「はい、これで全部」
「あぁ。やはり君が作ったものは出来が良いね」
僕がそう言うと、目の前の少女――アリスは少し顔を赤らめ、褒めても何もでないわよ、と言っている。
最近、アリスの作った人形を人里で売ってみた所予想以上の好評を得た。
今回もアリスに頼み大量の人形を作ってもらい、それを今日届けてもらったのだ。
「本当はもっと早く来れる筈だったんだけど……あの雨だしね……」
「いや、構わないよ。期日には間に合っているし、質も申し分ない。十分だよ」
「良かった。……あ、あと……」
「ん?」
「こ、この雨で来れなかったから、その時間に作ってみたの、コレ」
言って、アリスが差し出したのは――
「僕の……人形?」
アリスが差し出したのは、高さ三寸(約9cm)程の、手乗りサイズの僕を模した人形。
「えぇ。売り物には出来ないでしょうけど、飾ってくれると嬉しいわ」
「そうか……なら、これはありがたく非売品にさせてもらうよ」
そう言って、差し出された人形を非売品の棚に置く。
「……さて、じゃあこれが今回の分。また頼むよ」
アリスに封筒を差し出し、そう告げる。
「ええ。じゃあ、私はこれで……」
「あぁ、待った」
「?」
「君に渡そうと思っていたものがあったのを忘れていたよ」
「何?」
「……ほら、コレだ」
言って、アリスにあるモノを渡す。それは――
「私の……人形?」
「君の人形を見て見様見真似で作ったものだけどね。……どうだい?」
「嬉しいわ。……凄く」
それは良かった。と思っていると、アリスは、でも……と前置きし、続けた。
「これ一つだけじゃ、寂しいわ」
「ふむ、確かにそうかもしれないな」
「でしょ?だから……」
だから……と言いながら、アリスは僕が作った人形を非売品の棚に持っていく。
「こうすれば、寂しくないわ」
言って、僕を模した人形の横にそっと置いた。
「あぁ、そうだね。これなら寂しくない」
そう言って、互いに少し黙ってしまった。
無言が空間を支配する。
こんな時は、どんな小さな声も耳に届く。
僕の耳に、途切れ途切れだがアリスの声が聞こえた。
「私達も……」
「ん?」
「私達も、この人形みたいに、ずっと、一緒に……」
「……なんだって?」
とても小さな声だったために、最後のほうがよく聞き取れなかった。
「な、何でも無いわ!それじゃ!」
「あ……」
そう言い放ち、アリスは店を出て行ってしまった。
「……なんだったんだ?」
何が彼女をそうさせたのかはわからなかったが、寄り添う二つの人形を見て、まぁいいかと思った。
アリスの日はまだまだ続きますよ!
アリスの日、まだ間に合うかなぁ…
アリスー!
またまたブログの方の返信ですが、SSはいくらか纏まったら出します。
その時はちゃんとした終わり方の雨雲は風流れと共にも出そうと思っています。
出来た時はあとがきで報告します。
ベタベタな展開なのですがそれがいい!
もし意図的に借りたのなら元ネタの説明くらいはつけた方がいいぜ
>>奇声を発する程度の能力 様
まだまだ!?
>>けやっきー 様
アリスは可愛いんです。えぇ。
>>3 様
アリ霖です^^
>>brownkan 様
可愛いんですー!
>>華彩神護 様
こういうのもアリですか。
あのカオスで終わらせた作品のシリアスな終わり方……楽しみです!
>>如月日向 様
ベタって素晴らしいと思うんです。
>>7 様
そう言っていただけると幸いですw
>>8 様
そ、そんな漫画が!?知りませんでした……
読んでくれた全ての方に感謝!