナマイトの功罪はノーベル氏の功罪だと思っていますから」

 銀時計は彼女のポケットの中にするりと落とされた。
今後、私の投稿するSSに「直談判」という単語があった時。
その時は「これをミスタイプして時間談判って思いついたんだな」と理解して頂いて結構です。
yunta
[email protected]
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
話は面白かったけど、元はそこから思い付いたんかい!
2.奇声を発する程度の能力削除
後書きwwww
面白かったです!
3.名前が無い程度の能力削除
10秒時間を止められるとしたら何をしましょう?
特に思い浮かばない私には時間廃人になる要素はないのかも知れません。
何はともあれ見事な話の構成、大いに楽しませていただきました。
4.名前が無い程度の能力削除
騙された!
なるほどそういうことですか。感服しました。
5.名前が無い程度の能力削除
巧いな。
時間停止は咲夜自身の力と分かっても、二次設定でそういう設定のもあるから普通に騙された。
本物の咲夜との勝負もただ貰った5秒をベットでなく、停止仕返しに使ってすり替えたって話だと思い、最後まで気付けなかった。