注:前回からの続きです。
________12:00 博麗神社
妖夢 「……おじゃましまーす」
妖夢 「…………」
妖夢 「(……?
霊夢さん、いないのかな……?)」
妖夢 「……すみませーん、どなたかいらっしゃいますかー?」
妖夢 「…………」
妖夢 「…………」
妖夢 「(……ほんとにいないなんて。
唯一の管理人である巫女が、神社をほったらしてどこうろついてるのかしら)」
妖夢 「(というか、自宅の鍵もかけないとか、危機管理がなってないにもほどがあるなぁ。
まあ確かに、こんなすすぼけた神社に物取りなんて…………ん?)」
妖夢 「(……声がする。拝殿の方……?)」
霊夢 「よっしゃここで融合を引いたわ!
手札のネオスと、プリズマー、バーストレディ、ついでにモグラとイルカを融合して、
E・HEROゴッド・ネオスを融合召喚よ!」
魔理沙「はいはい奈落奈落。そいつは除外な」
霊夢 「…………」
霊夢 「……あ~あ、だる。
テンション下がるわ~。もうわたし帰ろっかな~」
魔理沙「ここだろお前んちは」
霊夢 「ならあんたが帰りなさいよ」
魔理沙「やれやれ。まったく、つまんないよな。
お前はいつになっても上達しないし。
いつだったかの大会で見せた実力はどこいったんだよ」
霊夢 「わたしが知るもんですか。どうせあれでしょ、補正ってやつが足りてないのよ」
魔理沙「意味がわからんな。
あ~あ、なんかおもしろいことないかな~」
妖夢 「……ハァ。あんたらは相変わらずですね。真昼間っから縁側で遊戯王ですか」
霊夢 「あん? なんだ、妖夢じゃない」
魔理沙「おっ? 誰かと思えば半死人じゃないか。元気そうだな」
妖夢 「無礼なうえに嫌な呼び方はやめてくださいっ」
霊夢 「出会い頭にキィキィうるさいのよ。何しに来たの?」
魔理沙「子供だからしょうがないさ。で、何しに来たんだ?」
妖夢 「……あなた方の会話のペースに付き合う気はさらさら無いので、端的に言わせてもらいます。
今あなたの家に食べるものありますか?」
霊夢 「……ものもらい?」
魔理沙「乞食?」
妖夢 「どっちも違うっ」
霊夢 「ああ、わかったわ。屋敷を追い出されたんでしょう?」
魔理沙「なるほど、乞食じゃなくて浮浪者だったか。
路上生活のコツでも教えてやろうか?」
妖夢 「……端的に言ったのが間違っていたようです。
鍋の具になりそうなものを探しているのですが、よかったら台所を見せていただけませんか?」
霊夢 「鍋の具~?
何でんなもん探してんのよ」
魔理沙「そりゃ、鍋の具なんだから鍋にするってんだろ。カレーでも作ると思ったか?」
霊夢 「カレー鍋かもしれないじゃないっ」
妖夢 「(案外いい線いってるかもしれない……)
幽々子様の命なので、よくはわたしもわかりません。
で、最近里に買い物行ったりしました?」
霊夢 「買い物ねぇ。最後に行ったのいつだったかしら。二週間前ぐらい?」
魔理沙「なんでわたしに訊くんだよ」
妖夢 「(あの様子じゃ、たぶん二週間よりもっと前だな……)
はぁ、そんなんでよく生活していられますね。この家、冷蔵庫も無いのに」
霊夢 「言っとくけど、里まで降りるのがめんどくさいわけじゃないのよ?
行っても物を買うお金が無いの。だからわたしは買い物に行かないのよ」
魔理沙「胸を張って言うことじゃないけどな。
わたしもお前が普段何食べてるか気になるんだが、最近はどうなんだ?」
霊夢 「最近というか、ここ一ヶ月は干物と水しか飲んでないわね」
魔理沙「砂漠でやってろよそんな食生活」
妖夢 「はぁ~。乾物しか置いてないんですか。
ま、期待はしてませんでしたけどね」
霊夢 「いちいち一言多いのよ。生きるってことは難しいの」
魔理沙「(乾物しか無い、か……)」
魔理沙「……あっ、思い出した。
そういや霊夢、乾物といえば、前アレあったよな? アレが」
霊夢 「アレ?」
魔理沙「ほら、いつだったか、きんぴらに混ぜたらおいしかったじゃんか。
アレ、たぶんまだ全部使いきってないだろ。
ひょっとして今も棚の奥に残ってるんじゃないか?」
霊夢 「だからアレって何のことよ」
魔理沙「マロニーだよ」
妖夢 「…………まろ煮? 何です、それは?」
霊夢 「あー、あったかもしんないわ。そういや」
魔理沙「だろ? あれは見た目調理しにくいからな。
お前は料理へたくそだから、何かに工夫して使おうと思わなかったろう」
妖夢 「だから、何なんですか。そのマロン煮ってのは」
魔理沙「栗を煮てどうする。
マロニーてのは、お前が探してるものさ。鍋の具だよ。
デンプンでできた麺みたいなやつだ。あれは鍋に最高に合うぜ」
妖夢 「へぇ~、そうなんですかぁ。
いいですねぇそれ。思わぬ収穫です」
霊夢 「ちょっとちょっと。何もう収穫したことになってんのよ。
誰があげるって言ったの」
妖夢 「えっ!?
……く、くれないんですか?」
霊夢 「なんで驚いてんのよ……」
魔理沙「おいおい霊夢、そんなケチくさいこというなよ。
マロニーの一本や二本ぐらい、ノシつけてくれてやったらどうだ」
霊夢 「わたしだって今月ピンチなのよ。
非常食の干物もきれてきたし、ぶっちゃけ今日の夕飯だってどうしようって思ってたところだわ。
そんな有用なものがあるなら、今日のオカズはそれに決定ね」
魔理沙「やれやれ。巫女がそんなせまっくるしい器だから賽銭すら満足に入ってこないんだよ。
で、霊夢はこう言っているわけだが、お前はどうするんだ?」
妖夢 「斬り捨ててから台所を漁ってもいいんですが、それだとさすがに犯罪スレスレですので、
正々堂々デュエルを申し込もうと思います」
霊夢 「ふん、デュエルで勝ったら寄越せっていうのね。
いいわ。このおNEWのヒーローデッキで、みょんみょん言わせてあげる!」
魔理沙「(ていうか、全然スレスレじゃないけどな……)」
霊夢【未だにE・HERO】LP8000
VS
妖夢【啓迅し畜趣剣】LP8000
霊夢 「神社の中が治外法権だってことは知っているわよね。
ここはわたしの敷地内。わたしの天領も同然。
よって当然、わたしに先攻の権利が与えられるわ。ドロー!」
妖夢 「ムチャクチャな言い分ですが、まあいいでしょう」
霊夢 「ほらきたぁ! いきなり最高の手札だわ!
手札から、エアーマンを召喚!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エアーマン/Elemental Hero Stratos》 †
効果モンスター(制限カード)
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●自分フィールド上に存在するこのカード以外の
「HERO」と名のついたモンスターの数まで、
フィールド上に存在する魔法または罠カードを破壊する事ができる。
●自分のデッキから「HERO」と名のついた
モンスター1体を手札に加える。
霊夢 「誘発効果で、デッキからプリズマーを手札に加える。
そして手札の沼地の魔神王の効果発動。墓地に捨ててデッキの融合を手札に加えるわ。
そしてこの融合を発動!」
《沼地(ぬまち)の魔神王(ましんおう)/King of the Swamp》 †
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻 500/守1100
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
また、このカードを手札から墓地へ捨てる事で、
デッキから「融合」魔法カード1枚を手札に加える。
《融合(ゆうごう)/Polymerization》 †
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。
霊夢 「手札のプリズマーと場のエアーマンを融合し、
E・HEROグレイトトルネードを融合召喚よ!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) プリズマー/Elemental Hero Prisma》 †
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1700/守1100
自分のエクストラデッキに存在する融合モンスター1体を相手に見せ、
そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を
自分のデッキから墓地へ送って発動する。
このカードはエンドフェイズ時まで墓地へ送ったモンスターと同名カードとして扱う。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) Great(グレイト) TORNADO(トルネード)》 †
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200
「E・HERO」と名のついたモンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが融合召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在する
全てのモンスターの攻撃力・守備力を半分にする。
魔理沙「おお~。いきなり飛ばしてるな、霊夢」
霊夢 「と~ぜんよ! なんたって、わたしはさっきとんでもないことに気づいたの。
先攻1ターン目には、さっきみたいに落とし穴されることは絶対無い!
だから、ガンガンいかせてもらうわ」
魔理沙「いやそりゃそうなんだが……でも攻撃できないだろ」
霊夢 「さてさて、さらに手札から、こいつを発動よ。未来融合!」
《未来融合(みらいゆうごう)-フューチャー・フュージョン/Future Fusion》 †
永続魔法(制限カード)
自分のデッキから融合モンスターカードによって決められたモンスターを
墓地へ送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に選択した融合モンスターを
自分フィールド上に特殊召喚する(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
霊夢 「エクストラデッキのシャイニングを指定し、デッキからその素材として
デッキのボルテックとワイルドマンを墓地に送るわ。
そして手札から、ミラクル・フュージョン!」
《ミラクル・フュージョン/Miracle Fusion》 †
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって
決められたモンスターをゲームから除外し、「E・HERO」という
名のついた融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
妖夢 「えー、まだやるんですか……」
霊夢 「まだじゃない。まだまだよ!
墓地のワイルドマンとプリズマーを除外してミラクルフュージョン!
E・HEROガイアを融合召喚!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) ガイア/Elemental Hero Gaia》 †
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600
「E・HERO」と名のついたモンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが融合召喚に成功した時、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスター1体の攻撃力を半分にし、
このカードの攻撃力はその数値分アップする。
霊夢 「そしてこれでラストぉっ!
二枚目のミラクル・フュージョンでボルテックと沼地の魔神王を除外!
アブソルートZeroを召喚っ!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) アブソルートZero(ゼロ)/Elemental Hero Absolute Zero》 †
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソルートZero」以外の
水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、
相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
魔理沙「なんとまあ……初手から出すにも出したもんだな」
霊夢 「ふふん。さすがの魔理沙も驚いているようね」
魔理沙「呆れてるんだよ。
先攻で攻撃できないのにこんだけやるなんて、ぶっちゃけ勝つ気無いだろお前」
霊夢 「ここまでやれば、もうほとんど勝ったようなもんよ。
カードを1枚伏せて、ターン終了」
霊夢 「(……というのも、この伏せ、神の宣告なのよねぇ。
万が一の場合はZeroが相手を道連れにしてくれるし、完璧だわ。んふふふ)」
霊夢 LP8000:手札0:ガイア、Zero、トルネード、伏せ1
妖夢 LP8000:手札5:無し
妖夢 「や~~っとこさわたしのターンですか。ドロー」
妖夢 「言い忘れましたが、今日のわたしは時間が無いんです。
なんといっても、まだ二品しか手に入れてないので」
魔理沙「まあ確かに、材料が二種類だけじゃ鍋とは言えないな」
妖夢 「そういうわけですので、このターンで終わらせてもらいますね。
ハリケーンです。伏せを手札に戻します」
《ハリケーン/Giant Trunade》 †
通常魔法(制限カード)
フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。
霊夢 「あらら、せっかく神宣だったのに」
妖夢 「続いて、アームズ・ホールを発動します」
《アームズ・ホール/Hidden Armory》 †
通常魔法
自分のデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送って発動する。
自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。
このカードを発動するターン、自分は通常召喚する事はできない。
妖夢 「デッキの一番上のクリッターを墓地に送り、アサルト・アーマーを手札に加えます」
霊夢 「アームズ・ホール~?
そんなの使ったら、モンスターを召喚できないじゃないの」
妖夢 「いいんですよそれで。
次は増援です。マジック・ストライカーを手札に加えます」
《増援(ぞうえん)/Reinforcement of the Army》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。
魔理沙「なんかほんとに終わったくさいな。霊夢、ご愁傷様だ」
霊夢 「はあ? 何でわたしがこっから負けるわけ……」
妖夢 「墓地の増援を除外し、マジック・ストライカーを特殊召喚。攻撃表示ですね」
《マジック・ストライカー/Spell Striker》 †
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻 600/守 200
このカードは自分の墓地に存在する魔法カード1枚を
ゲームから除外し、手札から特殊召喚する事ができる。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
妖夢 「マジック・ストライカーは墓地の魔法カードを除外することで、
アームズ・ホールを使ったターンでも場に出すことができます。
そしてこのカードは、相手の場にモンスターがいてもダイレクトアタックができるんです」
霊夢 「まさか、そいつのダイレクトアタックだけでライフ8000削るっていうの?」
妖夢 「当然です。まずはマジック・ストライカーに、アサルト・アーマーを装備」
《アサルト・アーマー/Assault Armor》 †
装備魔法
自分のフィールド上に存在するモンスターが
戦士族モンスター1体のみ場合、そのモンスターに装備する事ができる。
装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
装備されているこのカードを墓地に送る事で、このターン装備モンスターは
1度のバトルフェイズ中に2回攻撃をする事ができる。
妖夢 「装備したアサルト・アーマーを墓地におくることで、
このターン、マジック・ストライカーは二回攻撃ができます。
あとは適当に装備魔法をつけて……っと」
《デーモンの斧(おの)/Axe of Despair》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分フィールド上に存在するモンスター1体を
リリースする事でデッキの一番上に戻す。
《魔導師(まどうし)の力(ちから)/Mage Power》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚につき
500ポイントアップする。
《凶暴化(きょうぼうか)の仮面(かめん)/Mask of Brutality》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせ
守備力を1000ポイントダウンさせる。
自分のスタンバイフェイズ毎に1000ライフポイントを払う。
払わなければ、このカードを破壊する。
マジック・ストライカー 攻撃力4100
妖夢 「はい、ではバトルフェイズ。
ダイレクトアタック二回で終わりですね」
霊夢 「(……ポカーン)」LP8000→3900→0
妖夢 「さーて、台所ってどこでしたっけ?」
霊夢 「……ちょ、ちょっと待ってよ。いや、待ってください」
妖夢 「なんです? ひょっとして、台所まで案内してくれるんですか?」
霊夢 「いや、その、やっぱりこれで終わりなのは納得いかないというか……」
妖夢 「えー。負けは負けでしょ~? 仕方ないじゃないですかぁ。
一応見せ場だってちゃんとあったでしょう」
霊夢 「だけど……、いや、なんていうか。
その、まさか今回わたしの出番がこれっきりってことは…………ないわよね?」
妖夢 「んなもんわたしが知ったこっちゃありませんよ。
行き当たりばったりな作者に訊けばいいでしょう」
霊夢 「あん、そんなこと言わずにー。
ほらぁ……もう一回、しましょ? ね?」
妖夢 「しなを作っても駄目です。気色悪い」
霊夢 「え~ん、そこをなんとか~……」
妖夢 「ああもうっ、足にしがみつかないでくださいよ。
いい加減にしないと張っ倒しますよっ」
魔理沙「よお、こんなもんでどうだ?」
妖夢 「……えっ?
ああ、これがくだんのマロン煮……」
魔理沙「マロニーな。どうせ霊夢がグズると思って、わたしが持ってきてやったぜ」
妖夢 「これ、このまま鍋に直接入れていいんですかね?」
魔理沙「無問題だぜ」
妖夢 「おお~なるほど。これがそばみたいに柔らかくなるわけですね。勉強になりました」
魔理沙「にしても、お前のデッキ、マジスト1キルとはまた渋いのを使ってるな」
妖夢 「ええ、面倒な時はコレを使うようにしてるんです。
旧式ですが、ああ見えてなかなか馬鹿にはできません。
さすがにデミスとかあのあたりには及びませんが。
では、わたしはこれで……」
魔理沙「待った」
妖夢 「ん……?
な、なんですか? その満面の笑みは……」
魔理沙「鍋の具を探してるって言ってたよな? それで、今これでようやく三品目だと。
次探しに行く当てはあるのか?」
妖夢 「いや、実はまるで無いんですけど……。
またその辺歩いてれば誰かしら出くわすんじゃないかと」
魔理沙「よしきた!
なら、わたしが連れてってやろうか? その当てのところへ」
妖夢 「えっ……」
魔理沙「顔を平行四辺形に歪ますな」
妖夢 「いや……でも、それって本当なんですか?」
魔理沙「ああ本当だとも。
最近地底の方でできる野菜が、地上の奴らに評判なんだ。
霊夢も知ってるよな?」
霊夢 「ああ、たまにさとりのペットが、下で作った農作物を分けに来てくれるのよ。
地底は深くて日が当たらない分、実がしまったものができるって里でも評判だわ」
妖夢 「地底? 地底でも作物が育つんですか」
魔理沙「わたしはよくわからないけどな。
地上に太陽があるように、地下にも似たようなものがある。
何百メートルって下だから、四季の影響も受けにくいんだと。
どんな作物でも、一年中安定した供給が可能らしい。
この前あの火車の化け猫が運んできたのは、大根に長ネギ……あと何があったっけな?」
霊夢 「えのきにしいたけに白菜……すだちなんてのもあったわね」
妖夢 「(なんと! それは素晴らしいわ。全部鍋の材料として使えるじゃないの。
しかも質も文句無いらしいし……)」
妖夢 「いい情報をありがとうございました。
さっそく行ってみようと思います。では……」
魔理沙「だから待てって。
お前、地底になんて行ったことないだろ? わたしが案内してやるよ」
妖夢 「えっ……あなたがですか?」
魔理沙「だから歪ますなって」
霊夢 「ちょっと待ちなさいよ、魔理沙。そいつを地底に連れてく気?」
魔理沙「いかにもその気だが。なんだ、お前も行きたいのか?」
霊夢 「んなわけないでしょ、めんどくさい。
そうじゃなくて、あそこに地上の妖怪を入れるのはまずいんじゃなかったっけ?
以前地霊が湧いてきた時だって、紫達妖怪が自分で調査できないから
わたし達が頼まれたんじゃない。あいつに知れたら黙ってないわよ、たぶん」
魔理沙「けしかけられたとも言うけどな。
ま、別に構わないんじゃないか?
行くにしてもちょっと野菜をもらいに行くだけだし……だいたい、紫はまだ異次元で寝てるだろ」
霊夢 「別に目的が問題なわけじゃなくて、入ること自体が抵触すると思うんだけど。どうなのかしら」
魔理沙「どっちにしろ、お前はついて来ないんだろ?
ならこの件にはノータッチってことでいい。
縁側でもコタツでも、どこででもカバみたいに寝てやがってればいいさ」
霊夢 「口悪いわね。誰がカバよ。
だいたい魔理沙、あんたはいつもうちに何しに来るの。冷やかしなの?」
魔理沙「まあ、案外そんなものかもしれないな」
妖夢 「で、結局わたしは行っていいんでしょうか?」
魔理沙「無問題だぜ」
霊夢 「そのネタはもういいってば」
魔理沙「さあ、ついて来いよ。地獄の釜の底への入り口はこっちだ。
大口開けて勇敢なる冒険者達を待ってるぜ」
・・・・・・To be continued
________12:00 博麗神社
妖夢 「……おじゃましまーす」
妖夢 「…………」
妖夢 「(……?
霊夢さん、いないのかな……?)」
妖夢 「……すみませーん、どなたかいらっしゃいますかー?」
妖夢 「…………」
妖夢 「…………」
妖夢 「(……ほんとにいないなんて。
唯一の管理人である巫女が、神社をほったらしてどこうろついてるのかしら)」
妖夢 「(というか、自宅の鍵もかけないとか、危機管理がなってないにもほどがあるなぁ。
まあ確かに、こんなすすぼけた神社に物取りなんて…………ん?)」
妖夢 「(……声がする。拝殿の方……?)」
霊夢 「よっしゃここで融合を引いたわ!
手札のネオスと、プリズマー、バーストレディ、ついでにモグラとイルカを融合して、
E・HEROゴッド・ネオスを融合召喚よ!」
魔理沙「はいはい奈落奈落。そいつは除外な」
霊夢 「…………」
霊夢 「……あ~あ、だる。
テンション下がるわ~。もうわたし帰ろっかな~」
魔理沙「ここだろお前んちは」
霊夢 「ならあんたが帰りなさいよ」
魔理沙「やれやれ。まったく、つまんないよな。
お前はいつになっても上達しないし。
いつだったかの大会で見せた実力はどこいったんだよ」
霊夢 「わたしが知るもんですか。どうせあれでしょ、補正ってやつが足りてないのよ」
魔理沙「意味がわからんな。
あ~あ、なんかおもしろいことないかな~」
妖夢 「……ハァ。あんたらは相変わらずですね。真昼間っから縁側で遊戯王ですか」
霊夢 「あん? なんだ、妖夢じゃない」
魔理沙「おっ? 誰かと思えば半死人じゃないか。元気そうだな」
妖夢 「無礼なうえに嫌な呼び方はやめてくださいっ」
霊夢 「出会い頭にキィキィうるさいのよ。何しに来たの?」
魔理沙「子供だからしょうがないさ。で、何しに来たんだ?」
妖夢 「……あなた方の会話のペースに付き合う気はさらさら無いので、端的に言わせてもらいます。
今あなたの家に食べるものありますか?」
霊夢 「……ものもらい?」
魔理沙「乞食?」
妖夢 「どっちも違うっ」
霊夢 「ああ、わかったわ。屋敷を追い出されたんでしょう?」
魔理沙「なるほど、乞食じゃなくて浮浪者だったか。
路上生活のコツでも教えてやろうか?」
妖夢 「……端的に言ったのが間違っていたようです。
鍋の具になりそうなものを探しているのですが、よかったら台所を見せていただけませんか?」
霊夢 「鍋の具~?
何でんなもん探してんのよ」
魔理沙「そりゃ、鍋の具なんだから鍋にするってんだろ。カレーでも作ると思ったか?」
霊夢 「カレー鍋かもしれないじゃないっ」
妖夢 「(案外いい線いってるかもしれない……)
幽々子様の命なので、よくはわたしもわかりません。
で、最近里に買い物行ったりしました?」
霊夢 「買い物ねぇ。最後に行ったのいつだったかしら。二週間前ぐらい?」
魔理沙「なんでわたしに訊くんだよ」
妖夢 「(あの様子じゃ、たぶん二週間よりもっと前だな……)
はぁ、そんなんでよく生活していられますね。この家、冷蔵庫も無いのに」
霊夢 「言っとくけど、里まで降りるのがめんどくさいわけじゃないのよ?
行っても物を買うお金が無いの。だからわたしは買い物に行かないのよ」
魔理沙「胸を張って言うことじゃないけどな。
わたしもお前が普段何食べてるか気になるんだが、最近はどうなんだ?」
霊夢 「最近というか、ここ一ヶ月は干物と水しか飲んでないわね」
魔理沙「砂漠でやってろよそんな食生活」
妖夢 「はぁ~。乾物しか置いてないんですか。
ま、期待はしてませんでしたけどね」
霊夢 「いちいち一言多いのよ。生きるってことは難しいの」
魔理沙「(乾物しか無い、か……)」
魔理沙「……あっ、思い出した。
そういや霊夢、乾物といえば、前アレあったよな? アレが」
霊夢 「アレ?」
魔理沙「ほら、いつだったか、きんぴらに混ぜたらおいしかったじゃんか。
アレ、たぶんまだ全部使いきってないだろ。
ひょっとして今も棚の奥に残ってるんじゃないか?」
霊夢 「だからアレって何のことよ」
魔理沙「マロニーだよ」
妖夢 「…………まろ煮? 何です、それは?」
霊夢 「あー、あったかもしんないわ。そういや」
魔理沙「だろ? あれは見た目調理しにくいからな。
お前は料理へたくそだから、何かに工夫して使おうと思わなかったろう」
妖夢 「だから、何なんですか。そのマロン煮ってのは」
魔理沙「栗を煮てどうする。
マロニーてのは、お前が探してるものさ。鍋の具だよ。
デンプンでできた麺みたいなやつだ。あれは鍋に最高に合うぜ」
妖夢 「へぇ~、そうなんですかぁ。
いいですねぇそれ。思わぬ収穫です」
霊夢 「ちょっとちょっと。何もう収穫したことになってんのよ。
誰があげるって言ったの」
妖夢 「えっ!?
……く、くれないんですか?」
霊夢 「なんで驚いてんのよ……」
魔理沙「おいおい霊夢、そんなケチくさいこというなよ。
マロニーの一本や二本ぐらい、ノシつけてくれてやったらどうだ」
霊夢 「わたしだって今月ピンチなのよ。
非常食の干物もきれてきたし、ぶっちゃけ今日の夕飯だってどうしようって思ってたところだわ。
そんな有用なものがあるなら、今日のオカズはそれに決定ね」
魔理沙「やれやれ。巫女がそんなせまっくるしい器だから賽銭すら満足に入ってこないんだよ。
で、霊夢はこう言っているわけだが、お前はどうするんだ?」
妖夢 「斬り捨ててから台所を漁ってもいいんですが、それだとさすがに犯罪スレスレですので、
正々堂々デュエルを申し込もうと思います」
霊夢 「ふん、デュエルで勝ったら寄越せっていうのね。
いいわ。このおNEWのヒーローデッキで、みょんみょん言わせてあげる!」
魔理沙「(ていうか、全然スレスレじゃないけどな……)」
霊夢【未だにE・HERO】LP8000
VS
妖夢【啓迅し畜趣剣】LP8000
霊夢 「神社の中が治外法権だってことは知っているわよね。
ここはわたしの敷地内。わたしの天領も同然。
よって当然、わたしに先攻の権利が与えられるわ。ドロー!」
妖夢 「ムチャクチャな言い分ですが、まあいいでしょう」
霊夢 「ほらきたぁ! いきなり最高の手札だわ!
手札から、エアーマンを召喚!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エアーマン/Elemental Hero Stratos》 †
効果モンスター(制限カード)
星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●自分フィールド上に存在するこのカード以外の
「HERO」と名のついたモンスターの数まで、
フィールド上に存在する魔法または罠カードを破壊する事ができる。
●自分のデッキから「HERO」と名のついた
モンスター1体を手札に加える。
霊夢 「誘発効果で、デッキからプリズマーを手札に加える。
そして手札の沼地の魔神王の効果発動。墓地に捨ててデッキの融合を手札に加えるわ。
そしてこの融合を発動!」
《沼地(ぬまち)の魔神王(ましんおう)/King of the Swamp》 †
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻 500/守1100
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
また、このカードを手札から墓地へ捨てる事で、
デッキから「融合」魔法カード1枚を手札に加える。
《融合(ゆうごう)/Polymerization》 †
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。
霊夢 「手札のプリズマーと場のエアーマンを融合し、
E・HEROグレイトトルネードを融合召喚よ!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) プリズマー/Elemental Hero Prisma》 †
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1700/守1100
自分のエクストラデッキに存在する融合モンスター1体を相手に見せ、
そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を
自分のデッキから墓地へ送って発動する。
このカードはエンドフェイズ時まで墓地へ送ったモンスターと同名カードとして扱う。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) Great(グレイト) TORNADO(トルネード)》 †
融合・効果モンスター
星8/風属性/戦士族/攻2800/守2200
「E・HERO」と名のついたモンスター+風属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが融合召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在する
全てのモンスターの攻撃力・守備力を半分にする。
魔理沙「おお~。いきなり飛ばしてるな、霊夢」
霊夢 「と~ぜんよ! なんたって、わたしはさっきとんでもないことに気づいたの。
先攻1ターン目には、さっきみたいに落とし穴されることは絶対無い!
だから、ガンガンいかせてもらうわ」
魔理沙「いやそりゃそうなんだが……でも攻撃できないだろ」
霊夢 「さてさて、さらに手札から、こいつを発動よ。未来融合!」
《未来融合(みらいゆうごう)-フューチャー・フュージョン/Future Fusion》 †
永続魔法(制限カード)
自分のデッキから融合モンスターカードによって決められたモンスターを
墓地へ送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に選択した融合モンスターを
自分フィールド上に特殊召喚する(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
霊夢 「エクストラデッキのシャイニングを指定し、デッキからその素材として
デッキのボルテックとワイルドマンを墓地に送るわ。
そして手札から、ミラクル・フュージョン!」
《ミラクル・フュージョン/Miracle Fusion》 †
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって
決められたモンスターをゲームから除外し、「E・HERO」という
名のついた融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
妖夢 「えー、まだやるんですか……」
霊夢 「まだじゃない。まだまだよ!
墓地のワイルドマンとプリズマーを除外してミラクルフュージョン!
E・HEROガイアを融合召喚!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) ガイア/Elemental Hero Gaia》 †
融合・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600
「E・HERO」と名のついたモンスター+地属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが融合召喚に成功した時、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスター1体の攻撃力を半分にし、
このカードの攻撃力はその数値分アップする。
霊夢 「そしてこれでラストぉっ!
二枚目のミラクル・フュージョンでボルテックと沼地の魔神王を除外!
アブソルートZeroを召喚っ!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) アブソルートZero(ゼロ)/Elemental Hero Absolute Zero》 †
融合・効果モンスター
星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する
「E・HERO アブソルートZero」以外の
水属性モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードがフィールド上から離れた時、
相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
魔理沙「なんとまあ……初手から出すにも出したもんだな」
霊夢 「ふふん。さすがの魔理沙も驚いているようね」
魔理沙「呆れてるんだよ。
先攻で攻撃できないのにこんだけやるなんて、ぶっちゃけ勝つ気無いだろお前」
霊夢 「ここまでやれば、もうほとんど勝ったようなもんよ。
カードを1枚伏せて、ターン終了」
霊夢 「(……というのも、この伏せ、神の宣告なのよねぇ。
万が一の場合はZeroが相手を道連れにしてくれるし、完璧だわ。んふふふ)」
霊夢 LP8000:手札0:ガイア、Zero、トルネード、伏せ1
妖夢 LP8000:手札5:無し
妖夢 「や~~っとこさわたしのターンですか。ドロー」
妖夢 「言い忘れましたが、今日のわたしは時間が無いんです。
なんといっても、まだ二品しか手に入れてないので」
魔理沙「まあ確かに、材料が二種類だけじゃ鍋とは言えないな」
妖夢 「そういうわけですので、このターンで終わらせてもらいますね。
ハリケーンです。伏せを手札に戻します」
《ハリケーン/Giant Trunade》 †
通常魔法(制限カード)
フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。
霊夢 「あらら、せっかく神宣だったのに」
妖夢 「続いて、アームズ・ホールを発動します」
《アームズ・ホール/Hidden Armory》 †
通常魔法
自分のデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送って発動する。
自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。
このカードを発動するターン、自分は通常召喚する事はできない。
妖夢 「デッキの一番上のクリッターを墓地に送り、アサルト・アーマーを手札に加えます」
霊夢 「アームズ・ホール~?
そんなの使ったら、モンスターを召喚できないじゃないの」
妖夢 「いいんですよそれで。
次は増援です。マジック・ストライカーを手札に加えます」
《増援(ぞうえん)/Reinforcement of the Army》 †
通常魔法(制限カード)
自分のデッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える。
魔理沙「なんかほんとに終わったくさいな。霊夢、ご愁傷様だ」
霊夢 「はあ? 何でわたしがこっから負けるわけ……」
妖夢 「墓地の増援を除外し、マジック・ストライカーを特殊召喚。攻撃表示ですね」
《マジック・ストライカー/Spell Striker》 †
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻 600/守 200
このカードは自分の墓地に存在する魔法カード1枚を
ゲームから除外し、手札から特殊召喚する事ができる。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
妖夢 「マジック・ストライカーは墓地の魔法カードを除外することで、
アームズ・ホールを使ったターンでも場に出すことができます。
そしてこのカードは、相手の場にモンスターがいてもダイレクトアタックができるんです」
霊夢 「まさか、そいつのダイレクトアタックだけでライフ8000削るっていうの?」
妖夢 「当然です。まずはマジック・ストライカーに、アサルト・アーマーを装備」
《アサルト・アーマー/Assault Armor》 †
装備魔法
自分のフィールド上に存在するモンスターが
戦士族モンスター1体のみ場合、そのモンスターに装備する事ができる。
装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
装備されているこのカードを墓地に送る事で、このターン装備モンスターは
1度のバトルフェイズ中に2回攻撃をする事ができる。
妖夢 「装備したアサルト・アーマーを墓地におくることで、
このターン、マジック・ストライカーは二回攻撃ができます。
あとは適当に装備魔法をつけて……っと」
《デーモンの斧(おの)/Axe of Despair》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分フィールド上に存在するモンスター1体を
リリースする事でデッキの一番上に戻す。
《魔導師(まどうし)の力(ちから)/Mage Power》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚につき
500ポイントアップする。
《凶暴化(きょうぼうか)の仮面(かめん)/Mask of Brutality》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせ
守備力を1000ポイントダウンさせる。
自分のスタンバイフェイズ毎に1000ライフポイントを払う。
払わなければ、このカードを破壊する。
マジック・ストライカー 攻撃力4100
妖夢 「はい、ではバトルフェイズ。
ダイレクトアタック二回で終わりですね」
霊夢 「(……ポカーン)」LP8000→3900→0
妖夢 「さーて、台所ってどこでしたっけ?」
霊夢 「……ちょ、ちょっと待ってよ。いや、待ってください」
妖夢 「なんです? ひょっとして、台所まで案内してくれるんですか?」
霊夢 「いや、その、やっぱりこれで終わりなのは納得いかないというか……」
妖夢 「えー。負けは負けでしょ~? 仕方ないじゃないですかぁ。
一応見せ場だってちゃんとあったでしょう」
霊夢 「だけど……、いや、なんていうか。
その、まさか今回わたしの出番がこれっきりってことは…………ないわよね?」
妖夢 「んなもんわたしが知ったこっちゃありませんよ。
行き当たりばったりな作者に訊けばいいでしょう」
霊夢 「あん、そんなこと言わずにー。
ほらぁ……もう一回、しましょ? ね?」
妖夢 「しなを作っても駄目です。気色悪い」
霊夢 「え~ん、そこをなんとか~……」
妖夢 「ああもうっ、足にしがみつかないでくださいよ。
いい加減にしないと張っ倒しますよっ」
魔理沙「よお、こんなもんでどうだ?」
妖夢 「……えっ?
ああ、これがくだんのマロン煮……」
魔理沙「マロニーな。どうせ霊夢がグズると思って、わたしが持ってきてやったぜ」
妖夢 「これ、このまま鍋に直接入れていいんですかね?」
魔理沙「無問題だぜ」
妖夢 「おお~なるほど。これがそばみたいに柔らかくなるわけですね。勉強になりました」
魔理沙「にしても、お前のデッキ、マジスト1キルとはまた渋いのを使ってるな」
妖夢 「ええ、面倒な時はコレを使うようにしてるんです。
旧式ですが、ああ見えてなかなか馬鹿にはできません。
さすがにデミスとかあのあたりには及びませんが。
では、わたしはこれで……」
魔理沙「待った」
妖夢 「ん……?
な、なんですか? その満面の笑みは……」
魔理沙「鍋の具を探してるって言ってたよな? それで、今これでようやく三品目だと。
次探しに行く当てはあるのか?」
妖夢 「いや、実はまるで無いんですけど……。
またその辺歩いてれば誰かしら出くわすんじゃないかと」
魔理沙「よしきた!
なら、わたしが連れてってやろうか? その当てのところへ」
妖夢 「えっ……」
魔理沙「顔を平行四辺形に歪ますな」
妖夢 「いや……でも、それって本当なんですか?」
魔理沙「ああ本当だとも。
最近地底の方でできる野菜が、地上の奴らに評判なんだ。
霊夢も知ってるよな?」
霊夢 「ああ、たまにさとりのペットが、下で作った農作物を分けに来てくれるのよ。
地底は深くて日が当たらない分、実がしまったものができるって里でも評判だわ」
妖夢 「地底? 地底でも作物が育つんですか」
魔理沙「わたしはよくわからないけどな。
地上に太陽があるように、地下にも似たようなものがある。
何百メートルって下だから、四季の影響も受けにくいんだと。
どんな作物でも、一年中安定した供給が可能らしい。
この前あの火車の化け猫が運んできたのは、大根に長ネギ……あと何があったっけな?」
霊夢 「えのきにしいたけに白菜……すだちなんてのもあったわね」
妖夢 「(なんと! それは素晴らしいわ。全部鍋の材料として使えるじゃないの。
しかも質も文句無いらしいし……)」
妖夢 「いい情報をありがとうございました。
さっそく行ってみようと思います。では……」
魔理沙「だから待てって。
お前、地底になんて行ったことないだろ? わたしが案内してやるよ」
妖夢 「えっ……あなたがですか?」
魔理沙「だから歪ますなって」
霊夢 「ちょっと待ちなさいよ、魔理沙。そいつを地底に連れてく気?」
魔理沙「いかにもその気だが。なんだ、お前も行きたいのか?」
霊夢 「んなわけないでしょ、めんどくさい。
そうじゃなくて、あそこに地上の妖怪を入れるのはまずいんじゃなかったっけ?
以前地霊が湧いてきた時だって、紫達妖怪が自分で調査できないから
わたし達が頼まれたんじゃない。あいつに知れたら黙ってないわよ、たぶん」
魔理沙「けしかけられたとも言うけどな。
ま、別に構わないんじゃないか?
行くにしてもちょっと野菜をもらいに行くだけだし……だいたい、紫はまだ異次元で寝てるだろ」
霊夢 「別に目的が問題なわけじゃなくて、入ること自体が抵触すると思うんだけど。どうなのかしら」
魔理沙「どっちにしろ、お前はついて来ないんだろ?
ならこの件にはノータッチってことでいい。
縁側でもコタツでも、どこででもカバみたいに寝てやがってればいいさ」
霊夢 「口悪いわね。誰がカバよ。
だいたい魔理沙、あんたはいつもうちに何しに来るの。冷やかしなの?」
魔理沙「まあ、案外そんなものかもしれないな」
妖夢 「で、結局わたしは行っていいんでしょうか?」
魔理沙「無問題だぜ」
霊夢 「そのネタはもういいってば」
魔理沙「さあ、ついて来いよ。地獄の釜の底への入り口はこっちだ。
大口開けて勇敢なる冒険者達を待ってるぜ」
・・・・・・To be continued
つーか、あまりにもしどいわ……霊夢乙だぜ。
次は地底……ふむ、ヤマメちゃんはスパイダー軸かな?
ありがとうございます。
今回のデュエルについてはあとがきに書いた通り、本来やるつもりはなかったものですので、デュエル自体がネタみたいなものと思ってください><
代わりというわけではないですが、次の話は明後日にも投稿する予定です。
そんなことよりしな作った霊夢がエロ可愛すぎる件について←
所で幼夢も主人公補正かかってるのか?