※『雨の日の歴史』の設定を引き継いでます。多分この作品だけでも楽しんでいただけますが、そっちを見てからの方が楽しめると思います。
ではどうぞ。↓
◆◆◆
ある日の夕方、僕は人里に来ていた。先日霊夢と魔理沙に強襲され、お茶や茶菓子等を勝手に持っていかれた所為だ。
人里はどちらかと言えば苦手だ。人が多くて騒がしい。それに殆どの人が僕を嫌な目で見てくる。迫害されるのは幼い時に慣れたが、やはり悲しいものがある。
用は済ませた、早く帰ろう。そう思って足を速めると、後ろから声を掛けられた。
「霖之助?」
振り返るとそこには、先日風邪で倒れ家で僕が看病していた幼馴染の姿があった。
「慧音か、風邪はもういいのかい?」
「当たり前だ、そこまで貧弱じゃない。」
「どうかな。この前雷に怯えてたのは誰だ?」
「う……わ、忘れろ!」
「はいはい……。」
そこまで話してふと気がついた。
皆(子供は除く)が、僕と慧音を見ている。
それに目が、なんと言うか……ニヤニヤしている。何故だ?
「り、霖之助。」
「ん?」
呼ばれて振り返ると、慧音は何故か顔を赤くし、
「た、立ち話も何だし……、う、家に来るか?」
そう言った。
瞬間、十七ぐらいの青年が「うっひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁあ!!!」と奇声を上げた。
「う、五月蝿い!!!」
少年は、慧音の頭突きで宙に舞った。同年代の子供達七人が敬礼をしていた。
「ど、どうだ……?」
「あぁ、別に構わないよ。」
瞬間、十七ぐらいの青年七人が「イイィィィィィィィィイヤッッッフウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」と奇声を上げた。
「五月蝿いぞ、お前達!!!!!」
少年達は、慧音の連続頭突きで宙に舞った。誰も敬礼していない。仕方ない、僕が敬礼しておこう。
「じ、じゃあ行くか、霖之助。」
「あ、あぁ。」
少年達の頭が割れていないか気になったが、慧音を待たせてはいけないな。
そう思い、少し足早に慧音を追いかけた。
……後ろから「ひゃっほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」という奇声が聞こえたが、僕も慧音も聞こえないフリをした。
***
慧音に連れられて、僕は寺子屋の上にある家にやって来た。
「さて、茶を淹れてくる。適当な所に座って待っていてくれ。」
「あぁ、分かった。」
言って、慧音は勝手場に向かう。
「………………。」
緑茶独特の香りが広がった。漂ってきて、慧音が戻ってきた。
「ほら、霖之助。」
「ん、あぁ。」
手渡された茶を一口飲む。
「……美味しい。」
「そうか、よかった。」
そこで一度会話は途切れる。さっきまで話していた為か、無言の時間がむず痒い。これは言霊(ことだま)の力による物だろう。
そういえば、目には見えない言霊を操る神がいるという話を聞いた事がある。何でも集団で話している時に時々誰も話さなくなる時があるらしい。一説では言霊の神がそこを通った事によって起きる現象だと聞いたが、目に見えない以上定かではないか。それに……
「コラ、人がせっかく話しているのに無視するな。」
「ん?あぁ、すまない。」
「また考え事か?表面は大人しいのに、思考の面では忙しい奴だな……。」
「性分だからね、直し様がないよ……って、なんか前にも似たような話をした気がするな……」
「そうか?」
「あぁ。……あぁ、思い出した。誰かさんが風邪で寝込んで雷に怯えてた時だな。」
「う……、あれは忘れろ!」
「おや、誰も君の事とは言ってないんだが?」
「うっ……」
「フフッ……」
「笑うなぁ~~~!」
***
その後も昔の話等で盛り上がり、気がつくと夜になっていた。
「おや、もうこんな時間か。じゃあ慧音、僕は帰るよ。」
「あ、あぁ。」
「じゃあ……ッ!?」
凄い音が聞こえたので外を見ると、バケツをひっくり返したような雨が降っていた。
◆◆◆
「これでいいんですか?」
「「「「「「「「はい、早苗さん。」」」」」」」」
「でも何でこんな事を?」
「だって俺等、慧霖がジャスティスなんで。」
「え、じゃす……?」
◆◆◆
「すまない慧音、傘を貸してくれないかい?」
「傘か?……すまないが今傘はこの前妹紅に貸していてな……。」
「そうか……」
それじゃあ、走って帰るか……
「り、霖之助。」
「ん?」
「き、今日は夜も遅いし、この雨だ。……だから、泊まっていくか?」
「え……、いいのかい?」
「当たり前だ、私とお前の仲じゃないか。」
「ふむ……」
少し考え、
「じゃあ、一晩厄介になるよ。」
「ん!」
一晩慧音の所に泊まる事にした。
◆◆◆
「どうだ?」
「霖之助が中に戻っていく!」
「何!?じゃあ……」
「あぁ、お泊りフラグが実った!!!」
「「「「「「「「イイィィィィィィィィィィィィィィィィィイイヤッフウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!!」」」」」」」」
「……神奈子様、諏訪子様、私はこんな事してていいんでしょうか……?」
◆◆◆
「霖之助ー、出来たぞー!」
書斎で寺子屋の生徒が歴史の教科書として使っている慧音の手書き本を読んでいると、慧音が僕を呼んだ。どうやら夕飯が出来たらしい。
「あぁ、今行くよ。」
言って、慧音のいる居間へ向かった。
***
「さぁ、遠慮なく食ってくれ!」
「これは……凄いな。」
「霖之助に手料理を食わせるのは久しぶりだからな、張り切りすぎた!」
「胸を張って言う事じゃないね。……頂きます。」
「頂きます!」
先ずは味噌汁を口に含む。赤出汁の美味しい味噌汁だ。
「うん、美味しいよ。」
「本当か?それは何よりだ。」
「あぁ。これなら何時お嫁に行っても困らないな。」
「私が嫁?それはないぞ霖之助。」
「ほう、どうしてだい?」
「私はこの里と結婚してるようなものだからな。誰かに嫁ぐなんて事は、……今まで一度しかない。」
「ほう、ならその一度の人は随分な幸せ者だね。毎日こんな美味しい料理を食べれたかも知れないんだからな。」
「あぁ、まったく……幸せ者だよ、お前は。」
「うん?何か言ったかい?」
「な、何でもない。」
「そうかい?なら良いんだが……。」
「あ、あぁ……(あぁ、何で其処でもっと深く聞いてこないんだ霖の馬鹿ぁ!)」
◆◆◆
「……『あぁ、何で其処でもっと深く聞いてこないんだ霖の馬鹿ぁ!』……ですか。」
「け、慧音先生はそんな事を……!?」
「甘あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
「オラ、テンション上がってきたぞ!」
「「「「「「「「イイィィィィィィィィィィィィィィィィィイイヤッフウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!!」」」」」」」」
「……山の巫女、この前は妹が境内で暴れたみたいで……」
「あぁ、別にいいですよ。妹さんのお蔭で幻想郷のルールを一つ学びましたから。」
◆◆◆
「……なんだか隣が騒がしいな。」
「まぁ気にする程の事でもないだろう。さて、もう寝よう。」
「え?あ、あぁ……その……」
「どうしたんだい?」
「い、いや、実は、その……
来客用の布団が無くて……、一緒の布団で寝なくちゃならないんだ……。」
◆◆◆
「「「「「「「「!!?」」」」」」」」
「一緒の布団……だと……?」
「これは、流石の私も予想外ですよ……!」
「添い寝フラグktkr!これで勝つる!」
「「「「「「「「イイィィィィィィィィィィィィィィィィィイイヤッフウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!!」」」」」」」」
「……えーっと……」
「……古明地さん、飲みに行きましょうか……」
◆◆◆
「な……何だ?この隣の異様な騒がしさは?」
「大雨ではしゃいでるんだろう。お休み……。」
「あ、あぁ……。」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………(も、もう寝たのか?)り、霖……」
「ん~~~~……」
「うわっ……!」
「………………」
(お、重い……!)「り、霖……」
「………………」
「う………………」
「………………」
(……コイツ、顔は良いんだよなぁ……)
「………………」
「………………ふふっ、そうだ……」
チュッ☆
「………………」
「……(これくらいなら……いいよな?)」
◆◆◆
「「「「「「「「!!?」」」」」」」」
「き、キス……だと……!?」
「せんせーってば、ダイタン!」
「でも乙女だから寝込みを襲うようなマネはしないんだ!けーねてんてー乙女!」
「「「「「「「「イイィィィィィィィィィィィィィィィィィイイヤッフウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!!」」」」」」」」
~~~
「あぁ……、どうすればこいしを食べれるんでしょうか……」
「媚薬……とか?」
「薬……その手がありましたか!流石は山の巫女!」
「ふふ、常識に捕らわれない自由な発想です!」
「ちん……(顔真っ赤)」
◆◆◆
「ん……朝か……」
「………………」
「……まだ、寝てるな……?」
「………………」
「…………起きろ、霖。」
「………………」
「……む~、起きろ、霖。」
「………………」
「……よし。」
***
「!!?」
朝、普通に眠っているといきなり息が出来なくなり、凄い勢いで目が覚めた。
そして、目を開けた時に先ず目に映ったのは、
「ん……」
「!??」
視界一杯に広がる、慧音の顔だった。
「!!!???」
「おーい慧音ー起きて……る……?」
「「!!??」」
「……えっと……」
「??????」
「も、妹紅!ち、ちが、あの、これは、その、ええと……」
「……おたのしみ、だったの?」
「ち、違う!違うんだ妹紅!こ、これは、その、ええと……」
「よくも……よくも私の慧音をぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ぐはぁ!」
「り、霖ーーーーーーーーーー!!!」
「慧音、大丈夫!?酷い事されなかった!?」
「霖!大丈夫か霖!?」
「…………理不尽だ……」
おいおいおい、これはもう親衛隊に入るしかありませんな!
やっぱり慧霖が一番好きかも(霖之助のカプでは
ストーリーの中の無理やり感がどんどん大きくなっている気がします。
あと酷い出来だと自覚しているのなら、もう少し時間をかけるとか1から考え直すとかした方がいいと思います。
もう連続投稿とかそんなこだわりはどうでもいいので、明日は休んで深く練ってみてはいかがです?
ふむ、楽しみではありますがもう少しゆっくりでいいですよ。
こう言ってはなんですが誉め言葉に増長しているように思えます。
今回の作品は、読み返して『これは無いな』って思いました。
一時のテンションで皆様を不快な気分にさせてしまい、申し訳ありませんでした。
今日は時間があれなんで、明日の昼過ぎにでもこの作品は削除します。
次からはもう少しシチュエーションを練ってから投稿したいと思います。
すいませんでした。
あえて、けじめとして残すのも1つの選択です。
無論、強要はしませんが・・・
話事態にそれ程厚みは感じませんがそれはプチなので特に問題無いと思います。
なにより好印象だったのが作者さんがこれを楽しんで書いてる事がビンビン伝わって来る事ですね。
後個人的な意見として一言、
いいぞ、もっとやれ。
ノリの軽いハイテンションな話を書けるのが羨ましいくらいですし。
自分の書いた文章に自信を持つとSS書くのが楽しくなってきます。
説教臭くてごめんなさい。
見てて応援したくなるような慧霖でした。
この作品を見て、不快な気分になられた方、今更ながらすいませんでした。
>>1 様
……すいませんでした。
>>2 様
手抜きのつもりでしたが、すいませんでした。
>>奇声を発する程度の能力 様
こんな作品でも、評価して頂いて有難う御座います。
>>4 様
連続投稿に拘りすぎていました。申し訳ありませんでした。
>>華彩神護 様
評価と注意、どちらも感謝です。
>>6 様
今まで何かで褒められるという事が少なかったので、確かに増長していた部分はありました。
すいませんでした。
>>8 様
貴方様のそのお言葉で、この作品は戒めとして残そうと決心しました。
>>9 様
書いてるときは、確かに楽しかったです。
でも今思えば、その場のテンションに流されてただけでした。
こんな作品でも、気に入ってもらえて嬉しいです。
>>夢先案内猫 様
その時の自分の精神状態から生まれた物でしたが、そう言って頂けると幸いです。
>>11 様
それはギャグでも何でもなく、その場任せの叫び声でした。
申し訳ありませんでした。
>>冬 様
すいません。以後はどちらか一方に集中するようにしました。
時間を無駄に使わせてしまってすみませんでした。
読んでくれた全ての方に、感謝と謝罪を。