「もうすぐ4年経つな…。」
薄暗い店内で一人、森近霖之助が壁にかかっているある物を見ながら呟く。
ここは香霖堂、名品珍品骨董品からガラクタやいわゆる外の世界からの物等々、様々な物が集まる場所。
彼の視線の先にはハンガーに掛けられた3枚の半袖の青い服を見ていた。
その服の名称はユニフォーム。
選ばれた者しか着る事の許されない、頂点を目指し戦う為の服。
その服は青を基調としているものの、それぞれ微妙にデザインが違っていた。
一つは袖の部分に炎をあしらった文様と胸の部分に数字が、一つには袖の部分に白のラインと山の輪郭を模した様な赤いラインが、一つは前面に流れる水の様な水色のラインが描かれていた。
ただし、共通する特徴として、左胸の部分に縦長の五角形を模した形の中に、黄赤黄の色が等間隔に縦に塗られ、そこには黒い三本足の鳥がボールを持っている。
恐らくこれは八咫烏をモチーフにしたものだろう。
そしてそれぞれ数字が振られ、最初の物には9が、次の物には5が、最後の物には7が付けられていた。
数字の意図は掴めないが、恐らく何かのナンバリングだと推測が出来る。
これらの店に掛けられた3枚の服は12年前に突如現れた。
幻想郷では見た事の無い代物なので、恐らく外の世界の物だと判断できた。
ただ奇妙な事に、最初に現れた服の4年後にまた同じ様な服が、そして4年後にまたもこの服が現れ、実に4年毎にこの服はやってくるのだ。
道具を扱う店を持つと同時に、道具の名と用途が分かる能力を持つ自分には、その道具に籠められた想いという物がある程度伝わってくる。
これらの3枚の服には、9の数字の服には歓喜が、5の数字の服には高みへの希望が、7の数字の服には悔しさと無念が感じ取られた。
僕はこの大きな想いが籠められた、真っ青なこの服が気に入っている。
良い想いが籠められた道具という物は、古来より良い道具だと相場が決まっている。
もちろんこの店の非売品だ。
前にこの服を拾って約4年が経つ。
もし今までの法則に当て嵌めるとすれば、今年もまたあの青い服が現れるだろうと思っている。
いつしか僕はこの服がやってくるのが楽しみで仕方ない。
今度はどんなデザインが描かれ、どんな想いが籠められてくるのだろうか。
壁に掛かれた3枚のユニフォームに目をやりながら、やってくるであろう新たなユニフォームに思い馳せていた。
よく頑張ったよ。
日本代表に拍手
PKを外した駒野が自分と同じ中学出身なので、心苦しい(涙)
でも監督も某選手も幻想郷入りはまだ早い、自信を持って続投して欲しいね