ぬえが村紗の足元に近寄ってきた。
「ぬえ」
「ん?散歩?ちょっと待ってね。今、下ごしらえ終わるから」
「ぬえー」
「急かさないでよ」
村紗水蜜はカレーの準備を行っていた。かなり手馴れた様子。
それもそのはず、村紗はカレーしか作れない。
「よし、終わり。じゃ、行こっか」
「ぬえー」
「あ、こら、ちゃんと首輪つけなきゃ駄目」
「ぬー!」
「抵抗しないで、いい子だから、ね?」
「ぬえ…」
「よしよし。いい子いい子」
村紗はぬえに赤い首輪をゆったりとつける。
「それじゃ、改めてしゅっぱーつ!」
「ぬえー!」
「ってこら!そっちじゃないでしょ!散歩コースはこっちでしょ!」
「ぬっ!ぬっ!」
「リードを引っ張るなぁ~」
「ぬっ!ぬっ!」
結局、ぬえに引きずられるように、村紗は歩む。
やがて、畑のような場所にたどり着いた。
「ぬえぬえ」
「えっ?ここ掘れぬえぬえだって?宝物でも埋まってるの?」
「ぬえぬえ」
「うんうん。わかった」
村紗水蜜はシャベルを持ち出し掘る。
一生懸命掘り続ける村紗。
そして日が暮れる。もう、村紗の身長分は掘ってあるかもしれない。
「はぁ…はぁ…。ねぇ、ぬえ。まだ掘るの?」
「ぬえぬえ」
「え?もとから何も埋まってないって?」
「ぬえっぬえっぬえっ」
「……」
村紗は穴から這い出る。
「ねぇ、ぬえ。面白い物が出土したよ。覗いてごらん」
「ぬえっ!?」
予想してなかった事態にぬえは慌てて覗き込む。
そして村紗はぬえの小さく可愛らしい、引き締まった柔肌で染み一つ無い、すべすべな桃のような尻を撫でるように蹴る。
ぬえ落っこちる。
「ぬえ…ちょっと反省しようか」
「ぬえ!ぬえ!」
「反省の色が見えないね…。水責めしちゃうよ?」
「ぬえ~ん!ぬえ~ん!」
「そうそう、初めからそう言えばいいの」
村紗はぬえを引き上げる。
「ぬえ~ん!ぬえ~ん!」
「はいはい、ごめんね。ちょっと意地悪だったね」
村紗はぬえを抱きしめ、宥める。
二人には既に信頼関係が成り立っているのであった。
「それにしても、いつからぬえは『ぬえー』しか喋れなくなっちゃったんだろうね?」
「ぬえ?」
封獣ぬえは、村紗と犬を遠くから見つめていた。
(数日前に私は、野良犬に正体不明の種を植え付けた。村紗には何に見えているのか知らないが、その日を境に村紗はその犬を溺愛するようになってしまった…。何故だ…)
封獣ぬえは後悔していた。
何故なら、彼女が村紗に話しかけても、村紗は犬に付きっきりで気付いてくれないからだ。
(私よりそんな犬っころが良いというの!?)
次の日、犬耳と尻尾を着けた封獣ぬえの姿が命蓮寺にあった。
ありえない、何かの間違いではないのか?
いぬえ、か・・・良いものだ
カレーはカレーでも海軍カレーしか作れなさそうな船長
でも恥ずかしがって絶対に村紗は口にはしないんだろうな。
短いけどお互いの気持ちを考えてみるとニヤニヤしっぱなしでした!
ていうか村紗の目にはぬえは全裸なのかwww
私もその絵探してみようかな