「カリスマが足りない。」
レミリアは唐突に言い放った。
「えぇと、仰られている意味が良く理解できないのですが…。」
「言った通りよ。最近私に対して軟弱な嗜好を持った輩の多い事多い事。」
「咲夜はまだ分かるわ、常に一緒に居れば畏怖なんて慣れてしまうもの。」
「申し訳御座いません。」
「いいのよ。古い付き合いのパチュリーや美鈴も問題外ね。」
「はい。」
「問題なのは一般の平メイド達や周りの妖怪とかなのよ。」
「何かあったのですね。」
「ええ、それは三日前の事だったわ………。」
「ぁーダル。やっぱり徹夜…もとい徹朝は体に悪いな…。でも今更寝るのも…。」
ガヤガヤガヤガヤ
「ん?この部屋だけ妙に賑ってるわね、何やってるのかしら。」
コソコソ、カチャッ
「はいはい、レミリア様×咲夜さん本。残り10部となりましたーお早めにどうぞー。」
「レミリア様寝顔写真集3冊くださーい!」
「たれレミリア人形売り切れとなりましたー。お並びの方は申し訳御座いませんー。」
「まだまだ行くよー!皆さんご一緒にー。さん、はい!」
『れみりあう~☆れみりあう~☆生麦生米れみりあう~☆』
『れみりあう~☆れみりあう~☆兎ピョコピョコれみりあう~☆』
「やっぱね~、レミリア様の魅力は直飲みだと思うのよ。」
「ばっかねー、あの意味不明な手とパクリ上等な台詞に決まってるでしょ。」
パタン
「おかしいわね…最近目でも悪くなったかしら。夢…ならここまでリアルにはならないか。」
カチャッ
「レミ×さく本売り切れましたー。皆様感謝です。」
「あ、レミリア様のコスプレ!手の形が微妙に違うけど似てるわねぇ。」
『れみりあう~☆れみりあう~☆ソウルカプチュアれみりあう~☆』
「私達にはそれぞれのレミリア様が居るのよ。それが分からない内はまだまだレミリストを名乗れないわね。」
バタン
「OK、落ち着きましょうレミリア。偶数を数えるのよ。偶数は必ず2で割り切れるマヌケな数字、私に勇気を…
与えてくれるわけ無ぇだろうがぁぁぁぁぁ!!」
「そのまま不夜城レッドで乗り込んで一時間ほどレミリア殺戮劇場を繰り広げたわけよ。」
(だからメイド達が大量に休暇届出してきたのですね…。)
「ここまでやってまだ『れみりあう~☆』とか歌ってたらどうしてやろうかしら?」
「メイドの責任はメイド長である私の責任です。私が直々に制裁を加えますわ。」
「なら良いわ。それとこれは昨日、外に散歩に出ようとした時の事なんだけど…。」
「あ、レミリアお嬢様。どうなされたのですか?」
「ええ、ちょっと散歩にね。」
「ええっ!?今ですか!?」
「あら美鈴、私が外に出たらまずい事でもあるのかしら?」
「いえその、今時分はお止めになられた方が…。」
「そうねぇ、一応理由を聞こうか。」
「実は最近ですね……」
「すいません、ここで『れみりあう~☆』が生で見れると聞いてきたんですが。」
「…はぁ?」
「生れみりあう~☆を見に来たから開けてくれよ。」
「いえ、何ですかその理由は。と言うか入れるの前提で開けろとか言うな。」
「どうでもいいから。早く居れてよ、時間無いし。」
「お断りします。」
「中国は用無いって。」
プチッ
「三節棍中段打ちーっ!!!」
「ギャァーッ!」
「レミリア様に会わせろー!」
『会わせろー!』
「生てれみりあう~☆を見させろー!」
『見させろー!』
「直飲みを是非ともさせてくれー!」
『させてくれー!』
「中国は我々を通すべきだー!」
『通すべきだー!』
プチッ
「山田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ギャー!何か薙刀持って襲ってきたー!!」
「奴は中国じゃねぇ、大都督だー!!」
「逃げろー!!」
紅美鈴 1000匹撃破!
お主こそ真の幻想無双よ!
「…とまぁ、こんな事が頻繁に起こっていまして。時間的にはレミリアお嬢様の起き出すこの時間帯なのですよ。」
「……マジ?」
「マジです。」
「……ちょっと楽しい散歩に出かけてくるわ。」
「分かりました。できればほどほどでお願いします。」
「で、その後付近の妖怪を根こそぎ吹き飛ばしてあげた訳なのだけど。」
「美鈴に妖怪には手加減しなくて良いと言っておきますわ。」
「まぁそういう訳で、最近手前等私を嘗めてんじゃ無いのかと。頭に乗りすぎなんじゃないかと。」
「承知しました。では何らかの打開策を考えてまいります。」
「頼むわよ咲夜。」
「と答えたのは良いのだけれど、正直打開策が全く思い浮かばないわ。」
「いえまぁそれは分かりましたけれど、何で美鈴さんでもなくパチュリー様でもなく私の所なんですか?」
「小悪魔だけに小細工とか謀略は得意じゃないかと思って。」
「まぁ確かに得意と言えば得意の部類には入りますけれど…。」
「入りますけれど?」
「ぶっちゃけ無理です。」
「使えないわねぇ、仕えてるけど。」
「せめて私より上位の方でしたら何とかなったかもしれないんですけどねぇ。」
「仕方ないわねぇ、適当にお茶を濁しましょうか。」
「それが一番ですね。」
ちなみにあれは本来『邪魔だー』と行ってるんですが『山田ぁー』と聞こえてしまうんですよね。
あ、元ネタが神父だから相性が悪くてもいいのかw
これ見た瞬間に、モニターがコーヒー塗れになりました。
しかも1000匹倒すとはww