紅魔館
其処は紅い悪魔の住処であり、此度の事件の原因を作った者の住処でもある
歴史と知識を知る者として、幻想郷を混乱に陥れた事件の原因を無事であった数少ない者の一人として此処に記す
著『上白沢 慧音』
2年程前の暖かい快晴の日、とある悪魔の一言から全ては始まった
『 霊夢が欲しいけど、邪魔が多すぎる 』
その悪魔の名はレミリア・スカーレット、紅魔館の当主にして幻想郷の夜を統べ運命を操る永遠に紅い幼き月である
その言葉は本気でそう思っていたのかもしれないし、単なる意味の無い呟きかもしれない
だが、その言葉を聴いた忠実な従者は言った
『 では、どうにかしましょう 』
と
レミリア・スカーレットの完全で瀟洒な従者、十六夜咲夜は己の主を寝かしつけた後すぐさまある人物に会いに行く
ヴワル図書館を管理する悪魔の親友である魔女、一週間少女パチュリー・ノーレッジ
十六夜咲夜にとって主の言う邪魔者の見当は付くが、どうにかする良い方法が思いつかなかったからだ
結局物騒な手段しか思いつかなかった
弾幕ごっこで無く時を止めてナイフを持って近づき一刺しで終わる、この物騒な手段は主から禁止されている
知識と言う形の結晶である本に囲まれた魔女は、悪魔の従者の突然の相談にこう応えた
「盛れば良いのよ」
と
平然と顔色一つ変えずに犯罪予告を言い出す魔女、其れに対する悪魔の従者もやはり平然としている
此処は紅魔館、悪魔の住処也
「どのような薬を? 」
「任せなさい」
魔女が呪文を唱えると、目の前にコップが現れる
「szиvzmΣrдzbyUewвNYΦゴホッ!? 」
そして続けた呪文でコップの中に怪しい液体が、魔女の周囲に埃が舞った
「げふっ、完成よ」
「 ( 多分、失敗よね ) 」
「コレを飲んだ者は、一定の条件を満たす者を無差別に惹きつける様になるゲホッ」
従者は失敗と分かりつつも興味深くコップを見つめる、変なフェロモンでも出すのかしら、と
「条件は只一つ、博麗の巫女を好きな者」
「 ( 今回は、博麗霊夢を好きな者に嫌われるって所でしょう ) 」
「レミィに関しては大丈夫よ、吸血鬼がこの程度でどうにかなったりしないから」
特定惚れられ薬 ( 魔女命名 ) を持って歩き、悪魔の従者は考える
自分で飲むのは気が進まない、誰が好き好んで嫌われたいのか
近くのメイドには飲ませれない、後始末が面倒そうだし
魔女は飲まず、覗き見ていた小さな悪魔は泣いて拒否、己の主人に飲ますなど本末転倒
選択肢を減らしつつ、頭に浮かぶはただ一人
冗談みたいに頑丈で、問題が起こっても自分でどうにか出来て、薬の耐性も強そうな門番が
「彼女に飲んで貰いましょう」
紅魔館の門番、紅美鈴
彼女は門番として、育てた鶉を弾幕に使えないかと考えていた
今日もまた、紅魔館を訪れ愚かにも強行に通ろうとする者がいる
絶対防衛、背水の陣
その中に、門番である彼女が育てた鶉達がいる
鶉が、ただ卵を産む鳥類が弾幕勝負に使えるのか?
使える
使えるのだ
見よ、門番の気に触れて育った逞しさき翼を
見よ、愚か者を狙う鶉達の素晴らしき編隊飛行の弾幕を
そして完成する鶉の焼き鳥美味しいな
・・・・・・・・駄目だった
想像の中で白黒魔法使いの放つスペルカードで美味しそうに焼けた鶉が
「暇そうね」
想像の中で鶉たちがナイフに貫かれて墜落して言った、あぁ無常
「あれ? 咲夜さんがこんな時間に此処に来るなんて珍しいですね」
門番が鶉たちを思考から追いやり、振り返ればコップを持ったメイド長
門番は疑問に思う、何故にコップ? 差し入れ? 労いの差し入れなのか!? あの瀟洒なメイド長が!?
ありえぬ、ありえぬわ!
ありえない事態に思考が混乱する紅美鈴、紅魔館の門番、紅美鈴、読み方はホン・メイリンを宜しく!
「飲みなさい」
「ほ、ほぁー!? 」
飲めと申したか!?
門場は、最早笑う事など不可能であった
「パチュリー様が作った薬よ」
「あぁ、なんだ。先にそう言って下さいよ」
度々侵入者を通したとして魔女の実験台にされる門番は、その言葉で安堵の溜息と共に正気に戻る
混乱を察して言葉をかけたメイド長だが、コレにはあまりよい顔をしなかった
何よ、私が貴女を労わったら可笑しいの?
しかし態度と顔には出さないメイド長
「じゃ、頂きますね」
躊躇無く飲む門番、其れで良いのか紅魔館
しかし門番は知っている、魔女が実験と言いながら本当に危険な事は絶対にしない事を
そして魔女も知っている、門番が完全に魔女を信頼し何の疑いもせずに実験台となってくれている事を
あぁ麗しき信頼関係かなと羨むメイド長、でも実験台は嫌ですお嬢様
「あ、美味しい」
美味しいらしい特定惚れられ薬、あの魔女はメイド長が門番に飲ますと分かっていたに違いない
目の前で私が飲めば魔女は驚いたかも、でもそれだと凄く苦くなっていそうだと考えるメイド長、これだから頭が良い人は
「それで、今回はどんな薬なんですか? 」
「・・・・・・秘密よ」
癪にさわる信頼関係、お前は只お嬢様の為に在れば良いものを
もしくは私をもっと信頼しなさい、其れが貴女に出来る善行よ
「私はもう戻るけど、門番をしっかりね」
返事も聞かずに消えるメイド長と、返事も言えずコップを片手に門番
お礼は後で言おうと思う紅美鈴、勿論相手はパチュリー・ノーレッジ
無念、何も伝わってないからメイド長、現世斬
そして時は過ぎて行く
門番の想像で鶉達が12回焼き鳥にされた頃だろうか、凄まじい速度で接近する何かがあった
勿論門番は気づく、その速度、帯びている魔力の波長
そして何よりこの紅魔館へと隠れもせず迷いもせずに真っ直ぐに来る奴など何人も居ない
来た、今日も奴が来た
「白黒接近! 配置に付け! 」
門番の一声に弾幕好きなメイド達が集まる、士気は高い
「白黒の傍に人形使いもいます! 手を出すとは思いませんが、マリス砲に注意! 」
「今日こそ 『 キャン 』 言わせるぞ! 」
「此度の弾幕は、血に飢えている! 」
「こうやってメイド服で紛れ込んで魔理沙をやっつける、あたいってばやっぱり天才よね! 」
「迎撃準備完了! 迎撃準備完了! お前ら覚悟を決めろ! 」
何か紛れ込んでいるがメイド達は見て見ぬ振り、門番は苦笑している
しかしそんな一切合財を無視して突き進もうとするのは霧雨魔理沙、自称普通の魔法使い
「ッ! スペルカードが来る! 散れ! 」
音速が遅い、弾幕はパワーと豪語する魔法使い
それが放つ弾幕は恐ろしい程に速く、そして強い
だが紅魔館の門番とて何度もそれを受けてはいない、いち早く気づきメイド達に指示を与える
しかしその指示についていけなかったメイドが一人、命令されて動く事に慣れていないメイドが一人
「へっ? き、きゃぁぁぁぁぁぁ!? 」
紅魔館 メイドの服を 着てみれど
思い出すのは 冬の湖
チルノ
湖上の氷精チルノ 自称普通の魔法使いの放つスペルカードにより弾幕開始9秒で墜落!
後で大妖精が回収
散開したメイド達が、思い思いの場所に留まり突き進むだろう魔法使いを迎え撃つ
だが、何を思ったのか魔法使いが止まった
それは非常に不可解な行動だった
例え門番やメイドと何か会話をしようとも、弾幕中に止まらず余裕があるかのように会話をする魔法使いが止まったのだ
異様な行動に門番とメイド達が注目する中、魔法使いは帽子のつばを持ち上げただ一点を睨み付けていた
メイド達でもなく、地面に倒れている氷精でもなく、紅魔館でもなく、門番の紅美鈴を
自然とメイド達の視線も門番に向かい、門番は意味の分からない視線に晒されるわ注目されるわで少し焦る
「何か言いたい事でもあるの? 」
分からなければ聞いてみる、しかし相手は応えない
チャンスなのだから落せばよいのだが、どうしようかと門番は悩む
本来は招かれざる客ではあるが、魔法使いの目的であるヴワル図書館、其処を管理する魔女には通せと言われている
魔女にとって、魔法使いは生きている珍しい知識であった
本は何時でも読めるが魔法使いは何時か死ぬ、ならばどちらを優先させるのかは道理の事
しかし魔法使いは魔女にとって大切な本を勝手に持って行く、これで魔女が正式に招けば調子に乗ってどうなるか
侵入者扱いで良い、けれど通せ
その一見矛盾した命令のようなお願いを門番は可能とする
メイド達にこう言えば良い・・・・・弾幕には弾幕を
館の主にはこう言えば良い・・・・・戯れなれば、弾幕にて
今のメイド長にはこう言えば良い・・・・・・・・・・・ごめんなさい
どうしようかと門番が首を傾げれば、何が切欠だったのか魔法使いが動いた
まるで早撃ちのようにスペルカードを使ったのだ
「 『 恋心 』 ダブルスパーク!! 」
しかもダブルスパークときた
残念ながらこれの何処が恋心なのかと突っ込みを入れる間もない、メイド達は抵抗も回避も出来ぬまま落ちる
門番は、更に悩んでいた
この距離なら避ける事も出来る、でも避けるとこの高威力の光線が門に直撃する
当たるときっと痛い、でもこの威力だと避ければ門が全壊するだろう
門番は悩んだ末に避けきれなかった事にして気で防御に決定した、門を守るのも門番の仕事だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・かなり痛かった
門には当たらなかったが、吹き飛ばされた門番が壁に直撃した
かなり硬い石で作られた上に魔女の魔法が掛けられている筈なのだが、結構崩れた
崩れた石が体半分に圧し掛かる重みを感じながら門番は避ければ良かったと後悔する
体が動かない、気で防御したはずだがそれを突き抜けて来たあの光線は反則だと門番は思う
そんな事を取り留めなく考えながら体を気を循環させ回復させて居れば、誰かが近づく気配
少し回復した体で上半身に乗っている石をどけて見れば、こちらを見下ろすように魔法使い
弾幕勝負は終わった、これ以上何があるのか
そう言えば、と門番は気づく
弾幕勝負の途中で、不自然にこちらを睨み付けたあの時
やはり何か言いたい事があるのか、近づく魔法使い
近づく魔法使い、近づく魔法使い、近づく魔法使い、近づく魔法使い
いや、近すぎる
手の届く位置まで近づいた魔法使いは、何時ぞやのように門番の胸ではなく顔を睨み付けていた
門番は意味が分からず混乱している中、魔法使いはさらに近づいて
ズキュウウウン!
キスをした
其処は紅い悪魔の住処であり、此度の事件の原因を作った者の住処でもある
歴史と知識を知る者として、幻想郷を混乱に陥れた事件の原因を無事であった数少ない者の一人として此処に記す
著『上白沢 慧音』
2年程前の暖かい快晴の日、とある悪魔の一言から全ては始まった
『 霊夢が欲しいけど、邪魔が多すぎる 』
その悪魔の名はレミリア・スカーレット、紅魔館の当主にして幻想郷の夜を統べ運命を操る永遠に紅い幼き月である
その言葉は本気でそう思っていたのかもしれないし、単なる意味の無い呟きかもしれない
だが、その言葉を聴いた忠実な従者は言った
『 では、どうにかしましょう 』
と
レミリア・スカーレットの完全で瀟洒な従者、十六夜咲夜は己の主を寝かしつけた後すぐさまある人物に会いに行く
ヴワル図書館を管理する悪魔の親友である魔女、一週間少女パチュリー・ノーレッジ
十六夜咲夜にとって主の言う邪魔者の見当は付くが、どうにかする良い方法が思いつかなかったからだ
結局物騒な手段しか思いつかなかった
弾幕ごっこで無く時を止めてナイフを持って近づき一刺しで終わる、この物騒な手段は主から禁止されている
知識と言う形の結晶である本に囲まれた魔女は、悪魔の従者の突然の相談にこう応えた
「盛れば良いのよ」
と
平然と顔色一つ変えずに犯罪予告を言い出す魔女、其れに対する悪魔の従者もやはり平然としている
此処は紅魔館、悪魔の住処也
「どのような薬を? 」
「任せなさい」
魔女が呪文を唱えると、目の前にコップが現れる
「szиvzmΣrдzbyUewвNYΦゴホッ!? 」
そして続けた呪文でコップの中に怪しい液体が、魔女の周囲に埃が舞った
「げふっ、完成よ」
「 ( 多分、失敗よね ) 」
「コレを飲んだ者は、一定の条件を満たす者を無差別に惹きつける様になるゲホッ」
従者は失敗と分かりつつも興味深くコップを見つめる、変なフェロモンでも出すのかしら、と
「条件は只一つ、博麗の巫女を好きな者」
「 ( 今回は、博麗霊夢を好きな者に嫌われるって所でしょう ) 」
「レミィに関しては大丈夫よ、吸血鬼がこの程度でどうにかなったりしないから」
特定惚れられ薬 ( 魔女命名 ) を持って歩き、悪魔の従者は考える
自分で飲むのは気が進まない、誰が好き好んで嫌われたいのか
近くのメイドには飲ませれない、後始末が面倒そうだし
魔女は飲まず、覗き見ていた小さな悪魔は泣いて拒否、己の主人に飲ますなど本末転倒
選択肢を減らしつつ、頭に浮かぶはただ一人
冗談みたいに頑丈で、問題が起こっても自分でどうにか出来て、薬の耐性も強そうな門番が
「彼女に飲んで貰いましょう」
紅魔館の門番、紅美鈴
彼女は門番として、育てた鶉を弾幕に使えないかと考えていた
今日もまた、紅魔館を訪れ愚かにも強行に通ろうとする者がいる
絶対防衛、背水の陣
その中に、門番である彼女が育てた鶉達がいる
鶉が、ただ卵を産む鳥類が弾幕勝負に使えるのか?
使える
使えるのだ
見よ、門番の気に触れて育った逞しさき翼を
見よ、愚か者を狙う鶉達の素晴らしき編隊飛行の弾幕を
そして完成する鶉の焼き鳥美味しいな
・・・・・・・・駄目だった
想像の中で白黒魔法使いの放つスペルカードで美味しそうに焼けた鶉が
「暇そうね」
想像の中で鶉たちがナイフに貫かれて墜落して言った、あぁ無常
「あれ? 咲夜さんがこんな時間に此処に来るなんて珍しいですね」
門番が鶉たちを思考から追いやり、振り返ればコップを持ったメイド長
門番は疑問に思う、何故にコップ? 差し入れ? 労いの差し入れなのか!? あの瀟洒なメイド長が!?
ありえぬ、ありえぬわ!
ありえない事態に思考が混乱する紅美鈴、紅魔館の門番、紅美鈴、読み方はホン・メイリンを宜しく!
「飲みなさい」
「ほ、ほぁー!? 」
飲めと申したか!?
門場は、最早笑う事など不可能であった
「パチュリー様が作った薬よ」
「あぁ、なんだ。先にそう言って下さいよ」
度々侵入者を通したとして魔女の実験台にされる門番は、その言葉で安堵の溜息と共に正気に戻る
混乱を察して言葉をかけたメイド長だが、コレにはあまりよい顔をしなかった
何よ、私が貴女を労わったら可笑しいの?
しかし態度と顔には出さないメイド長
「じゃ、頂きますね」
躊躇無く飲む門番、其れで良いのか紅魔館
しかし門番は知っている、魔女が実験と言いながら本当に危険な事は絶対にしない事を
そして魔女も知っている、門番が完全に魔女を信頼し何の疑いもせずに実験台となってくれている事を
あぁ麗しき信頼関係かなと羨むメイド長、でも実験台は嫌ですお嬢様
「あ、美味しい」
美味しいらしい特定惚れられ薬、あの魔女はメイド長が門番に飲ますと分かっていたに違いない
目の前で私が飲めば魔女は驚いたかも、でもそれだと凄く苦くなっていそうだと考えるメイド長、これだから頭が良い人は
「それで、今回はどんな薬なんですか? 」
「・・・・・・秘密よ」
癪にさわる信頼関係、お前は只お嬢様の為に在れば良いものを
もしくは私をもっと信頼しなさい、其れが貴女に出来る善行よ
「私はもう戻るけど、門番をしっかりね」
返事も聞かずに消えるメイド長と、返事も言えずコップを片手に門番
お礼は後で言おうと思う紅美鈴、勿論相手はパチュリー・ノーレッジ
無念、何も伝わってないからメイド長、現世斬
そして時は過ぎて行く
門番の想像で鶉達が12回焼き鳥にされた頃だろうか、凄まじい速度で接近する何かがあった
勿論門番は気づく、その速度、帯びている魔力の波長
そして何よりこの紅魔館へと隠れもせず迷いもせずに真っ直ぐに来る奴など何人も居ない
来た、今日も奴が来た
「白黒接近! 配置に付け! 」
門番の一声に弾幕好きなメイド達が集まる、士気は高い
「白黒の傍に人形使いもいます! 手を出すとは思いませんが、マリス砲に注意! 」
「今日こそ 『 キャン 』 言わせるぞ! 」
「此度の弾幕は、血に飢えている! 」
「こうやってメイド服で紛れ込んで魔理沙をやっつける、あたいってばやっぱり天才よね! 」
「迎撃準備完了! 迎撃準備完了! お前ら覚悟を決めろ! 」
何か紛れ込んでいるがメイド達は見て見ぬ振り、門番は苦笑している
しかしそんな一切合財を無視して突き進もうとするのは霧雨魔理沙、自称普通の魔法使い
「ッ! スペルカードが来る! 散れ! 」
音速が遅い、弾幕はパワーと豪語する魔法使い
それが放つ弾幕は恐ろしい程に速く、そして強い
だが紅魔館の門番とて何度もそれを受けてはいない、いち早く気づきメイド達に指示を与える
しかしその指示についていけなかったメイドが一人、命令されて動く事に慣れていないメイドが一人
「へっ? き、きゃぁぁぁぁぁぁ!? 」
紅魔館 メイドの服を 着てみれど
思い出すのは 冬の湖
チルノ
湖上の氷精チルノ 自称普通の魔法使いの放つスペルカードにより弾幕開始9秒で墜落!
後で大妖精が回収
散開したメイド達が、思い思いの場所に留まり突き進むだろう魔法使いを迎え撃つ
だが、何を思ったのか魔法使いが止まった
それは非常に不可解な行動だった
例え門番やメイドと何か会話をしようとも、弾幕中に止まらず余裕があるかのように会話をする魔法使いが止まったのだ
異様な行動に門番とメイド達が注目する中、魔法使いは帽子のつばを持ち上げただ一点を睨み付けていた
メイド達でもなく、地面に倒れている氷精でもなく、紅魔館でもなく、門番の紅美鈴を
自然とメイド達の視線も門番に向かい、門番は意味の分からない視線に晒されるわ注目されるわで少し焦る
「何か言いたい事でもあるの? 」
分からなければ聞いてみる、しかし相手は応えない
チャンスなのだから落せばよいのだが、どうしようかと門番は悩む
本来は招かれざる客ではあるが、魔法使いの目的であるヴワル図書館、其処を管理する魔女には通せと言われている
魔女にとって、魔法使いは生きている珍しい知識であった
本は何時でも読めるが魔法使いは何時か死ぬ、ならばどちらを優先させるのかは道理の事
しかし魔法使いは魔女にとって大切な本を勝手に持って行く、これで魔女が正式に招けば調子に乗ってどうなるか
侵入者扱いで良い、けれど通せ
その一見矛盾した命令のようなお願いを門番は可能とする
メイド達にこう言えば良い・・・・・弾幕には弾幕を
館の主にはこう言えば良い・・・・・戯れなれば、弾幕にて
今のメイド長にはこう言えば良い・・・・・・・・・・・ごめんなさい
どうしようかと門番が首を傾げれば、何が切欠だったのか魔法使いが動いた
まるで早撃ちのようにスペルカードを使ったのだ
「 『 恋心 』 ダブルスパーク!! 」
しかもダブルスパークときた
残念ながらこれの何処が恋心なのかと突っ込みを入れる間もない、メイド達は抵抗も回避も出来ぬまま落ちる
門番は、更に悩んでいた
この距離なら避ける事も出来る、でも避けるとこの高威力の光線が門に直撃する
当たるときっと痛い、でもこの威力だと避ければ門が全壊するだろう
門番は悩んだ末に避けきれなかった事にして気で防御に決定した、門を守るのも門番の仕事だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・かなり痛かった
門には当たらなかったが、吹き飛ばされた門番が壁に直撃した
かなり硬い石で作られた上に魔女の魔法が掛けられている筈なのだが、結構崩れた
崩れた石が体半分に圧し掛かる重みを感じながら門番は避ければ良かったと後悔する
体が動かない、気で防御したはずだがそれを突き抜けて来たあの光線は反則だと門番は思う
そんな事を取り留めなく考えながら体を気を循環させ回復させて居れば、誰かが近づく気配
少し回復した体で上半身に乗っている石をどけて見れば、こちらを見下ろすように魔法使い
弾幕勝負は終わった、これ以上何があるのか
そう言えば、と門番は気づく
弾幕勝負の途中で、不自然にこちらを睨み付けたあの時
やはり何か言いたい事があるのか、近づく魔法使い
近づく魔法使い、近づく魔法使い、近づく魔法使い、近づく魔法使い
いや、近すぎる
手の届く位置まで近づいた魔法使いは、何時ぞやのように門番の胸ではなく顔を睨み付けていた
門番は意味が分からず混乱している中、魔法使いはさらに近づいて
ズキュウウウン!
キスをした
魔理沙、恐ろしい子!
眼からマスタースパーク出してるところを
幻視した。
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!
>名無し妖怪さん
何時でも本気、それもまた彼女の魅力
>名無し妖怪さん
恋愛はパワー
>名無し妖怪さん
幻想郷の書店にて、慧音先生の本をご購入下さい
>名無し妖怪さん
貴様、ジョ○ョの○妙な○険を読んでいるな!
>王になれない程度の能力さん
歌は心、例え⑨だろうと大丈夫
>どっかの牛っぽいのさん
続編は、貴方の心の中に
>名無し妖怪さん
いえいえ、まだまだですよ
>名無し妖怪さん
うー!