この話は「あの世って思っていたより華やかなのね。もっと白玉みたいなのが浮いていると思っていたけれど、熱烈歓迎の花束が浮いているとは思わなかったわ 」の続きとなっています。
そちらから読んでいただくことをお勧めします。
「ただいまぁ~……あれ、雛ねちゃったのかな? せっかくベッドを背負って持ってきた……の、に?」
「すーすー」
「むにゃむにゃ……ひなぁ……あたたかい」
「えぇっと……こっちの大きな山は、雛。で、こっちの控え目な山は……ま、まさか雛!」
「ん……あ、おはようにとり。帰っていたのね」
「雛! この子は、この子はまさか!」
「え? メディがどうかしきゃぁぁぁぁああああ」
「ついに私たちの子供ができたんだね! 愛の結晶が! ひゃっほぅでかしたよ雛! これで跡取りは……」
「ちちちちががががが、ちがうちがう、だぁ! いきなり抱きつかれたら苦しいわ!」
「ご、ごめん。でも違うってどういうことさ。じゃぁこの私と雛の間に挟まれて、気を失っている子はなんなのさ」
「きゅ~……」
「名前はメディスン。で、えーっと、うーん……可愛いペット?」
「ペットかぁ。じゃぁかわいがってあげないと……そぉい!!」
「きゃぁあメディが窓の外へ放り投げられたわ! しかもたまたま外を飛んでいた白黒魔法使いの箒に引っかかって、魔理沙なんで気がつかないのよ!」
「ペットがほしいなら言ってくれたらいいのに。そ、それなら……」
「顔を赤らめない、何を妄想しているのか分かるけど、まずは……メディにあやまってきなさぁぁぁい!!」
「うおわぁぁぁぁなんか体に絡みついて、そのひらひらのリボン自由にうごくのぉおおおううぅぅおおぉぉ!!?」
< 霊魂って白玉っぽいわよね。練ったらウドンにならないかな。ちょっくら捕まえて今晩の夕飯にしよう。ではさっそく……うわ弾けた!? >
~あらすじ~
霊夢がめーりんに首をきゅーっとされて死にました。
「ねぇ、そこの死神」
「小町。 あたいの名前、いい加減に覚えてほしいものだね」
「おっぱいの大きい奴は、みんな牛に見えるのよ」
「一度眼科に行くことをお勧めするよっと、着いたよ、ここさ」
霊夢と小町の前に飛びえ立つ、大きな門。
それが閻魔である、四季映姫・ヤマザナドゥの仕事場への入り口だった。
真赤な扉に金の装飾。
物々しい雰囲気に、霊夢も少し緊張しているようだ。
「四季さま~入りますよー?」
小町が中にいるであろう映姫に声をかける。
中で絶賛お仕事中かもしれないのに、まったくもって考えてもいない小町ブレイン。
返事も聞かずに、門を開けてしまいました。
ギギギと音を鳴らしながら、両手で押して開く。
そして人一人分が通れるほど開いたとき、目の前にパンツがあった。
そう、ドロワーズでなくパンツ。おふぁんつとも言う。
ピンクと白の縞模様が、これでもかというくらいにアップに。
そして次の瞬間。扉が、逆向けに開いた。
「ええ」
「し、四季様!? ぐほぉ!」
「うわっ!」
霊夢と小町が扉ごと吹き飛ぶこと、50メートル。
顔面での着地までの時間、1.8秒。
時速は、「みはじ」又は「はじき」で計算してね♪
「いっちちち。四季様~いきなり蹴りだなんて、ひどいじゃないですか」
「黙りなさい! 言葉で言っても分かってないから、肉体言語で分からせてあげたまでです。小町、貴方は黒であると!」
「まぁ今日は黒ですけど、四季様はピンクと白の縞模様で、可愛いで痛っ! 永○園が額にささるぅ!」
「まったく貴方は反省しないのですね。一度二人っきりで話し合いましょうか」
頭に永谷○が刺さること、残陰陽玉半分くらい。
小町は満身創痍な中、なんとか声を出した。
「それはそれで楽しみですが、今日は四季様のために、スペシャルゲストを呼んできたのですよ」
「スペシャルゲスト? また仕事をさぼって、ですか?」
「あ、いや、その……」
鋭い目つきに射抜かれる小町ハート。
どうでもいいけれど小野小町は黒髪ロングな美人だ。
名前のない程度の能力の歴史力が1上がった!
「はぁ……お説教はまた後日にしましょう。そのスペシャルゲストさんを待たせてはいけませんからね。して、その方は?」
「あれ? さっきまで一緒に……まさか吹き飛んだ門の下敷きに!?」
「なっ! すぐに助けなさい!」
「そ、そんなこと言われてもこの門、重たくて、おい霊夢、生きてるか!? いや死んでるか。でもえーっとこんな時どう声をかけたらいいんですかね?」
「れ、れれれ霊夢さん!?」
なぜか驚いた顔をして、戸惑いだす閻魔様。
必死に門を持ち上げようとするが、小町の腕ではまったく動く気配すらなかった。
「四季様無理です。あたいのか弱い細腕ではびくともしません」
「小町、スペシャルゲストは霊夢さ、こほん。霊夢なのですね?」
「え? はい。前の沢山の霊魂いらっしゃい異変の時、霊夢のマッサージが最高だったとおっしゃられてましたので、最近なにかと疲れ気味の四季様にと」
「小町」
「なんでしょう?」
「ぐっじょぶ!」
片目を瞑り、右手の親指を立てて小町へとほほ笑む閻魔様。
お姉さまの香り漂うその風貌が、一遍に子供っぽいものとなった気がした。
「そうと分かれば……えいきっきスーパー必殺! いきますよ、○翼崩天刃!」
まるで某格闘ゲームのハ○マさんが使うような技を、門へと放った。
大きく踏み込んで体をひねりつつ、大きく股を開いて、蹴り上げをくり出す技なのだ!
縞模様はジャスティス。
ズズン!
あっけなく吹き飛ばされた門の下には……真赤な血に染まり、頭はくだけ、上半身と下半身が泣き別れになった霊夢が……いなかった。
代わりに、真白なウドンの生地になった霊夢らしきものがあった。
うにょーんとしてて、とってもおいしそう♪
「霊夢さん!? 小町すぐに緊急オペの用意を!」
「ラジャー! 救急チーム、すぐにまな板と麺包丁の用意を! あと出汁はかつおだしで」
「ちーがーうー! ちーがーいーまーすー! もういい、私が、じ、じじじじ人工呼吸で……」
「やだなー。どこが口か分からないじゃないですか。それに霊夢さん死んでるのに、人工呼吸しても意味ないですよ?」
「はえ? 死んでる? きゃぁぁ霊夢さん死んじゃだめです~~! そうだ、新しい体に詰め込んだらあるいは助かるかもしれません。小町、すぐに新しい……」
「はい、新しい顔です。餡はいつもの2倍ですよ」
ここぞとばかりに、真っ赤なほっぺの顔を取り出すこまっちゃん。
どこから取り出したとか、聞いてはいけません。
「ちーがーうー! ちーがーいーまーすー! あ、こら投げようとしない!」
「ジョークですよジョーク。ところで、潰れた霊魂はたしか、空気を吹き込めば治るはずですよね?」
「!! ぐっじょぶ小町! ではさっそく吹き込みましょう。口はどのあたりかしら」
「あくまで口なんですね……たぶんこのあたりだと思いますよ?」
なんかそれっぽいところを適当に指さし、ぷにぷにと押してみる。
そうすると、ビクンビクンと霊夢だったものが震えた。
どうやらなんとか生きているようだ。死んでるけど。
「こ、ここですね。では……」
映姫は妙にムードを醸し出して、唇をそっと霊夢に触れさせる。
触れた瞬間、霊夢が大きく跳ねたが、そのあとは小さく震えるだけだった。
「ん……ふーふー」
風船を膨らませるように息を吹き込む。
少しづつ、元の形が形成されていく。
「ふーふー!」
真っ赤な顔で、酸欠になりながらもがんばる映姫を、小町はただ見守り続けるしかなかった。
でもお腹はすいていたので、さっきのあんパンを美味しそうに食べ始めた。
「ふーふー! ぷはぁ!」
「う、んぁ、ちょ、あんた、どこに口づけて、こ、こらぁ~」
「もうちょっとで、もうちょっとで霊夢さんが元通りに」
「治った、もう治ったからいいから、口を放せこの変態閻魔!」
「だ、だれが変態ですか! って、あれ? なんで顔が"そっち"にあるんですか?」
映姫が視線を向けた先には、霊夢のお腹があった。さらにその先に顔があった。
そして目の前の視線を戻すと、ドロワーズに隠されていたデルタゾーンがあった。
「き、きゃぁぁぁあああ!!」
「悲鳴は私があげたいくらいよ!」
お互いに顔を噴火させ、大声をあげる。
どうやら霊夢は無事に元気みたいだ。
「ど、どどどどうして、小町! ここが口だって言ってたじゃないですか!」
「もぐもぐ、ほみ? いや、ほら、そこも口じゃないですか。下の」
「お下品禁止です! 黒!真っ黒!」
○谷園を大量に小町へと放つが、おおきなあんパンによって防がれた。
便利なシールドだ。
(ひゅ~……)
「はぁはぁ……こ、こまち。後で24時間耐久説教ですからね」
「うぇ~。霊夢、助けておくれよ」
「めんどくさい。それよりも私は当初の目的を……」
(ひゅ~……)
「そうですね。小町がサボってくれたおかげで、今は時間ありますし」
「そうそう、私はいつでも四季様のことを考えて、さぼっているのさ」
「そのおかげで、心労と書類整理が溜まっていますが、今は見なかったことにしましょう。ところでなんの音です?」
(ひゅ~……)
「あれじゃないですか? ほら、さっき四季様が打ち上げた門。あれが落ちてくるとか」
「あぁなるほど……え、えぇっと……霊夢さん逃げてぇぇぇ!」
「は? 何が、ってうわぁぁぁまたこれ!?」
ドズゴーーーン!!
「霊夢さぁあぁあん! しっかり、しっかりしてください!」
「あっはっは、これはもう無理かなーあははは!」
「笑ってないで小町も手伝いなさい!」
「うぇいー。せーの、ふーー!!」
「ふーー!!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はっ!」
霊夢は目を覚ました。
まずは3秒確認。
ここどこ?
ここは紅魔館、きっとめーりんの部屋。
今は何時?
今は、時計を見る限り、夜中の2時。
ドロワーズは?
穿いている。
よし。
「ゆ、ゆめかぁ……」
「ん……どうしました霊夢さん?」
「あ、ごめん起しちゃったわね」
霊夢の横から出てきたのは、裸の美鈴だ。
「それにしても、なんか長い夢を見ていた気がするわ」
「夢、ですか?」
「そう。あんたに殺されて、冥界でもひどい目にあう夢」
「あははー。霊夢さんは死にませんし、ましてや殺しませんよ。だって私が守りますから」
にこやかに、やさしい笑顔を向ける。
その言葉と笑顔に、霊夢もどぎまぎしてしまった。
「ば、ばか。そんな恥ずかしいことを、裸で言うんじゃないわよ……裸?」
「いやー今日は熱帯夜じゃないですか。それで暑くて暑くて」
「それで、どうして私の布団の中にいるのかしら?」
「え? あ、本当だ。どうやら寝ぼけてたみたいですねーあははー」
笑ってごまかす門番長。
それに対して、笑って返す博霊の巫女。
もちろん、針付きで。
「痛い、頭頂部に針はだめですよ!」
「うっさい! これで少しは馬鹿も治るでしょ」
「うぅ、そのツボはそこからあと2mm右ですよ~……」
針を引き抜いて、懐に戻す。
きっと枕がすごいことになっているだろう。
朝には黒くなっているはずだ。
「ん~? どのへんよ? ちょっと私の頭を押してみて」
「えっとですね、ここです」
「ふーん。そこか。おーけー覚えたわ」
「どういたしまして。これで霊夢さんも少し賢くなりましたか?」
「……さっそく試してみましょうか」
「あわわわ、ご、ごめんなさい~~」
泣いて霊夢の胸に顔をうずめる。
まるで子供みたいに。
「……よ」
「え?」
「どうやら、効いてないみたいよ」
「そ、そうなんですか?」
「だって、私もやっぱり、馬鹿みたいだし、ね?」
「ほえ?」
何を言っているのか分からないという眼が、霊夢の目の前にある。
涙でうるんだその瞳を、霊夢は頭ごと抱き寄せて、言った。
「今日は、一緒に寝てもいいって言ってるの……馬鹿」
「あ……霊夢さん……はぃ」
今日は熱帯夜。
暑いけれど、温かい。そんな夜になりそうで。
薄れ行く意識の中、霊夢は思った。
「(明日、冥界に行ってこよう)」
あと縞模様はジャスティス!
閻魔様は純情フォーエバーな存在だと思うんだ
でも怪力おねーさん
>縞模様はジャスティス!
イチゴか無地の白か迷ったのですが、目をつむったら見えたのは縞模様だった!
文字の大きさでの表現がすっごい距離感出てて笑いました。
以下重箱の隅を封魔針で…。
>ましては殺しませんよ
→「ましてや」でしょうか?
「は」での使用初めて見たので間違ってたらごめんなさい…。
>ぜぜぜぜ善業
→「善行」でしょうか?
誤字情報ありがとうございます!
えいきさまかわいいよえいきさま
レイえいまだかなー