Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ハイパー銀色の脚スペシャル

2006/07/06 11:05:35
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「神綺さま……今日という今日は言わさせてもらいます」
 神綺付きのメイド、夢子が神妙な顔つきで言った。
「何よ改まって……何か不具合でもあったのかしら? 遠慮なく言ってちょうだい」
 神綺はまるで明日の天気の事のように応じる。
「では……」
 緊張した面持ちで夢子は言った。


「頭のソレなんなんです?」


 周囲の空気が凍てつき、即座に夢子は自分の失策に気がつく。
 やはり聞くべきではなかったのだ。いくら妖怪だからって聞いちゃいけない事ぐらいはある。
「夢子ちゃん……」
 ゆらりと、どこか異様な雰囲気を醸し出しながら神綺は夢子の両肩をつかむ。
「は……はひ……」
 異様な神綺の空気にすっかり萎縮してしまった夢子の声は震えていた。
 ぎりぎり。
「いたたたた!! 痛いですよ神綺さまぁ!」
 両肩を思いっきり掴まれて夢子は悲鳴を上げる。
「いい? 人にはね、聞かれちゃ困る事だってあるのよ?」
 顔は笑っているが目は笑っていない
 ぎりぎり。
「でも神綺さまは人間じゃないじゃないですか……っていたいたいたいたいたいたいたいたいたいたい!!!!」
「その口はつまらない冗談を言うためについてるのかしらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「ご、ごめんなさいぃぃ」
 肩を掴んだ力は万力のようで、まるで砕けてしまいそう。
 夢子の口からは謝罪の言葉が出るが、それで収まる神綺ではない。伊達に魔界の神様をやってるわけではないのだ。不出来な娘はキチンと躾けておくに限る。
「!!!!」
 方や夢子はもはや痛みで言葉が出ない。
 もう無我夢中で逃れようと抗い、手近なナイフに指令を送り込む。
 夢子のスカートの下からナイフが飛び出し、神綺に向かって飛び掛る!
「しまった!」
 そのナイフは狙い違わず親である新綺の額を狙っていたのだ。
 さすがに親を殺そうと思わないので、夢子は慌ててナイフの軌道を逸らす。
 だがしかし、過ぎた時間は戻せずに、一度動き出した振り子はなかなか止まらないように。
 ナイフは神綺の頭をかすめ、大切な何かが零れ落ちた。
 そう、それは先程夢子の指摘した、ソレ。すなわち頭からぴょいんと生えた髪の毛であった。

「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 叫び声が響き渡る。
 それがどちらのモノであったのかなんてこの際はどうでもいい。
 驚愕すべきは、
 その髪の毛から
 足が生え、
 猛スピードで走り去って行こうとしていた事であった!
「待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
 神綺の叫び声が響き渡り、それでもその髪の毛はたくましい二本の足を動かして走っていく。
「ちょっと! 夢子ちゃん! 捕まえるわよ!!」
「捕まえるんですかぁぁぁ!?」
 神綺の言葉に思わず自分の親の頭の中身を疑ってしまうが、親は親である。
 夢子は神綺の言葉に従い、走り出す。
「ほらほら逃げちゃうわよー!」
 神綺の言葉とともに夢子は走り出した!
 神綺の頭の一房の髪。いや髪であったものは床、天井、壁と場所を選ばず駆け回る。
 場所が謁見の間で助かった。滅多に人の来ないここならば今の醜態を人目に晒さなくて済む。
 ナイフ投擲。必中を期した攻撃はあっさりと回避される。
 あの素早さではナイフなどでは捕獲できないであろう。
「神綺様! そいつを足止めしてください!」
 夢子の言葉に、ソレの進行方向に結界展開。方向を変えるため慌てて止まるソレ。
 その瞬間を逃さず、夢子は空間転移。
 転移終了と同時にソレを両手で捕まえる。
「神綺様、捕まえましたよ!」
 掌の中でもがくソレを神綺に差し出す。神綺が受け取ろうとして力を緩めた瞬間。
 夢子の頭にソレが飛び乗る。一瞬の違和感の後。
「あらあら夢子ちゃんを気に入ったみたいね。似合うわよー」
 夢子の頭に見事なアホ毛が生えていた。
「……嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」













 がばとベッドに跳ね起きる。
「夢、か……」
 自室のベッドの上。大きく深呼吸して波打つ心臓を落ち着かせる。
 なんとも嫌な夢だった。いくら神綺様が人間ではないとはまさかあんなモノを頭に飼っているわけがない。
 現実的な結論で事を収め、顔を洗おうと洗面台にある鏡を覗き込んだ。
 その夢子の頭には見事なアホ毛。
 一瞬の喪失の後、魔界の城に夢子の叫びが響き渡った。



「ねぇマイ。ちょっとやりすぎじゃない」
「いいのよユキ。あの夢子が取り乱す様なんて滅多にみられないんだから」
コメント



1.翔菜削除
>それは先程夢美子の指摘した
美が余計? あまり深くつっこめないのです、あわわ。


しかしたくましいなw
2.名無し妖怪削除
たくましいなw
これ以外何を言えと。
あと、どこのヘブンズソードですか。
3.名無し妖怪削除
ちょwwwたくましいなw
4.名無し妖怪削除
た…たくましいなw
あと何に侵されてるんですかそのアホ毛
5.名無し妖怪削除
最後のユキとマイのキャラが逆のような気がしたんですが。諫め役はユキのほうだったような?
ちなみに知らない人のために、黒いのがユキで白いのがマイだよ!
6.名無し妖怪削除
ん? 腹黒いほうがマイだからこれはこれで。
7.名無し妖怪削除
タイトルにときめいて内容にときめいた
8.名無し妖怪削除
ウゥゥゥウインドォファイアァァァァァァ!!!!!!!!!