Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

巫女と烏とカラスの話

2010/06/20 22:56:42
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「文……あやぁ……」
柄にもなく泣きじゃくる博麗の巫女。
その目の前には鴉天狗が一羽、地面に横たわっている。
すでに、息をしていない。

「あんた言ったじゃない……妖怪は、人間より、はるかに、長く、生きるって!!
私が死ぬのを見届けて、大泣きして、立派なお墓を建ててくれるって!!
…………言ったじゃないの……」
途切れ途切れに訴えかける。返答は、無い。
「あやの……うそつきぃ……」
しばらくの間は泣きやみそうもない。

なぜ烏天狗は死んだのか、なぜ死ななければならなかったのか。
その理由が何であろうと、巫女につきつけられた事実はただ一つ。
彼女の最愛の人が、死んでしまったということ。ただそれだけである。



それからの数日間、巫女は部屋にこもった。
泣き続けた。
あたかも泣くことしかできないかのように、泣き続けた。
季節は秋。
境内には落ち葉が積もり積もっている。

「おい霊夢、いつまで泣いてるんだよ」
「……ヒック……ヒック…」
「そろそろいつものように掃除とかしないとさ、神社が落ち葉に埋まっちまうぜ?」
「……ヒック……ヒック…」
「……まいったな。聞く耳も持たねえや。」

(にゅるん)

「ね。ホントどうしたものかしら。ゆかりん困っちゃった」
「うぉっ!?スキマ!!」
「おいそこの黒白。どこの誰がスキマババァだって?」
「いや私はババァとは一言も
「ほぅ。自ら死にに来るか……」
…って今の!?ちょ、そんな理不尽なぁぁぁぁ!?」
黒白はスキマ送りにされました。
「ふぅ。まったく……。」
「……ヒック……ヒック…」
「すぐ横でこれだけ騒いでもなんのリアクションも示さず、ただ泣き続けるのみ、か……」
「……ヒック……ヒック…」
「霊夢、もう泣くのはよしなさい。」
「……ヒック……ヒック…」
「少なくともあの天狗は、あなたが泣き続けることなど望んでもいないはずよ?」
「…ヒック………………」
「……ふぅ。ようやく泣きやんだのね?じゃあ早くいつものように…
「文……あや……」
…え?」

「あーあ。やっちまったねぇ、紫」
「……萃香。何が起こってるの?説明してくれる?」
「あや……文……」
「今の霊夢に少しでも文を連想させる言葉を聞かせてしまうと……」
「あやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「!?」
「暴走しちまうってこった」
「何そのオリジナリティーあふれる設定!?」
「あんたが原因なんだから始末は自分でつけてねー。ではでは~」
「あ、ちょ、待ちなさい!」
にゃははは~と笑いながら、萃香は天界へと消えていった。

「くっ……こうなったらスキマから連れ戻……いや、まずは霊夢を止めるのが先決…」
「文……あや…あや…文、あや、あや文文あや文あやあやあや文!!!!!」
「……なんか止められる気がしないんですけど!!!」
「あやぁぁぁーーーーっ!!」
『八重結界』
「へ!?ちょ、霊夢あなたどこにそんな力を!?」
八重結界、展開。ついでに 無題「楽園の素敵な巫女」も同時発動しちゃったりなんかしちゃって。
「え、ちょ、こんなん無r(ピチューン」
ムチャシヤガッテ…
「あや……あ……や……(バタッ」

しばらくして萃香が戻ってみると、「あや……あや……」と泣き崩れている霊夢と、あきらかにオーバーキルされた感じの紫が境内に転がっていた。
とりあえず2人を部屋に運ぶ。しかし運んでいる途中で紫は早くも目を覚まし、スキマに消えていった。
さすが妖怪の賢者。回復力ぱねぇっす。
霊夢を布団に寝かせ、部屋を出る。
今のところ、打開策は皆無である。
「さて、どうしたもんかねぇ……」
巫女は、まだ泣きやまない。



朝、目が覚める。枕がびしょびしょに濡れている。
今まで泣いたことなどほとんどなかった。ここ数日で一生分は泣いてしまっただろう。
それもこれも全部文のせいだ。
文が自分をおいていってしまったせいだ。
文が……文……あや……
「あやぁぁぁっ!!……ヒック……ヒック…」

こうして今日も巫女は泣く。
彼女の最愛の故人(ひと)を想って。
今日もただひたすらに泣き続けるのだ。


と、思われたのだが。

「カァ」
「!?」
突然のカラスの鳴き声。
すぐに起き上がって横に目をやると、どこから入りこんだのか、カラスが一匹。ちょこんと居座っていた。
「ふん……何よ。ただのカラス風情が私に近寄らないで」

それは霊夢がここ数日で発した初めてのまともな言葉だった。
当然本人はそんなことを気にもかけていない。

「カァ」
「な……なによ。近寄らないでって言ってる……でしょ……」
なぜか霊夢にすり寄るカラス。通常ではありえないことだ。
烏天狗と仲がいいと普通のカラスにも好かれるのだろうか。

「カァ」
「…………」
自分の周りをくるくる回っている。その様子が文を思い出させ、また泣きたくなってくる。
が、自分にすり寄ってくるカラスを眺めていると、不思議と心が落ち着いた。
それにしても本当によくなつかれているようだ。
そう思うと邪険に扱う気にもなれず、かと言って構う気にもなれず。
とりあえずそのまま眺めておく。
すると、
ガラッ
「れい……む……?」
「……萃香?入るときは声くらいかけなさいよ……」
「いや……起きてるとは思わなかったから……。もう、だい、じょうぶ、なの?」
「……うん。だいぶ落ち着いた。心配かけたわね。ごめんなさい」
「……っ!霊夢ぅぅっ!」
「きゃっ!?……もう。いきなり抱きついてこないでよ……」
「だって……ホントに……心配……グスッ……」
「……ふふ。ありがと」
「カァ」
(……さて、掃除して、魔理沙と紫にも謝っとかないと、ね。)

こうして神社に日常が戻ってきた。
巫女の胸はまだ痛む時もあるが、もうふさぎ込んだりはしないだろう。
彼女の心を救った一羽のカラスとともに、再び、人生を歩み始めた。





「……ふふ。どうやらうまくいったみたいね。でももう少し、あの子のそばにいてあげてちょうだい。給料4割増しにしてあげるから、ね。」
うん。初投稿なんだ。すまない。
改めて読み返すととてつもなく短いね。
ノートから打ち直すのにあんなに時間がかかったというのに……

そしてあやれいむとか言っときながら文一言もしゃべってないよ!
一言もしゃべらず死んじゃったよ!これホントにあやれいむ……?

文法とか変換ミスとかあったらズビズビ指摘してください。
つまらなかったらつまらないと言ってください。へこみますけど。

何気に続き執筆中。うpするのはだいぶ先だと思ふ。
ケトゥアン
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
評価に困ると言わざるを得ない! しかし続きには興味あります
なんで文ちゃんすぐしんでしまっとるん?
2.奇声を発する程度の能力削除
続きが凄く気になる!!!
何故文が死んだのかは次のお話でわかるのかな?
3.mthy削除
iPod touchに入れるためにコピペしてケトゥアンさんの名前を打ち込もうとしたら「けつ」あんになって吹いた。
うん、好きです。続きも楽しみにさせていただきます!
4.名前が無い程度の能力削除
小学生?
5.名前が無い程度の能力削除
評価のしようがない。ただ単に霊夢を狂わせたかっただけなのかね?
パクりも見受けられるしなあ。構成も稚拙で、先にあるコメントのように小学生と言われても仕方ないかな。
このままでは次回作にはとても期待できない。
6.ケトゥアン削除
1ヶ月たってますがコメ返しをば。

>>1さん
興味を持ってくださってありがとうございます!
初投稿がこんな問題作でごめんなさいw

>>奇声を発する程度の能力さん
そういってくださりとてもうれしいです。
死因……次のお話でもわからないとだけいっておきます(ちょ

>>mthyさん
こんな文章を気に入っていただけるとは……!
がんばって続き書きます!というかむしろがんばって打ちます!

>>4さん
デスヨネー。そう言われてもしょうがないです。
今改めて読み返してみると、幼稚といわざるを得ない文章に頭抱えますw

>>5さん
こういうインスピレーションが振ってきただけですw
パクリは意図的な受け狙いだったのですが……初心者がやるもんじゃないですね。反省。
うーん。次回作もっかい練り直してこようか(
7.オオガイ削除
私は楽しく読めましたよ。
あやれいむは良いものです。