注:前回からの続きです。
________ 9:50 妖怪の山(射命丸自室)
文 「…………」
文 「…………」
文 「(……書くことが無いわ)」
文 「(あの八雲紫が起こしたあのデュエルモンスターズの一件からこっち、
事件らしき事件は鳴りを潜めてる。
どいつもこいつも、あの一件でさすがに反省したのか、
しばらく懲りたのか、それとも肝を冷やしたのか……
なんだかずいぶんと大人しくなってしまった。
おかげで新聞記事が書けやしない……)」
文 「(あ~もう、なんとかしなきゃ今日の夕刊には間に合わないじゃない。
入稿半日前で、一面すらできてないってどんだけなのよ……)」
文 「(適当すぎる記事はプライドに反するし……、
でもだったら何書けばいいのよ。
こうなったら、いっそ一面全部星座占いに……)」
文 「(……なんて、さすがに無理よね。
チッ、全然筆が進まない……ああもうイライラするわぁ)」
椛 「文様、いらっしゃいますか?」
文 「ああん? 何よ、いちゃ悪い? ぶち殺されたいの?」
椛 「い……いいえ。その……」
文 「って、何かと思ったら椛じゃないの。入るなら入りなさいよ」
椛 「は、はい……
(この人は、相手が誰かもわからないで殺すとか言ったのか……)」
文 「白狼天狗のあんたがわたしの自室まで来るなんて珍しいわね。
あんたらは、わたしら鴉天狗のことなんて嫌いなんだと思ってたけど」
椛 「い、いやぁ~、そんなことないですよ。
文様の黒い羽なんて、かっこよくて憧れちゃいます」
文 「かっ。おだて方がなってないわね。
そんな太鼓の持ち方じゃ、今時接待麻雀の一つもできないわよ」
椛 「ま……麻雀は関係ないでしょう」
文 「で、用件は?」
椛 「あ、はい。そのう、大天狗様が……」
文 「大天狗~?
チッ、あのじじいども、この忙しい時に一体なんなのよ」
椛 「火急の用件だそうで。今すぐにと」
文 「今手が離せないから後で行くって言っといて。
煙草の一本吸わせる時間ぐらいよこしなさいよ」
椛 「いや、それが……」
文 「?」
椛 「お呼びなのではなくて、伝言なんですよ」
文 「伝言?」
椛 「はあ。その……山にまた侵入者が出まして」
文 「侵入者ぁ~?」
椛 「侍の子供です。背中に人魂連れてる、キノコみたいな頭した娘らしくて。
迎撃に出た天狗達が、やたらめったら斬り伏せられてるようでして……」
文 「ハッ、あの半人半霊ね。
天狗の山に直接乗り込んでくるなんて、命が惜しくないのかしら。
で、そいつの目的は何なの?」
椛 「それが、今のところ皆目……。
で、そこでですね。
大天狗様方が仰るには、一応顔見知りである文様に……
その、またいつぞや博麗の巫女が来た時のように、話をつけてもらいたい、と。
だから行ってほしい、と」
文 「……行ってほしい?」
椛 「はい」
文 「どこに?」
椛 「ですから、侵入者のところに」
文 「だから、どこ?」
椛 「たぶん、滝の辺りかと」
文 「…………」
文 「……今から出向けってのっ!?」
椛 「お、おそらく……」
文 「…………(イライライライラ)」
文 「……聞かなかったことにするってのは駄目かしら?」
椛 「そ、そんな。駄目ですよぅ。
文様が動いてくれなかったら、伝言役のわたしのせいになっちゃうんですよ」
文 「そうだ。あんたが代わりに行って、そいつをのしてくればいいでしょ」
椛 「わたしじゃ到底敵いそうにない相手でしたよ。
文様わかってて言ってるでしょう」
文 「別に敵わなくてもいいじゃない。とっとと行って散ってくればいいわ。
運がよければ二階級特進できるかもね」
椛 「ふざけてないで、お願いしますよ。
わたしみたいな末端は、お勤めができないとすぐクビなんですから。
だっておかしいじゃないですか。何にもやってないのにクビにされちゃうんですよ?
言われた事ちゃんとこなそうとしたのにですよ?
大天狗様相手に口ごたえなんかできるわけないし、
こんな疚しい話してることすら恐れ多いんですから。
ね? わたしにゃ動きようがないんです。ですから……」
文 「ああもうわかったわかったわかったわかったわよっ!」
文 「下っ端だと思っていいようにこき使ってっ。
そのうち手ごろな崖でも見つけて飛び降りてやるわっ」
*
________10:00 妖怪の山(九天の滝)
妖夢 「(…………う~ん)」
妖夢 「(いつもは辛気臭い山も、この時期になると紅葉がきれいだなぁ)」
妖夢 「(豊穣の神様のおかげかな。パッと見、山菜もいたるところに生えてるみたいだし……。
鍋にいいかもしれないなぁ。少し摘んでいってもいいかな)」
妖夢 「(にしても……天狗ってこんなに弱かったっけ?
さっきから全然歯ごたえがないんですが)」
妖夢 「(もうけっこうな数を斬っちゃったから、そろそろ話の聞ける人が来てもいい頃なんだけどな~……)」
文 「……フン、やっぱりあなただったのね。虐殺もその辺にしときなさい」
妖夢 「あっ? あなたが来たんですか。ご無沙汰してます」
文 「まあ、来たくもなかったんだけどね。
あなたの事を一番よく知ってるのがわたしだから、
あなたの相談事に乗れるかもしれないって、例の上司の粋な計らいらしいわ。
まったく、クソみたいな親切心よね」
妖夢 「なんだか今日はえらい口が悪いんですね。
いつもの敬語はどうしたんです」
文 「笑顔のタダ売りはしない主義なの。
スマイルが0円だと思ったら大間違いよ。
それに今日は新聞記者として来たわけじゃない。
天狗組織の一員として来てやったから」
妖夢 「どう違うかいまいちわからないんですが」
文 「例えば、曲で言えば風神少女じゃなくて妖怪の山ってとこね。
ま、子供にはわからなくてもいいわ。
で、我々天狗に何の用?
まさか一人でケンカを売りに来たってわけでもないんでしょう」
妖夢 「それでも別にいいんですが。
ちょっと鍋の具を譲ってほしいと思いまして」
文 「あ~? 鍋の具?」
妖夢 「ここにはたくさん天狗さん達が住んでますし、旬の食料もたくさんあるでしょうから。
少しそれを分けていただきたいなと」
文 「はッ! なんでわたし達がそんなことしなきゃならないってのっ?」
妖夢 「まあ、そんな感じで笑い捨てられるのは予想できてましたので。
改めて、あなたにデュエルを申し込ませていただきます」
文 「……何? デュエルですって?」
妖夢 「そうです。それで負けたら、大人しく猫みたいにここから去りますよ」
文 「ふうん。わたしが勝ったら?」
妖夢 「ご要望があらば、お聞きしますが」
文 「(……要望、ねぇ。
今のわたしは、正直記事ができればどうでもいいんだけど……どうしようかしら)」
文 「わかったわ。
じゃあ、わたしが勝ったら、記事になるようなネタをあなたに掻き集めてもらう。
いいわね?」
妖夢 「ネタ……ですか?
よくわかりませんが、幻想郷には海はありませんよ?」
文 「ふざけてると首をはねるわよ」
妖夢 「ああはいはい、わかりましたよ。
材料ついでにそいつも集めておきます。
まあ、そんなことする気は毛頭ありませんけど」
文 「お笑い種ね。デュエルモンスターズならわたしに勝てるとでも思ったの?」
妖夢 「思ったから言っているわけじゃありません。幽々子様からの命ですので」
文 「フン。お上に逆らえないのはお互い様、というわけね。
いいわ。本当は首でもはねてやろうと思ってたけど、デュエルで相手をしてあげる」
文 「悪いけど、今日のわたしは時間が無いうえに少し気がたってるの。
いつだったか霊夢達にしたように手加減してやる気はないから、速攻で終わらせてあげる。
さあ、本気を出してあげるから、本気でかかってきなさい!」
妖夢【フラッシュ真アル・濁流短頸六武衆】LP8000
VS
文【あやや式BF単騎】LP8000
妖夢 「時間が惜しいのはこちらも同じ!
先攻はいただきます。ドロー!」
妖夢 「永続魔法、六武衆の結束を発動。
さらに手札から、六武衆イロウを召喚します」
《六武衆(ろくぶしゅう)の結束(けっそく)/Six Samurai United》 †
永続魔法
「六武衆」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚される度に、
このカードに武士道カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。
このカードを墓地に送る事で、このカードに乗っている武士道カウンターの数だけ
自分のデッキからカードをドローする。
《六武衆(ろくぶしゅう)-イロウ/The Six Samurai - Irou》 †
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1700/守1200
自分フィールド上に「六武衆-イロウ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。
文 「相も変わらずの六武衆か。時代に取り残された古臭いデッキね」
妖夢 「伝統あると言ってほしいですね。
イロウが召喚したことで、六武衆の結束に武士道カウンターが一つ置かれます。
さらに、六武衆の師範を特殊召喚」
《六武衆(ろくぶしゅう)の師範(しはん)/Grandmaster of the Six Samurai》 †
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻2100/守 800
自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが
表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが相手のカードの効果によって破壊された時、
自分の墓地に存在する「六武衆」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
「六武衆の師範」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。
妖夢 「六武衆の師範は、場に六武衆がいる時手札から特殊召喚できます。
攻撃表示で特殊召喚。そして六武衆の理に二つ目のカウンターが置かれます。
この二つカウンターの乗った六武衆の結束を墓地に送り、デッキから2枚ドロー。
カードを2枚伏せてターン終了です」
妖夢 LP8000:手札3:イロウ、師範、伏せ2
文 LP8000:手札5:無し
文 「フン、調子よく回ってるじゃない。
本気のわたしを相手にするんだから、せいぜい失速しないようにすることね」
文 「ドロー。では、わたしも永続魔法から。黒い旋風を発動」
《黒(くろ)い旋風(せんぷう)/Black Whirlwind》 †
永続魔法(準制限カード)
自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが召喚された時、
自分のデッキからそのモンスターの攻撃力より低い攻撃力を持つ
「BF」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。
妖夢 「(げげっ!? 旋風ってことは……BF!?)」
文 「手札から、ブラックフェザー、蒼炎のシュラを召喚」
《BF(ブラックフェザー)-蒼炎(そうえん)のシュラ/Blackwing - Shura the Blue Flame》 †
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守1200
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
自分のデッキから攻撃力1500以下の「BF」と名のついたモンスター1体を
自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。
妖夢 「…………」
文 「何よそのしかめっ面は」
妖夢 「一言いいですか?」
文 「ん? どうぞ」
妖夢 「あなた友達いないでしょう」
文 「……やっぱりはねられたいみたいね。首」
妖夢 「いや~、だってぇ。
幻想郷じゃ使うデッキはテーマかファンって暗黙の了解じゃないですかぁ。
BFなんてガチってレベルじゃないぐらいひどいです。
空気読んでくださいよぉ」
文 「BFだってれっきとしたテーマデッキの一つよ。
ただデザイナーがトチ狂っただけでね。
それにBF以外のシンクロは入れてないんだから、感謝しなさいよ」
妖夢 「この期に及んで感謝とか……。
まあいいや、先お願いします」
文 「こっちこそ、言ったでしょう。時間が惜しいの。速攻でぶち殺してあげるわ。
蒼炎のシュラの召喚に成功したことで、黒い旋風の効果が発動。
デッキからその攻撃力以下のモンスターを手札に加える。
わたしはデッキから疾風のゲイルを手札に加え、さらにこれを特殊召喚するわ」
《BF(ブラックフェザー)-疾風(しっぷう)のゲイル/Blackwing - Gale the Whirlwind》 †
チューナー(効果モンスター)(制限カード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400
自分フィールド上に「BF-疾風のゲイル」以外の
「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力・守備力を半分にする事ができる。
文 「優先権を行使、ゲイルの起動効果発動。
相手モンスター一体のステータスを半分にする。
師範の攻撃力は1050にダウンするわよ。
バトルフェイズに入り、ゲイルで師範を攻撃」
妖夢 「くっ、させません。リバースカードオープン、ダメステで収縮です」
《収縮(しゅうしゅく)/Shrink》 †
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。
妖夢 「これでゲイルの攻撃力も半分、650で返り討ちです」
文 「だったらこちらもダメージ計算直前で誘発即時効果を使うわ。
月影のカルートよ。ゲイルの攻撃力は2050に上昇する」
《BF(ブラックフェザー)-月影(げつえい)のカルート/Blackwing - Kalut the Moon Shadow》 †
効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1400/守1000
自分フィールド上に表側表示で存在する「BF」と名のついたモンスターが
戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、
そのモンスターの攻撃力はこのターンのエンドフェイズ時まで1400ポイントアップする。
妖夢 「いや……まあ、そんなこったろうとは思ってたんですけどね」LP8000→7000
文 「だったらその腐った白菜みたいな顔はやめてほしいわね。
蒼炎のシュラで、イロウを攻撃」
妖夢 「くっ、破壊されます」LP7000→6900
文 「この瞬間、蒼炎のシュラの誘発効果発動。
モンスターを戦闘で破壊した時、デッキから攻撃力1500以下のBFを、
効果を無効にして特殊召喚できる。
大旆のヴァーユを守備表示で特殊召喚するわ」
《BF(ブラックフェザー)-大旆(たいはい)のヴァーユ/Blackwing - Vayu the Emblem of Honor》 †
チューナー(効果モンスター)
星1/闇属性/鳥獣族/攻 800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードをシンクロ素材とする事はできない。
このカードが墓地に存在する場合、このカードと墓地に存在するチューナー以外の
「BF」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、
そのレベルの合計と同じレベルの「BF」と名のついた
シンクロモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
妖夢 「(1ターン目から場に三体……。
BFのこの展開力を前にすると、六武も霞んでしまうな)」
文 「まだ終わってないわよ。メインフェイズ2へ移行。
場のチューナー、疾風のゲイルに、蒼炎のシュラをチューニング……!」
文 「来なさい! BF、アーマード・ウィング!!」
《BF(ブラックフェザー)-アーマード・ウィング/Blackwing Armor Master》 †
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守1500
「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは戦闘では破壊されず、
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
このカードが攻撃したモンスターに
楔カウンターを1つ置く事ができる(最大1つまで)。
相手モンスターに乗っている楔カウンターを全て取り除く事で、
楔カウンターが乗っていたモンスターの攻撃力・守備力を
このターンのエンドフェイズ時まで0にする。
妖夢 「(後攻1ターン目でいきなりアーマード・ウィング!?
マジか……)」
文 「いきなりやりすぎるとかわいそうだし、このくらいにしといてあげましょうか。
カードを2枚伏せて、ターンエンドよ」
妖夢 LP6900:手札3:伏せ1
文 LP8000:手札1:アーマード・ウィング、ヴァーユ、黒い旋風、伏せ2
妖夢 「くっ、やる事が汚いんですよ! ドロー!」
妖夢 「リバースカード、諸刃の活人剣術を発動します」
《諸刃(もろは)の活人(かつじん)剣術(けんじゅつ)/Double-Edged Sword Technique》 †
通常罠
自分の墓地から「六武衆」と名のついたモンスター2体を選択し、
攻撃表示で特殊召喚する。
このターンのエンドフェイズ時にこの効果によって特殊召喚したモンスターを破壊し、
自分はその攻撃力の合計分のダメージを受ける。
妖夢 「このカードは、墓地の六武衆を2体まで一時的に蘇生できるトラップ。
師範とイロウを特殊召喚です!」
文 「ふっ、紫炎を呼ぶ気ね?
させるわけがないわ。特殊召喚成功時にトラップ発動。
ゴッドバードアタックよ」
《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》 †
通常罠
自分フィールド上に存在する鳥獣族モンスター1体をリリースし、
フィールド上に存在するカード2枚を選択して発動する。
選択したカードを破壊する。
文 「大旆のヴァーユをリリースし、今召喚した師範とイロウを破壊するわ」
妖夢 「だと思ってましたよ。
チェーンして手札から速攻魔法です。六武ノ書!」
《六武(ろくぶ)ノ書(しょ)/Six Scrolls of the Samurai》 †
速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
「六武衆」と名のついたモンスター2体をリリースして発動する。
自分のデッキから「大将軍 紫炎」1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
妖夢 「ダブルサクリファイスエスケープです。
場の師範とイロウをリリースし……推参せよ! 大将軍紫炎!!」
《大将軍(だいしょうぐん) 紫炎(シエン)/Great Shogun Shien》 †
効果モンスター
星7/炎属性/戦士族/攻2500/守2400
自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが
2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手プレイヤーは1ターンに1度しか魔法・罠カードの発動ができない。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」という名のついたモンスターを破壊する事ができる。
文 「ふん、面倒な奴がでてきたわね。まあいいけど」
妖夢 「(こんなに早く紫炎を出すつもりは無かったが……もはや出し惜しみしてる暇はないな。
相手のデッキがこれ以上爆発力を見せる前に、一気に決着をつけてみせる!)」
妖夢 「さらに、名推理を発動します。レベルを宣言してください」
《名推理(めいすいり)/Reasoning》 †
通常魔法(制限カード)
相手プレイヤーはモンスターのレベルを宣言する。
通常召喚が可能なモンスターが出るまで自分のデッキからカードをめくる。
出たモンスターが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地に送る。
違う場合、出たモンスターを特殊召喚し、残りのカードを墓地へ送る。
文 「(フン、名推理……)」
文 「(アーマード・ウィングが戦闘では破壊できない以上、効果で破壊するしかない。
彼女の手札に除去カードは無さそうだから……
このカードで破壊効果を持つモンスターを引き当てようというのか。
なら、奴の目論見はザンジの特殊召喚ね)」
文 「4を宣言するわ」
つ 一族の結束
次元幽閉
神の宣告
六武衆の露払い
《六武衆(ろくぶしゅう)の露払(つゆはら)い/Hand of the Six Samurai》 †
効果モンスター
星3/炎属性/戦士族/攻1600/守1000
自分フィールド上にこのカード以外の「六武衆」と
名のついたモンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。
自分フィールド上に存在する「六武衆」と名のついた
モンスター1体をリリースする事で、
フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。
妖夢 「六武衆の露払いのレベルは3。ハズレですね。
攻撃表示で特殊召喚します」
文 「フン、そういやそいつもいたわね。気にもかけなかったわ」
妖夢 「最後に、このカードを手札から通常召喚します。六武衆ニサシ」
《六武衆(ろくぶしゅう)-ニサシ/The Six Samurai - Nisashi》 †
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1400/守 700
自分フィールド上に「六武衆-ニサシ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。
妖夢 「ニサシをリリースして、六武衆の露払いの効果を発動します。
アーマード・ウィングを破壊!」
文 「(ち、アーマードウィングが……)」
妖夢 「(よし、とりあえず厄介なヤツは倒せた。次はこちらが攻める番だ。
あの伏せがミラフォだったら乙るけど……。
ここは腹をくくるしかないな)」
妖夢 「バトルフェイズです。
露払いで、プレイヤーにダイレクトアタック!」
文 「通すわ」LP8000→6400
妖夢 「なら紫炎で追撃です! 人鬼、未来永劫斬!!」
文 LP6400→3900
妖夢 「(やった、これでライフも場も逆転! こっちが圧倒的に有利だわ)
1枚伏せて、ターンを終了します」
妖夢 LP6900:手札0:紫炎、露払い、伏せ1
文 LP3900:手札1:黒い旋風、伏せ1
文 「あらあら、やってくれるじゃないの。たかがサムライが小賢しいわね」
妖夢 「ありがとうございます。これからも精進します」
文 「褒めてはいないんだけど。
どうやらもう勝った気にでもなっているようね。口許が緩みっぱなしよ」
妖夢 「え、そうですかぁ~? それは失礼しました。
勝利を目前に白い歯を見せるとは、武人にあるまじき行為です。うふふ」
文 「現金なサムライもいたものね。ドロー」
文 「BF、暁のシロッコを召喚」
《BF(ブラックフェザー)-暁(あかつき)のシロッコ/Blackwing - Sirocco the Dawn》 †
効果モンスター
星5/闇属性/鳥獣族/攻2000/守 900
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードはリリースなしで通常召喚する事ができる。
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する
「BF」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は、そのモンスター以外の
フィールド上に表側表示で存在する「BF」と名のついた
モンスターの攻撃力の合計分アップする。
この効果を発動するターン、選択したモンスター以外の
モンスターは攻撃する事ができない。
文 「暁のシロッコはサイドラと同じ条件の時、リリースなしで通常召喚できるわ。
そして黒い旋風の効果発動。
デッキから二枚目の蒼炎のシュラを持ってくるわ。
さらにリバースカードオープン」
妖夢 「リバースカード? いいんですか?
紫炎がいる以上、あなたは1ターンに一度しか魔法・罠を使うことができないんですが」
文 「あなたに言われなくてもわかっているわ。これは血の代償よ」
《血(ち)の代償(だいしょう)/Ultimate Offering》 †
永続罠(準制限カード)
500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。
この効果は自分のメインフェイズ時及び
相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。
妖夢 「(げっ……代償とか)」
文 「このカードはライフを500払うごとに、召喚権を得る。
500払い、手札の蒼炎のシュラを通常召喚よ。
黒い旋風の効果で、黒槍のブラストを手札に加えるわ」LP3900→3400
文 「黒槍のブラストは場にBFがいれば特殊召喚できるけど、
特殊召喚すると黒い旋風の効果は使えないから、また500払って通常召喚。
よろしくて?」LP3400→2900
《BF(ブラックフェザー)-黒槍(くろやり)のブラスト/Blackwing - Bora the Spear》 †
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800
自分フィールド上に「BF-黒槍のブラスト」以外の
「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
妖夢 「…………まあ、はい」
文 「またまた黒い旋風で、デッキの極北のブリザードを手札に加えるわ。
極北のブリザードを召喚」LP2900→2400
《BF(ブラックフェザー)-極北(きょくほく)のブリザード/Blackwing - Blizzard the Far North》 †
チューナー(効果モンスター)
星2/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 0
このカードは特殊召喚できない。
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する
レベル4以下の「BF」と名の付いたモンスター1体を
表側守備表示で特殊召喚する事ができる。
文 「次は誘発効果ね。
極北のブリザードが召喚に成功した時、墓地のレベル4以下のBFを守備で特殊召喚できる。
疾風のゲイルを特殊召喚するわ」
場 BF-暁のシロッコ 攻撃力2000
BF-蒼炎のシュラ 攻撃力1800
BF-黒槍のブラスト 攻撃力1700
BF-極北のブリザード 攻撃力1300
BF-疾風のゲイル 攻撃力1300
妖夢 「……すみません。なんだかもう終わったくさいんですが……」
文 「そういわずに付き合いなさい。
極北のブリザードにチェーンして、黒い旋風の効果発動よ。
熱風のギブリを手札に加える。
そしてゲイルの起動効果発動。紫炎の能力を半減させるわ」
大将軍 紫炎 攻撃力1250
妖夢 「(ゲイルとか市ねばいいのに……)」
文 「そろそろシンクロタイムといきましょうか。
極北のブリザードに、黒槍のブラストをチューニング。合計レベルは6よ。
BF、アームズ・ウィングをシンクロ召喚!」
《BF(ブラックフェザー)-アームズ・ウィング/Blackwing Armed Wing》 †
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/鳥獣族/攻2300/守1000
「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは守備表示モンスターに攻撃する場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
妖夢 「(うあ~、シンクロモンスターまで……)」
文 「もう一体いっちゃいましょうか。
墓地の大旆のヴァーユの起動効果発動。
ヴァーユは墓地にある時、同じく墓地のBFとともに除外することで、
レベルの合計と等しいBFのシンクロモンスターを特殊召喚できるわ。
能力は無効化されるけどね」
文 「墓地のヴァーユ、アーマード・ウィングを除外。
よってレベル8のシンクロモンスターを特殊召喚できる。
……吹き荒べ嵐よ! BF、孤高のシルバー・ウィンド!!」
《BF(ブラックフェザー)-孤高(ここう)のシルバー・ウィンド/Blackwing - Silverwind the Ascendant》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/鳥獣族/攻2800/守2000
「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
フィールド上に表側表示で存在する、
このカードの攻撃力よりも低い守備力を持つ
モンスターを2体まで選択して破壊する事ができる。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行う事ができない。
また、相手のターンに1度だけ、
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に存在する「BF」と名のついたモンスターは戦闘では破壊されない。
場 BF-孤高のシルバー・ウィンド 攻撃力2800
BF-アームズ・ウィング 攻撃力2300
BF-暁のシロッコ 攻撃力2000
BF-蒼炎のシュラ 攻撃力1800
BF-疾風のゲイル 攻撃力1300
妖夢 「(ポカーン……)」
文 「こんなもんかしら。
じゃ、バトルフェイズね。
孤高のシルバー・ウィンドで、六武衆の露払いを攻撃」
妖夢 「う~ん、これは破壊されます」LP6900→5700
文 「続いて、暁のシロッコで紫炎を破壊」
妖夢 「(うう、でもまだこの伏せカードでなんとかできれば……)」LP5700→4950
文 「年貢の納め時ってやつね。
さあ総攻撃よ。納めなさい年貢を!
アームズ・ウィングでダイレクトアタック!」
妖夢 「まだです! トラップカード、究極・背水の陣を発動!!」
《究極(きゅうきょく)・背水(はいすい)の陣(じん)/Backs to the Wall》 †
通常罠
自分のライフポイントが100ポイントになるようにライフポイントを払って発動する。
自分の墓地に存在する「六武衆」と名のついたモンスターを
自分フィールド上に可能な限り特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
ただし、フィールド上に存在する同名カードは特殊召喚できない。
妖夢 「ライフを100にして、墓地の六武衆を可能な限り特殊召喚します。
六武衆イロウ、六武衆ニサシ、六武衆の師範、六武衆の露払いを
守備で特殊召喚です!」LP4950→100
妖夢 「(ふう、これでなんとか……)」
文 「ふっ、お馬鹿さん。
アームズ・ウィングには貫通効果があるのよ」
妖夢 「……えっ? あああああああ!」
文 「ついでに攻撃力も上昇して2800。
六武衆の師範に攻撃! 鴉符、暗夜のデイメア!!」
妖夢 「\(^o^)/」LP100→0
文 「ふん、ひよっこが。
こんなデュエル、他愛無くて記事にするまでもないわ」
妖夢 「うう……あっさり負けた。
だからやる事が汚いのなんのって……」
文 「さぁてなんのことやら。
ゴヨウやらトリシュやら出てこないだけマシでしょ。
さ、子供はとっととお家に帰りなさい」
妖夢 「ライフを半分減らせたんだから、具材も半分いただけませんか?」
文 「とっとと帰れ」
妖夢 「はぁ~あ。
せっかく遠路はるばるこんなクソ辺鄙なところまで来たのに……」
文 「ああそうだ。勝ったのはわたしだから、約束は守ってよね。
何かネタが見つかったら、即刻知らせにくるのよ。即刻」
妖夢 「はぁ~あ」
文 「……だいたいあなた、何が目的で鍋の具なんか集めてるのよ?」
妖夢 「まあ、先ほども言ったように上の命令ですよ。
思いつきとも言いますが」
文 「駄目ね。要は、ただ鍋が食べたいってだけなんでしょ?
そんなものが記事にできると思ってるの? 却下」
妖夢 「思ってないですし、記事にしろとも頼んでないので
勝手にこき落とされても困るんですが。
まあいいや。ハァ、次どこに行こうかな~」
文 「神社でいいじゃない」
妖夢 「神社? ひょっとして、博麗神社ですか?」
文 「そう、博麗神社」
妖夢 「うーん、どうなんでしょうねぇ。
巫女のあの普段のひもじい生活からして、
食料の備蓄はとても期待できそうにないんですが」
文 「ま、それもそうね。わたしの知ったことじゃないけど」
妖夢 「まあいいや。もし神社に行って何も無かったら、
またこちらにお邪魔しますので、よろしくお願いします」
文 「(……水を入れたペットボトルでも置いておこうかしら)」
・・・・・・To be continued
今回も面白かったです!
気になったことなのですが、先攻1ターン目の妖夢の場のモンスターがイロウではなくザンジになっていませんか?
アーマード・ウイングと除外したことにすれば大丈夫だと思いますが…
あれのせいで、私のホルスは……ホルスは……うがーーーー!!!!
ホント、あの効果に攻撃力、チューナー、挙げ句にレアリティはノーマルと来た。どんなバグだと。
ゲイルとかマジ市ねよ。
誤字の報告で。
アームズウィングのシンクロ素材がゲイルとブラストになってますが、ブリザードとブラストかと思われます。
収縮にチェーンして、誘発即時のカルートを発動した場合、カルート適用したあと、収縮の効果で、元々の攻撃力の半分になるわけですが、今回のこれは、チェーンして発動したわけではないんですよね?
両方ダメステでの発動と宣言されてますが、チェーンせずに発動タイミングをズラすことって可能なんですか?計算直前に発動って、収縮の発動タイミングとは違うのですか?
特に言及が必要なものを中心に返信させていただきます。
>>2>>3>>4
指摘いただいた部分を修正させていただきました~。
短い話なのに、結構間違えてましたねorz
精進します。
ゲイルはとっとと禁止に逝くべき(キリッ
>>5
ダメージステップにもいくつかの段階があり、収縮とカルートでは発動できる段階の範囲が違います。
この場合は、仰るとおりそれぞれ発動タイミングが違います。二つはチェーンされておらず、収縮はダメージステップ開始後、カルートはその後のダメージ計算の直前に発動しているため、収縮の処理が完全に終わった後にカルートの処理がなされています。
収縮などのクイックエフェクトは、この『ダメージ計算直前』というタイミングには発動できないため、オネストやカルートとかち合った場合ほぼ確実に負けてしまいます。
詳しくは、遊戯王カードWikiの『ダメージステップ』の項目を参照していただけると助かります。
このややこしい裁定のおかげで、オネスト登場後収縮の投入率が大幅に下落してしまいましたw