今日は長く降り続いた雨も一時的に止み、久しぶりに太陽が顔を出した日だった。
久しぶりの日の光を全身で浴びる。日光を避けて生きる専門家と呼ばれてはいるが、殆どの生物は太陽の恩恵無しでは生きては行けない。この場合の殆ど以外の生物というのは洞窟や地底に住む生き物の事であり、決して紅魔館の魔女ではない。地底といえば、地底には地上で忌み嫌われた妖怪達が移り住んだと聞いている。地上から移り住んだという事は元々は彼等も太陽の恩恵の元生きていたはずだ。だが彼等は太陽など存在しない地底で独自の文化を作り上げたらしい。
一度太陽を捨てた者達が一から作り上げた文化。……興味が無い訳が無い。
独自の文化と言う事は、そこでの暮らしに順応した道具等も多い筈だ。一度は行ってみたいが、霊夢や魔理沙の話では地上の妖怪は地底には入れないらしい。……いや、僕は半人だから入っても大丈夫なのだろうか?
そんな事を考えていると、珍しい事に朝早くから魔理沙がやって来た。
「よう香霖、いい朝だな」
「やぁ魔理沙。この天気なら今年も無事に行えそうだね、七夕」
「おう!」
そう、今日は七夕。年に一度、織姫と彦星が逢瀬を重ねる日だ。
魔理沙は弾幕ごっこの時、星や光の魔法を使う。だから星や光の関係する行事は何年も前から絶対に行っているのだ。
「香霖、今年も用意は任せるぜ!酒は一番上質な奴でいいからな!」
「ハァ……分かったよ」
「む、何だよその反応。こんなに可愛い魔理沙様と一緒に七夕を過ごせるんだぞ?もっと感謝しろよー」
「いや、準備自体は構わないよ。ただ僕の目の前にいる織姫様は随分と我侭だと思ってね」
「おっ、おりっ、おおおおおおおおおおおおおおおおお織姫っ!?」
「……ん?魔理沙、どうかしたかい?」
「な、なななななななな何でもないぜ!」
「そうか?」
少し魔理沙の態度が可笑しかったが、どうせ七夕で浮かれているのだろうと思う事にした。
「さて、じゃあ僕は笹を取ってこよう。魔理沙、君はどうする?」
「え、わ、私は霊夢の所に行ってくるぜ」
「そうか。じゃあまた夜に会おう」
「お、おう。じゃあな!」
そう言って魔理沙は物凄い速さで神社の方に飛んでいった。
「……さて、僕も出発するか」
そう言ったとき、突風が僕を襲った。
「うわっ……!」
突然の事に思わず目を閉じる。暫くすると風は止み、店の周囲に静寂が訪れた。
「………………」
少しして目を開けると、僕の目の前には目を閉じる前の光景が広がっていた。
「何だったんだ……?」
「あやややや、目に見えるものだけに頼っては駄目ですよ?」
そう言って、後ろから僕の背中にもたれかかる様にして文が現れた。
「君か、文」
「私ですよ、店主さん。あ、はいこれ、出来たてほやほやの文々。新聞です」
「あぁ、有難う。帰ったら読ませて貰うよ」
「帰ったら?何処かにお出かけで?」
「あぁ、ちょっと笹を取りにね。今日は七夕だから」
そう言った瞬間、文の目が光った。
「面白そうですね!密着取材の許可を!」
「全く……邪魔だけはしないでくれよ?」
「勿論ですよ!さぁ行きましょう!早く早く!」
「はいはい……って、何も本当に密着しなくても良いんじゃないかい?」
「べ、別に良いじゃないですか!ほら早く行きましょう!」
そう言う文の顔は真っ赤だった。
何故か顔の赤い文に急かされ、僕は急ぎ足で店を出た。
背中に色々当たっているが、気にしない事にした。
***
「さて、笹も見つけたし、後は帰って短冊の用意でもしようか」
「笹と言うよりは竹ですけどね……」
「同じ様な物だよ。広義のタケはその生育型から、狭義のタケ、ササ、バンブーの三種類に分けられる。この中でもタケとササは類似点が多い。そこまで拘らなくても良いんだよ」
彼はそう言うが、外の世界では『商売繁盛で笹持ってこい』という商売繁盛の祈願もある。彼も一応商人、恵比寿の恩恵は大きいと思うんですが……まぁその利益も紅白と黒白に持って行かれますか。
「そう言うものですかね……?」
「そういうものだよ。さて、君はどうする?まだ取材を続けるのかい?」
「そうですね、取材も大体終わりましたし……」
少し考え、
「七夕のお手伝いでもさせて貰いましょうか?」
そう言った。ちょっとドキドキするけど、なんだかんだで彼と一緒に居る時間は楽しいのだ。
「それは助かるね。じゃあ頼むよ」
「任せてください!」
暫く準備をしていると、大量の茸を抱えた魔理沙さんがやって来ました。丁度良いですね、彼女にも手伝って貰うとしましょう。
今日は随分と賑やかな七夕になりそうですね。
***
「これは………………」
「わぁ………………」
「あやややや………………」
夜。
外の空は見事な天の川が薄めの雨雲に隠れてしまっていた。
「雨かよーーーーーーーーーー!?そりゃ無いぜ!!!」
「羽が湿ってたからまさかとは思いましたが……」
「七夕の雨……催涙雨だね。これはこれで趣があっていい」
そう言うと、店主さんは酒を持ち出して一人飲み始めました。魔理沙さんは……一人で茸料理を掻き込んでますね。喉に詰まりますよ……って、ほら言わんこっちゃ無い。
まぁそんな事はどうでもいいですね。妖怪、切り替えが肝心です。
「文、君もどうだい?飲み比べは勘弁だが」
「あややや、店主さんからのお誘いとは珍しい。では頂きましょうか」
そう言って縁側で空を見る店主さんの隣に座る。
「催涙雨、ですか。確か織姫と彦星が流す涙と伝えられてますね」
「あぁ、それを見たカササギが自分達の体を橋にして二人を合わせた……と伝説じゃあ言われているね」
だが―――と店主さんは言って、こう続けた。
「実は橋になる鳥はカササギだけじゃ無いんだよ。知ってたかい?」
「あやや、そうなんですか?」
思わず文花帖と万年筆を取り出して詰め寄った。
店主さんも自分の知識が語れる事が嬉しいのでしょうか?少し顔を綻ばせて話し始めました。その顔にちょっとときめいたのは秘密。
「外の世界の『越南(ベトナム)』という場所でも七夕伝説は伝わっていてね。その国ではカササギの代わりに鴉が橋になるんだよ」
「私達がですか!?あやややや……、踏まれるのは嫌ですね……」
「だがそうすれば織姫と彦星は笑顔になり、催涙雨も止む。何かを成す為には必ず何かが犠牲になる。それはこの世の理(ことわり)だよ」
「ビシッと言ってくれますね……」
「僕は現実主義者だからね。今に始まった事じゃない」
「あやややや……」
言って、自分の状態に気が付いた。
店主さんの話を聞いていたから気付かなかったが、今の私は膝だけで立っている。正座から前のめりになって膝だけが地面に着いている様な状態。ヤバイ気付いたら膝めっちゃ痛くなってきた。
膝が辛かったので姿勢を戻そうとしたら、一つ事件が起こった。
縁側は、雨で少し濡れていた。
そんな所で変な姿勢になれば、行き先は決まっている訳で。
「きゃっ……!」
「うぉ……っ!」
***
「おーい香霖、この酒貰う……ぜ……?」
「ま、魔理沙……」
「あ、あややややややっやややややややややややっややややややややややややっyっややややややy(ry」
文が短い悲鳴を上げたと思うと、いきなり覆い被さってきた。そしてそこに魔理沙がやって来て、今に至る。
……以前、外の世界の漫画に似たような状況が載っていたな。確かその後の結末はろくなものじゃなかった筈だが……
肝心の文はと言うと、耳元で顔を真っ赤にしてあやあや言っている。五月蝿い。
「こっ、香霖の馬鹿あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
「「………………」」
……さて、どうしたものか。
「店主さん?」
「うん?」
「さっき、鴉が橋になる、って言ってましたよね?」
「あ、あぁ……」
「でも、それは越南の話で、日本は関係無いですよね?」
「あぁ。日本はカササギだが……それがどうかしたのかい?」
「カササギって、どんな色ですか?」
「色?」
言われて考える。
カササギの色は、確か……
「全体的に黒地、それに羽は白だが?」
「魔理沙さんと同じですよね?」
「……あぁ、そうだね。」
「それに……雨、止みました」
言われて初めて気がついた。
先程まで降っていた雨が、ピタリと止んでいる。
「……本当だな。何時の間に……」
「魔理沙さんは私と店主さんのためにカササギになってくれたんですよ。きっと」
「ほぅ……?」
……成程、催涙雨が止んだのに気付いて、自分を織姫、僕を彦星、魔理沙をカササギに見立てた訳か。
「七夕伝説と違う点を挙げるなら、僕達は夫婦じゃない所だな」
「あややや……それもそうですね」
でも―――と文は言って、
「それでも良いです。今この瞬間を……楽しみましょう?」
そう、言った。
「成程、竜神様がくれた機会は大切にしなければ失礼と言うものだな。ここは君の提案に乗るとしようか」
「そういう意味じゃないんですが……まぁいいです」
カササギが橋となり、織姫と彦星の逢瀬を助ける。
でも僕は彦星じゃないし、彼女は織姫じゃない。
だが――――――
「少女が見る一時の夢に付き合うのも、また一興……か」
雲間から顔を覗かせた見事な天の川を見て、そう呟いた。
久しぶりの日の光を全身で浴びる。日光を避けて生きる専門家と呼ばれてはいるが、殆どの生物は太陽の恩恵無しでは生きては行けない。この場合の殆ど以外の生物というのは洞窟や地底に住む生き物の事であり、決して紅魔館の魔女ではない。地底といえば、地底には地上で忌み嫌われた妖怪達が移り住んだと聞いている。地上から移り住んだという事は元々は彼等も太陽の恩恵の元生きていたはずだ。だが彼等は太陽など存在しない地底で独自の文化を作り上げたらしい。
一度太陽を捨てた者達が一から作り上げた文化。……興味が無い訳が無い。
独自の文化と言う事は、そこでの暮らしに順応した道具等も多い筈だ。一度は行ってみたいが、霊夢や魔理沙の話では地上の妖怪は地底には入れないらしい。……いや、僕は半人だから入っても大丈夫なのだろうか?
そんな事を考えていると、珍しい事に朝早くから魔理沙がやって来た。
「よう香霖、いい朝だな」
「やぁ魔理沙。この天気なら今年も無事に行えそうだね、七夕」
「おう!」
そう、今日は七夕。年に一度、織姫と彦星が逢瀬を重ねる日だ。
魔理沙は弾幕ごっこの時、星や光の魔法を使う。だから星や光の関係する行事は何年も前から絶対に行っているのだ。
「香霖、今年も用意は任せるぜ!酒は一番上質な奴でいいからな!」
「ハァ……分かったよ」
「む、何だよその反応。こんなに可愛い魔理沙様と一緒に七夕を過ごせるんだぞ?もっと感謝しろよー」
「いや、準備自体は構わないよ。ただ僕の目の前にいる織姫様は随分と我侭だと思ってね」
「おっ、おりっ、おおおおおおおおおおおおおおおおお織姫っ!?」
「……ん?魔理沙、どうかしたかい?」
「な、なななななななな何でもないぜ!」
「そうか?」
少し魔理沙の態度が可笑しかったが、どうせ七夕で浮かれているのだろうと思う事にした。
「さて、じゃあ僕は笹を取ってこよう。魔理沙、君はどうする?」
「え、わ、私は霊夢の所に行ってくるぜ」
「そうか。じゃあまた夜に会おう」
「お、おう。じゃあな!」
そう言って魔理沙は物凄い速さで神社の方に飛んでいった。
「……さて、僕も出発するか」
そう言ったとき、突風が僕を襲った。
「うわっ……!」
突然の事に思わず目を閉じる。暫くすると風は止み、店の周囲に静寂が訪れた。
「………………」
少しして目を開けると、僕の目の前には目を閉じる前の光景が広がっていた。
「何だったんだ……?」
「あやややや、目に見えるものだけに頼っては駄目ですよ?」
そう言って、後ろから僕の背中にもたれかかる様にして文が現れた。
「君か、文」
「私ですよ、店主さん。あ、はいこれ、出来たてほやほやの文々。新聞です」
「あぁ、有難う。帰ったら読ませて貰うよ」
「帰ったら?何処かにお出かけで?」
「あぁ、ちょっと笹を取りにね。今日は七夕だから」
そう言った瞬間、文の目が光った。
「面白そうですね!密着取材の許可を!」
「全く……邪魔だけはしないでくれよ?」
「勿論ですよ!さぁ行きましょう!早く早く!」
「はいはい……って、何も本当に密着しなくても良いんじゃないかい?」
「べ、別に良いじゃないですか!ほら早く行きましょう!」
そう言う文の顔は真っ赤だった。
何故か顔の赤い文に急かされ、僕は急ぎ足で店を出た。
背中に色々当たっているが、気にしない事にした。
***
「さて、笹も見つけたし、後は帰って短冊の用意でもしようか」
「笹と言うよりは竹ですけどね……」
「同じ様な物だよ。広義のタケはその生育型から、狭義のタケ、ササ、バンブーの三種類に分けられる。この中でもタケとササは類似点が多い。そこまで拘らなくても良いんだよ」
彼はそう言うが、外の世界では『商売繁盛で笹持ってこい』という商売繁盛の祈願もある。彼も一応商人、恵比寿の恩恵は大きいと思うんですが……まぁその利益も紅白と黒白に持って行かれますか。
「そう言うものですかね……?」
「そういうものだよ。さて、君はどうする?まだ取材を続けるのかい?」
「そうですね、取材も大体終わりましたし……」
少し考え、
「七夕のお手伝いでもさせて貰いましょうか?」
そう言った。ちょっとドキドキするけど、なんだかんだで彼と一緒に居る時間は楽しいのだ。
「それは助かるね。じゃあ頼むよ」
「任せてください!」
暫く準備をしていると、大量の茸を抱えた魔理沙さんがやって来ました。丁度良いですね、彼女にも手伝って貰うとしましょう。
今日は随分と賑やかな七夕になりそうですね。
***
「これは………………」
「わぁ………………」
「あやややや………………」
夜。
外の空は見事な天の川が薄めの雨雲に隠れてしまっていた。
「雨かよーーーーーーーーーー!?そりゃ無いぜ!!!」
「羽が湿ってたからまさかとは思いましたが……」
「七夕の雨……催涙雨だね。これはこれで趣があっていい」
そう言うと、店主さんは酒を持ち出して一人飲み始めました。魔理沙さんは……一人で茸料理を掻き込んでますね。喉に詰まりますよ……って、ほら言わんこっちゃ無い。
まぁそんな事はどうでもいいですね。妖怪、切り替えが肝心です。
「文、君もどうだい?飲み比べは勘弁だが」
「あややや、店主さんからのお誘いとは珍しい。では頂きましょうか」
そう言って縁側で空を見る店主さんの隣に座る。
「催涙雨、ですか。確か織姫と彦星が流す涙と伝えられてますね」
「あぁ、それを見たカササギが自分達の体を橋にして二人を合わせた……と伝説じゃあ言われているね」
だが―――と店主さんは言って、こう続けた。
「実は橋になる鳥はカササギだけじゃ無いんだよ。知ってたかい?」
「あやや、そうなんですか?」
思わず文花帖と万年筆を取り出して詰め寄った。
店主さんも自分の知識が語れる事が嬉しいのでしょうか?少し顔を綻ばせて話し始めました。その顔にちょっとときめいたのは秘密。
「外の世界の『越南(ベトナム)』という場所でも七夕伝説は伝わっていてね。その国ではカササギの代わりに鴉が橋になるんだよ」
「私達がですか!?あやややや……、踏まれるのは嫌ですね……」
「だがそうすれば織姫と彦星は笑顔になり、催涙雨も止む。何かを成す為には必ず何かが犠牲になる。それはこの世の理(ことわり)だよ」
「ビシッと言ってくれますね……」
「僕は現実主義者だからね。今に始まった事じゃない」
「あやややや……」
言って、自分の状態に気が付いた。
店主さんの話を聞いていたから気付かなかったが、今の私は膝だけで立っている。正座から前のめりになって膝だけが地面に着いている様な状態。ヤバイ気付いたら膝めっちゃ痛くなってきた。
膝が辛かったので姿勢を戻そうとしたら、一つ事件が起こった。
縁側は、雨で少し濡れていた。
そんな所で変な姿勢になれば、行き先は決まっている訳で。
「きゃっ……!」
「うぉ……っ!」
***
「おーい香霖、この酒貰う……ぜ……?」
「ま、魔理沙……」
「あ、あややややややっやややややややややややっややややややややややややっyっややややややy(ry」
文が短い悲鳴を上げたと思うと、いきなり覆い被さってきた。そしてそこに魔理沙がやって来て、今に至る。
……以前、外の世界の漫画に似たような状況が載っていたな。確かその後の結末はろくなものじゃなかった筈だが……
肝心の文はと言うと、耳元で顔を真っ赤にしてあやあや言っている。五月蝿い。
「こっ、香霖の馬鹿あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
「「………………」」
……さて、どうしたものか。
「店主さん?」
「うん?」
「さっき、鴉が橋になる、って言ってましたよね?」
「あ、あぁ……」
「でも、それは越南の話で、日本は関係無いですよね?」
「あぁ。日本はカササギだが……それがどうかしたのかい?」
「カササギって、どんな色ですか?」
「色?」
言われて考える。
カササギの色は、確か……
「全体的に黒地、それに羽は白だが?」
「魔理沙さんと同じですよね?」
「……あぁ、そうだね。」
「それに……雨、止みました」
言われて初めて気がついた。
先程まで降っていた雨が、ピタリと止んでいる。
「……本当だな。何時の間に……」
「魔理沙さんは私と店主さんのためにカササギになってくれたんですよ。きっと」
「ほぅ……?」
……成程、催涙雨が止んだのに気付いて、自分を織姫、僕を彦星、魔理沙をカササギに見立てた訳か。
「七夕伝説と違う点を挙げるなら、僕達は夫婦じゃない所だな」
「あややや……それもそうですね」
でも―――と文は言って、
「それでも良いです。今この瞬間を……楽しみましょう?」
そう、言った。
「成程、竜神様がくれた機会は大切にしなければ失礼と言うものだな。ここは君の提案に乗るとしようか」
「そういう意味じゃないんですが……まぁいいです」
カササギが橋となり、織姫と彦星の逢瀬を助ける。
でも僕は彦星じゃないし、彼女は織姫じゃない。
だが――――――
「少女が見る一時の夢に付き合うのも、また一興……か」
雲間から顔を覗かせた見事な天の川を見て、そう呟いた。
Nice文霖!
あいにくこっちの世界も二人が泣いて土砂降りの七夕だが(笑)
>肆:自由枠(○○×○○)
霖之助以外でも良いんですか?だとしらレイアリが良いな!
霖之助カプならアリ霖とか
みと霖も少し見てみたいかも!
肆:自由枠
小悪魔×アリス
イラってきた。
コメ返しです。
>>薬漬 様
文は健気なんです、はい。
>>2 様
こっちは昼だけ降りましたが、そっちは随分と号泣のようでw
>>奇声を発する程度の能力 様
取り敢えず、貴方がアリス好きという事はわかりましたw
>>4 様
みとりん良いですよね!
>>5 様
もうそんな時期ですか……早いですね。
>>6 様
ペットとかの求愛見たらなんか照れますよね///w
ペット飼ってませんがw
>>華彩神護 様
幽こがから変えましたよね!?w
>>8 様
元カノ説……そんなのがあるんですか!?知らなかった……
今のところ――
レイアリ:1
アリ霖:1
みと霖:1
幽香霖:3(倍プッシュ分含む)
こあアリ:1
――なんで、現在幽香霖を執筆中。
まぁ、多分予定分は全部やりますw。
読んでくれた全ての方に感謝!