フ「咲夜ぁー、何そのみどりのー」
咲「笹です。今日7月7日は、『七夕』というイベントがあるのですわ」
フ「ななた」
咲「たなばた」
フ「ななばた」
咲「なばなた」
フ「なぎなた」
咲「そうです!」
フ「で、七夕って?」
咲「それは昔々のことじゃった」
フ「お、出たぞ咲夜の十八番昔話」
咲「日がな一日ちゅっちゅしている織姫と彦星の夫婦がおった」
フ「迸る情念」
咲「織姫の父親である天帝は、二人の姿を見てはイラっとしながら日々を送っておった」
フ「スコアラーの人?」
咲「ある時、ストレスが最高潮に高まった天帝は、二人を天の川の両岸に離ればなれにしたのじゃ」
フ「えっ」
咲「おしまい」
フ「えっ」
咲「そういうお祭りです」
フ「がばいぞう」
咲「うわっ涙っ鼻水っ」
レ「ペロペロしたい!」
フ「ふだりは、な゛にも゛、ばるびぃ゛ごと゛、じでなぁ、びえぇぇ」
咲「よしよし」
フ「ひぃっぐずるずるずる」
咲「よしよし」
フ「ざぐやぁ、わだじにでぎるごどな゛いがなぁ」
咲「ふむ」
フ「ひっく」
咲「天の川を破壊してしまう、というのは如何でしょう」
フ「ふぇ」
咲「二人の間を阻む憎き天の川をどかーん、するとオールウェイズ逢瀬できますとハイこの通り」
フ「咲夜は本当に頭のいいお方!」
咲「褒めてもガトーショコラしか出ませんわ」
フ「もぐもぐ」
咲「あの一際光る星の脇の辺りが宜しいかと」
フ「この辺?」
咲「もうちょっと右、もうちょこっと、あ、そこですわ」
フ「きゅっとして」
―――天の川
どかーん
「うわあ!?」
「なんか川の方で爆発しなかったか!?」
「おいどうした牛飼い何があったおい!」
「橋が……」
フ「あれ、失敗」
咲「んー、間違ったかしら。申し訳ございません」
フ「いいってことよ」
咲「妹様の優しさは三千世界に鳴り響きますわ」
フ「ふふーん」
咲「むむむ、では0.2度ほど、もう少し下に」
フ「れ、れいてんにど。だいたいこの辺かな」
咲「その辺りで如何でしょう」
フ「きゅっとして」
咲「そのまた下にもういっちょ」
フ「きゅっとして」
咲「アハハもう一発行っちまえヒヒィッ」
フ「さ、さくや、目が」
咲「失礼」
フ「きゅっ」
―――天の川
どかーん
「うわああああ!!」
「今度は何だ!?」
「川っ縁が急にえぐれてっ」
どかーん
「氾濫だー!!」
「おい誰か流されたぞおい!」
「織姫ェごぼがぼばぼぶッ」
どかーん
フ「天の川がひろがってく……」
咲「綺麗ですねぇ……」
フ「お姉様も呼んでこようっ」
咲「ではお夕食はテラスで」
フ「わかったー! おねえさまー!」
咲「ふふっ」