Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王Ⅱ7 『妖夢の憂鬱な一日⑥』

2010/07/20 01:13:33
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 注:前回からの続きです。






















  ________15:00 地底(旧都)












妖夢 「(…………)」

妖夢 「(…………三時)」

妖夢 「(まずいなぁ。夕飯は遅くても七時までってことになってるし。
    仕込みに一時間かかるとして、六時までには屋敷に帰らないといけないのに……)」

妖夢 「あのう」

魔理沙「ん? どうした。眠いのか?」

妖夢 「いちいち思ってもない事は言わなくていいんですっ。
    地底に潜ってからもう随分になりますが、今どの辺まで来たんですか?」

魔理沙「どの辺? どの辺って言われてもなぁ」

妖夢 「じゃあ、全体の何割ぐらいまで来ました?」

魔理沙「さあな。あの入り口から入ったのは初めてだから、どうなんだろうな」

妖夢 「…………」

妖夢 「……今なんと?」

魔理沙「どうなんだろうな」

妖夢 「その前です」

魔理沙「さあな」

妖夢 「それは前すぎでしょうがっ」

魔理沙「なら言わせなくてもわかってるじゃないか」

妖夢 「自分の耳を信じたくなかったんですよ。
    初めてってどういうことですか」

魔理沙「地底への入り口は一つじゃないんだ。
    さっきわたし達が入ってきた穴の他にも、いろんなところにかつて間欠泉が吹き出た場所がある。
    わたしはいつも地底に潜るときは、森の近くの穴から入ってるんだが」

妖夢 「じゃあ…………まさか、これも信じたくはありませんが、
    今のわたしたちの状況は……」

魔理沙「迷子、だな。一概には言えないが」

妖夢 「言えるでしょうがっ。
    勝手知ったる方の入り口から入りゃいいじゃないですか。
    なんでこんな大事なこと黙ってたんですっ」

魔理沙「いや、だってお前が急いでるっていうから、
    一番近い神社の側の穴から入ったんじゃないか」

妖夢 「迷ってちゃ意味ないでしょうよっ」

魔理沙「そううろたえるなって。
    この穴は比較的道が素直で、一本道が多い。
    まだ分岐らしい分岐は二、三箇所しか通ってないだろ?」

妖夢 「一回でも通ってちゃ危険だと思うんですが」

魔理沙「つまりわたしの言いたいことはだ。
    こんなところで言い争いをしている暇があったら、少しでも先に進むべき。
    そうは思わないか?」

妖夢 「あんたの失態は棚上げですか」

魔理沙「前向きと行ってほしいもんだぜ。文字通り」

妖夢 「(おまけにうまいこと言った気になってるし……なんて奴)」

魔理沙「お、見ろよ。
    出るぞ、ひらけた場所に」

妖夢 「(……え? 
    ああっ、本当だ! よかった~迷子にならなくて)」

妖夢 「(…………これは、街……いや、都市?
    まさか、地底にこんなに広大な空間があったなんて……)」

魔理沙「ここは元々地獄の一部らしいが、どういうわけか今は鬼達の楽園になってしまった。
    まあ、その辺の事情はお前の方が詳しいだろうけどな」

妖夢 「とすると……ここがあの旧都ですか」

魔理沙「ご名答。どうやら間違ってなかったみたいだな。
    わたし達の進んできた道は」

妖夢 「奇跡的にそのようですね。
    そういえば、わたし達が目指してるのってどこなんでしたっけ?
    その、地霊殿という屋敷は」

魔理沙「ここのさらに一層下、旧地獄だな。
    さとりの住んでいる地霊殿は、旧地獄の中心にある灼熱地獄跡、その上にある」

妖夢 「なるほど。じゃあもうすぐですね」

魔理沙「一応旧都にも何か目ぼしい物があるかもしれないが、このあたりの流通は
    全部鬼が仕切っているはずだから、物資は簡単には手に入らないだろう。
    面倒な奴が来る前に、とっとと突っ切った方がいい」

妖夢 「面倒な奴?」

魔理沙「そうだな、例えば……」

勇儀 「おや、誰かと思えば!
    その黒帽子は紛れも無く我らが盟友の証!」

魔理沙「と……まあ、実物が来てしまったらもう例えるまでもないな。
    こんな奴だ、こんな奴」

妖夢 「ああっ、その角は……鬼!?」

勇儀 「そう、鬼さ。お嬢ちゃんは初めてだねぇ。
    わたしは山の四天王の一人、力の勇儀。
    人間を見たのもつい最近が久しぶりだったのに、今度は半人半霊がおいでなさるとはね」

妖夢 「魂魄妖夢といいます。
    あんまり鬼とは関わり合いたくありませんが、一応以後お見知りおきを」

魔理沙「おい、妖夢。酔っ払いにそんな丁寧に頭下げることないぞ。
    まあ、言ってることは失礼だが」

勇儀 「なんだい、お固いやつだね。
    ま、態度はどうでもわたしは構わないよ。強い奴でさえあればね」

妖夢 「強い奴であれば? どういう意味でしょう」

魔理沙「幻想郷には勝負事の好きな奴が多いが、あいつはその最たる者だろう。
    こんな穴ぐらに長年住んでるのが災いしたのか、
    目を合わせれば勝負だ力比べだとからんでくるんだ」

妖夢 「なるほど確かに面倒ですね。
    てか、鬼に力比べなんか敵うはずがないじゃないですか」

勇儀 「我々鬼の性分なんでね。
    それに、絶対に敵わないからいいんだよ。
    なにせどれだけ全力を出しても、相手に迷惑がかかることがないからね。
    だからわたし相手には、遠慮なく本気できてくれて構わないよ。
    さ、話は終わりだ。
    わたしはこういうだらだらとした会話は面倒で好きじゃないんだ。
    やっぱり語るなら、拳じゃないとね!」

妖夢 「んな大雑把な……。
    どうしたらいいんでしょう?」

魔理沙「今日はいつにも増して酒が入ってるみたいだからなぁ。
    適当に相手して、お引取り願うしかないんじゃないか?」

妖夢 「拳でですか? 嫌ですよ肉弾戦なんて」

勇儀 「あ、そう?
    じゃあやっぱりここはブームに乗ってこれにするか。勇儀王」

魔理沙「字が違うだろ」

妖夢 「(まあ、やると思ってましたが……)
    うーん、そうだなぁ。
    勝負するのはいいんですが、わたしが勝ったらいただきたい物があるんですけど」

勇儀 「煎った豆かい?」

妖夢 「違います。今とある事情で鍋の具を集める旅をしていまして、
    よかったら材料になるものを分けていただきたいと」

勇儀 「あん? 鍋の具?
    どういう事情があればそんな旅になるのさ」

妖夢 「いや、まあ……ごもっともなんですけど」

勇儀 「まあいいさ。地上の奴らは何かと生きるのに面倒だってことは知ってるからね。
    ちょうどここに今夜ホイコーローにする予定だった豚ばら肉がある。こいつでどうだい?」

妖夢 「おおっ、お肉ですか! 待ってましたって感じです」

魔理沙「てか、鬼がそんな庶民的なもの口にするなよ。イメージが崩れるぜ」

勇儀 「最近の旧都はB級グルメが流行ってんのさ。お酒にも合うしね。
    さて、では勇気あるお譲ちゃん。そろそろ決闘といこうか!
    腕っ節のほどを確かめさせてもらうよ」

妖夢 「(……豚肉がかかれば負けるわけにはいかない。
    なぜなら肉が無ければ、鍋はただの湯豆腐になってしまうからだ……)」

妖夢 「……勝たせていただきます!
    西行寺家剣道指南役、魂魄妖夢、推して参る!」

勇儀 「その闘気、いいね! 気に入った!
    目が回るぐらい愉しませてあげるよ!」










 勇儀【勇儀の地縛神】LP8000

                VS
 
                    妖夢【百剣舞いし餓王剣】LP8000









勇儀 「とはいっても、やりすぎてしまうと悪いしね。ハンデをやろう」

妖夢 「ハンデ?」

勇儀 「この盃さ。勝負の間、わたしはこの酒を一滴もこぼさないでやってあげるわ」

魔理沙「それのどこがハンデなんだ」

妖夢 「というか、片手がふさがっちゃデュエルできないでしょう」

勇儀 「大丈夫! 手札はテーブルに伏せて並べるから問題無いよ」

魔理沙「別に無闇に地霊殿原作を再現しなくてもいいと思うんだが……」

勇儀 「ま、ようするに手加減してやるってことさ。
    そんなわけで、手加減してやるんだから先攻はわたし。ドローするわよ」

妖夢 「なにやらいろいろと勝手に進められてしまってますが……まあいいや。
    手加減してくれるならそれにこしたことはないですね」

勇儀 「ほうほう、この手札は……。
    うん、出すもんが無いや。ターンエンド」



勇儀  LP8000:手札6:無し
妖夢  LP8000:手札5:無し



妖夢 「ドローします」

妖夢 「(初手動かず……あの飄々とした態度がただのおふざけじゃないとしたら、
    十中八九ゴーズ有りだな。ならば……)
    切り込み隊長を召喚します」


《切(き)り込(こ)み隊長(たいちょう)/Marauding Captain》 †
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻1200/守 400
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。
このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を
特殊召喚する事ができる。


妖夢 「誘発効果発動。手札からレベル4のモンスターを特殊召喚させます。
    現れよ鋼鉄の騎士、ギア・フリード!」


《鉄(てつ)の騎士(きし) ギア・フリード/Gearfried the Iron Knight》 †
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1800/守1600
このカードに装備カードが装備された時、その装備カードを破壊する。


魔理沙「こりゃまた、渋いカード持ってきたな」

妖夢 「シンクロばかりが遊戯王じゃないですからね。
    たまには昔の本分に立ち返ることもいいものです。
    切り込み隊長で、勇儀さんにダイレクトアタックします!」

勇儀 「ん~。いい一撃だ。でも、まだまだ軽いねぇ」LP8000→6800

妖夢 「ギアフリードで攻撃はしません。1枚伏せて、ターンエンドです」



勇儀  LP6800:手札6:無し
妖夢  LP8000:手札3:ギアフリ、隊長、伏せ1



勇儀 「あら、そっちのやつで攻撃はしてこないのかい?
    計算が狂っちゃったかな。ドロー」

魔理沙「このオカッパをあんまり舐めないほうがいいぜ。
    こう見えて、前地上でやった大会じゃシングル戦では負け無しだったからな」

妖夢 「ああ、嬉しいこと覚えててくれるんですね。
    でもオカッパは余計ですよ」

勇儀 「へえ! じゃあやっぱり強いんだね。
    強い奴は大歓迎だ! 相応に扱ってやらないと失礼ってもんだね。
    モンスターを裏守備でセット。1枚伏せてエンドだ。
    さあ、今度はどうでるかな」

妖夢 「こうでましょう。
    エンドフェイズにトラップ発動。鎖付き爆弾です」


《鎖付(くさりつ)き爆弾(ダイナマイト)/Blast with Chain》 †
通常罠
このカードは攻撃力500ポイントアップの装備カードとなり、
自分フィールド上のモンスターに装備する。
装備カードとなったこのカードが他のカードの効果で破壊された場合、
全フィールド上からカード1枚を選択し破壊する。


妖夢 「ギアフリードに装備します。この瞬間、ギアフリードの誘発効果発動。
    装備カードを破壊し、破壊された鎖付き爆弾の効果で、その伏せカードを破壊します」

勇儀 「ミラーフォースだ。ふふふ、勘もなかなかいいじゃないか」



勇儀  LP6800:手札5:裏守備
妖夢  LP8000:手札3:ギアフリ、隊長



妖夢 「ドロー。アームズ・ホールを発動します」


《アームズ・ホール/Hidden Armory》 †
通常魔法
自分のデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送って発動する。
自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。
このカードを発動するターン、自分は通常召喚する事はできない。


妖夢 「デッキの流星の弓シールを墓地に送り、盗人の煙玉を手札に加えます。
    そして、これをギアフリードに装備」


《盗人(ぬすっと)の煙玉(けむりだま)/Smoke Grenade of the Thief》 †
装備魔法
モンスターに装備されているこのカードが他のカードの効果によって破壊された時、
相手の手札を見てカードを1枚選択して捨てる。


妖夢 「ギアフリードの誘発効果で、この装備魔法は装備した瞬間に破壊されます。
    しかしこの盗人の煙玉も、カード効果で破壊された時効果が発動するカードです。
    相手の手札を見て、1枚を選んで捨てることができます。
    というわけで、失礼しますね」

勇儀 「ああ、わたしは片手が塞がってるから、勝手に見ていいよ」

妖夢 「(……そういえばそうなんだった)
    さいですか。では失礼して」


勇儀手札:地縛神Ccarayhua、冥府の使者ゴーズ、亜空間物質転送装置、ダブルコストン、地縛旋風


妖夢 「(……!? 地縛神!)」

勇儀 「ふふふ、ばれちゃ仕方ない。そうさ、わたしのデッキは地縛神。
    破壊力抜群だから、気を抜いたらあっさり勝負が決まっちゃうよ~?」

魔理沙「(なるほど地縛神か。妖夢のデッキにはモンスター破壊系のカードは
    少ないだろうから、かなりきつい戦いを強いられそうだが……)」

妖夢 「(まず、ここで何を捨てさせるか……。
    初めはゴーズのつもりだったけど……フィールド魔法を引かれれば
    どうせゴーズは使えなくなるだろうし、だったら今のうちにこちらを……)」

妖夢 「地縛神コカライアを墓地に捨ててください」

勇儀 「あいよ」

妖夢 「バトルフェイズです。ギアフリードで、裏守備に攻撃!」

勇儀 「当てが外れたね。これは墓守の偵察者だよ」


《墓守(はかもり)の偵察者(ていさつしゃ)/Gravekeeper's Spy》 †
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2000
リバース:自分のデッキから攻撃力1500以下の「墓守の」という
名のついたモンスターカード1枚を特殊召喚する。


勇儀 「リバース効果発動。デッキから同名カードを守備表示で特殊召喚だ」

妖夢 「(壁兼リリース要員か……危ない危ない。さっき地縛神を捨てておいてよかったな)」LP8000→7800

妖夢 「切り込み隊長を守備表示に変更。ターンを終了します」



勇儀  LP6800:手札4:偵察者2
妖夢  LP7800:手札3:ギアフリ、隊長



勇儀 「じゃあわたしのターンだ。ドロー」

勇儀 「ふふふ、いいのを引いたね。闇の誘惑を発動」


《闇(やみ)の誘惑(ゆうわく)/Allure of Darkness》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからカードを2枚ドローし、
その後手札の闇属性モンスター1体をゲームから除外する。
手札に闇属性モンスターがない場合、手札を全て墓地へ送る。


妖夢 「(な……! 誘惑)」

勇儀 「デッキから2枚ドローして、手札のゴーズを除外する。
    そしてこいつを発動だ。テラ・フォーミング」


《テラ・フォーミング/Terraforming》 †
通常魔法
自分のデッキからフィールド魔法カードを1枚手札に加える。


魔理沙「フィールド魔法をサーチってことは……」

勇儀 「伏せを1枚も出さないのはまずかったね。おかげで安心して召喚することができるよ。
    デッキから加えたフィールド魔法、ダークゾーンを発動!」


《ダークゾーン/Mystic Plasma Zone》 †
フィールド魔法
全ての闇属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、
守備力は400ポイントダウンする。


勇儀 「これで準備完了。地縛神のお披露目といこうか」

勇儀 「場の墓守の偵察者2体をリリース。
    地底の奥底から現れな! 地縛神、Aslla piscu!!」


《地縛神(じばくしん) Aslla(アスラ) piscu(ピスク)/Earthbound Immortal Aslla piscu》 †
効果モンスター
星10/闇属性/鳥獣族/攻2500/守2500
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド上に表側表示でフィールド魔法カードが存在しない場合このカードを破壊する。
相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードの効果以外でこのカードがフィールド上から離れた時、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊し、
破壊したカード1枚につき800ポイントダメージを相手ライフに与える。


妖夢 「(うわ……出ちゃった。
    しかも、よりによってアスラピスクとは……)」

勇儀 「地縛神の能力は当然知ってるね?
    地縛神は、無条件で相手プレイヤーにダイレクトアタックができる。
    これが力技ってやつさ! 大江山嵐!!」

妖夢 「(く……なんて重い一撃……)」LP7800→4800

勇儀 「ふふふん、1枚伏せてターン終了。鬼の力はまだまだこんなもんじゃない。
    さあ、お譲ちゃんについてこれるかな?」



勇儀  LP6800:手札2:Aslla piscu(攻3000守2100)、ダークゾーン、伏せ1
妖夢  LP4800:手札3:ギアフリ、隊長



魔理沙「つらそうだな。代わってやろうか?」

妖夢 「なんの、まだまだいけます! ドロー!」

妖夢 「(地縛神は自身の効果により攻撃対象にならない……戦闘では破壊できないな。
    でも、さっき手札を見たからあの伏せは特定できる。
    間違いなく、アスラピスクとのコンボを仕掛けるための亜空間物質転送装置……なら!)」

妖夢 「切り込み隊長をリリースし、光帝クライスを召喚です!」


《光帝(こうてい)クライス/Kuraz the Light Monarch》 †
効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2400/守1000
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
フィールド上に存在するカードを2枚まで破壊する事ができる。
破壊されたカードのコントローラーは、破壊された数だけ
デッキからカードをドローする事ができる。
このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃する事ができない。


妖夢 「地縛神は大地に縛られた神、よってフィールド魔法が存在しなければその姿を維持できない。
    クライスの誘発効果発動! 召喚時、フィールドのカード2枚までを破壊します。
    ダークゾーンとギアフリードを破壊!」

勇儀 「なるほどそうきたか!
    ならこいつを使っておくよ。亜空間物質転送装置!」


《亜空間物質転送装置(あくうかんぶっしつてんそうそうち)/Interdimensional Matter Transporter》 †
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、
発動ターンのエンドフェイズ時までゲームから除外する。


勇儀 「アスラピスクをエンドフェイズまで除外するよ」

妖夢 「お互いのプレイヤーは、クライスの効果で破壊されたカードの枚数だけドローします」

勇儀 「んじゃその処理後に、アスラピスクの誘発効果発動だ。
    アスラピスクがフィールドから除外された時、相手フィールドの表のモンスターを全て破壊。
    さらに一体につき800ダメージを与えるよ」

妖夢 「でもフィールド魔法が無くなってしまった以上、アスラピスクはフィールドに帰還した瞬間に破壊されます。
    1枚伏せて、ターン終了です」LP4800→4000



勇儀  LP6800:手札3:無し
妖夢  LP4000:手札3:伏せ1



勇儀 「わたしのターンだね。ドロー」

勇儀 「ダブルコストンを召喚。ダブルコストンでダイレクトアタックだ!」


《ダブルコストン/Double Coston》 †
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1700/守1650
闇属性モンスターを生け贄召喚する場合、
このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。


妖夢 「トラップ発動、ドレインシールド!」


《ドレインシールド/Draining Shield》 †
通常罠
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、
そのモンスターの攻撃力分の数値だけ自分のライフポイントを回復する。


妖夢 「攻撃を無効にし、その攻撃力分ライフを回復します」LP4000→5700

勇儀 「ふふん、なるほどなるほど。ライフを地縛神のダイレクトアタック圏内にするのを防いだか。
    なら、こちらは1枚伏せよう。エンドするよ」



勇儀  LP6800:手札2:コストン、伏せ1
妖夢  LP5700:手札3:無し



妖夢 「わたしのターンです。ドロー!」

妖夢 「戦士の生還を発動します。
    ギアフリードを手札に戻し、召喚! そして拘束解除を発動!」


《戦士(せんし)の生還(せいかん)/The Warrior Returning Alive》 †
通常魔法
自分の墓地に存在する戦士族モンスター1体を選択して手札に加える。


《拘束解除(こうそくかいじょ)/Release Restraint》 †
通常魔法
自分フィールド上の「鉄の騎士 ギア・フリード」1体を生け贄に捧げる事で、
自分の手札またはデッキから「剣聖-ネイキッド・ギア・フリード」1体を
特殊召喚する。


妖夢 「鉄の鎧に包まれたギアフリードの拘束を解除!
    剣聖、ネイキッド・ギア・フリード!!」


《剣聖(けんせい)-ネイキッド・ギア・フリード/Gearfried the Swordmaster》 †
効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2600/守2200
このカードは通常召喚できない。
このカードは「拘束解除」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードが装備カードを装備した時、相手フィールド上モンスター1体を破壊する。


勇儀 「ん~? 何かと思えば、鎧を脱いだだけかい」

妖夢 「これは鎧ではありません。
    ギアフリードの強大すぎる力を抑えるための枷、すなわち拘束具です。
    そして枷が解かれた今、ギアフリードは本来の剣聖という称号を取り戻すのです!」

魔理沙「どこの初号機だよ。それに、装備を脱いだのに守備力も上がってるってのもなんなんだろうな」

妖夢 「細かいことは置いといて……
    ネイキッド・ギア・フリードに、装備魔法魔導師の力、アサルト・アーマーを装備します!」


《魔導師(まどうし)の力(ちから)/Mage Power》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚につき
500ポイントアップする。


《アサルト・アーマー/Assault Armor》 †
装備魔法
自分のフィールド上に存在するモンスターが
戦士族モンスター1体のみ場合、そのモンスターに装備する事ができる。
装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
装備されているこのカードを墓地に送る事で、このターン装備モンスターは
1度のバトルフェイズ中に2回攻撃をする事ができる。


    剣聖-ネイキッド・ギア・フリード   攻撃力3900


妖夢 「ネイキッド・ギア・フリードの誘発効果発動です。
    このカードに装備カードが装備された時、相手モンスターを破壊します。ダブルコストンを破壊!」

勇儀 「おっと、じゃあチェーンして速攻魔法だよ。神秘の中華鍋!」


《神秘(しんぴ)の中華(ちゅうか)なべ/Mystik Wok》 †
速攻魔法
自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。
生け贄に捧げたモンスターの攻撃力か守備力を選択し、
その数値だけ自分のライフポイントを回復する。


勇儀 「ダブルコストンをリリース。こちらもライフを回復しておこうか」LP6800→8500

妖夢 「(くっ……このターンで決めるつもりだったのに、仕留めそこなった!)
    バトルフェイズです。
    装備したアサルト・アーマーを墓地に送ることで、ネイキッド・ギア・フリードは二回攻撃できます。
    魂符、幽明の苦輪!!」

勇儀 「くぅっ、効くねぇ」LP8500→5400→2300

妖夢 「(ライフを残しちゃったけど、あの少ない手札から何も無い場に地縛神を出すのは難しいはず……)
    ターンエンドです」



勇儀  LP2300:手札2:無し
妖夢  LP5700:手札0:ネイキッド(攻3100)、魔導師



勇儀 「いいねいいねぇ。地底にゃこんな歯ごたえのある怨霊はいなかったよ」

妖夢 「だれが怨霊ですか」

勇儀 「ああ悪い悪い。怨霊なのはその背中のやつだけだっけ」

妖夢 「こっちも違いますよ。一緒にしないでほしいです」

勇儀 「いやいや、すまなかった。別に馬鹿にしてるわけじゃあないんだ。
    霊なのにそれだけ強いなんて、にわかにゃ信じがたいってだけさ」

魔理沙「実際、存在自体が信じがたいけどな。
    人間と幽霊のハーフってどういう設定だよ」

妖夢 「そこ、設定とか言うな」

勇儀 「強い奴に悪い奴はいない! 細かいことは気にしないさ。ドロー!」

勇儀 「ふふふ、引いちゃったね。
    フィールド魔法発動、死皇帝の陵墓!」


《死皇帝(しこうてい)の陵墓(りょうぼ)/Mausoleum of the Emperor》 †
フィールド魔法
お互いのプレイヤーは、生け贄召喚に必要なモンスターの数×1000ライフポイント
を払う事で、生け贄モンスター無しでそのモンスターを通常召喚する事ができる。


妖夢 「(……陵墓!? しまった!)」

勇儀 「このフィールド魔法上では、上級モンスターもライフを払うことで
    リリースするモンスターが必要なくなるのよ」

勇儀 「わたしはライフを2000払って……
    そぉら、来な! 地縛神、Ccapac Apu!!」LP2300→300


《地縛神(じばくしん) Ccapac(コカパク) Apu(アプ)/Earthbound Immortal Ccapac Apu》 †
効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻3000/守2500
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド上に表側表示でフィールド魔法カードが存在しない場合このカードを破壊する。
相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。


魔理沙「出たな地縛神。攻撃力3000か」

勇儀 「地縛神は攻撃されないから、自分より攻撃力が高いモンスターがいたところで
    倒されることは無いんだけど……次にまた装備カードを引かれたらまずいからね。
    そのギアフリードは倒させてもらうわ。手札から、地縛旋風を発動!」


《地縛旋風(じばくせんぷう)/Earthbound Whirlwind》 †
通常魔法
自分フィールド上に「地縛神」と名のついたモンスターが
表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。
相手フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て破壊する。


妖夢 「(ギアフリードの攻撃力が……)」

勇儀 「さあバトルだ。
    コカパクアプは相手モンスターを破壊した時、その攻撃力分のダメージを与える効果があるのさ。
    ネイキッド・ギア・フリードを攻撃! 奥義、三歩必殺!!」

妖夢 「く……破壊されます」LP5700→5300→2700

勇儀 「これで手札も場も何も無し。
    さすがにこれで終わりかな、お譲ちゃん? ターンエンド」



勇儀  LP 300:手札0:Ccapac Apu、死皇帝の陵墓
妖夢  LP2700:手札0:無し



魔理沙「(……こりゃさすがにきついな。
    手札0、場はすっからかんの状況で、相手の場には地縛神。
    とてもドローカード1枚でどうこうできる状況じゃないが……)」

魔理沙「あ~あ、結局鍋じゃなくて湯豆腐かぁ。手伝うなんて言わなきゃよかったな~」

妖夢 「(……即物的な奴。まあ無理も無いか。
    寄せ鍋が湯豆腐っていうんじゃさすがに笑ってしまう)」

妖夢 「(でも、幽々子様はさすがに笑ってはすまさないだろう。
    このドロー……あのカードさえ引ければ)」

勇儀 「そりゃかわいそうだねぇ。よかったら、ここで食べてくかい?」

魔理沙「お、ほんとか? そいつは願ってもない話だぜ」

勇儀 「ああ、もちろん条件があるよ。
    やっぱり、わたしに勝つくらい強い奴じゃなきゃ飯はともにできないね」

魔理沙「じゃあやっぱダメじゃないか。あ~腹減った」

妖夢 「ああもう、もう終盤なんですから! 集中力切れるから黙っててください。
    わたしのターン……ドロー!」

妖夢 「……よし、来た!
    わたしの勝ちです!」

勇儀 「おお? でかい口は嫌いじゃないけど、調子のいい嘘はいけないな。
    そんな1枚のカードでどうするって?」

妖夢 「確かに、このカード1枚だけだとわたしの負けでした。
    でも、わたしが使えるカードはもうひとつある!」

勇儀 「(もうひとつ……?
    まさか……)」

魔理沙「フィールド魔法か!」

妖夢 「そう、死皇帝の陵墓の効果は相手プレイヤーも使うことができる!
    わたしはライフを2000支払い……ここに伝説の戦士を召喚!」LP2700→700

妖夢 「推参せよ! ギルフォード・ザ・レジェンド!!」


《ギルフォード・ザ・レジェンド/Gilford the Legend》 †
効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2600/守2000
このカードは特殊召喚できない。
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する装備魔法カードを可能な限り
自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族モンスターに装備する事ができる。


勇儀 「最上級かい!」

妖夢 「ギルフォード・ザ・レジェンドの誘発効果発動!
    召喚したとき、墓地にある装備カードを可能な限り装備できます。
    ギルフォード・ザ・レジェンドに、魔導師の力、アサルト・アーマー、
    流星の弓シール、盗人の煙玉を装備!」


《流星(りゅうせい)の弓(ゆみ)-シール/Shooting Star Bow - Ceal》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。
装備モンスターは相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。


    ギルフォード・ザ・レジェンド   攻撃力3900


魔理沙「なんと、シールまで墓地に送っていたのか」

妖夢 「そうです。シールの効果で、装備したモンスターはダイレクトアタックができます。
    地縛神がいる以上モンスターへの攻撃はできないけど、プレイヤーへの直接攻撃ならば可能!」

妖夢 「ギルフォード・ザ・レジェンドで、勇儀さんにダイレクトアタック!
    六道剣、一念無量却!!」

勇儀  LP300→0



    *



勇儀 「…………お見事! 
    腕っ節のほど、とくと見せてもらったよ!」

妖夢 「はあ、それはどういたしまして」

魔理沙「まあ、ギリギリすぎるぐらいギリギリだったけどな」

妖夢 「勝ったんだからいいじゃないですか。
    というわけで、早速ですが約束した物をいただけますか?」

勇儀 「おうとも。お前はわたしとの勝負に勝った。言うことはなんでも聞いてやるよ。
    持ってきてやるから、ちょっと待ってな」

魔理沙「いやぁ、なんにせよ、湯豆腐にならなくて何よりだぜ。
    鍋が湯豆腐になるなんて、新婚旅行がグアムから熱海になるようなもんだ」

妖夢 「あなたは全然改める気がありませんね。
    世界観に合わない冗談は止めろと言っているのに」

勇儀 「はいおまたせ、三元豚の豚ばらだよ」

魔理沙「おおっ、三元豚? 
    平田牧場の豚肉じゃないか! こいつはうまァいぞ~」

勇儀 「そりゃもちろん。作者の実家のやつだからね」

妖夢 「(今度はブランドの肉……せ、世界観が……。
    でもまあいいか。いいものに越したことはないし)」

勇儀 「で、夕飯は食べてくかい?」

魔理沙「鍋らしいんで、すまんが遠慮しとくぜ」

妖夢 「大人しく食べてけばいいのに。わたしは先を急ぎますから……」

勇儀 「そうかい、そりゃあ残念だ!
    あんたらはもうわたしの盟友だ。いつでも地底に降りて来な。
    今度はともに酒を酌み交わそうじゃないか」

魔理沙「それはそうと、もう一つだけ頼みごとをしてもいいか?」

勇儀 「なんだい? 何なりと話してご覧よ」

魔理沙「うむ。じゃあ、また旧地獄までの道を教えてくれないか?
    できれば先の地霊殿まで」

勇儀 「お安い御用さ! 腕っ節の強い奴に悪者はいない。
    さあ、こっちについてきな!」

妖夢 「(やっぱり迷ってたんじゃないの……)」























                                  ・・・・・・To be continued
 久しぶりになんとなく妖々夢をプレイしてみたら、黒染が流れたあたりで感動で涙してしまいました。やっぱり妖々夢は最高だと思うクラミ痔あです。
 妖夢の憂鬱な一日ももう六回目。第七話、お読みいただきありがとうございました~。


 先にお相手のデッキの紹介です。
 今回は、おでこの角がキュートな星熊勇儀さん。
 なんと、彼の方と同名です。漢字は違いますがw

 そんな勇儀さんには地縛神を使わせました。
 というのもこのデッキは、今思えば前作で萃香に使わせたかったんですね。
 ですが時期の関係でできなかったので(紫戦を書いていたぐらいで地縛神が公式で発表されたので)同じ鬼の彼女が、ということになった次第です。
 ダイレクトアタックでごりごり押していく様が、勇儀さんの力業に共通するように描けたらと思って書きました。


 妖夢はというと、装備ギアフリードです。
 ギアフリードを使うならネイキッドも入れよう。ネイキッド入れるなら、装備魔法をたくさん使おう。装備魔法も使うなら、いっそギルレジェもぶっこんじゃおうというデッキです。ロマンしか詰まっていませんw
 一見浮いているようなクライスは、一応鎖付きや煙玉とのシナジーがあります。ギアフリード単のデッキならばそこそこ活躍してくれる感じでしょうか。


 さて、めでたくお肉をゲットできた妖夢達。とはいえ、白菜もえのきも入手していないなので、鍋としてはまだまだその体を為していません。
 次回はようやく地霊殿へ。今回は投稿直前でミスに気づいて手直ししたうえ、話自体もそこそこ容量があっため、少し投稿が遅れてしまいました。次はもっと早くうpしたいなぁ……。



<追記>
上にはこう書いてありますが、諸事情により次の投稿が遅れそうです。
申し訳ございませんm(_ _)m
クラミ痔あ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
なるほど、地縛神かー。確かに勇儀姐さんには合うかも。萃香との差をどう出すかが気になっていたので、納得と言った感じです。

さて、恒例の誤字報告。
・ダークゾーンの効果を受けたアスラピスクのステータスが3000・2000 → 3000・2100
・ダークゾーン発動後、フィールドの表示がサベージ。
・ギルレジェの攻撃力は最終的に3900(2600-1000+2000+300+0)
2.クラミ痔あ削除
>>1
ご指摘ありがとうございます~。修正させていただきました。
その辺は手直しの段階でサベージコロシアムだったり陵墓だったりネクロバレーだったりごちゃごちゃだったので、きっと直し損ねたんですねorz
3.奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
4.クラミ痔あ削除
>>3
ありがとうございます~
なんだか今回は反響が少なかったので、ちゃんとしたものを書けていたのか少し不安になっていましたorz
5.名前が無い程度の能力削除
勇儀王は東方とデュエルモンスターズをクロスする上で必須事項ですよねー