前作「BGM」に少し関係する部分あり。
でもつながりがない部分ばかり。
相変わらず荒削り。
でもがんばって糖分1、25倍(当社比)
「や、霊夢」
「お、いらっしゃいアリス」
私が来て、あなたがお茶を淹れる。逆もまた然り。
何時ものやり取り。何気ない会話。なんてことない日常。
「喜びなさい、今日はお土産付きよ。里で人形劇をしたときにお礼にもらったの」
「おお、これはこれは、里でも有名な和菓子屋さんの煎餅じゃないの。よくこんないいものくれたわね」
「ええ。だってくれたのが店主本人だったんだからね」
「運がいいわね。まるでどこかの虎みたい。ふふ、これは私もいいものを提供するしかないわね」
「おお、これはこれは、外の世界のお茶かしら。えーと、高級玉露使用?変わった容器ね。…あきかんはリサイクル?」
「香霖堂から貰ってきたの。何か新商品が追加されてそうだったから行ったらあった」
「勘がいいわね。まるでどこかの鼠みたい。」
傍から見ればただ世間話ついでにお茶してるような距離感にしか見えないかもしれない。
でも、私たちにとっては心地のいい、互いが安心できる、そんな距離。
互いに相手を想い、慈しみ、素直にひっつけない。そんな似た者同士の距離。
「…うわ、このお茶、安っぽい味ね。店に騙されたわ」
「んー、いいじゃない。上質なお菓子にはこれくらいがちょうど合うし」
「嫌味ね」
「ほめてるのよ」
どこまでも起伏のない。まるで完成された箱庭のような環境。騒音など聞こえない。あなたの声も聞こえない。
遠く感じることがない訳でもない。周りから心配されたこともある。でも私は心配ないと思う。
「あー、平和ねぇ。どっかの馬鹿が異変でも起こしてくれないかしら」
「あらいいわね。でも異変が多いとなかなか里に下りれないからお菓子貰えないわ」
「やっぱ平和が1番よねぇ」
「結構結構」
だって、私たちは似た者同士。
起伏がないなら躓かず、慌てず、ゆっくり歩いてあなたに近づける。
声が聞こえなくともあなたの考えることなど私にはお見通しなのだから。逆もまた然り。
私が心配しなければ、それはあなたも心配することなどないということだろうから。
「そんなに暇なら弾幕ごっこでもする?」
「あら、嬉しいけど、今日スペカ持ってきてるの」
「ええ。巨大化系以外はね」
「用意いいわね」
「どれだけ一緒に居ると思ってんのよ。それくらいお見通し」
「結構結構」
たまに行う弾幕ごっこ。互いに声を弾ませて、色鮮やかに語り合う。
ほとんど私の負けだけども、私はごっこをするたびに嬉しくなる。
弾幕を張るあなたの横顔は楽しそうで、歳相応な少女のように輝いていているから、私はいつも被弾しそうになる。見とれてるから。
攻撃を読んでかわしたとき、私は嬉しくなる。あなたのことを理解できているようで。
攻撃を読まれかわされたとき、また嬉しくなる。私のことを理解してくれているみたいで。
向こうも同じ事を考えているのだろうか。似た者同士。
自惚れかもしれないけど、だとしたら更に嬉しい。
嬉しい。嬉しい。無限ループ。
「ほらほらどうしたの?そんな苦戦しながら笑ってるなんて、そういう嗜好?」
「あら、いまだ攻めあぐねているのはどなたかしら。そういうあなたも笑ってるじゃない」
「そりゃそうよ。楽しいんだから」
「ええ、そうね。楽しいんだから」
紅と白の衣に包まれて、七色の中を滑るように走るあなたはまるで戦乙女のよう。
力強く、可愛らしい。これによく合う音楽でもあれば、さぞ絵になるだろう。
しかしまあ、そんなに嬉しいの?これ以上無いってくらいに顔を綻ばして。いや嬉しいんだろう。だって私がこんなにも嬉しいんだから。でも、油断しすぎ。後ろに回りこんだ人形に気づけてないなんて。残念だけど、この勝負もらったわ。
…
「この場合どっちが勝ちなの?」
「まあ、ドローね」
「全く被弾タイミングから着地タイミングまで同じなんだからね…」
結局後ろからの攻撃に気づけなかったのは私も同じだったよう。全く、ここまで同じこと考えていたなんて、嬉しいをと通り越して恥ずかしい。
嬉しい。恥ずかしい。無限ループ。
「何笑ってるのよ」
「あなたこそ」
「恥ずかしいからよ」
「私だって」
決めた。
「ねえ、霊夢」
「何?アリス」
「次に逢う時までにあなたにぴったりなもの作っとくわ」
「あら、何かしら。次逢うときが楽しみね」
「でもどうしてかしら。なんだか明日も逢いそうな気がしてならないわね」
「あら奇遇。私もよ」
嬉しい。
おまけ
近くの草むら、スキマ内にて。
「ったく、最初こそすこし心配になったもんだが…こっちの心配を返せってな」
「傍からみたらもう十分バカップルな存在ね」
「あー、もっとくっつけよ、そーしそーあいのくせしてまったく煮え切らないやつら」
「そういうわりに嬉しそうね」
「嬉しいんだよ」
「そうね。とても」
「…次異変がおこったらあの2人は一緒にできんな」
「ええ。思考パターンが同じすぎて戦術が成り立たないでしょうしね」
「それに、被弾するなら私というおあつらえむきがいるからな」
「あら、私だってこの強力な結界がありますわ」
「決まりだな」
「ええ」
私もレイアリをしてみたらテストで良い点取れました!
もっと広がれレイアリの輪!
45分でこれだけ書けるのが羨ましい…
でもちょっと病んでるのも見てみたいかも!