※ この話は、作品集52『巫女さんだって恋をする』等の設定を引き継いでおりますので、ご注意ください。
『愛しています、霊夢さん。』
よく晴れた空の下、境内を箒で掃く霊夢さんの背中に向かって私はそう呟きました。
それは本当に小さな声。だけど確かに空気を震わせたその声は、風に乗ってどうにか霊夢さんに届いた見たいです。
「……? 今なんか言った、早苗?」
振り向いた霊夢さんは何だか不思議そうな顔をしています。
その顔に思わず私はクスっと笑ってしまいました。
「……何でもないですよ、霊夢さん。」
だけど私はとぼけて見せて。
ごめんなさい……試すようなまねをして。
「なんなのよぉ……」なんてぼやく霊夢さんの背中に今度は心の中で謝りました。
だって、どうしても確かめたかったから……。
私の気持ちは何時まで貴女に伝わるのだろうって……何時まで、受け止めてくれるのだろうって。
時々そんなことを思います。
私は……何時までも、貴女を愛しています。
おばさんになっても、お婆ちゃんになっても……ずっとずっと、貴女の傍に居たいと思っています。
霊夢さんはどうですか……?
貴女はこの私が醜く老いていく姿を見守っていてくれますか?
そんなこと……怖くて聞けないけど、きっとそうだって信じています。
「なんつう面してんのよ、アンタは。」
「痛いっ! ほ、箒でぶたないで下さいよぉ……。」
気が付いたらすぐ目の前に霊夢さんが立っていました。
叩かれてちょっぴりヒリヒリする頭を擦りながら霊夢さんの顔を覗くとなんだかしかめっ面をしています。
一体なにをそんなに怒っているんでしょうか……?
「全く……いらない心配はしなくて良いの!」
「…………え?」
ぷいっとそっぽを向きながらそんな事を言ってのける霊夢さん。
驚いた私は、ほんのり頬を紅くした霊夢さんから目を逸らす事ができませんでした。
まさか本当に私の気持ちが伝わったんでしょうか?
「やっぱり……霊夢さんには敵いませんね。なんでもお見通しみたいですから。」
そんな事を言いながら内心では嬉しくて仕方ありませんでした。
私のことなら何でも分かってくれているような……そんな風に感じられたから。
だけど霊夢さんは首を横に振りました。
「……分かるわけないでしょ。私はアンタじゃないんだから。」
「で、でも……! それじゃあどうして……?」
「だからその面よ。そんな顔してたら誰だって気付くでしょうが……。」
「あっ……。」
そっか……私、顔に出てたんだ……。
一瞬でも惚けてしまった自分が恥ずかしくて。
とても霊夢さんの顔を直視できず、私は顔を俯かせました。
「顔を上げなさい、早苗……。」
「…………はい。」
だけど霊夢さんはそんな私を見逃してはくれないみたい。
顔を上げろと言うので、それに従っておずおずと私は顔を上げ始めました。
ちらっちらっと、霊夢さんの表情を窺いながらゆっくりと……。
すると霊夢さんはそれをじれったく思ったのか、急に私の顎を掴んで無理やり顔を上げさせました。
ちゅっ。
顔が上がりきると同時に私の目に映ったのは、霊夢さんの長い睫毛でした。
瞳を閉じている霊夢さんを見て、それから初めて自分がキスされていることに気が付いて……。
私も瞳を閉じようかと思った時には既に霊夢さんはことを終えて顔を離していました。
「たとえ分かんなくても、アンタが心配することなんて何も無いのよ。だってこの私がずっと愛し──そ、傍に居るんだからっ!」
言い終えると、またまたそっぽを向いてしまう霊夢さん。
そんなことしても頬が紅くなっているのがまる分かりなんですけどね。
「……霊夢さん!」
そんな意外とシャイで、だけど誰もよりも強くて優しい貴女に私は改めて惚れ直しました!
もう心配に思うことなんてしません……嫌だと言っても、貴女に一生ついて行くと決めたのですから!
「な、何よ……?」
だからもう心配要りませんよ、霊夢さん。
貴女の早苗は、今日も……そしてこれからも元気いっぱいです!
だって、貴女が傍に居てくれると言ってくれたから。
何時も何だかんだ言って霊夢さんは私の望む答えをズバリ当ててしまうんです。
これはもう奇跡ですよね?
「さっきの不意打ちはズルイです! だから……もう一度、キス……しません?」
だからこの奇跡に精一杯の感謝を。
「……全く……仕方ないわね、アンタは。」
「へへへっ///」
キスをしながら私は強く願いました。
どうかこの奇跡が一瞬でも永く続きますように……と。
流石ちゅっちゅの人ですね
流石ちゅっちゅの人だ!
レイサナ。なぜ貴方はレイサナを書きたくなるか?
それは「時々野菜を食べなきゃなー」と本能的に思うかのようにそれは貴方にとって必須だからなのです。
そう、レイサナを時々摂取しなければ貴方は死んでしまうのです!
私も同じ症状のようですので貴方に一生ついて行きます。