Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王Ⅱ4 『妖夢の憂鬱な一日③』

2010/06/30 23:07:46
最終更新
サイズ
27.78KB
ページ数
1

分類タグ


 注:前回からの続きです。






















  ________ 9:50 妖怪の山(射命丸自室)









文  「…………」

文  「…………」

文  「(……書くことが無いわ)」

文  「(あの八雲紫が起こしたあのデュエルモンスターズの一件からこっち、
    事件らしき事件は鳴りを潜めてる。
    どいつもこいつも、あの一件でさすがに反省したのか、
    しばらく懲りたのか、それとも肝を冷やしたのか……
    なんだかずいぶんと大人しくなってしまった。
    おかげで新聞記事が書けやしない……)」

文  「(あ~もう、なんとかしなきゃ今日の夕刊には間に合わないじゃない。
    入稿半日前で、一面すらできてないってどんだけなのよ……)」

文  「(適当すぎる記事はプライドに反するし……、
    でもだったら何書けばいいのよ。
    こうなったら、いっそ一面全部星座占いに……)」

文  「(……なんて、さすがに無理よね。
    チッ、全然筆が進まない……ああもうイライラするわぁ)」

椛  「文様、いらっしゃいますか?」

文  「ああん? 何よ、いちゃ悪い? ぶち殺されたいの?」

椛  「い……いいえ。その……」

文  「って、何かと思ったら椛じゃないの。入るなら入りなさいよ」

椛  「は、はい……
   (この人は、相手が誰かもわからないで殺すとか言ったのか……)」

文  「白狼天狗のあんたがわたしの自室まで来るなんて珍しいわね。
    あんたらは、わたしら鴉天狗のことなんて嫌いなんだと思ってたけど」

椛  「い、いやぁ~、そんなことないですよ。
    文様の黒い羽なんて、かっこよくて憧れちゃいます」

文  「かっ。おだて方がなってないわね。
    そんな太鼓の持ち方じゃ、今時接待麻雀の一つもできないわよ」

椛  「ま……麻雀は関係ないでしょう」

文  「で、用件は?」

椛  「あ、はい。そのう、大天狗様が……」

文  「大天狗~? 
    チッ、あのじじいども、この忙しい時に一体なんなのよ」

椛  「火急の用件だそうで。今すぐにと」

文  「今手が離せないから後で行くって言っといて。
    煙草の一本吸わせる時間ぐらいよこしなさいよ」

椛  「いや、それが……」

文  「?」

椛  「お呼びなのではなくて、伝言なんですよ」

文  「伝言?」

椛  「はあ。その……山にまた侵入者が出まして」

文  「侵入者ぁ~?」

椛  「侍の子供です。背中に人魂連れてる、キノコみたいな頭した娘らしくて。
    迎撃に出た天狗達が、やたらめったら斬り伏せられてるようでして……」

文  「ハッ、あの半人半霊ね。
    天狗の山に直接乗り込んでくるなんて、命が惜しくないのかしら。
    で、そいつの目的は何なの?」

椛  「それが、今のところ皆目……。
    で、そこでですね。
    大天狗様方が仰るには、一応顔見知りである文様に……
    その、またいつぞや博麗の巫女が来た時のように、話をつけてもらいたい、と。
    だから行ってほしい、と」

文  「……行ってほしい?」

椛  「はい」

文  「どこに?」

椛  「ですから、侵入者のところに」

文  「だから、どこ?」

椛  「たぶん、滝の辺りかと」

文  「…………」

文  「……今から出向けってのっ!?」

椛  「お、おそらく……」

文  「…………(イライライライラ)」

文  「……聞かなかったことにするってのは駄目かしら?」

椛  「そ、そんな。駄目ですよぅ。
    文様が動いてくれなかったら、伝言役のわたしのせいになっちゃうんですよ」

文  「そうだ。あんたが代わりに行って、そいつをのしてくればいいでしょ」

椛  「わたしじゃ到底敵いそうにない相手でしたよ。
    文様わかってて言ってるでしょう」

文  「別に敵わなくてもいいじゃない。とっとと行って散ってくればいいわ。
    運がよければ二階級特進できるかもね」

椛  「ふざけてないで、お願いしますよ。
    わたしみたいな末端は、お勤めができないとすぐクビなんですから。
    だっておかしいじゃないですか。何にもやってないのにクビにされちゃうんですよ? 
    言われた事ちゃんとこなそうとしたのにですよ?
    大天狗様相手に口ごたえなんかできるわけないし、
    こんな疚しい話してることすら恐れ多いんですから。
    ね? わたしにゃ動きようがないんです。ですから……」

文  「ああもうわかったわかったわかったわかったわよっ!」

文  「下っ端だと思っていいようにこき使ってっ。
    そのうち手ごろな崖でも見つけて飛び降りてやるわっ」



    *




  ________10:00 妖怪の山(九天の滝)




妖夢 「(…………う~ん)」

妖夢 「(いつもは辛気臭い山も、この時期になると紅葉がきれいだなぁ)」

妖夢 「(豊穣の神様のおかげかな。パッと見、山菜もいたるところに生えてるみたいだし……。
    鍋にいいかもしれないなぁ。少し摘んでいってもいいかな)」

妖夢 「(にしても……天狗ってこんなに弱かったっけ?
    さっきから全然歯ごたえがないんですが)」

妖夢 「(もうけっこうな数を斬っちゃったから、そろそろ話の聞ける人が来てもいい頃なんだけどな~……)」

文  「……フン、やっぱりあなただったのね。虐殺もその辺にしときなさい」

妖夢 「あっ? あなたが来たんですか。ご無沙汰してます」

文  「まあ、来たくもなかったんだけどね。
    あなたの事を一番よく知ってるのがわたしだから、
    あなたの相談事に乗れるかもしれないって、例の上司の粋な計らいらしいわ。
    まったく、クソみたいな親切心よね」

妖夢 「なんだか今日はえらい口が悪いんですね。
    いつもの敬語はどうしたんです」

文  「笑顔のタダ売りはしない主義なの。
    スマイルが0円だと思ったら大間違いよ。
    それに今日は新聞記者として来たわけじゃない。
    天狗組織の一員として来てやったから」

妖夢 「どう違うかいまいちわからないんですが」

文  「例えば、曲で言えば風神少女じゃなくて妖怪の山ってとこね。
    ま、子供にはわからなくてもいいわ。
    で、我々天狗に何の用?
    まさか一人でケンカを売りに来たってわけでもないんでしょう」

妖夢 「それでも別にいいんですが。
    ちょっと鍋の具を譲ってほしいと思いまして」

文  「あ~? 鍋の具?」

妖夢 「ここにはたくさん天狗さん達が住んでますし、旬の食料もたくさんあるでしょうから。
    少しそれを分けていただきたいなと」

文  「はッ! なんでわたし達がそんなことしなきゃならないってのっ?」

妖夢 「まあ、そんな感じで笑い捨てられるのは予想できてましたので。
    改めて、あなたにデュエルを申し込ませていただきます」

文  「……何? デュエルですって?」

妖夢 「そうです。それで負けたら、大人しく猫みたいにここから去りますよ」

文  「ふうん。わたしが勝ったら?」

妖夢 「ご要望があらば、お聞きしますが」

文  「(……要望、ねぇ。
    今のわたしは、正直記事ができればどうでもいいんだけど……どうしようかしら)」

文  「わかったわ。
    じゃあ、わたしが勝ったら、記事になるようなネタをあなたに掻き集めてもらう。
    いいわね?」

妖夢 「ネタ……ですか?
    よくわかりませんが、幻想郷には海はありませんよ?」

文  「ふざけてると首をはねるわよ」

妖夢 「ああはいはい、わかりましたよ。
    材料ついでにそいつも集めておきます。
    まあ、そんなことする気は毛頭ありませんけど」

文  「お笑い種ね。デュエルモンスターズならわたしに勝てるとでも思ったの?」

妖夢 「思ったから言っているわけじゃありません。幽々子様からの命ですので」

文  「フン。お上に逆らえないのはお互い様、というわけね。
    いいわ。本当は首でもはねてやろうと思ってたけど、デュエルで相手をしてあげる」

文  「悪いけど、今日のわたしは時間が無いうえに少し気がたってるの。
    いつだったか霊夢達にしたように手加減してやる気はないから、速攻で終わらせてあげる。
    さあ、本気を出してあげるから、本気でかかってきなさい!」










 妖夢【フラッシュ真アル・濁流短頸六武衆】LP8000

                 VS
 
                    文【あやや式BF単騎】LP8000








妖夢 「時間が惜しいのはこちらも同じ! 
    先攻はいただきます。ドロー!」

妖夢 「永続魔法、六武衆の結束を発動。
    さらに手札から、六武衆イロウを召喚します」


《六武衆(ろくぶしゅう)の結束(けっそく)/Six Samurai United》 †
永続魔法
「六武衆」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚される度に、
このカードに武士道カウンターを1個乗せる(最大2個まで)。
このカードを墓地に送る事で、このカードに乗っている武士道カウンターの数だけ
自分のデッキからカードをドローする。


《六武衆(ろくぶしゅう)-イロウ/The Six Samurai - Irou》 †
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1700/守1200
自分フィールド上に「六武衆-イロウ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。


文  「相も変わらずの六武衆か。時代に取り残された古臭いデッキね」

妖夢 「伝統あると言ってほしいですね。
    イロウが召喚したことで、六武衆の結束に武士道カウンターが一つ置かれます。
    さらに、六武衆の師範を特殊召喚」


《六武衆(ろくぶしゅう)の師範(しはん)/Grandmaster of the Six Samurai》 †
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻2100/守 800
自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが
表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが相手のカードの効果によって破壊された時、
自分の墓地に存在する「六武衆」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
「六武衆の師範」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。


妖夢 「六武衆の師範は、場に六武衆がいる時手札から特殊召喚できます。
    攻撃表示で特殊召喚。そして六武衆の理に二つ目のカウンターが置かれます。
    この二つカウンターの乗った六武衆の結束を墓地に送り、デッキから2枚ドロー。
    カードを2枚伏せてターン終了です」



妖夢  LP8000:手札3:イロウ、師範、伏せ2
文  LP8000:手札5:無し



文  「フン、調子よく回ってるじゃない。
    本気のわたしを相手にするんだから、せいぜい失速しないようにすることね」

文  「ドロー。では、わたしも永続魔法から。黒い旋風を発動」


《黒(くろ)い旋風(せんぷう)/Black Whirlwind》 †
永続魔法(準制限カード)
自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが召喚された時、
自分のデッキからそのモンスターの攻撃力より低い攻撃力を持つ
「BF」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。


妖夢 「(げげっ!? 旋風ってことは……BF!?)」

文  「手札から、ブラックフェザー、蒼炎のシュラを召喚」


《BF(ブラックフェザー)-蒼炎(そうえん)のシュラ/Blackwing - Shura the Blue Flame》 †
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1800/守1200
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
自分のデッキから攻撃力1500以下の「BF」と名のついたモンスター1体を
自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。


妖夢 「…………」

文  「何よそのしかめっ面は」

妖夢 「一言いいですか?」

文  「ん? どうぞ」

妖夢 「あなた友達いないでしょう」

文  「……やっぱりはねられたいみたいね。首」

妖夢 「いや~、だってぇ。
    幻想郷じゃ使うデッキはテーマかファンって暗黙の了解じゃないですかぁ。
    BFなんてガチってレベルじゃないぐらいひどいです。
    空気読んでくださいよぉ」

文  「BFだってれっきとしたテーマデッキの一つよ。
    ただデザイナーがトチ狂っただけでね。
    それにBF以外のシンクロは入れてないんだから、感謝しなさいよ」

妖夢 「この期に及んで感謝とか……。
    まあいいや、先お願いします」

文  「こっちこそ、言ったでしょう。時間が惜しいの。速攻でぶち殺してあげるわ。
    蒼炎のシュラの召喚に成功したことで、黒い旋風の効果が発動。
    デッキからその攻撃力以下のモンスターを手札に加える。
    わたしはデッキから疾風のゲイルを手札に加え、さらにこれを特殊召喚するわ」


《BF(ブラックフェザー)-疾風(しっぷう)のゲイル/Blackwing - Gale the Whirlwind》 †
チューナー(効果モンスター)(制限カード)
星3/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 400
自分フィールド上に「BF-疾風のゲイル」以外の
「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力・守備力を半分にする事ができる。


文  「優先権を行使、ゲイルの起動効果発動。
    相手モンスター一体のステータスを半分にする。
    師範の攻撃力は1050にダウンするわよ。
    バトルフェイズに入り、ゲイルで師範を攻撃」

妖夢 「くっ、させません。リバースカードオープン、ダメステで収縮です」


《収縮(しゅうしゅく)/Shrink》 †
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。


妖夢 「これでゲイルの攻撃力も半分、650で返り討ちです」

文  「だったらこちらもダメージ計算直前で誘発即時効果を使うわ。
    月影のカルートよ。ゲイルの攻撃力は2050に上昇する」


《BF(ブラックフェザー)-月影(げつえい)のカルート/Blackwing - Kalut the Moon Shadow》 †
効果モンスター
星3/闇属性/鳥獣族/攻1400/守1000
自分フィールド上に表側表示で存在する「BF」と名のついたモンスターが
戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、
そのモンスターの攻撃力はこのターンのエンドフェイズ時まで1400ポイントアップする。


妖夢 「いや……まあ、そんなこったろうとは思ってたんですけどね」LP8000→7000

文  「だったらその腐った白菜みたいな顔はやめてほしいわね。
    蒼炎のシュラで、イロウを攻撃」

妖夢 「くっ、破壊されます」LP7000→6900

文  「この瞬間、蒼炎のシュラの誘発効果発動。
    モンスターを戦闘で破壊した時、デッキから攻撃力1500以下のBFを、
    効果を無効にして特殊召喚できる。
    大旆のヴァーユを守備表示で特殊召喚するわ」


《BF(ブラックフェザー)-大旆(たいはい)のヴァーユ/Blackwing - Vayu the Emblem of Honor》 †
チューナー(効果モンスター)
星1/闇属性/鳥獣族/攻 800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカードをシンクロ素材とする事はできない。
このカードが墓地に存在する場合、このカードと墓地に存在するチューナー以外の
「BF」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、
そのレベルの合計と同じレベルの「BF」と名のついた
シンクロモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。


妖夢 「(1ターン目から場に三体……。
    BFのこの展開力を前にすると、六武も霞んでしまうな)」

文  「まだ終わってないわよ。メインフェイズ2へ移行。
    場のチューナー、疾風のゲイルに、蒼炎のシュラをチューニング……!」

文  「来なさい! BF、アーマード・ウィング!!」


《BF(ブラックフェザー)-アーマード・ウィング/Blackwing Armor Master》 †
シンクロ・効果モンスター
星7/闇属性/鳥獣族/攻2500/守1500
「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは戦闘では破壊されず、
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
このカードが攻撃したモンスターに
楔カウンターを1つ置く事ができる(最大1つまで)。
相手モンスターに乗っている楔カウンターを全て取り除く事で、
楔カウンターが乗っていたモンスターの攻撃力・守備力を
このターンのエンドフェイズ時まで0にする。


妖夢 「(後攻1ターン目でいきなりアーマード・ウィング!?
    マジか……)」

文  「いきなりやりすぎるとかわいそうだし、このくらいにしといてあげましょうか。
    カードを2枚伏せて、ターンエンドよ」



妖夢  LP6900:手札3:伏せ1
文  LP8000:手札1:アーマード・ウィング、ヴァーユ、黒い旋風、伏せ2



妖夢 「くっ、やる事が汚いんですよ! ドロー!」

妖夢 「リバースカード、諸刃の活人剣術を発動します」


《諸刃(もろは)の活人(かつじん)剣術(けんじゅつ)/Double-Edged Sword Technique》 †
通常罠
自分の墓地から「六武衆」と名のついたモンスター2体を選択し、
攻撃表示で特殊召喚する。
このターンのエンドフェイズ時にこの効果によって特殊召喚したモンスターを破壊し、
自分はその攻撃力の合計分のダメージを受ける。


妖夢 「このカードは、墓地の六武衆を2体まで一時的に蘇生できるトラップ。
    師範とイロウを特殊召喚です!」

文  「ふっ、紫炎を呼ぶ気ね? 
    させるわけがないわ。特殊召喚成功時にトラップ発動。
    ゴッドバードアタックよ」


《ゴッドバードアタック/Icarus Attack》 †
通常罠
自分フィールド上に存在する鳥獣族モンスター1体をリリースし、
フィールド上に存在するカード2枚を選択して発動する。
選択したカードを破壊する。


文  「大旆のヴァーユをリリースし、今召喚した師範とイロウを破壊するわ」

妖夢 「だと思ってましたよ。
    チェーンして手札から速攻魔法です。六武ノ書!」


《六武(ろくぶ)ノ書(しょ)/Six Scrolls of the Samurai》 †
速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する
「六武衆」と名のついたモンスター2体をリリースして発動する。
自分のデッキから「大将軍 紫炎」1体を自分フィールド上に特殊召喚する。


妖夢 「ダブルサクリファイスエスケープです。
    場の師範とイロウをリリースし……推参せよ! 大将軍紫炎!!」


《大将軍(だいしょうぐん) 紫炎(シエン)/Great Shogun Shien》 †
効果モンスター
星7/炎属性/戦士族/攻2500/守2400
自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが
2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手プレイヤーは1ターンに1度しか魔法・罠カードの発動ができない。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」という名のついたモンスターを破壊する事ができる。


文  「ふん、面倒な奴がでてきたわね。まあいいけど」

妖夢 「(こんなに早く紫炎を出すつもりは無かったが……もはや出し惜しみしてる暇はないな。
    相手のデッキがこれ以上爆発力を見せる前に、一気に決着をつけてみせる!)」

妖夢 「さらに、名推理を発動します。レベルを宣言してください」


《名推理(めいすいり)/Reasoning》 †
通常魔法(制限カード)
相手プレイヤーはモンスターのレベルを宣言する。
通常召喚が可能なモンスターが出るまで自分のデッキからカードをめくる。
出たモンスターが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地に送る。
違う場合、出たモンスターを特殊召喚し、残りのカードを墓地へ送る。


文  「(フン、名推理……)」

文  「(アーマード・ウィングが戦闘では破壊できない以上、効果で破壊するしかない。
    彼女の手札に除去カードは無さそうだから……
    このカードで破壊効果を持つモンスターを引き当てようというのか。
    なら、奴の目論見はザンジの特殊召喚ね)」

文  「4を宣言するわ」


   つ 一族の結束

     次元幽閉

     神の宣告

     六武衆の露払い


《六武衆(ろくぶしゅう)の露払(つゆはら)い/Hand of the Six Samurai》 †
効果モンスター
星3/炎属性/戦士族/攻1600/守1000
自分フィールド上にこのカード以外の「六武衆」と
名のついたモンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。
自分フィールド上に存在する「六武衆」と名のついた
モンスター1体をリリースする事で、
フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。


妖夢 「六武衆の露払いのレベルは3。ハズレですね。
    攻撃表示で特殊召喚します」

文  「フン、そういやそいつもいたわね。気にもかけなかったわ」

妖夢 「最後に、このカードを手札から通常召喚します。六武衆ニサシ」


《六武衆(ろくぶしゅう)-ニサシ/The Six Samurai - Nisashi》 †
効果モンスター
星4/風属性/戦士族/攻1400/守 700
自分フィールド上に「六武衆-ニサシ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在する限り、
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
このカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の
「六武衆」と名のついたモンスターを破壊する事ができる。


妖夢 「ニサシをリリースして、六武衆の露払いの効果を発動します。
    アーマード・ウィングを破壊!」

文  「(ち、アーマードウィングが……)」

妖夢 「(よし、とりあえず厄介なヤツは倒せた。次はこちらが攻める番だ。
    あの伏せがミラフォだったら乙るけど……。
    ここは腹をくくるしかないな)」

妖夢 「バトルフェイズです。
    露払いで、プレイヤーにダイレクトアタック!」

文  「通すわ」LP8000→6400

妖夢 「なら紫炎で追撃です! 人鬼、未来永劫斬!!」

文   LP6400→3900

妖夢 「(やった、これでライフも場も逆転! こっちが圧倒的に有利だわ)
    1枚伏せて、ターンを終了します」



妖夢  LP6900:手札0:紫炎、露払い、伏せ1
文  LP3900:手札1:黒い旋風、伏せ1



文  「あらあら、やってくれるじゃないの。たかがサムライが小賢しいわね」

妖夢 「ありがとうございます。これからも精進します」

文  「褒めてはいないんだけど。
    どうやらもう勝った気にでもなっているようね。口許が緩みっぱなしよ」

妖夢 「え、そうですかぁ~? それは失礼しました。
    勝利を目前に白い歯を見せるとは、武人にあるまじき行為です。うふふ」

文  「現金なサムライもいたものね。ドロー」

文  「BF、暁のシロッコを召喚」


《BF(ブラックフェザー)-暁(あかつき)のシロッコ/Blackwing - Sirocco the Dawn》 †
効果モンスター
星5/闇属性/鳥獣族/攻2000/守 900
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードはリリースなしで通常召喚する事ができる。
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する
「BF」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は、そのモンスター以外の
フィールド上に表側表示で存在する「BF」と名のついた
モンスターの攻撃力の合計分アップする。
この効果を発動するターン、選択したモンスター以外の
モンスターは攻撃する事ができない。


文  「暁のシロッコはサイドラと同じ条件の時、リリースなしで通常召喚できるわ。
    そして黒い旋風の効果発動。
    デッキから二枚目の蒼炎のシュラを持ってくるわ。
    さらにリバースカードオープン」

妖夢 「リバースカード? いいんですか? 
    紫炎がいる以上、あなたは1ターンに一度しか魔法・罠を使うことができないんですが」

文  「あなたに言われなくてもわかっているわ。これは血の代償よ」


《血(ち)の代償(だいしょう)/Ultimate Offering》 †
永続罠(準制限カード)
500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。
この効果は自分のメインフェイズ時及び
相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。


妖夢 「(げっ……代償とか)」

文  「このカードはライフを500払うごとに、召喚権を得る。
    500払い、手札の蒼炎のシュラを通常召喚よ。
    黒い旋風の効果で、黒槍のブラストを手札に加えるわ」LP3900→3400

文  「黒槍のブラストは場にBFがいれば特殊召喚できるけど、
    特殊召喚すると黒い旋風の効果は使えないから、また500払って通常召喚。
    よろしくて?」LP3400→2900


《BF(ブラックフェザー)-黒槍(くろやり)のブラスト/Blackwing - Bora the Spear》 †
効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1700/守 800
自分フィールド上に「BF-黒槍のブラスト」以外の
「BF」と名のついたモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。


妖夢 「…………まあ、はい」

文  「またまた黒い旋風で、デッキの極北のブリザードを手札に加えるわ。
    極北のブリザードを召喚」LP2900→2400


《BF(ブラックフェザー)-極北(きょくほく)のブリザード/Blackwing - Blizzard the Far North》 †
チューナー(効果モンスター)
星2/闇属性/鳥獣族/攻1300/守 0
このカードは特殊召喚できない。
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する
レベル4以下の「BF」と名の付いたモンスター1体を
表側守備表示で特殊召喚する事ができる。


文  「次は誘発効果ね。
    極北のブリザードが召喚に成功した時、墓地のレベル4以下のBFを守備で特殊召喚できる。
    疾風のゲイルを特殊召喚するわ」


場  BF-暁のシロッコ   攻撃力2000

   BF-蒼炎のシュラ   攻撃力1800

   BF-黒槍のブラスト   攻撃力1700

   BF-極北のブリザード   攻撃力1300

   BF-疾風のゲイル   攻撃力1300


妖夢 「……すみません。なんだかもう終わったくさいんですが……」

文  「そういわずに付き合いなさい。
    極北のブリザードにチェーンして、黒い旋風の効果発動よ。
    熱風のギブリを手札に加える。
    そしてゲイルの起動効果発動。紫炎の能力を半減させるわ」


    大将軍 紫炎   攻撃力1250


妖夢 「(ゲイルとか市ねばいいのに……)」

文  「そろそろシンクロタイムといきましょうか。
    極北のブリザードに、黒槍のブラストをチューニング。合計レベルは6よ。
    BF、アームズ・ウィングをシンクロ召喚!」


《BF(ブラックフェザー)-アームズ・ウィング/Blackwing Armed Wing》 †
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/鳥獣族/攻2300/守1000
「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは守備表示モンスターに攻撃する場合、
ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。


妖夢 「(うあ~、シンクロモンスターまで……)」

文  「もう一体いっちゃいましょうか。
    墓地の大旆のヴァーユの起動効果発動。
    ヴァーユは墓地にある時、同じく墓地のBFとともに除外することで、
    レベルの合計と等しいBFのシンクロモンスターを特殊召喚できるわ。
    能力は無効化されるけどね」

文  「墓地のヴァーユ、アーマード・ウィングを除外。
    よってレベル8のシンクロモンスターを特殊召喚できる。
    ……吹き荒べ嵐よ! BF、孤高のシルバー・ウィンド!!」


《BF(ブラックフェザー)-孤高(ここう)のシルバー・ウィンド/Blackwing - Silverwind the Ascendant》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/鳥獣族/攻2800/守2000
「BF」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
フィールド上に表側表示で存在する、
このカードの攻撃力よりも低い守備力を持つ
モンスターを2体まで選択して破壊する事ができる。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行う事ができない。
また、相手のターンに1度だけ、
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に存在する「BF」と名のついたモンスターは戦闘では破壊されない。


場  BF-孤高のシルバー・ウィンド   攻撃力2800

   BF-アームズ・ウィング   攻撃力2300

   BF-暁のシロッコ   攻撃力2000

   BF-蒼炎のシュラ   攻撃力1800

   BF-疾風のゲイル   攻撃力1300


妖夢 「(ポカーン……)」

文  「こんなもんかしら。
    じゃ、バトルフェイズね。
    孤高のシルバー・ウィンドで、六武衆の露払いを攻撃」

妖夢 「う~ん、これは破壊されます」LP6900→5700

文  「続いて、暁のシロッコで紫炎を破壊」

妖夢 「(うう、でもまだこの伏せカードでなんとかできれば……)」LP5700→4950

文  「年貢の納め時ってやつね。
    さあ総攻撃よ。納めなさい年貢を! 
    アームズ・ウィングでダイレクトアタック!」

妖夢 「まだです! トラップカード、究極・背水の陣を発動!!」


《究極(きゅうきょく)・背水(はいすい)の陣(じん)/Backs to the Wall》 †
通常罠
自分のライフポイントが100ポイントになるようにライフポイントを払って発動する。
自分の墓地に存在する「六武衆」と名のついたモンスターを
自分フィールド上に可能な限り特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
ただし、フィールド上に存在する同名カードは特殊召喚できない。


妖夢 「ライフを100にして、墓地の六武衆を可能な限り特殊召喚します。
    六武衆イロウ、六武衆ニサシ、六武衆の師範、六武衆の露払いを
    守備で特殊召喚です!」LP4950→100

妖夢 「(ふう、これでなんとか……)」

文  「ふっ、お馬鹿さん。
    アームズ・ウィングには貫通効果があるのよ」

妖夢 「……えっ? あああああああ!」

文  「ついでに攻撃力も上昇して2800。
    六武衆の師範に攻撃! 鴉符、暗夜のデイメア!!」

妖夢 「\(^o^)/」LP100→0

文  「ふん、ひよっこが。
    こんなデュエル、他愛無くて記事にするまでもないわ」

妖夢 「うう……あっさり負けた。
    だからやる事が汚いのなんのって……」

文  「さぁてなんのことやら。
    ゴヨウやらトリシュやら出てこないだけマシでしょ。
    さ、子供はとっととお家に帰りなさい」

妖夢 「ライフを半分減らせたんだから、具材も半分いただけませんか?」

文  「とっとと帰れ」

妖夢 「はぁ~あ。
    せっかく遠路はるばるこんなクソ辺鄙なところまで来たのに……」

文  「ああそうだ。勝ったのはわたしだから、約束は守ってよね。
    何かネタが見つかったら、即刻知らせにくるのよ。即刻」

妖夢 「はぁ~あ」

文  「……だいたいあなた、何が目的で鍋の具なんか集めてるのよ?」

妖夢 「まあ、先ほども言ったように上の命令ですよ。
    思いつきとも言いますが」

文  「駄目ね。要は、ただ鍋が食べたいってだけなんでしょ? 
    そんなものが記事にできると思ってるの? 却下」

妖夢 「思ってないですし、記事にしろとも頼んでないので
    勝手にこき落とされても困るんですが。
    まあいいや。ハァ、次どこに行こうかな~」

文  「神社でいいじゃない」

妖夢 「神社? ひょっとして、博麗神社ですか?」

文  「そう、博麗神社」

妖夢 「うーん、どうなんでしょうねぇ。
    巫女のあの普段のひもじい生活からして、
    食料の備蓄はとても期待できそうにないんですが」

文  「ま、それもそうね。わたしの知ったことじゃないけど」

妖夢 「まあいいや。もし神社に行って何も無かったら、
    またこちらにお邪魔しますので、よろしくお願いします」

文  「(……水を入れたペットボトルでも置いておこうかしら)」





















                       ・・・・・・To be continued
 毎度どうも。金曜ロードショーでラピュタを見るたびに号泣してしまうクラミ痔あです。
 第四話、お読みいただきありがとうございました~。


 お相手は射命丸さん。今回はかねて要望もあった、BFを駆っての登場です。
 もともと風属性・鳥獣族を使っていた文ちゃんですが、やっぱり鴉天狗の彼女にはBFの方が断然しっくりきますね。

 BFに関しては言うことはありませんね。現環境でもガチの部類に入るほど強力なデッキです。
 文ちゃんのこのデッキは純粋なBFですが、それでもデッキとしては幻想郷のみんなが使う中ではトップクラスに強いです。強すぎて普段は誰も対戦してくれないそうですが;

 妖夢はいつもの六武衆。しかしさすがに分が悪い^^;
 ということで、今回は普通に負けてしまいました。主人公だからといって、勝つと決めてかかってしまうのもアレですので……負けても命をとられるわけじゃないし、読み手側の先入観を排除する意味でも、たまには黒星もありなんじゃないかなと思います。
 決着がわずか4ターンというのは些か短く、中身の薄い内容だったかもしれませんが……お互い速攻系のデッキですので、ある意味で現実でもよくある光景といえるかもしれませんw


 それにしても、イライラしている文ちゃんが大好きな自分はドMでしょうか……。
 今回のような短いデュエルの回は、短い分、なるべく間を空けずに投稿していきたいと思います。遅くても一週間以内に次回を投稿するつもりです。
 その次回は博麗神社へ。ではまた~ ノシ
クラミ痔あ
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
曲での例え方www
今回も面白かったです!
2.名前が無い程度の能力削除
妖夢が再び六武衆を使ってくれて登場から六武衆を使い続けていた自分としては最高の話でした。

気になったことなのですが、先攻1ターン目の妖夢の場のモンスターがイロウではなくザンジになっていませんか?
3.名前が無い程度の能力削除
ヴァーユは一体としか墓地から除外してシンクロできませんよ
アーマード・ウイングと除外したことにすれば大丈夫だと思いますが…
4.名前が無い程度の能力削除
ゲイルとかマジ氏ねよ……。
あれのせいで、私のホルスは……ホルスは……うがーーーー!!!!

ホント、あの効果に攻撃力、チューナー、挙げ句にレアリティはノーマルと来た。どんなバグだと。
ゲイルとかマジ市ねよ。


誤字の報告で。
アームズウィングのシンクロ素材がゲイルとブラストになってますが、ブリザードとブラストかと思われます。
5.名前が無い程度の能力削除
ダメステでの処理について。
収縮にチェーンして、誘発即時のカルートを発動した場合、カルート適用したあと、収縮の効果で、元々の攻撃力の半分になるわけですが、今回のこれは、チェーンして発動したわけではないんですよね?
両方ダメステでの発動と宣言されてますが、チェーンせずに発動タイミングをズラすことって可能なんですか?計算直前に発動って、収縮の発動タイミングとは違うのですか?
6.クラミ痔あ削除
皆さんコメントありがとうございます~。
特に言及が必要なものを中心に返信させていただきます。

>>2>>3>>4
指摘いただいた部分を修正させていただきました~。
短い話なのに、結構間違えてましたねorz
精進します。

ゲイルはとっとと禁止に逝くべき(キリッ

>>5
ダメージステップにもいくつかの段階があり、収縮とカルートでは発動できる段階の範囲が違います。
この場合は、仰るとおりそれぞれ発動タイミングが違います。二つはチェーンされておらず、収縮はダメージステップ開始後、カルートはその後のダメージ計算の直前に発動しているため、収縮の処理が完全に終わった後にカルートの処理がなされています。
収縮などのクイックエフェクトは、この『ダメージ計算直前』というタイミングには発動できないため、オネストやカルートとかち合った場合ほぼ確実に負けてしまいます。

詳しくは、遊戯王カードWikiの『ダメージステップ』の項目を参照していただけると助かります。
このややこしい裁定のおかげで、オネスト登場後収縮の投入率が大幅に下落してしまいましたw