ぽよぽよ。
最近、お腹に肉が付いた。
体重も、認めたくないけどちと増えた。
外出、運動、労働が大嫌いな輝夜。
当然の報いである。
「…痩せなきゃ」
社会人としてのプライドは無いけれど、女のプライドなら残ってます。
「あの子に聞いてみよっと」
幻想郷一の健康マニア、てゐに聞くみたいです。
なんせ、今日健康になれるならば明日はいらない、なんて言ってる子です。
いろいろ詳しいでしょう。
輝夜、てゐに聞いてるよ。
「じゃ、まずは年の数だけ腹筋して下さい」
「はい?」
おかしな事言ってます。
「貴女、私がいくつだと思ってるの?…あ、もしかして本気で17だと思ってる?…やだ…」
輝夜照れてるよ。
「何言ってんですか?早く2000回して下さい。2セット」
「無理」
困った時はこの歌を。
「えーりん!えーりん!助けてえーりん!」
永琳来ました。早いです。
実はこの歌気に入ってます。
「胸は残して痩せたいんけど」
「元々無いものは残せません。まずは働いて下さい。そしたら勝手に痩せます」
「やだ」
「…じゃあ、せめて外出して下さい」
「やだ」
「……死んで下さい」
「無理」
―来いッ!鈴仙ーーーッッ!!
「お呼びでしょうか?」
「私が痩せるには?」
「この特大座薬を打てばいいかと」
「ナニコレ、水筒くらいあるじゃない」
「姫は体内に竹を入れて産まれてきたとか…これくらい朝飯前では?」
「逆よ」
誰も頼りにならないので自室でネトゲ。
しばらくして、妹紅が飛んで来ました。
「お前を殺す」
会うなり一言。
妹紅は物騒ですね。
「私は死なないわ。永遠に生きるのよ?」
「…私は、後何回殺せばいい?」
「だから何回殺っても死なないって。…それより、アレしない?」
「アレか。いいぞ」
~少女遊戯中~
「変なとこに指入れないでよ!」
「お前こそ乱暴に抜くな!」
「やだ…揺れてる…」
「壊れる!壊れる!」
「イヤアッ!ここ駄目な場所だった!」
「ああッ!」
ジェンガ、倒れる。
「私の負けね…」
「輝夜は大雑把過ぎるんだ」
「ゲームもうまくいかない。ダイエットもうまくいかない。もうやだ」
「ダイエットなんかしてたのか?」
「悪い?」
「そのままでも問題無いのに」
「…え…」
「誰もお前の体なんて見ないって」
「…殺す」
「私も死なないって」
「せめて何か痩せる方法教えなさい!でなきゃ許さないッ!」
「?ん~…慧音に聞いたらどうだ?アイツ何でも知ってるし。スタイルもいいからそういうの詳しいかも」
最悪ですね。ダイエット法聞いてる女の子の前で、他の女のスタイル褒めるなんて。
「……ますますムカムカしてきたわ。出てって!」
「?何怒ってんだ?」
ニブちん妹紅、帰宅しました。
「…癪だけど、あのハクタクに聞こうかしら…どうせなら知恵を絞れるだけ絞ってやるわ…絞…何でアイツは牛並みなんだ!許せん!」
鼻に付くもの連想したみたいです。
「見てなさい、妹紅!痩せて見返してやるわ!慧音は殺す!」
脳内で、完璧ボディの輝夜を妹紅がお姫様抱っこ。
慧音は肉骨粉になってハクタクに共食いされてます。
月の煩悩、輝夜。
―さあ、慧音に聞きに行くぞ!妹紅は渡さないぞ!
「おい、牛」
「牛じゃない。ハクタクだ」
「痩せる方法教えろ。アンタ、人間の味方でしょ?」
「地上のな」
「いいから教えろ。家焼くぞ」
「……今、体重量ってみろ」
「何で?」
「いいから」
減ってる筈ないのに。
今日、運動してないのに?
「あれ?へ、減ってる!」
「どんなに最近とはいえ過去は歴史だからな、今日のお前の行動はお見通しだ。…お前は既に僅かだか痩せているぞ?」
「な、何故?」
「…様々なストレスで痩せたんだろう。そりゃ、お前なら鏡見る度辛くなるしな。そんな体型な上、しょうゆ顔じゃなぁ。…そうそう、言っとくが、私も妹紅を渡すつもりは無いぞ?ニート」
「…宣戦布告と見たッッ!!」
ガン飛ばしたら、慧音も返してきました。
「てるよとやら。あれ?てるやだっけ?どっちでもいいか。もう帰れ」
「クッ…言われなくても!」
「ふふん。そうしろ」
たゆん、と得意気に胸を張り、輝夜を追い払います。
「…そういえば、慧音さん?」
「何だ?」
「貴女、妹紅に新しいブラ、プレゼントしたみたいだけど」
「ッッッ何故それを!?」
「あれ、あの子の肌に合ってないわ。赤くなって荒れてたもの。それに妹紅はノンワイヤーしか着けないわよ?…その内あのブラ、着けなくなるわね…馬鹿ね、貴女」
「ッッ貴様、妹紅に何をしたッッ!?妹紅と何をしたッッ!?」
「…じゃあね。後はご想像にお任せ致しますわ。貴女、そうは見えないけど頭良いらしいから、すぐ調べられるでしょ?」
ほくそ笑んで帰ります。
女の戦い、怖いです。
帰宅した輝夜、早速腹の肉を調べます。
「あ、こっちもちょっと減ってる…ホントにストレスで痩せるんだ…」
少々細くなってます。
宣戦布告された際、脂汗が出ましたから。
あの心労が続けばもやしになれそうでした。
「皆、来てくれない?」
永遠亭の構成員を招集します。
上白沢邸に待機させていた暗殺班まで。
「姫、何か?あ、また妹紅の盗撮ですか?」
情報収集班が質問します。
…先程は見栄を張りましたが、妹紅の下着の件はこのルートで写真を見ただけです。
「実はね、皆で私を虐めて欲しいの」
「ッッッ姫!それは新手のプレイでしょうかッッッ!?」
永琳、興奮し過ぎです。
「聞け、痩せる為だ。月の煩悩」
「……(姫もじゃん)」
輝夜、腹の肉をつまみつつ静かに語ります。
心労で痩せるという、荒療治を。
「…分かりました、姫」
「…私も、姫」
「御主人様と呼びなァ!虫けらッ!!」
てゐ、既にノリノリです。
こういうの向いてそうです。
「もっと虐めて!全然足りないわ!」
「ドニート!くたばりな!社会的に必要無いのよ!終わってんのよ!!」
「ぐ…」
「貧乳!慧音に何もかも負けてんだよ!妹紅はてめえなんざ壊れないオモチャぐらいにしか思ってねえって!!」
「ひど…」
「この座薬が欲しいんだろ!?ほらほらほら!!」
「あ、んんッ!!」
皆結構、ノってきました。
輝夜に不満溜まってましたから。
もう縛ったり吊るしたり、傍から見たら何事?って時に、
「わり、ハンカチ忘れてた」
妹紅、来ました。
最悪ですね。
今輝夜を調教中の部屋にハンカチ有ります。
「!…も、もこたん…」
「え!?輝夜!?な、何してんの?お前ら…」
「こ、これはね、その」
「…これって、その、アレ?…………輝夜って、そーゆー人だったんだ…………」
「や、違う!もこたんと一緒になる為に!!」
「…私と一緒になってこーゆー事したいんだ。へえ~」
「違、待って!」
「さよなら」
「…………」
* * *
あの後、輝夜は激痩せしました。
…心労で。
革命後のマリーアントワネット並みの変貌です。
「…痩せましたね」
「…痩せたわ」
「…………」
「あ、あの、妹紅の所に誤解を解きに行ったらどうでしょう?」
「…こんなガリガリの体で会いたくない…」
「いや、可愛いですよぉ?ね、ウドンゲ?」
「そ、そうですよ、姫。なんってーか、守ってあげたくなるとゆーか」
骸骨相手に無理な慰め方してます。
「………ホント?私可愛い?」
単純です。
しかも元々ナルシストですから。
おだてられたらすぐ立ち直りました。
「姫が一番ですって!ほら、モデルとかもこんなんですって!」
「モデル…そう、そうよ!私イケてるわよね!」
「では妹紅の所に!?」
「ええ!行ってくるわ!」
一方、慧音の方は激太りしてました。
調べればすぐ分かるのに、輝夜の言った事を真に受けてやけ食いしてたんです。
おかけで角付きレティなんて不名誉なあだ名までつけられました。
「もこ…もこたん、ごめんね…こんな太っちゃって…」
自宅に妹紅が遊びに来てます。
ホント、空気読まずにインして来る子です。
ちょうどそこへ、輝夜が通りかかりました。
妹紅の気配を感じ取り、覘きを始めます。目、笑ってます。
(ぷwww何、慧音の体型。ありえね。妹紅、言ってやれ、ふとましいなwって!)
妹紅、太った慧音と会うのは初めてです。びっくりです。
大口開けて驚いて、一言。
「す」
「す?」
「すげえかわいいよ!いい!いいよ!ぽちゃぽちゃけーねかわいいよ!!」
…実は妹紅、デブ専です。
慧音が太ったと聞き、飛んで来たのです。
ハッピーエンドです。
慧音と妹紅、抱き合います。
輝夜、首吊りました。
デッドエンドです…死なないから、バッドエンドですね。間違えました。
BAD END
ジェンガの件で一瞬期待した俺がここにいr(ブリリアント
吹いたwww
バ●ネタも小気味良いです。
「社会人としてのプライドは無いけれど、女のプライドなら残ってます」
やべぇ!超説得力ある!!!!!!
ジェンガかなにかということは
わかって・・いたさ・・・(泣
てゐの理想像はフランケンシュタインですか