あらすじ
ダンデライオン
私の名は上白沢慧音。軍人だ。
「あ、けーねさまだー」
「けーねさま、あそぼー」
「ああ。この草抜きが終わってからな」
「慧音様、なんも草抜きまでしてくださらんでも」
「んだんだ。里を護ってくださるだけで十分だよ」
「その上、オラたちに混じって農業まで」
「なに、好きでやっていることさ」
「けーねさま、むぎわらぼうしにあってるー」
「かみのけ、あんだのもにあってるー」
「ほらな? 案外、農業が性に合ってるんだよ」
「ありがてぇことだぁ」
「んだぁ。ありがてぇ」
「なんまんだぶなんまんだぶ」
「おいおい、よしてくれ」
「けーねさまてれてるー」
「けーねさまかわいー」
父はリビアで大佐をしている。
「……もうそろそろ父の命日だな」
「そっか。もうそんな時期なんだね」
「蓬莱人になると、日付の感覚が薄くなるか、妹紅?」
「数える意味がなくなるから」
「とか言って、本当は妹紅がズボラなだけだろう」
「あー、酷いなぁ。慧音は」
「ははは、すまんすまん」
「……慧音のお父さん、人間だったっけ」
「ああ。母が人に化身するハクタクだ」
「そっか。……いいお父さんだった?」
「ああ。私と同じで、土いじりが好きな人だった」
「慧音が農業好きなの、お父さんの影響なんだ」
「かな。顔は母親似らしいんだが…」
「じゃ、美人なんだ。お母さん」
「……おほん」
「あはは。……慧音のお父さん、かぁ」
「農業一筋の朴訥な人だったよ」
「今頃、白玉楼で妖夢の手伝いをしてたりして」
「ははは、ありそうだな」
「~~~~~」
「あ、いつもお手伝いありがとうございます」
「その幽霊、本当に土いじりが好きねぇ」
「はい、幽々子さま。教わることが多いです」
「~~~~♪」
私の仕事は至極単純。あくびが出るほど簡単だ。
ケツに卵の殻のついたひよっ子どものケツを蹴っ飛ばし。
「この田もやられたか…」
「ああ、せっかく育てた稲が病気なんかに…うっ、うっ」
「泣くんじゃない。まだ全滅したわけではないのだから」
「……なんとかなるだか、慧音様?」
「なんとかなる、じゃない。なんとかするんだ」
「慧音様…」
「でもオラ、こんな病気、初めて見るだよ」
「見たことのない病気だが、昔あった病気かもしれない」
「新しい病気じゃないだか?」
「調べてみないとわからん。私は書物を調べてみる」
「頼んますだ、慧音様」
「いいか、皆。人事を尽くさねば天命は来ない」
「む、むずかしくてよくわかんないだよ」
「“頑張らない者には神様も恵みをくださらない”と言うことだ」
「お、おお…」
「頑張ろう。私とお前たちで育てた稲を、救うんだ」
「お、オラ、じぃさまやばぁさまに聞いてみるだ!」
「んだば、オラ、隣村のじぃさまとばぁさまに聞いてみるだ!」
「ああ、頼んだぞ、皆」
よちよち歩きから卒業させてやることだ。
「やった……やっただよー!」
「病気が治っただ…稲が元通りになっただよー!」
「ああ、やったな……」
「慧音様……慧音様のおかげだよ」
「慧音様が昔の病気だって見つけてくんねかったら、どーなってたか」
「ああ、慧音様、ほんにありがてぇ。ほんにありがてぇだ」
「なにを言う。治療法を不眠不休で稲に施したのはお前たちじゃないか」
「もったいねぇお言葉ですだぁ…」
「この稲は私とお前たちで護ったんだよ」
「慧音様……うおおおおおん!」
「バカ……泣くヤツがあるか」
「へへへ、慧音様も、泣いてるでねぇですか」
「こ、これは目にゴミが入っただけだ!」
「まったまた。慧音様はウソが下手だべ」
「んだなー。でも、ほんによかっただよ……ぐすっ」
「……まったくお前たち………」
古参兵も裸足で逃げ出す鬼軍曹。
それがこの私、上白沢慧音。
「ひゃあ、慧音様、もうあんなトコまで刈り入れしちまっただよ」
「あんな重そうなおっぱいぶらさげてっのになぁ」
「オラたち何年もやってっけど、慧音様に勝ったことねぇだ」
「農業も出来てべっぴんさん。三国一の器量よしだべ」
「オラぁ、おおきくなったらけーねさまのむこになるだよ」
「あっはっは、そいつは無理だべなぁ」
「えー? なしてだ、おっとう?」
「慧音様は自分より働き者しか婿にしねえだよ」
「慧音様は村一番のはたらきもんだでなぁ」
「んじゃあ、オラ、けーねさまよりはたらきもんになるだよ!」
「あっはっは、頑張るだよー」
「ほらほら、どうした、お前たちー! 日が暮れてしまうぞー!」
「おおっと、こうしちゃいらんね」
「オラたちも負けてらんねぇだよ」
「おっとうたちも、けーねさまにかかったらかたなしだべ」
「言ったなー。おっとうのすごいトコ見せてやるだよ」
「よしよし。さぁ、あともう一息だ。頑張ろう!」
「おおー!!」
私に勲章はいらない。
手塩にかけた部下どもの戦果がなによりの勲章だ。
「慧音のトコのお米は本当においしいねぇ」
「はは。丹精込めて育てているからな」
「うんうん。おかわりー!」
「もう三杯目だぞ、妹紅?」
「いいじゃん。おいしいんだもん」
「まったく…大盛りでいいか?」
「うん!」
「慧音様~」
「おや、どうした?」
「へへ、うちの米で作った酒が出来ましたで」
「いのいちばんに慧音様に飲んで欲しくて、持ってきただよ」
「それはありがたいな。さ、上がってくれ」
「おや、妹紅さんでねぇか」
「ごちそうになってるよー」
「味のほうはどうだべ?」
「今年のは特においしい!」
「妹紅さんは毎年そればっかりだべ~」
「あはは。でも本当だからしかたないじゃん」
「そう言ってもらえっと、作った甲斐があるだよ」
「春先にまた、たけのこ一杯もってくるね」
「おお、それは楽しみだべ!」
「ふふ……盛り上がってきたところで、一杯いくか」
「いよっ、待ってました!」
「慧音、私がお酌するよ」
「今夜は宴会だべよ~」
「ははは、ほどほどにな」
私の名は上白沢慧音。軍人だ。
父はリビアで大佐をしている。
「あの幽霊に教えてもらうと、お米がホントに美味しくなるわねぇ」
「はい。毎日ごはんが楽しみです、幽々子さま」
「まぁ妖夢ったら。まるで私みたいね」
父も私も、笑顔を守り、作ることを生きがいにしている。
ダンデライオン
私の名は上白沢慧音。軍人だ。
「あ、けーねさまだー」
「けーねさま、あそぼー」
「ああ。この草抜きが終わってからな」
「慧音様、なんも草抜きまでしてくださらんでも」
「んだんだ。里を護ってくださるだけで十分だよ」
「その上、オラたちに混じって農業まで」
「なに、好きでやっていることさ」
「けーねさま、むぎわらぼうしにあってるー」
「かみのけ、あんだのもにあってるー」
「ほらな? 案外、農業が性に合ってるんだよ」
「ありがてぇことだぁ」
「んだぁ。ありがてぇ」
「なんまんだぶなんまんだぶ」
「おいおい、よしてくれ」
「けーねさまてれてるー」
「けーねさまかわいー」
父はリビアで大佐をしている。
「……もうそろそろ父の命日だな」
「そっか。もうそんな時期なんだね」
「蓬莱人になると、日付の感覚が薄くなるか、妹紅?」
「数える意味がなくなるから」
「とか言って、本当は妹紅がズボラなだけだろう」
「あー、酷いなぁ。慧音は」
「ははは、すまんすまん」
「……慧音のお父さん、人間だったっけ」
「ああ。母が人に化身するハクタクだ」
「そっか。……いいお父さんだった?」
「ああ。私と同じで、土いじりが好きな人だった」
「慧音が農業好きなの、お父さんの影響なんだ」
「かな。顔は母親似らしいんだが…」
「じゃ、美人なんだ。お母さん」
「……おほん」
「あはは。……慧音のお父さん、かぁ」
「農業一筋の朴訥な人だったよ」
「今頃、白玉楼で妖夢の手伝いをしてたりして」
「ははは、ありそうだな」
「~~~~~」
「あ、いつもお手伝いありがとうございます」
「その幽霊、本当に土いじりが好きねぇ」
「はい、幽々子さま。教わることが多いです」
「~~~~♪」
私の仕事は至極単純。あくびが出るほど簡単だ。
ケツに卵の殻のついたひよっ子どものケツを蹴っ飛ばし。
「この田もやられたか…」
「ああ、せっかく育てた稲が病気なんかに…うっ、うっ」
「泣くんじゃない。まだ全滅したわけではないのだから」
「……なんとかなるだか、慧音様?」
「なんとかなる、じゃない。なんとかするんだ」
「慧音様…」
「でもオラ、こんな病気、初めて見るだよ」
「見たことのない病気だが、昔あった病気かもしれない」
「新しい病気じゃないだか?」
「調べてみないとわからん。私は書物を調べてみる」
「頼んますだ、慧音様」
「いいか、皆。人事を尽くさねば天命は来ない」
「む、むずかしくてよくわかんないだよ」
「“頑張らない者には神様も恵みをくださらない”と言うことだ」
「お、おお…」
「頑張ろう。私とお前たちで育てた稲を、救うんだ」
「お、オラ、じぃさまやばぁさまに聞いてみるだ!」
「んだば、オラ、隣村のじぃさまとばぁさまに聞いてみるだ!」
「ああ、頼んだぞ、皆」
よちよち歩きから卒業させてやることだ。
「やった……やっただよー!」
「病気が治っただ…稲が元通りになっただよー!」
「ああ、やったな……」
「慧音様……慧音様のおかげだよ」
「慧音様が昔の病気だって見つけてくんねかったら、どーなってたか」
「ああ、慧音様、ほんにありがてぇ。ほんにありがてぇだ」
「なにを言う。治療法を不眠不休で稲に施したのはお前たちじゃないか」
「もったいねぇお言葉ですだぁ…」
「この稲は私とお前たちで護ったんだよ」
「慧音様……うおおおおおん!」
「バカ……泣くヤツがあるか」
「へへへ、慧音様も、泣いてるでねぇですか」
「こ、これは目にゴミが入っただけだ!」
「まったまた。慧音様はウソが下手だべ」
「んだなー。でも、ほんによかっただよ……ぐすっ」
「……まったくお前たち………」
古参兵も裸足で逃げ出す鬼軍曹。
それがこの私、上白沢慧音。
「ひゃあ、慧音様、もうあんなトコまで刈り入れしちまっただよ」
「あんな重そうなおっぱいぶらさげてっのになぁ」
「オラたち何年もやってっけど、慧音様に勝ったことねぇだ」
「農業も出来てべっぴんさん。三国一の器量よしだべ」
「オラぁ、おおきくなったらけーねさまのむこになるだよ」
「あっはっは、そいつは無理だべなぁ」
「えー? なしてだ、おっとう?」
「慧音様は自分より働き者しか婿にしねえだよ」
「慧音様は村一番のはたらきもんだでなぁ」
「んじゃあ、オラ、けーねさまよりはたらきもんになるだよ!」
「あっはっは、頑張るだよー」
「ほらほら、どうした、お前たちー! 日が暮れてしまうぞー!」
「おおっと、こうしちゃいらんね」
「オラたちも負けてらんねぇだよ」
「おっとうたちも、けーねさまにかかったらかたなしだべ」
「言ったなー。おっとうのすごいトコ見せてやるだよ」
「よしよし。さぁ、あともう一息だ。頑張ろう!」
「おおー!!」
私に勲章はいらない。
手塩にかけた部下どもの戦果がなによりの勲章だ。
「慧音のトコのお米は本当においしいねぇ」
「はは。丹精込めて育てているからな」
「うんうん。おかわりー!」
「もう三杯目だぞ、妹紅?」
「いいじゃん。おいしいんだもん」
「まったく…大盛りでいいか?」
「うん!」
「慧音様~」
「おや、どうした?」
「へへ、うちの米で作った酒が出来ましたで」
「いのいちばんに慧音様に飲んで欲しくて、持ってきただよ」
「それはありがたいな。さ、上がってくれ」
「おや、妹紅さんでねぇか」
「ごちそうになってるよー」
「味のほうはどうだべ?」
「今年のは特においしい!」
「妹紅さんは毎年そればっかりだべ~」
「あはは。でも本当だからしかたないじゃん」
「そう言ってもらえっと、作った甲斐があるだよ」
「春先にまた、たけのこ一杯もってくるね」
「おお、それは楽しみだべ!」
「ふふ……盛り上がってきたところで、一杯いくか」
「いよっ、待ってました!」
「慧音、私がお酌するよ」
「今夜は宴会だべよ~」
「ははは、ほどほどにな」
私の名は上白沢慧音。軍人だ。
父はリビアで大佐をしている。
「あの幽霊に教えてもらうと、お米がホントに美味しくなるわねぇ」
「はい。毎日ごはんが楽しみです、幽々子さま」
「まぁ妖夢ったら。まるで私みたいね」
父も私も、笑顔を守り、作ることを生きがいにしている。
こ こ の 村 人 は
今は無人ヘリで散布ですけど、何もかも手作業な昔はやっぱり大変。
農家の一人としては、技術の進歩にも感謝です。幻想郷とは無縁ぽいですが。
あれ村人の中に俺がいる
つまり妹紅は婿になれないということでファイナルアンサー?
毎日の糧を作ってくれる農家の人へ感謝の気持ちと、貴方への感謝の気持ちをこめて。・・・ごちそうさまでした、ありがとう。
>妹紅は婿になれない
そりゃ妹紅はお嫁さん…
画面がよく見えねぇ。
鬼軍曹のくせに・・・・目から汗がとまらねぇぜ・・・?