・こちらには初投稿です。
・プロットも無しに勢いで書いたためお見苦しい箇所が多々あります。
・咲マリがジャスティっている作者です。
「持ってくぜー!!」
今日も今日とて元気に強盗稼業。
後ろの方からパチュリーの弱弱しい声が聞こえるのも、いつものこと。
「ちょっと待ちなさい」
そんないつも通りの紅魔館の廊下でちょっぴりいつもどおりじゃない出来事が。
鬼のメイド長、十六夜咲夜の登場である。
「おろ?珍しいな。まさか、私を止める気か?」
八卦炉を取り出して臨戦態勢を整える魔理沙。
「違うわよ。ここで貴方とやりあって屋敷がこれ以上壊れても困るし」
「じゃぁ、なんだ?説教か?」
八卦炉を構えたまま、あわよくば逃げ出す事を考え始める。
「これ」
が、差し出されたものはとっても甘そうな、まあるいお菓子。
「…ドーナツ?」
「さーたーあんだぎーと言うそうよ。外の世界のお菓子作りの本に載ってたから、作ってみたのだけれど」
「さーたー…?」
「そう。でこれ。ちょうどお茶の時間だし、私も休憩時間だし、一緒に食べない?」
珍しいこともあるもんだ、と少し困惑する魔理沙。
「門番にやればいいんじゃないか?泣いて喜ぶと思うんだが」
「彼女にはもう上げたわ。150個ほど食べたあたりで力尽きたわ」
「要するに作りすぎたんだな…。お客人に余り物を出すとは、あまりよろしくないんではないか?」
「あら、私は作りすぎたから片付けてほしいなんて一言も申しておりませんわ?新しいお菓子を作ったからそれでおもてなししようと思っただけですわよ?」
ほほほ、と胡散臭げに笑う咲夜。
「まぁいいや。お前のお菓子が食べられるんならなんだっていいぜ」
「あら、お褒めに預かり光栄ですわ。では、魔理沙様、こちらへどうぞ」
「うむ、くるしゅーないくるしゅーない」
そう言って、自分の私室へ案内する咲夜。
魔理沙も、なんだかんだ言ってお腹が空いていたし、あの咲夜だ。万が一にも不味い事などあるまい。
そう思ってうきうきしながら後をついていった。
「で、なんでこんな状態になってるんだぜ?」
「すり替えておいたのさ!」
「何と何をだ!!!」
現在魔理沙はベッドに座った咲夜の膝の上に座らされていた。
「私の膝と貴女の座るベッドの位置をよ」
「わかりにくいわ!…で、なんでこんな姿勢でドーナツ食わなきゃいけないんだ」
「ドーナツではなくてさーたーあんだぎーよ…こら、大人しくしなさいっ」
膝の上に座らされた後にぎゃいぎゃい騒いだが咲夜の腕が腰とか鎖骨とか首筋とかに回ってきたために抵抗をやめた魔理沙が、諦めがちにこう聞いた。
「私ね、前々から思っていたんだけど」
ふむ、と少し考え込む仕草をした後
「貴女を愛でてみたかったのー!!」
ぐぅあばっと膝に乗せた魔理沙に後ろから抱きつく形で顔をうずめ耳の裏の匂いを嗅ぐ咲夜。
「うひ!?止めろー!止めるんだぜえええ!!!うひゃひゃひゃ!!!」
くすぐったいやらくすぐったいやら、要するにくすぐったくて暴れる魔理沙、を巧みな腕さばきで動きを抑えつける咲夜。
「そんな無駄に洗練された無駄な腕さばきなんかどこで手に入れてくるんだああああ!!?」
「ぜーはー…ぜーはー…。ううぅ、もうお嫁にいけないんだぜ…」
たっぷりと5分ほど魔理沙の首筋や耳や髪に頭をうずめてすーはーすーはーくんかくんかした後、ようやく解放された魔理沙は咲夜の部屋のベッドに腰掛けて今度こそ紅茶とドーナツを嗜んでいた。
「あら、もしそうなったら私が貰ってあげるわ」
ぶっはぁとカップの中に盛大に吹く魔理沙。
「あらあら、そんなまるで突拍子の無いセリフを聞いた後の人のようなリアクションして」
しれっとした声色で言う咲夜。
「…畜生何が楽しくてそんなに乙女の純情を弄ぶんだぜ」
むっとした顔でドーナツを頬張る魔理沙。
「貴女のころころ変わる表情が、好きだからよ?」
瞬間、かぁぁぁっと顔が赤くなるのを感じる魔理沙。
ド直球に好きだなんて、言いやがって。畜生。
「どうしたの?顔が真っ赤よ?」
あぁ、そのにやにや顔がむかつく。何かひと泡吹かせてやりたい。
そんな極端な負けず嫌いの魔理沙が出した極端な反撃の方法は。
ちゅっ
「…………へ?」
時が、止まった。
そして、何を、されたかを、咲夜の、頭が、理解した、瞬間。
ッボンッッ!!!
という効果音が聞こえてそうなくらい、一瞬にして顔を紅魔館くらい真赤に染める咲夜。
「へ、へへへへ…。思い知ったか!散らされた乙女の純情パワーを!!」
してやった。おそらく『熱でもあるんじゃない?』みたいな感じにテンプレート通りの嫌がらせをしようと顔を近づけてきた咲夜の唇に魔理沙の唇がスターダストレヴァリエ。
してやった魔理沙の顔も同じくらい不夜城レッドだったが。
しばらくの気まずい沈黙の後。
「き、今日はこのくらいにしておいてやるんだぜ!あばよ!!!」
なにやら真赤になってショートしている咲夜が正気に戻る前に逃げようと、捨て台詞を残して箒にまたがり窓を突き破って逃げ――られなかった。
がっしりと、その脚を掴まれていたからだ。
あわてて振り返った魔理沙が見たものは
「フ…フフフ……フフフフフフフフフフフフフフフフフ………」
初めに感じた感情は、恐怖だった。
「フフフフフ……ククククククククク………」
次に感じた感情は、恐怖だった。
「え…えーと…咲夜さん?」
「ふぁ………」
「ふぁ?」
最後に感じた感情は、恐怖だった。
「ファーストキスだったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
「ええええええええええええええええええええええ!!!!!!?」
その日、咲夜の部屋に色んな声(嬌声やら悲鳴やら喘ぎ声やら)がこだました。
終われ。
あと嬌声や喘ぎ声の部分が(ry
>悶悶いている
→悶悶「し」ている?
咲夜「それは違うわ。完全で瀟洒な変態よ」
魔理沙「完全に変態の間違いだろ」
>2様
期待しないで待っててください^q^
>3様
咲マリ!マリ咲!
今度のご注文はどっち!?
>4様
甘いという感想ありがとうございます
タイトル間違えるとはなんたるorz
この咲夜さんキスしたら結婚しなければならないとか絶対そんな間違った思い込みしてると思う。
このまま魔理沙は責任を取らされ紅魔館住人になってしまったんじゃないだろうか。