Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王Ⅱ2 『妖夢の憂鬱な一日①』

2010/06/18 12:37:28
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 注:前回からの続きです。





 













  ________8:00 雲海








妖夢 「(……さて。飛び出してきたものの、どうしたものか)」

妖夢 「(ただの妖怪ならその辺をうろついてれば嫌でも遭うだろうけど、
    そうそう都合よく鍋の具を持ってるとは限らないしなぁ。
    このデュエルテーブル重いし、とっとと済ませて帰りたいんだけど)」

妖夢 「(ここから近くてめぼしいところとなると…………妖怪の山、か。
    一人で天狗の巣窟に殴りこみなんて気がひけるけど、まあこれも修行と思えばいいかな)」

妖夢 「(よーし、行き先も決まったことだし、早速そっちの方へ…………ん?)」

妖夢 「(……何者かの気配! 
    この見渡す限りの雲海に、誰かがいる……!)」

一輪 「は~い、ちょっと通りますよっと」

妖夢 「……そこかっ!」

一輪 「きゃあっ!」

妖夢 「……外したか。わたしの抜刀も、まだまだ甘い」

一輪 「当たってるわよ! 雲山が真っ二つになっちゃったじゃない。
    雲だからすぐ元に戻るけど」

妖夢 「あれ、尼さん? 幻想郷にも尼僧がいたんですね。
    というか、それはただの雲じゃないんですか?」

一輪 「こいつは入道の雲山、そしてわたしは大輪の一つ輪、雲居の一輪よ。尼さんじゃないわ。
    いきなり斬りかかってくるとは、物騒な幽霊もいたもんね。
    こんなところで人斬りとあうなんて、雲山が雲でできてなかったらえらいことだったわ」

妖夢 「やっぱり雲じゃないですか。
    でもよかった、ちゃんと斬れてたんですね。
    てっきり、わたしの腕が鈍ったのかと思いました」

一輪 「まさか謝罪の言葉一つでてこないとは。さすがの雲山もカンカンみたいよ」

妖夢 「申し訳ありません。
    辻斬りは挨拶みたいなものなので、どうかお気を悪くされないでください」

一輪 「今の一言で余計に悪くしたって言ってるわ。
    わたしを伝説の僧侶、聖白蓮の同調者と知っての狼藉かしら」

妖夢 「聖白蓮……というと、近頃できたっていう宝船のお寺に住んでる方ですか?」

一輪 「そうよ。なんならあなたもこれから一緒に命蓮寺に来るといい。
    姉さんは妖怪ならば、誰にしも分け隔てなく門戸を開いています。
    あなたのその危ない性格も、きっと矯正できるでしょう」

妖夢 「ふむ。噂には聞いてましたが、新興宗教の類にしか聞こえませんね。
    怪しい輩はここで斬っておくに限ります。
    ……ところで、その右手にぶら下がってる袋には何が入ってるんですか?」

一輪 「これ? ああ、これは木綿豆腐よ。今日は寺でみんなと湯豆腐をやるから」

妖夢 「決まりですね。あなたを斬って、その上でお豆腐もいただきます」

一輪 「……人斬りじゃなくて、追いはぎだったみたいね。
    聞き分けの無い子供には、古来よりゲンコツが何より覿面なの。
    一発くらってコブでもこさえるといいわ」

妖夢 「わたしの方こそ、訂正させてもらわなければならないことがあります。
    わたしは幽霊でもなければ妖怪でもない。半人半霊です。
    雲だろうがゲンコツだろうが、この剣に斬れぬものはあんまり無い!」






 妖夢【影鬻ぎ楼観剣】LP8000

                 VS
 
                   一輪【雲居クラウディア・ヴィクトリア】LP8000







一輪 「……で、何? デュエルするの?」

妖夢 「あ、はい。よろしくお願いします~」

一輪 「あなたは礼儀正しいのか無礼なのかどっちなのかしら」

妖夢 「さすがに雲の上だとテーブルすら置けないので、一度下に降りませんか」

一輪 「ああ、それなら大丈夫よ。雲山に持っててもらうから」

妖夢 「便利な雲さんですね。じゃあ早速始めましょう。
    こんなところで二人ふわふわ浮きながらカードゲームしてるのを、
    誰かに見られたくもないですし」

一輪 「こっちは雲山に頑張ってもらってるんだから、ハンデとして先攻ぐらいはいただくわよ」

妖夢 「何がどうハンデなのかわかりませんが、まあ結構です」

一輪 「なら始めましょう。ドロー!」

一輪 「エア・サーキュレーターを召喚するわ」


《エア・サーキュレーター/Vortex Trooper》 †
効果モンスター
星3/風属性/水族/攻 0/守 600
このカードが召喚に成功した時に発動する事ができる。
自分の手札2枚をデッキに加えてシャッフルし、デッキからカードを2枚ドローする。
このカードが破壊された時、自分のデッキからカードを1枚ドローする


一輪 「召喚時の誘発効果発動。手札から2枚をデッキに戻して、2枚ドローするわ。
    リバースカードを2枚伏せて、ターンエンドよ」



一輪  LP8000:手札3:サーキュレーター、伏せ2
妖夢  LP8000:手札5:無し



妖夢 「わたしのターン、ドローします!」

妖夢 「(久々のデュエル……でも、手札はそんなに悪くない。
    今日はこれからもたくさん後が控えていることだし、速攻で済ませたいところだけど……)」

妖夢 「(相手は、わざわざ攻撃力ゼロを攻撃表示。十中八九トラップだな。
    ならば、ひとまずこいつで……)」

妖夢 「手札から、不意打ち又左を召喚!」


《不意打(ふいう)ち又佐(またざ)/Mataza the Zapper》 †
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 800
このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
このカードは表側表示でフィールド上に存在する限り、
コントロールを変更する事はできない。


妖夢 「不意打ち又左で、エア・サーキュレーターを攻撃します」

一輪 「リバースカードオープン。永続トラップよ、スピリットバリア」


《スピリットバリア/Spirit Barrier》 †
永続罠
自分フィールド上にモンスターが存在する限り、
このカードのコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。


一輪 「わたしの場にモンスターがいる時、わたしは戦闘ダメージは受けない。
    破壊されたサーキュレーターの誘発効果で、1枚ドローするわ」

妖夢 「又左は二回攻撃ができます。
    フィールドにもうモンスターはいないから、この二回目の攻撃ならダメージは通りますよね。
    プレイヤーにダイレクトアタックです」

一輪 「あらら」LP8000→6700

妖夢 「(よーし、いい感じ……)
    1枚伏せて、ターン終了します」



一輪  LP6700:手札4:スピバ、伏せ1
妖夢  LP8000:手札4:又左、伏せ1



一輪 「ふーん、なるほど。素人ってわけじゃないみたいね。ドロー」

一輪 「なら、こっちも本気を出しましょうか。永続魔法発動、召喚雲」


《召喚雲(サモンクラウド)/Summon Cloud》 †
永続魔法
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
自分の手札または墓地からレベル4以下の「雲魔物」と
名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。
墓地から特殊召喚した場合はこのカードを破壊する。


妖夢 「(むっ。これは……雲?)」

一輪 「召喚雲の効果発動。手札からレベル4以下の雲魔物を特殊召喚できるわ。
    雲魔物、タービュランスを特殊召喚」


《雲魔物(クラウディアン)-タービュランス/Cloudian - Turbulence》 †
効果モンスター
星4/水属性/天使族/攻 800/守 0
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
このカードの召喚に成功した時、フィールド上に存在する「雲魔物」と名のついた
モンスターの数だけこのカードにフォッグカウンターを置く。
このカードに乗っているフォッグカウンターを1つ取り除く事で、
デッキまたは墓地から「雲魔物-スモークボール」1体を特殊召喚する。


妖夢 「(……なるほど、雲の魔物か。入道使いだけあるな)」

一輪 「まだいくわよ。さらに手札から、キロスタスを通常召喚」


《雲魔物(クラウディアン)-キロスタス/Cloudian - Cirrostratus》 †
効果モンスター
星4/水属性/天使族/攻 900/守 0
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
このカードの召喚に成功した時、フィールド上に存在する「雲魔物」と名のついた
モンスターの数だけこのカードにフォッグカウンターを置く。
このカードに乗っているフォッグカウンターを2つ取り除く事で、
フィールド上のモンスター1体を破壊する。


一輪 「キロスタスの誘発効果発動。
    召喚した時、フィールドの雲魔物の数だけフォッグカウンターを置くことができるわ。
    二つ置いて、さらに起動効果発動。
    今乗せたカウンターを二つ取り除き、相手モンスターを破壊。
    不意打ち又左を破壊よ」

妖夢 「(う、又左が……)」

一輪 「ミラフォかもしれないけど、ここは攻撃するわ。
    タービュランスとキロスタス、二体でダイレクトアタック。
    ゲンコツをくらいなさい!」

妖夢 「うわっ! こんなの初見じゃよけれっこないですよ」LP8000→7200→6300

一輪 「まだまだ難易度はノーマルよ。
    そして次はハード! メインフェイズ2で、雲魔物のスコールを発動するわ。ターン終了」


《雲魔物のスコール(クラウディアン・スコール)/Cloudian Squall》 †
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にフィールド上に表側表示で存在する
全てのモンスターに、フォッグカウンターを1つ置く。


妖夢 「(今度は大雨……。嫌な予感がする)
    エンドフェイズ時に、リバースカードを発動です。トゥルース・リインフォース。
    このカードの効果で、デッキからジュッテ・ナイトを守備表示で特殊召喚します」


《トゥルース・リインフォース/Reinforce Truth》 †
通常罠
自分のデッキからレベル2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行う事ができない。


《ジュッテ・ナイト/Jutte Fighter》 †
チューナー(効果モンスター)
星2/地属性/戦士族/攻 700/守 900
1ターンに1度だけ、相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する
モンスター1体を表側守備表示にする事ができる。



一輪  LP6700:手札1:キロスタス、タービュランス、スピバ、スコール、宝札雲、伏せ1
妖夢  LP6300:手札4:ジュッテ



妖夢 「そしてわたしのターン、ドロー!」

妖夢 「(とりあえず、あの永続魔法とトラップをなんとかしなければ。
    大嵐は引けなかったけど、これで……)
    封印の黄金櫃を発動。デッキから大嵐を選択して除外します」


《封印(ふういん)の黄金櫃(おうごんひつ)/Gold Sarcophagus》 †
通常魔法(準制限カード)
自分のデッキからカードを1枚選択し、ゲームから除外する。
発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にそのカードを手札に加える。


一輪 「黄金櫃の効果で手札に加えられるのは4ターン後。
    それだけあればあなたのライフをゼロにする猶予としては十分ね。
    半人半霊の半人前の剣じゃ、形の無い雲を切り裂くことはできないでしょう」

妖夢 「(……雲魔物は攻撃表示にしなきゃフィールドに存在できないけど、戦闘では破壊されないモンスター。
    攻撃してもスピリットバリアがあるからダメージを与えることはできない……。
    雲は剣で斬ることはできない、か。なら……!)」

妖夢 「ジュッテ・ナイトの起動効果発動。
    相手の攻撃表示モンスターを守備表示に変更できる効果です。
    キロスタスを守備にします」

一輪 「やりますね。キロスタスは表側守備表示になったとき破壊されるわ」

妖夢 「雲は定型を持たぬゆえ、ふいに突風にさらされると自らの姿を維持することができない。
    入道の弱点見たり、です。
    モンスターをセットして、ターンエンド」



一輪  LP6700:手札1:タービュランス、スピバ、スコール、宝札雲、伏せ1
妖夢  LP6300:手札3:ジュッテ、裏守備



一輪 「ふふふ、弱点見たりとは、言ってくれるわね。
    そんな前向きな発言をする幽霊と会ったのは初めてよ」

妖夢 「はい。猪突猛進が信条なんです」

一輪 「別に褒めたつもりじゃなかったんだけど……。
    ドロー。スタンバイフェイズに、雲魔物のスコール効果が発動されるわ。
    フィールドのモンスターに一つずつフォッグカウンターが置かれる。
    そしてメインフェイズで、タービュランスの起動効果発動。
    このカードのフォッグカウンターを一つ取り除くことで、
    デッキからスモークボールを特殊召喚するわ。守備表示で特殊召喚よ」


《雲魔物(クラウディアン)-スモークボール/Cloudian - Smoke Ball》 †
通常モンスター
星1/水属性/天使族/攻 200/守 600
小さな小さな雲魔物の子供雲。ひとりぼっちが大嫌いで、
仲間たちとそよ風に乗ってゆらゆらと散歩をするのが大好き。


妖夢 「(あ、かわいい~)」

一輪 「さらに、墓地のキロスタスを除外して、ストーム・ドラゴンを特殊召喚よ」


《雲魔物(クラウディアン)-ストーム・ドラゴン/Cloudian - Storm Dragon》 †
効果モンスター
星4/水属性/天使族/攻1000/守 0
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の「雲魔物」と名のついた
モンスター1体をゲームから除外して特殊召喚する。
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
1ターンに1度だけ、フィールド上モンスター1体に
フォッグカウンターを1つ置く事ができる。


一輪 「ストームドラゴンの起動効果を使うわ。
    1ターンに一度、モンスター一体にフォッグカウンターを置くことができる。
    タービュランスにカウンターを追加。
    そしてタービュランスの効果でカウンターを取り除き、
    さらにもう一体デッキからスモークボールを特殊召喚よ」

妖夢 「(かわいいけど弱小モンスターが二体、ということは……。アドバンス召喚か)」

一輪 「あなたは、雲なんていつもふわふわしてる人畜無害なものと思っているでしょう。
    でも、今日を期に考えを改めるに違いない。
    自然の巻き起こす猛威、暴挙、圧倒的な威厳というものをね! 
    場のスモークボール2体をリリースし、
    雲魔物アイ・オブ・ザ・タイフーンをアドバンス召喚!」 


《雲魔物(クラウディアン)-アイ・オブ・ザ・タイフーン/Cloudian - Eye of the Typhoon》 †
効果モンスター
星8/風属性/水族/攻3000/守1000
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
このカードの攻撃宣言時、「雲魔物」と名のついたカード以外の
全ての表側表示モンスターの表示形式を変更する。



妖夢 「(……うわっ、今度は台風!?)」

一輪 「大入道、アイ・オブ・ザ・タイフーンは、攻撃する際にその凄まじい乱気流で、
    フィールドの雲魔物以外のモンスターの表示形式を入れ替えるわ」

一輪 「ジュッテ・ナイトを攻撃表示に変更し、アイ・オブ・ザ・タイフーンで攻撃!
    天変大目玉焼き!」

妖夢 「(くっ、台風の目だからってそのスペカは安直すぎじゃ……)」LP6300→4000

一輪 「続いて、ストーム・ドラゴンで裏守備に攻撃するわ」

妖夢 「虎鉄です。リバース効果でデッキから魔導師の力を手札に加えます」


《名工(めいこう) 虎鉄(こてつ)/Iron Blacksmith Kotetsu》 †
効果モンスター
星2/炎属性/獣戦士族/攻 500/守 500
リバース:自分のデッキから装備魔法カードを1枚選択し、手札に加える。


一輪 「でもこれであなたのフィールドはがら空き。タービュランスでダイレクトアタックよ。
    鉄拳、問答無用の妖怪拳!
    ……といきたいところだけど、雲山の両手が塞がってるからわたしが直接殴ってあげるわ」

妖夢 「あいたっ! 何するんですか。初対面の相手に対して」LP4000→3200

一輪 「剣で斬りかかってきたあんたに言われたくはない気がするわね。ターンエンド~」



一輪  LP6700:手札0:タイフーン、ストームドラゴン、タービュランス、スピバ、スコール、宝札雲、伏せ1
妖夢  LP3200:手札4:無し



妖夢 「(うーん、攻撃力3000まで出てくるなんて……。きついなぁ)
    ドローします」

妖夢 「(でも、かつてはステータスが貧弱だった戦士族も、
    カードプールの増加に従い高攻撃力のモンスターが増えてきた。
    たかが攻撃力3000ぐらいで、怯んでなどいられない!)」

妖夢 「手札から、魔導ギガサイバーを特殊召喚!」


《魔導(まどう)ギガサイバー/The Fiend Megacyber》 †
効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2200/守1200
自分のフィールド上モンスターが相手のフィールド上モンスターより2体以上少ない場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。


一輪 「んん? 特殊召喚ですって?」

妖夢 「ギガサイバーは自分フィールドのモンスターが相手より2体以上少なければ、
    手札から特殊召喚できます。攻撃表示で特殊召喚。
    そしてギガサイバーをリリースし、ターレット・ウォリアーを特殊召喚!」


《ターレット・ウォリアー/Turret Warrior》 †
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻1200/守2000
このカードは自分フィールド上に存在する
戦士族モンスター1体をリリースし、
手札から特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は、
リリースしたモンスターの元々の攻撃力分アップする。


妖夢 「守備表示です。
    ターレット・ウォリアーは、リリースした戦士族の攻撃力を
    自身の攻撃力にプラスすることができる。
    よって、攻撃力は3400です!」

一輪 「おや、守備表示とは。
    攻撃はしてこないの?
    せっかくわたしのアイ・オブ・ザ・タイフーンの攻撃力を上回ったのに」

妖夢 「攻撃しても戦闘で破壊できないし、ダメージも与えられませんからね。
    今はとりあえず時間を稼がせてもらいます。
    モンスターをセット、さらにリバースカードを伏せて終了します」



一輪  LP6700:手札0:タイフーン、ストームドラゴン、タービュランス、スピバ、スコール、宝札雲、伏せ1
妖夢  LP3200:手札1:ターレット(攻3400)、裏守備、伏せ1



一輪 「懸命ってところね。ドロー」

一輪 「(……ターレット・ウォリアーは守備表示。
    アイ・オブ・ザ・タイフーンの効果が強制なのを考慮した上でってことか。
    この子供、見かけによらず確かにやるわね。
    ひょっとしたら、うちの姉さんともやりあえるかも……)」

一輪 「(ま、それもここでわたしなんかにやられてちゃああり得ないことだね。
    みんな寺で待ってることだし、このターンで終わらせてやる。ふふふ……)」

一輪 「スコールの効果で、フィールドのモンスターにフォッグカウンターを乗せるわ。
    タービュランスの起動効果を発動し、墓地のスモークボールを特殊召喚」

妖夢 「(む、また生け贄……?)」

一輪 「さらにストームドラゴンの起動効果発動。自身にカウンターを一つ乗せる。
    さあて準備は整った。低気圧の後は豪雨がやってくる。
    場のタービュランス、スモークボールをリリースし……
    来なさい! 雲魔物ニンバスマン!!」


《雲魔物(クラウディアン)-ニンバスマン/Cloudian - Nimbusman》 †
効果モンスター
星5/水属性/天使族/攻1000/守1000
このカードは戦闘によっては破壊されない。
このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
このカードを生け贄召喚する場合、自分フィールド上の水属性モンスターを
任意の数だけ生け贄にできる。このカードの生け贄召喚に成功した時、
生け贄に捧げた水属性モンスターの数だけフォッグカウンターをこのカードに置く。
このカードの攻撃力はフォッグカウンター1つにつき500ポイントアップする。


一輪 「ニンバスマンは生け贄にした水属性モンスターの数だけ、
    フォッグカウンターを乗せることができる。この場合は二つね。
    そして、このカードの攻撃力は、場全てのフォッグカウンターの数だけ500アップするわ。
    よって、ニンバスマンの攻撃力は……」


    雲魔物―ニンバスマン   攻撃力4000


妖夢 「(4000……!?)」

一輪 「お待ちかねのゲンコツタイムよ。折檻してあげましょう。
    まずはアイ・オブ・ザ・タイフーンで、裏守備を攻撃!」

妖夢 「くっ、2枚目の虎鉄です! デッキから幻惑の巻物を手札に加えます」

一輪 「(幻惑の巻物……? 
    はて、どんなカードだったかしら。
    聞き覚えのあるような名前ではあるけど、昔のカードなのかな……?)」

一輪 「まあいいでしょう。
    アイ・オブ・ザ・タイフーンの効果で、ターレット・ウォリアーは攻撃表示になっているわ。
    ニンバスマンで攻撃! キングクラーケン殴り!!」

妖夢 「うっ……」LP3200→2600

一輪 「最後にストーム・ドラゴンでダイレクトね。えいっ」

妖夢 「あたっ! だからやめてくださいよ」LP2600→1600

一輪 「たまには自分でゲンコツするのも気分いいわね。ターン終了」



一輪  LP6700:手札0:ニンバス(雲2・攻3500)、タイフーン(雲1)、ストームドラゴン(雲2)、スピバ、スコール、宝札雲、伏せ1
妖夢  LP1600:手札2:伏せ1



妖夢 「わたしのターン、ドローします。
    スタンバイフェイズに、除外していた大嵐を手札に加えます。
    そしてリバースカードオープン、無謀な欲張り」


《無謀(むぼう)な欲張(よくば)り/Reckless Greed》 †
通常罠
カードを2枚ドローし、以後自分のドローフェイズを2回スキップする。


妖夢 「デッキから2枚ドローします。
    …………はぁ~」

一輪 「急にため息なんてついてどうしたの?
    どうあっても勝てそうにないから自殺でもしたくなったのかしら」

妖夢 「半分死んでる身なので自殺もないんですけどね。
    ちょっといろいろと想定外だったってだけですよ」

一輪 「ほう、想定外。何が?」

妖夢 「一番最初のデュエルだから、軽く捻って終わらせるつもりだったのに。
    思いの外時間食っちゃったってことです。
    だいたい、しょっぱな出てくるのは普通1ボスかよくて2ボスでしょう。
    なんであなたみたいな3ボスがでてくるんですかぁ」

一輪 「言ってることはまったくわけわからないけど、一部は聞き取れたわ。
    時間くっちゃったって言ったけど、なんで過去形なのかしら」

妖夢 「それは……つまり、もう勝負はついたってことですよ!
    手札から、大嵐を発動!」


《大嵐(おおあらし)/Heavy Storm》 †
通常魔法(制限カード)
フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て破壊する。


一輪 「させないわ! チェーンして永続罠発動! 宮廷のしきたりよ」


《宮廷(きゅうてい)のしきたり/Imperial Custom》 †
永続罠
フィールド上に表側表示で存在する
「宮廷のしきたり」以外の永続罠カードを破壊する事はできない。
「宮廷のしきたり」は、自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。


一輪 「大嵐の効果で永続魔法は破壊されるけど、永続罠は宮廷のしきたりしか破壊されない。
    よってあなた一番破壊したかったスピリットバリアは残ったわ。
    相変わらずわたしにダメージは通らない」

妖夢 「……ですね。でも、織り込み済みです」

一輪 「(……なんですって?)」

妖夢 「わたしが狙っていたのは、伏せカードが無くなり危険の心配が去ったこの瞬間。
    手札から、重装武者ベン・ケイを召喚!」


《重装武者(じゅうそうむしゃ)-ベン・ケイ/Armed Samurai - Ben Kei》 †
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻 500/守 800
このカードは通常の攻撃に加えて、
このカードに装備された装備カードの数だけ、
1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。


一輪 「ふぅ、何かとおもえば……。また貧弱なサムライカードか。
    言ったはずよ、剣じゃ雲を斬ることなんてできないって」

妖夢 「なら、斬ってみせますよ。
    この楼観剣は、一振りで幽霊数匹をも切り捨てる。
    斬れないものは、ほとんど無いんです! 
    わたしはベン・ケイに、魔導師の力、進化する人類を装備!」


《魔導師(まどうし)の力(ちから)/Mage Power》 †
装備魔法
装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚につき
500ポイントアップする。


《進化(しんか)する人類(じんるい)/Unstable Evolution》 †
装備魔法
自分のライフポイントが相手より下の場合、
装備モンスターの元々の攻撃力は2400になる。
自分のライフポイントが相手より上の場合、
装備モンスターの元々の攻撃力は1000になる。


妖夢 「魔導師の力は自分フィールドの魔法・罠カード1枚につき500攻撃力をアップさせ、
    さらに進化する人類でベンケイの元々の攻撃力を2400にします」


    重装武者―ベン・ケイ   攻撃力3400


一輪 「惜しいけど、ニンバスマンの攻撃力には届いてないようね。
    だいたいいくら武器を強化しても、斬れないものは斬れないんだから無駄だって……」

妖夢 「そこでさっき手札に加えたカードを使うんです。幻惑の巻物」


《幻惑(げんわく)の巻物(まきもの)/Scroll of Bewitchment》 †
装備魔法
装備モンスター1体の属性を、自分が選択した属性に変える。


一輪 「ん~? どういうこと?」

妖夢 「このカードを装備させると、装備したモンスターの属性を任意に変えることができる。
   わたしはベンケイの属性を、光属性に変更します」

一輪 「だから、属性を変えたからどうだってのよ」

妖夢 「こうすると……雲でも斬れる無敵の武器が出来上がるんですよ!
    最後に、ライトイレイザーを装備!!」


《ライトイレイザー/Light Laser》 †
装備魔法
光属性・戦士族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターと戦闘を行ったモンスターを、
そのダメージステップ終了時にゲームから除外する。


一輪 「(……えっ!? このカードって……)」

妖夢 「そう、この剣は光属性の戦士族のみ扱える装備魔法です。
    属性が光になったことで、ベンケイはライトイレイザーを装備できます。
    ライトイレイザーは、戦闘したモンスターを問答無用で消し去る武器。
    さて……魔法・罠ゾーンにカードが増えたことで、改めてベン・ケイの攻撃力は……」


    重装武者―ベン・ケイ   攻撃力4400


妖夢 「では、バトル。ベン・ケイで、雲魔物ニンバスマンに攻撃!」

一輪 「(ううっ。ダメージこそ受けないけど……)」

妖夢 「ライトイレイザーの効果で、ニンバスマンは除外。
    そして重装武者ベン・ケイは、装備したカード1枚につき一度ずつ、攻撃回数が増える。
    弁慶の装備している武器は4つ。よってあと4回攻撃することができます。
    ストーム・ドラゴンとアイ・オブ・ザ・タイフーンを攻撃!」

一輪 「(入道達が切り裂かれた……!)」

妖夢 「これでモンスターはいませんね。ベン・ケイの残り攻撃回数はあと二回。
    プレイヤーにダイレクトアタックです! 断迷、迷津慈航斬!!」

一輪 「あららら……」LP6700→2300→0


    *



妖夢 「……またつまらぬものを斬ってしまった」

一輪 「悪かったわね、つまらなくて」

妖夢 「う~ん。やってみれば雲も斬れるもんなんですね。
    次は何を斬ろうかな~。
    あ、それはそうと、約束通りこのお豆腐はいただきますね」

一輪 「仕方ない、負けは負けだ。どうぞ」

妖夢 「おおおっ。これは里でも有名な豆腐屋さんの焼き木綿豆腐じゃないですか。
    豆腐なのに秋季限定とかいう」

一輪 「うちの姉さんは、湯豆腐は焼いた豆腐じゃないとだめって譲らないひとなの」

妖夢 「お上の方がみんな変人なのは幻想郷の風土みたいなものですからね。わかります」

一輪 「姉さんはいい人ですよ?」

妖夢 「(よーし、とにかくお豆腐ゲット~。この調子でサクサクいきたいな)」

一輪 「あなた、もしかしてこれからそうやってデュエルしてまわる気?」

妖夢 「そうですが、なにか?」

一輪 「だったら早めにしたほうがいいわよ。焼いた豆腐の足は早いから」

妖夢 「なるほど。ご忠告痛み入ります。
    ところで、あなたは今里の方から来たんですよね?
    途中で誰か妖怪とすれ違いませんでしたか?」

一輪 「そうねぇ。ついさっき山の方へ行く奴を見たけど」

妖夢 「なるほど。やはり山ですね。情報ありがとうございます。
    それではこれで。あなたも、お体に気をつけて」

一輪 「(本当、礼儀正しいのか悪いのかわからない子なのね……)」





















                          ・・・・・・To be continued
 おはこんばんちわ~、クラミ痔あです。
 さっそく第二話……なんですが、一話がプロローグ扱いなので実質これが第一話みたいなもんです。


 例によってキャラとデッキ紹介……

 妖夢は戦士族で装備カードが多めってくらいで、他は特にコンセプトはありません。
 で、フィニッシャーがまさかのベンケイw
 というのも、最後のコンボと決め台詞がやりたかっただけだったり。
 幽霊が斬れるぐらいなので、妖夢なら雲ぐらい斬れるだろうって話でした。
 前回のあとがきにも書いた通り、妖夢はこれから戦士族に関するいろいろなデッキを使っていく予定です。

 相手の方は、雲居一輪さん&雲山さん。デッキは雲魔物です。
 入道使いな彼女にはこれしかないでしょう。うん。
 だいたい、雲山さんが見た目ほとんど雲魔物みたいなもんだし(ぇ


 初めなので、まずは軽めのデュエルから。
 前作もそうでしたが、序盤はこのぐらいからしばらくまったりやっていくと思います。

 次回はくるくる回っているあの人。ではまた~ ノシ
クラミ痔あ
コメント



1.儀式を使う程度の能力削除
一輪さん…来た瞬間に雲魔物って想像付きましたよwwこれ以上のハマり役も無いですwwww
サルベージで墓地調整してクリスティアを出す無謀な雲魔物なら見た事ありますが…なるほど、純雲魔物とはこういうモノなのか。
楽しませて頂きましたー
2.名前が無い程度の能力削除
面白かったのです。ただ、妖夢は勝つと食材を奪えますが、
妖夢が負けた時のデメリットが特に無かったので、相手にとっては戦う意味が薄いものなっている気がしました。
3.名前が無い程度の能力削除
訂正を二ヶ所。
アイ・オブ・ザ・タイフーン召喚のリリースが、タービュランスとスモークボールになってます。ここはスモークボール二体のはず。
デュエルとは関係ないけど、幽霊を斬るのは楼観剣であり、白楼剣じゃないです。

雲魔物はアルカナとの合成で組んでるけど、純正はあまり回したことないなあ。
4.クラミ痔あ削除
皆さんコメありです。返信させていただきます。

>>1
クリスティア面白そうですねw
墓地調整もしやすそうですし。

純正の雲魔物は確かに珍しいですね。
といっても、上のはデュエル自体が短いので、あんまりうまく魅せれなかった感があります。なので参考にはならないかもしれません。
雲は面白い動き方がけっこう多いのでできれば全部書きたかったですが、一番初めのデュエルということであっさりしたものにしました。
自分は雲魔物は純正とパーミッションと、あとダークルーラーをフィニッシャーにしたのを組んだことがありますが、純正がダントツで勝てませんねw

>>2
歩いている通行人を妖夢が片っ端から襲い掛かるような感じですので、基本彼女が何か損することはありません。
相手にとっては……まあ、この人たちは結局遊んでいるだけですので、楽しんでるからそれだけでいいんじゃないでしょうかw
とはいえ、貴重なご意見としていただきましたので、次回からその辺も注意していこうと思います。

>>3
ウギャアアア最初からやってしまった……のか……orz
で、でもまあこれぐらいは許容範囲内……のはず!
とはいえ、東方の設定を間違えるのは何よりもいけませんね。即刻修正させていただきました。ついでにデッキ名も。

いつも指摘くださる方でしょうか。毎度毎度ありがとうございます。
今作でも、これからまたお世話になるかもしれません。
なるべくならないように頑張りますw
5.奇声を発する程度の能力削除
おお!面白かったです!
続きが楽しみ!
6.名前が無い程度の能力削除
相も変わらず、魅せデュエルがわかってらっしゃる。
次回は雛さんかな?デッキの詮索はしませんが、くるくる回るデッキなんでしょうかねぇ。ガチデッキのよく回ること。