注:このSSは『卯酉東海道』のネタバレを含んでいます。
「ねえ、蓮子。旧東海道新幹線はもっと駅があるのよね?」
「そりゃそうよ」
「だったらこっちの新幹線にももっと駅があっても良いと思わない?」
卯酉新幹線『ヒロシゲ』は京都-東京間を結ぶ列車である。
この列車には駅が二つしかない。
「おいおいメリーさん。もっと駅があったら53分じゃ走りぬけられないじゃないのよ」
「え、でも最高速を出せば53分以内に走れるんだし、いくつか駅を足せたんじゃないの?」
「まあ、当初は鎌倉にも駅を作る予定があったらしいわ……って、さっき言ったわよね?」
「私の記憶が正しければね」
当初の予定の駅を加えても三つである。
他には、無い。
「もっと駅があれば、ゆっくりとした旅になるのにね」
「駄目よ。『ヒロシゲ』なんだから駅増やしちゃあ」
「……意味が判らないんだけど」
「53個も駅作ったら駅弁考えるの面倒じゃない」
『ヒロシゲ』から見えるのは架空の富士、架空の空、そして架空の都市。
其処にはヴァーチャルな世界しか無い。
「あ、一個くらい真ん中に駅があったら便利かも。お土産に三種類の駅弁買って帰れるし」
「アンタの思考は駅弁しかないのか蓮子」
「でも……」
「でも?」
しかし、列車には世界は関係は無い。
止まるべき場所には、止まる。それが列車と言う物である。
「新幹線が止まるような大きな都市って、東海道にあったかしらね?」
故に止まる駅が無いと言うのは、必要が無いから、である。
・・・・・・・・・・
「おーっす! 今日も無駄に商売してるか香霖」
「……商売に無駄なんてないよ」
「じゃあ言いなおす。今日も有意義に読書がてら無駄に商売してるか香霖?」
「もう良いよ……で、用はなんだい? 魔理沙」
「ああ、実はこんな物拾ったんだが見てくれるか?」
「はあ、どれどれ…………」
「ふむ、名前は『ういろ』。用途は嗜好品・お菓子だね」
「おお、お菓子か。食べよう香霖」
「ちょ、これは外のお菓子だよ? もう食べられるかどうか……」
「構わない、食うぞ」
「お腹壊すよっ」
・・・・・・・・・・・
必要の無くなったモノは幻想となる。
それは都市だろうと何だろうと同じ事。
当然、列車は二度と、止まらない――――
「そうだ。メリー、帰りは旧東海道で帰ってみる?」
「あら、蓮子もセレブになる気?」
「違うわよ。東海道には大きな都市は無かったと思うけど、その代りに遺跡とか沢山あるのよね」
「遺跡?」
「そう、お城とか廃墟とか」
「……帰りまで倶楽部活動なのね」
――――其処に残るのは、ただただ幻想への入り口のみ。
「ねえ、蓮子。旧東海道新幹線はもっと駅があるのよね?」
「そりゃそうよ」
「だったらこっちの新幹線にももっと駅があっても良いと思わない?」
卯酉新幹線『ヒロシゲ』は京都-東京間を結ぶ列車である。
この列車には駅が二つしかない。
「おいおいメリーさん。もっと駅があったら53分じゃ走りぬけられないじゃないのよ」
「え、でも最高速を出せば53分以内に走れるんだし、いくつか駅を足せたんじゃないの?」
「まあ、当初は鎌倉にも駅を作る予定があったらしいわ……って、さっき言ったわよね?」
「私の記憶が正しければね」
当初の予定の駅を加えても三つである。
他には、無い。
「もっと駅があれば、ゆっくりとした旅になるのにね」
「駄目よ。『ヒロシゲ』なんだから駅増やしちゃあ」
「……意味が判らないんだけど」
「53個も駅作ったら駅弁考えるの面倒じゃない」
『ヒロシゲ』から見えるのは架空の富士、架空の空、そして架空の都市。
其処にはヴァーチャルな世界しか無い。
「あ、一個くらい真ん中に駅があったら便利かも。お土産に三種類の駅弁買って帰れるし」
「アンタの思考は駅弁しかないのか蓮子」
「でも……」
「でも?」
しかし、列車には世界は関係は無い。
止まるべき場所には、止まる。それが列車と言う物である。
「新幹線が止まるような大きな都市って、東海道にあったかしらね?」
故に止まる駅が無いと言うのは、必要が無いから、である。
・・・・・・・・・・
「おーっす! 今日も無駄に商売してるか香霖」
「……商売に無駄なんてないよ」
「じゃあ言いなおす。今日も有意義に読書がてら無駄に商売してるか香霖?」
「もう良いよ……で、用はなんだい? 魔理沙」
「ああ、実はこんな物拾ったんだが見てくれるか?」
「はあ、どれどれ…………」
「ふむ、名前は『ういろ』。用途は嗜好品・お菓子だね」
「おお、お菓子か。食べよう香霖」
「ちょ、これは外のお菓子だよ? もう食べられるかどうか……」
「構わない、食うぞ」
「お腹壊すよっ」
・・・・・・・・・・・
必要の無くなったモノは幻想となる。
それは都市だろうと何だろうと同じ事。
当然、列車は二度と、止まらない――――
「そうだ。メリー、帰りは旧東海道で帰ってみる?」
「あら、蓮子もセレブになる気?」
「違うわよ。東海道には大きな都市は無かったと思うけど、その代りに遺跡とか沢山あるのよね」
「遺跡?」
「そう、お城とか廃墟とか」
「……帰りまで倶楽部活動なのね」
――――其処に残るのは、ただただ幻想への入り口のみ。
よごれとる かつかつで
げんそう なくなっとる
こーれかーらのげんそーきょーはー
なーごーやーーがしゅやくーーー
ってかコメントのやっとかめに吹いてしまったww