ある朝、慧音はバサバサと新聞を開き、コーヒー片手に新聞を読んでいた。
「アリス、外の世界では今サッカーの大会が開かれているらしいぞ。」
「そうらしいわね。」
「私たちも流れに乗ってサッカーをやるべきじゃないだろうか。」
「流れに逆らう道もあると思うわよ。」
慧音の前フリに対して冷静に話の展開を畳むアリスだったが、その話を聞いていたにとりと美鈴が食いついてきた。
「おもしろそう。私やるやるー。」
「私もやりたいです。体を怠けさせたくないですし。」
「美鈴は門番の仕事はいいのか?」
「いいんですよ、門番なんてただの飾りですよ。最近はプレイしてくれる人もあまりいませんし。」
「飾りっていうのは付いているからこそ意味があるんだぞ。」
「見てくれる人のいない飾りなんて虚しいだけです。」
「ふむ、美鈴がこんなことを言っているが一輪はどう思う?」
「カメルーンに日本が勝ったことが将来プラスに働くのか、負の遺産となるのか、気になるところですね。」
「それは今聞いてねぇ。」
「?」
「・・・まぁいいや、それじゃあサッカーをしに行こうか。」
「どこにいくの?」
「山の麓に広場があるからそこでいいだろう。みんな、せーの、でジャンプするぞ。」
「せーの。」
ぴょ~ん
しゅたっ
「はい、無事に広場まで着きました。」
「いや~、早かったですねぇ~。」
「ところで美鈴さん、なにか気がつきませんか?」
「ん~と、あぁ!着ているものがいつのまにか日本サッカー選手のユニフォームになっていますよ!」
「そうなんですよ。実はこれ、今回は特別に、ということでお借りしてきたものなんです。」
「え~!!すご~~い!!」
「それにこのボール、こちらも今回は特別に、ということでお借りしてきたものなんです。」
「わ~、かっこい~い。尊敬しちゃうな~、憧れちゃうな~。」
「・・・テレビっぽいのやめてもいいかな?」
「テンションがなかなか保てないですね。」
「簡単かと思ってたけど、テレビの出演者ってすごいんだな。」
「常に笑顔を絶やさないですもんね。」
「そんなことよりも早くサッカーやろうよー。」
にとりがボールの上に右足を乗せて腕をブンブンとまわしている。
そこへ美鈴が走りよる。
「中国4000年スライディング!!」
「ひゃいんっ!」
にとりはボールを奪われた。
すかさず美鈴の元へ慧音が駆けよる。
「慧音タックル!!」
「ぐほぉ。」
美鈴はボールを奪われた。
「・・・って、どう考えてもおかしいでしょう!?なんですか慧音タックルって。」
「うん?サッカーって反則の上手さを競うスポーツだと聞いたんだが。」
「ボールは友達のスポーツですよ。それに、上手さも何もジタンも顔負けの暴力ぶりじゃないですか。」
「けどジタンは伝説になったじゃないか。」
「ジタンは頭突きだけで伝説になったわけじゃないです。」
「慧音タックル!!」
「ぐほぉ。」
美鈴は跳ね飛ばされた後、地に伏せたまま動かなくなった。
「アリス、パスだ。」
コーナー近くへとボールが出され、アリスへとボールが渡る。
「勇儀、合わせて。」
そしてアリスの右足から華麗なセンタリングが上げられた。
「ヘディングはまかせろー。」
勇儀の角が的確にボールを捕える。
バスン
「・・・てへっ、やっちゃったぜ☆」
「さすが勇儀!!私たちには出来ないことを平然とやってのけるっ!!」
しかしながら誰も憧れてくれないので、勇儀はヘディングは危険だなぁと思った。
「ミンナコッチヲミロー。」
声のするほうに目を向けると、雲山がゴールポストを覆っており、一輪がその前で両手を広げている。
「なんだあのゴールキーパーは、隙がないぞ!!」
「というか隙間がない!!」
「勝負など、勝てばよかろうなのだー。」
「モクモク。」
一輪と雲山が調子に乗っている。殴りたい。
「それなら私も最終兵器を使わせてもらうよ。」
そう言うと、にとりはユニフォームの中からリモコンのようなものを取り出した。
「ぽちっとな。」
ごごごご
にとりがボタンを押すと突然、何もなかったはずの地面に穴が空き、穴から戦車っぽい物が姿を現した。
「ゆっくりしていってね!!」
実に不快である。
「これが私の開発した最終兵器、ゆっくり戦車さ。」
にとりは地面から現れた不快な饅頭によじ登り、ボールを口の中に放り込む。
「照準も合わせて準備完了、ぽちっとな。二人とも宇宙の果てまでぶっ飛んじまいなぁ!!」
「・・・・・・」
「・・・あれ?ボールが発射されない。」
「もう一回、ぽちっと。」
「発射されるとでも思ったの?馬鹿なの?」
「・・・」
三ボスのマスコット的存在のにとりの目からまるでゴンさんやなのはさんのように光が失われ、その瞳で
無駄にでかい産業廃棄物を見上げている。
「偉い人は言いました。『本気で切れた時は殺してもいい』。」
キュイイイン
いつのまにかチェーンソーやら削岩機やらを装備したにとりが少しずつゆっくり戦車に近づいていく。
キュイイイン
ガリガリガリガリ
ゴリゴリゴリゴリ
「にとりって、怒ると恐かったんですねぇ。」
遠くから戦車をすさまじい勢いで分解、もとい破壊しているにとりを見ていた一輪がつぶやいた。
たまに饅頭から赤い液体が飛んでくるが、きっと餡子である。
「そうだな。あとできゅうりでも食わせて落ち着かせておこう。」
「そんなことよりも、せっかく私が審判をしてあげているというのに、あなたたちは一体何をして
いるのですか。バリンボリン。」
これまたいつのまにやら、一人の女性が地べたに正座をしてお茶とせんべいを食べている。
「な、何者なんだあの女は!?座ったままの体勢で、あのダイヤモンドよりも硬いとさえ言われるせんべい、
『鬼砕き』をまるでHBの鉛筆をベキッとへし折ることが出来て当然かのようにいともたやすく噛み砕いている!?」
「たしか名前は山田・・・なんだったかしら?」
「山田・・・タロウ?」
「私の名前は山田山です!!」
「私の名前はアリスです。」
「私の名前は慧音です。」
「私の名前はエンp・・・」
「ええい!!うっとおしい!!」
山田山はなぜか怒り出してしまった。バリボリと音を立てながらせんべいをやけ食いしている。
「う~む、なぜだかお腹がすいてきたぞ。」
「奇遇ね慧音、私もなんだかお腹が空いてきたわ。」
「今って何時なんだ?誰か時計持ってないかー?」
「私時計持ってるよ。」
勇儀の右手首に黒い腕時計が巻かれている。
「ふむふむ、今はちょうど一時か・・・ってこれマジックで手首に落書きしただけやないかーい!!」
ベシッ
「あれ?慧音がやさしい。いつもだったらボケても無視するかすっごい冷たい目で見下されるのに。」
「まぁ、たまには優しい慧音さんでありたいと思ってな。」
「慧音さんかっこいい。」
「よせやい。それで、みんなは昼ご飯は何をたべたい?」
「パスター。」
「パスター。」
「パスター。」
「パスター。」
「パスター。」
「それじゃあカレーだな。」
「なんでやねん!!」
「自衛隊の人達がカレー作ってるところがすごくおいしそうだったからだ。それに、戦争でパスタは
死亡フラグだぞ。」
「横暴だー。」
「圧政だー。」
「民主党だー。」
「ファイナル慧音ブリッド!!」
「ぐほぉ。」
講義の声を上げた三ボス達が吹き飛ばされる。
「ちなみに、私のファイナル慧音ブリッドは108式まであるぞ。」
俗に言うファイナル詐欺である。
山田山さんは7と10商法は白だと言っていましたが、私は黒だと思います。
「きゅー。わたしもカレーがたべたいんだきゅー。」
そう言ったのは、饅頭戦車の解体を終えたにとりさんである。返り餡子で青いユニフォームが
真っ赤に染まっている。もちろんみんな従った。
「サッカーといえばカレーに限るな。」
「やっぱり梅雨の時期といったらカレーよね。」
「辛いものじゃなきゃ食べてられないですよね。」
「きゅうりはやまもりでね。」
「・・・はい。」
美鈴はずっと死んだフリをしていた。
そうして、にとりさんへの服従心の元に生まれたカレーが後の三ボスカレーである。
「アリス、外の世界では今サッカーの大会が開かれているらしいぞ。」
「そうらしいわね。」
「私たちも流れに乗ってサッカーをやるべきじゃないだろうか。」
「流れに逆らう道もあると思うわよ。」
慧音の前フリに対して冷静に話の展開を畳むアリスだったが、その話を聞いていたにとりと美鈴が食いついてきた。
「おもしろそう。私やるやるー。」
「私もやりたいです。体を怠けさせたくないですし。」
「美鈴は門番の仕事はいいのか?」
「いいんですよ、門番なんてただの飾りですよ。最近はプレイしてくれる人もあまりいませんし。」
「飾りっていうのは付いているからこそ意味があるんだぞ。」
「見てくれる人のいない飾りなんて虚しいだけです。」
「ふむ、美鈴がこんなことを言っているが一輪はどう思う?」
「カメルーンに日本が勝ったことが将来プラスに働くのか、負の遺産となるのか、気になるところですね。」
「それは今聞いてねぇ。」
「?」
「・・・まぁいいや、それじゃあサッカーをしに行こうか。」
「どこにいくの?」
「山の麓に広場があるからそこでいいだろう。みんな、せーの、でジャンプするぞ。」
「せーの。」
ぴょ~ん
しゅたっ
「はい、無事に広場まで着きました。」
「いや~、早かったですねぇ~。」
「ところで美鈴さん、なにか気がつきませんか?」
「ん~と、あぁ!着ているものがいつのまにか日本サッカー選手のユニフォームになっていますよ!」
「そうなんですよ。実はこれ、今回は特別に、ということでお借りしてきたものなんです。」
「え~!!すご~~い!!」
「それにこのボール、こちらも今回は特別に、ということでお借りしてきたものなんです。」
「わ~、かっこい~い。尊敬しちゃうな~、憧れちゃうな~。」
「・・・テレビっぽいのやめてもいいかな?」
「テンションがなかなか保てないですね。」
「簡単かと思ってたけど、テレビの出演者ってすごいんだな。」
「常に笑顔を絶やさないですもんね。」
「そんなことよりも早くサッカーやろうよー。」
にとりがボールの上に右足を乗せて腕をブンブンとまわしている。
そこへ美鈴が走りよる。
「中国4000年スライディング!!」
「ひゃいんっ!」
にとりはボールを奪われた。
すかさず美鈴の元へ慧音が駆けよる。
「慧音タックル!!」
「ぐほぉ。」
美鈴はボールを奪われた。
「・・・って、どう考えてもおかしいでしょう!?なんですか慧音タックルって。」
「うん?サッカーって反則の上手さを競うスポーツだと聞いたんだが。」
「ボールは友達のスポーツですよ。それに、上手さも何もジタンも顔負けの暴力ぶりじゃないですか。」
「けどジタンは伝説になったじゃないか。」
「ジタンは頭突きだけで伝説になったわけじゃないです。」
「慧音タックル!!」
「ぐほぉ。」
美鈴は跳ね飛ばされた後、地に伏せたまま動かなくなった。
「アリス、パスだ。」
コーナー近くへとボールが出され、アリスへとボールが渡る。
「勇儀、合わせて。」
そしてアリスの右足から華麗なセンタリングが上げられた。
「ヘディングはまかせろー。」
勇儀の角が的確にボールを捕える。
バスン
「・・・てへっ、やっちゃったぜ☆」
「さすが勇儀!!私たちには出来ないことを平然とやってのけるっ!!」
しかしながら誰も憧れてくれないので、勇儀はヘディングは危険だなぁと思った。
「ミンナコッチヲミロー。」
声のするほうに目を向けると、雲山がゴールポストを覆っており、一輪がその前で両手を広げている。
「なんだあのゴールキーパーは、隙がないぞ!!」
「というか隙間がない!!」
「勝負など、勝てばよかろうなのだー。」
「モクモク。」
一輪と雲山が調子に乗っている。殴りたい。
「それなら私も最終兵器を使わせてもらうよ。」
そう言うと、にとりはユニフォームの中からリモコンのようなものを取り出した。
「ぽちっとな。」
ごごごご
にとりがボタンを押すと突然、何もなかったはずの地面に穴が空き、穴から戦車っぽい物が姿を現した。
「ゆっくりしていってね!!」
実に不快である。
「これが私の開発した最終兵器、ゆっくり戦車さ。」
にとりは地面から現れた不快な饅頭によじ登り、ボールを口の中に放り込む。
「照準も合わせて準備完了、ぽちっとな。二人とも宇宙の果てまでぶっ飛んじまいなぁ!!」
「・・・・・・」
「・・・あれ?ボールが発射されない。」
「もう一回、ぽちっと。」
「発射されるとでも思ったの?馬鹿なの?」
「・・・」
三ボスのマスコット的存在のにとりの目からまるでゴンさんやなのはさんのように光が失われ、その瞳で
無駄にでかい産業廃棄物を見上げている。
「偉い人は言いました。『本気で切れた時は殺してもいい』。」
キュイイイン
いつのまにかチェーンソーやら削岩機やらを装備したにとりが少しずつゆっくり戦車に近づいていく。
キュイイイン
ガリガリガリガリ
ゴリゴリゴリゴリ
「にとりって、怒ると恐かったんですねぇ。」
遠くから戦車をすさまじい勢いで分解、もとい破壊しているにとりを見ていた一輪がつぶやいた。
たまに饅頭から赤い液体が飛んでくるが、きっと餡子である。
「そうだな。あとできゅうりでも食わせて落ち着かせておこう。」
「そんなことよりも、せっかく私が審判をしてあげているというのに、あなたたちは一体何をして
いるのですか。バリンボリン。」
これまたいつのまにやら、一人の女性が地べたに正座をしてお茶とせんべいを食べている。
「な、何者なんだあの女は!?座ったままの体勢で、あのダイヤモンドよりも硬いとさえ言われるせんべい、
『鬼砕き』をまるでHBの鉛筆をベキッとへし折ることが出来て当然かのようにいともたやすく噛み砕いている!?」
「たしか名前は山田・・・なんだったかしら?」
「山田・・・タロウ?」
「私の名前は山田山です!!」
「私の名前はアリスです。」
「私の名前は慧音です。」
「私の名前はエンp・・・」
「ええい!!うっとおしい!!」
山田山はなぜか怒り出してしまった。バリボリと音を立てながらせんべいをやけ食いしている。
「う~む、なぜだかお腹がすいてきたぞ。」
「奇遇ね慧音、私もなんだかお腹が空いてきたわ。」
「今って何時なんだ?誰か時計持ってないかー?」
「私時計持ってるよ。」
勇儀の右手首に黒い腕時計が巻かれている。
「ふむふむ、今はちょうど一時か・・・ってこれマジックで手首に落書きしただけやないかーい!!」
ベシッ
「あれ?慧音がやさしい。いつもだったらボケても無視するかすっごい冷たい目で見下されるのに。」
「まぁ、たまには優しい慧音さんでありたいと思ってな。」
「慧音さんかっこいい。」
「よせやい。それで、みんなは昼ご飯は何をたべたい?」
「パスター。」
「パスター。」
「パスター。」
「パスター。」
「パスター。」
「それじゃあカレーだな。」
「なんでやねん!!」
「自衛隊の人達がカレー作ってるところがすごくおいしそうだったからだ。それに、戦争でパスタは
死亡フラグだぞ。」
「横暴だー。」
「圧政だー。」
「民主党だー。」
「ファイナル慧音ブリッド!!」
「ぐほぉ。」
講義の声を上げた三ボス達が吹き飛ばされる。
「ちなみに、私のファイナル慧音ブリッドは108式まであるぞ。」
俗に言うファイナル詐欺である。
山田山さんは7と10商法は白だと言っていましたが、私は黒だと思います。
「きゅー。わたしもカレーがたべたいんだきゅー。」
そう言ったのは、饅頭戦車の解体を終えたにとりさんである。返り餡子で青いユニフォームが
真っ赤に染まっている。もちろんみんな従った。
「サッカーといえばカレーに限るな。」
「やっぱり梅雨の時期といったらカレーよね。」
「辛いものじゃなきゃ食べてられないですよね。」
「きゅうりはやまもりでね。」
「・・・はい。」
美鈴はずっと死んだフリをしていた。
そうして、にとりさんへの服従心の元に生まれたカレーが後の三ボスカレーである。
「黙の時間」のシリアスひきにくワールドがとても好きなのですが、こういう頭のネジが外れたようなのも大好きです。
頑張れ日本!