Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方七夕記

2006/07/07 14:55:04
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それは七の月に行われる伝統行事
七の朝、七の夕、七の夜を越えて行われる大行事
幻想郷の外の世界で7の月に入った頃、住民達はそれぞれの思惑を持って行動する時が来る



神社は今日も静かだった
ただ違うのは、何時も酒を飲んでいる鬼が静かに空を見上げている事
巫女がこの時間に起きており、真剣な表情で空に浮かぶ星を見つめている事


魔法の森は今日も静かだった
ただ違うのは、普通の魔法使いが興奮が抑えきれない様子で星を見上げている事
空を見る人形遣いと、傍にいる武器を構えた人形達の数が見えるだけで百を超えている事
宵闇の妖怪が、いつも髪につけているリボンを手に持って空を見つめている事


紅魔館とその周辺は今日も静かだった
ただ違うのは、湖上の氷精は何時もと違うまるで氷のような表情で凍らした氷に座りながら空を見つめている事
紅魔館門番の華人小娘が、地面に突き刺さった様々な武器に囲まれるように立ちながら真剣に空を見つめている事
知識と日陰の少女が、己の大図書館にて小さな砂時計を引っくり返しながら数字を数えている事
完全で瀟洒な従者が多くのメイド達を背景に、窓から星を見上げている事
紅い悪魔とその妹が、一緒に楽しそうに空を見ている事


冥界は今日も静かだった
ただ違うのは、半人半霊の庭師が己の管理する庭の中央にて静かに星を見ている事
騒霊であるはずの三姉妹が、ただ静かに背中を合わせ手を握り締めながら空を見ている事
華胥の亡霊である半霊の主が、咲かない桜を前に舞いながら空を見上げている事


永遠亭は今日も静かだった
ただ違うのは、因幡の名を持つ兎が竹林に大量の兎を引き連れて静かに空を見つめている事
月の兎が苦しそうに自分の身体を抱きしめながら、その眼で空を見上げている事
月人の二人が、笑っているのか泣いているのか分からない不思議な表情で空を見上げている事


幻想郷の境にあるマヨヒガは今日も静かだった
ただ違うのは、猫の式神が己の主人に不安そうに抱きつきながら空を見上げている事
狐の式神が己の式を抱きしめながら、苦々しい表情で空を見上げている事
境目に潜む妖怪が珍しく起きており、何時もより楽しそうな表情で空に浮かぶ星を見上げている事


人里は今日も静かだった
ただ違うのは、いつもみえている里の姿が一切見えなくなっている事
歴史喰いの半獣が忌々しいモノを見るかのように星を見ている事
蓬莱の人の形をした者が、歯を砕けんばかりに噛み締めながら仇敵を見るかのように星を見ている事



幻想郷は今日も静かだった
ただ違うのは、誰もが星を見ていた事
ただ違うのは、誰もが空を見ていた事
皆が静かに見ていた、皆が静かに待っていた

そして、その時は来た

空に掛かる橋、光り輝く道、天の川がその姿を現す
幻想郷の静寂が、破られた



神社に強力な結界が張られる

「これだけやってもあのスキマとかアンタは通り抜けるんだから非常識よね」
「・・・・・・・・・・・・・今日は誰を追いかけようかな」


魔法の森から少女達が飛び去った

「来た来た来た来たぁ! 温存なんてまっぴらごめんだ! 今回は最初から最後まで飛ばすぜ! 」
「さぁ皆、行きましょう。速く静かに予定通りに」
「そー、なの、かー」


紅魔館とその周辺が紅い霧に囲まれる

「さてと、レティを迎えに行きましょうか」
「何時も通りと言えば何時も通りですけど、どうしたものですかねー」
「・・・・・・・・・・・・・来たわね」
「全ては我らがレミリア様の為に」
「「「「「「「 レミリア様の為に 」」」」」」」
「お姉さま、どうするの? 」
「まずは様子見、後は楽しくする為の準備」


冥界の霊たちが騒ぎ始める

「どうする?」
「決まってる!」
「騒ぐのよ!」
「斬れば分かる、斬らねば分からない。だから、通ろうとするものを斬れば良い」
「誰か来るまで待ちましょうか、来なければ行きましょうか」


永遠亭で誰もが動き始める

「・・・・・・・・・・・跳ねる? 」
「「「「「「「 跳ねる! 」」」」」」」
「お、抑エ、きィレ、ナイ! 」
「姫、どうしましょうか? 」
「行くわ、決まってるでしょ」


幻想郷の境にあるマヨヒガに強力な結界が張られる

「どうするの紫様? 」
「どうしますか紫様? 」
「楽しそうになるまで待つ、楽しそうになったら出るわ」


人里近くから炎が上がる

「下らない争いが始まるな! 」
「素晴らしい争いなんて無い、だけど今から始まる争いはさらに下らない」



始まるのは、年に一度の伝統行事
会えない人と会いましょう、出来ない事をやりましょう
そんな楽しい幻想行事


        『他拿罵汰』

『七日間休み無しの超々高難易度『ルナティなんて目じゃねぇ世』と言わんばかりの弾幕竹合戦
 敵の敵は敵で、味方は敵で敵も敵、ただ戦え己の為に
 己が最強である事を示せ、しからば汝の願い叶いたり』



さぁ、願おうか
主人公はチ
      ~体験版は此処まで~
根っこ
コメント



1.名無し妖怪削除
主人公チェンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!?
素敵な、そして恐ろしい七夕ですね。
夏の行事としては怪談より怖そうw
2.名無し妖怪削除
>宵闇の妖怪が、いつも髪につけているリボンを手に持って空を見つめている事
いやいや、妖夢
3.てきさすまっく参拾弐型削除
仮面ライダー龍騎。
4.根っこ削除
感想に感謝を

>名無し妖怪さん
チルノだっちゅーの

>名無し妖怪さん
いや妖夢

>てきさすまっく参拾弐型さん
残念ながらライダーは初代からブラックまで、最近ではブレイドしか知らないウェーイ
5.名前が無い程度の能力削除
閉じるムーンライトレイ、完全包囲する弾幕結界とかのハイレベル弾幕なんですね。

やりてぇw
6.絶望を司る程度の能力削除
もはや世紀末