Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

眩暈

2006/06/23 04:33:50
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※注意はすべてコメント欄に書いてあるのでそちらから読んでくださるとうれしいかと・・・










「おまえさ、神隠しとか興味あるか?」
彼は突然そう聞いてきた。
先週自分の所属するクラスから行方不明者がでた、そのときから彼はふさぎこみがちになっていた、こちらが話しかけても反応しないぐらい。
しかし、今日の下校時間、彼のほうから話しかけてきた。
「怖い話か?興味のないやつはいないと思うね」
「そうか・・・」
それっきり彼は黙り込む。
「どうしたんだ?お前らしくもない、まさかこの前の失踪者が恋人だったとか?」
ちなみに行方不明者は男だ
自分は何気なく冗談を交えてそう聞いた。
「おまえ、俺がその失踪者がどうなったか知ってるって言ったら?」
「興味あるね、ふさぎこみっぱなしだった理由はそれか?」
「ああ・・・聞かせてほしいか?」
自分の無言を肯定ととったのか彼は話し始めた


「あそこは・・・駅前に出る前のあの人気のねぇ路地だったかな・・・俺とあいつ、あいつって言うのはあの失踪者のことだ、俺とあいつが並んで歩いていたときだったんだ・・・」
彼とあいつはそんなに仲がよくない、もちろん二人は終始無言だったろう。
「いきなりな、周りの風景が変わったんだ・・・まさにワープって感じにさ」
「比喩じゃなくてか?」
「ああ、比喩じゃない・・・なんつーか・・・森・・・みたいな・・・もちろんあいつも一緒だった。
さすがにびびるよな?いきなり回りの風景が変わって、しかも知らないところときたもんだ、困惑しないほど俺も肝は据わっちゃいねぇ。
しばらくどうしていいかわからなかったんだがな・・・その時さ、鳴き声が聞こえたんだよ。」
「鳴き声?な~んってか?」
「ニャ~・・・ってな、それでさ辺りを見回してみるとさ、猫が居たんだよ、黒猫がさ。
意味のわからんところに不幸の象徴の出現さ、ああ・・・黒猫を不幸の象徴としているのは日本だけだっけな・・・
それでさ、その猫がさ、ついて来いって感じで歩き出したんだよ。
普通ついて歩いていくか?俺は行きたくなかったんだがよ、あいつのほうがさ、ついて歩いていくじゃねぇか。
困ったよ俺もな・・・できればついていくなと感覚が告げてるって言うか・・・第六感?
でも、一人になるのはもっときつかった、それで俺もさ、ついていったんだよ。
どれくらい歩いたのかな・・・どれくらい歩いたと思う?」
「小一時間」
「覚えてねぇよ、でもな、とりあえず何度も同じところを通ってる気がしてくるわけだ、錯覚だったのかそうじゃなかったのかはわからん、印やらなんやらなんぞ一切つけてないからな。
でもな、家が見えたんだ」
「家?、豪邸?あばら家?それ以外?」
「玄関しか見てねぇがな、玄関だけ見てみりゃ普通家屋、でも、家全体にただよってる空気って言うかさ、威厳みたいなものはさ、まさに一級品だったな。
でさ、家の前に居たんだ・・・」
「なにがだ?体重六百㌔オーバーの軍人でも居たのか?」
「もしかしたらそっちのほうがよかったんだがな・・・前に居たのは女だった」
「ギター魔女?」
「んなわけあるかい、まぁ・・・きれいな人だった、人じゃなかったみたいだがな。
黒猫はさ、家の中に入っていたんだけどさ、俺たちは立ち止まっちゃうわけよ・・・
それでさ、声もかけずらいのよ、わかるか?この気持ち
それでよ、向こうの方から話しかけてきたんだよ・・・」
彼はそういって神妙な顔で黙り込む
「どうした?」
「この先の事を聞きたいか?それと信じるか?」
「両方とも話を聞いたあとに考えるさ」
「わかった
ああ、記憶のほうもなんかおぼろげになってるからよ、詳しい話はできねぇからそう期待されても困るぜ
ええっとだな、その女はよ、自分は人間ではない云々、自分は妖怪で食すためにさらってきた云々、言ったんだよ、当然あいつも俺もフリーズだな、思考が、
そんでよ、さらに自分は本来なら二人じゃなくて一人だけを連れてこようとしたんだけど失敗しただの云々、それで一人は帰すが一人は死んでもらうだのかんだの言うわけだよ
でさ、どちらを食すかを聞いて来るんだよ、その食う対象にさ、あいつは脊椎反射並みのスピードで俺を指差してきたんだよ、俺はどうしたと思う?」
「チャフで主砲を無力化した」
「俺は自分を指差したよ」
「食われたのか?もう一個の意味で、性欲をもてあますってか?」
「馬鹿野郎
ほらよく言うじゃん、誠実なものは生き残るってさ、どんな怖い話だろうと生き残るのは自己犠牲者、他人を犠牲に生き残ろうとする馬鹿はおっちぬ、特に妖怪譚、代表例は韓国のやつ
で、その試みは見事成功、俺は気がついたら教室に居た、
あいつ?行方不明だろ?」
「なるほど、つまりは騙しまくったわけだな?」
「くくくく・・・そういうことだな、最後に生き残るのは頭のいいやつさ」
「この話聞いてたらその自称妖怪は怒るだろうね」
「大激怒だろうな、何より嘘をつくやつは死ぬからな、特に妖怪譚、代表例は壁の中の婆さん
だがな、もう一週間だ、そんだけたてば大丈夫だろ?
仮に聞いてて俺が殺されるとしてもな、俺には今心残りがねぇんだよ」
「ふーん、で、それなんて小説?」
「殴っていいか?」
「信じるかどうかは話を聞いたあとだろ?」
「そうか、おっともうこんな時間だ、帰るぞ」


そして自分と彼は家路についた
駅に着くまでいろんなことを話した
駅のホームは珍しく誰も居なかった
自分は茶を買うために彼と離れ自動販売機まで走った
そして、茶を買い、彼のところを見ると、そこには
女が・・・






「女が・・・」
「女がどうかしたんですか?」
「女が居た・・・」
「別にあまり気にはなりませんが普通は女の人が居たって」
「なんか格好が・・・古めかしいって言うか・・・白と紫を基準にした色合いの・・・明らかに・・・現代の服装からは離れてるって言うか・・・でも・・・きれいな人・・・女でした
そしてその女は・・・彼の立っていたところに居て・・・そして・・・消えたんです・・・」
「消えた?」
「足元からすっと・・・ほら、ブルースクリーンで青い布を下から持ち上げた感じです」
「年はどれくらいですか?大体でいいです」
「二十代から六十代でした」
「それはあまりにも多くの女性が入ってしまいますが・・・」
「いえ、二十といわれてみれば、大人っぽいなぁと思えるし、六十といわれれば若々しいがそんなものか・・・って納得してしまうような・・・
僕の話はここまでです、それでは」
そういって彼は十二本目の缶珈琲を飲み干し席を立った
「ああ、どうもありがとうございました」
私はそう返し彼を見送った
彼と入れ違いに人が入ってきた
「話はおわったんすか?」
「終わったよ」
「で、これで何か面白そうな話書けそうっすか?」
「まあまあだな」
「あ、そうそう、彼の過去を調べてみたんですが、彼の同級生からは二人行方不明者が出ていたことがわかったっす、それも短期間で
こいつは信憑性が出てきたっすね」
「彼を紹介してくれたことは礼を言う、執筆に入るから出て行ってくれ」
「はいはい」
そうして奴は出て行き私は机に向かいパソコンを起動した
※注意
幻想郷に迷い込んで帰ってきた人の話を聞く話です
これは・・・オリキャラ分がないとはいえないし
少々東方分も不足気味です
文体も悪く誤字脱字が検出される可能性を秘めています
校正には全力を尽くしていますが誤字脱字が発見される可能性が捨て切れません
誤字脱字を発見された方は場合は指摘してください
ほぼ即座に直します

※ここから上は注意、下?なんだろう・・・

6/25 誤字発見、修正
長谷川 修一郎
コメント



1.名無し妖怪削除
いや、こういうのも面白いと思うよ。しかしこの学生、土壇場でこんなことするたぁいい度胸だな。
2.名乗らない削除
普通に面白いが・・・・・・あとがき云々(注意書きや駄文等)は一切合財無い方が良い。蛇足。台無し。むしろ邪魔。