時計が壊れた。
修理に出した後さてどうしようかとも思ったが、別に時計がなくたって時間は進み続けるからほっといてもいいかもしれない。けれど。
「やっぱり手に懐中時計がないと落ち着かないのよね」
そんなわけで私十六夜咲夜は適当な時計を借りに古びた時計屋に寄ってるわけだ。
「うちは時計屋じゃあないんだけどね」「ついでに銀のナイフでもないかしら?」「久々の『客』だからいいんだけどね」
時計は最早フェイクになっている。スペルカードでは時計をトリガーに時符を発動するし、懐中時計に魔力を込めストップウォッチすることもできるけど、自発的にそう設定していない限りは自分の意識のみで時間は止まる。
昔の話をいまさら引き出したくはないが、時計がそのまま自身の心臓といっても過言ではない時期もあった。今ではそう見せているだけなので正直手ぶらでもいいのだが、それでも時計がないと何かさびしいものがある。
「店主さん、これ貰えるかしら」「良い眼をお持ちで。いや、当然良い意味だよ」「最近視力が堕ちていますの。パチュリー様の所為かしら?」「眼鏡は売ってないよ」
気に入った鉛色の懐中時計。香霖堂を出て時刻を確認。
現在時刻、17:00:37の部分と17:00:38の間の部分を進行中。
・・・。
……いやいやいや。きっと徹夜でパチュリー様の無休講座を聞いていたからだ。美鈴を不眠不休させるためにと理不尽な「無窮!」コールをやらされてたからだ。うん。
もっかい確認。17:01:03と17:01:04との間に針が。
当然秒針の針はカチカチ鳴る方のタイプだ。つつーと流れていくような時計は時計じゃない。でも線上に停まらない秒針なんて時計じゃない。
確認。17:01:27~17:01:28間。
「……納得いかねぇ」
結局咲夜は山の上まで飛んで早苗にディジタル時計を借りることにした。うーん、屈辱。
修理に出した後さてどうしようかとも思ったが、別に時計がなくたって時間は進み続けるからほっといてもいいかもしれない。けれど。
「やっぱり手に懐中時計がないと落ち着かないのよね」
そんなわけで私十六夜咲夜は適当な時計を借りに古びた時計屋に寄ってるわけだ。
「うちは時計屋じゃあないんだけどね」「ついでに銀のナイフでもないかしら?」「久々の『客』だからいいんだけどね」
時計は最早フェイクになっている。スペルカードでは時計をトリガーに時符を発動するし、懐中時計に魔力を込めストップウォッチすることもできるけど、自発的にそう設定していない限りは自分の意識のみで時間は止まる。
昔の話をいまさら引き出したくはないが、時計がそのまま自身の心臓といっても過言ではない時期もあった。今ではそう見せているだけなので正直手ぶらでもいいのだが、それでも時計がないと何かさびしいものがある。
「店主さん、これ貰えるかしら」「良い眼をお持ちで。いや、当然良い意味だよ」「最近視力が堕ちていますの。パチュリー様の所為かしら?」「眼鏡は売ってないよ」
気に入った鉛色の懐中時計。香霖堂を出て時刻を確認。
現在時刻、17:00:37の部分と17:00:38の間の部分を進行中。
・・・。
……いやいやいや。きっと徹夜でパチュリー様の無休講座を聞いていたからだ。美鈴を不眠不休させるためにと理不尽な「無窮!」コールをやらされてたからだ。うん。
もっかい確認。17:01:03と17:01:04との間に針が。
当然秒針の針はカチカチ鳴る方のタイプだ。つつーと流れていくような時計は時計じゃない。でも線上に停まらない秒針なんて時計じゃない。
確認。17:01:27~17:01:28間。
「……納得いかねぇ」
結局咲夜は山の上まで飛んで早苗にディジタル時計を借りることにした。うーん、屈辱。