咲夜×美鈴
「と、言うわけでこいつは借りてくぜ。」
「もってかないでー。」
ヴワル大図書館ではおなじみの光景が繰り広げられていた。
本を思い、悲しみに暮れるパチュリー。
そこに一人の救世主が!!
「待ちなさい白黒!」
どこからともなく聞こえる静止を促す声。
「だ、誰だ!?」
魔理沙が思わず周りを見渡す。すると、本棚の一つに人影が。
「完璧で瀟洒な正義の使者、マジカル☆咲夜ちゃん参上!そこのプラチナ悪党、私の目の黒い内は好き勝手させないわよ!」
ビシッと手に持ったはたきを魔理沙に向けて突きつける。
小悪魔がポツリと呟いた。
「咲夜さん、『プラチナ』じゃなくて『不埒な』ですよ…。」
そんな呟きを尻目に、咲夜は本棚から飛び降りる。
「さぁ、思う存分かかってらっしゃ「─ 恋符 マスタースパーク ─」」
台詞を言う前に吹き飛ばされるマジカル☆咲夜ちゃん。それを見ていた名も無きメイドは(ひでぇ…。)と思った。
マスタースパークにより本棚を2~3個ほど巻き込み、そのまま本の中に埋もれるマジカル☆咲夜ちゃん。
「おっと、やりすぎちまったかな?はっはっは。」
このままマジカル☆咲夜ちゃんは略奪者に屈してしまうのか!?
(ここは……どこかしら?真っ暗で何も……。)
咲夜さん、咲夜さん
(え?何?誰なの?)
貴女に力を授けましょう。『紅來々』と唱えるんです
(貴女は一体……。)
さぁ、勝負はまだ始まったばかりですよ!
「さて、余計な時間を喰っちまったな。さっさと帰るとするか。」
魔理沙が本の山に背を向けたその時だった。
『紅來々!』
その叫び声と共に本の山から壮絶な光が発される!
思わず振り向く魔理沙。そこには一人のチャイニーズな人間が立っていた。
「咲夜かっ!?」
魔理沙が叫ぶ。
「天が呼ぶ!地が呼ぶ!お嬢様が呼ぶ!悪を叩けと私を呼ぶ!完璧で瀟洒な華人マジカル小娘…」
マジカル☆さくりん参上!!
「くっ、分が悪いな。ここは逃げるが勝ちだぜ!」
ビシッと決めポーズを取るマジカル☆さくりんにただならぬ何かを感じたのか、魔理沙は本を置いて逃げ出した。
「パチュリー様、あれは……。」
「ええ、咲夜の体をベースに門番が装具となって力を貸す。中々素敵じゃない。」
こうして本達は無事パチュリーの手に戻ってきた。ありがとうマジカル☆さくりん!ありがとう!
パチェ×美鈴
「パチュリー様!魔理沙さんがまた本を奪いに…!」
「なんですって?まずいわね、咲夜が風邪をこじらせていると言うのに。(「完璧で瀟洒な風邪」参照)」
「直ぐに対策を…「その必要は無いぜ!」」
小悪魔の声を遮り、魔理沙が箒に乗って表れる。
その手には唐草模様の風呂敷が握られていた。
「咲夜が風邪で寝込んだらしいな?つまり今ならマジカル☆咲夜ちゃんも、マジカル☆さくりんも表れないって寸法だ。」
「くっ、情報が早いわね。でも!そう簡単に本は渡さな…げほっ」げほっ!」
「無理はしないことだぜ?ゆっくり寝ておきな。」
「むきゅー。」
魔理沙が手を下す事も無く床に倒れ付すパチュリー。
仕方なく、小悪魔が一人で魔理沙を迎え撃った。
(…ここは何処?真っ暗みたいだけど…。)
パチュリー様、パチュリー様
(誰?)
貴女に力を授けましょう。『紅來々』と唱えるんです
(貴女は一体…?)
さぁ、諦めたらそこで試合終了ですよ!
「私って進歩無ぇーっ……。」
まるで自称弟子を名乗っている様な叫び声で倒れる小悪魔。
それを見届けた魔理沙は意気揚々と本に手を掛けた、その時だった。
『紅來々!』
その叫び声と共にパチュリーの体が光に包まれる。
思わず振り向く魔理沙。そこにはチャイニーズな魔女が浮いていた。
「パチュリーかっ!?」
魔理沙が叫ぶ。
「図書館に佇む一つの薔薇。それは美しく、そして残酷。知識と日陰の華人魔女っ小娘
魔女っ娘★パチュりん参上!!」
ビシッと決めポーズをする魔女っ娘★パチュりん。
「くっ、だがマジカル☆さくりんには及ばないはず!くらえ!スターダスト…」
「遅いわね。魔法の詠唱はこうやってやるのよ…。
リリカルマジカル☆サイレント★セーレナッ♪」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
パチュリーから溢れ出した月型のファンシーな弾幕が魔理沙を吹き飛ばした。
「やな感じだぜぇぇぇぇぇ………。」
ピカーン
こうして魔女っ娘★パチュりんは、魔理沙を退ける事に成功した!しかし魔理沙はまた来るだろう。
でもきっと、魔女っ娘★パチュりんが守ってくれる!ありがとう魔女っ娘パチュりん!ありがとう!!
小悪魔×美鈴
深夜、草木も眠る丑三つ時。
「ふんふんふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら本の整理をする小悪魔がそこに居た。
その様子はさながら歳相応の花も恥らう小娘である。
ガタッ
「誰ですっ!?」
物音に反応して振り向く小悪魔。その目に入ったものは一つの箒だった。
「いやぁ、たまには夜中にコッソリ進入するのもスリルがあって面白いぜ。」
小悪魔を不意打ちで殴った魔理沙は、意気揚々と唐草模様の風呂敷に本を詰め込んでいく。
「も、もってかないでー……カクリ。」
そのまま小悪魔は意識を手放した。
(あれ?真っ暗ですね。何処でしょうここは。)
小悪魔ちゃん、小悪魔ちゃん
(え…その声は美鈴さんですか?)
ち、違うわ!断じて美鈴じゃないわよ!?
(またまたぁ、私が声を聞き違えるわけないじゃないですかぁ。冗談きついですよ?)
うぅ、小悪魔ちゃんっていつもは天然なのにこんな時だけ鋭いよね…
(ははは、よく言われます……。それで、何ですか?こんな時間に。)
んとね、『紅來々』って唱えたら力貸すよ。って話だったんだけど
(ほんとですか!?有難う御座います!)
でも基本的に小悪魔ちゃん次第だからね?じゃ、頑張って!
『紅來々!!』
その叫び声と共に、小悪魔の体が光に包まれる。
そこに立っていたのは、一人のチャイニーズな司書だった。
「魔界より来る悪の断罪人、名無しで可憐なリトルデーモン
悪魔っ娘☆こぁりん参上!!」
ビシッと決めポーズをする悪魔っ娘☆こぁりん。
しかし
「あれ?魔理沙さんは?ん、何か落ちてる。」
それじゃあな、小悪魔。良い夢みるんだぜ?
魔理沙
悪魔っ娘☆こぁりんが辺りを見渡すと、そこはいつもの静かな図書館だった。
「ちくしょう……」
ちくしょーーーーーーーーーーう!!
「小悪魔五月蝿い!」
─ 火符 アグニレイディアンス ─
「アベッ!」
「咲夜×美鈴」とかってそうゆう意味か!?
てっきり新手のカップリングが現れたのかと…
想像したこの気持ちどうすれば
た、確かにある意味そうでしたが……
見なかったことにはできないぜ。戦闘力53万…危険だ
門番の役目を果たせていないんじゃないか。