「アリス、何してるの?」
「見て分からない?」
わからないから聞いている。
紅魔館の図書館で、レコードを回して座っているアリスだが、妙なことに周りが静かだ。
「音楽を聴いてるのよ」
「どうやって?……あれ?」
アリスの耳に黒い線が伸びている、その先にある丸いものを耳にはめ込んでいる。
もしかしてイヤホンってやつ?
「これいいわね、音を独り占めしてる感じ」
「音楽って一人で聴くものなの?」
「アンタはプリズムリバーの演奏くらいしか聴いたこと無いんじゃない?」
そういわれると確かにそうかもしれない、普段からそこまで音楽に関心を持っているわけでもなし、良い曲かどうかはほとんどフィーリングで判断している。
「どんなのを聴いてるの?」
「クラシック」
アリスの脇に腰掛ける、目の前にはレコーダーが置いてあるが音は聞こえない。
隣にいるアリスの耳にしか聴こえていない。
「……♪」
椅子に腰掛けて、片耳でクラシックを聴いて、本を読んでいる。
これ以上の贅沢はないだろう。
私がずっと見ているのに気がついてか、アリスが気を使い始めた。
「あんたも聴く?」
「ん?いや、別に」
「もう片方つけたら?」
「んー」
悠々自適なアリスの平和な姿を眺めているのも面白かったが、退屈であることに変わりは無かった。私も音楽を聴いてみるか。
右側にいるアリスの声が聞こえるように、左側にイヤホンをつける。
すると空気を呼んでかアリスもイヤホンを右耳に付け替え、本を閉じた。
とりあえず音楽を聴こうということなんだろう。
「……」
「……うん」
「………」
「………なんかよくわからないけど、落ち着くわね」
それくらいしか感想が言えなかった。
こればっかりは感受性とかそういうのは関係なく、言葉の選び方だろう。
綺麗事を並べてなんとなくすばらしい感じを伝えてもいいが、寒気がするような言葉は使いたくない。
「アンタらしい」
「アリス、貴女だったらなんて言うの?」
「……落ち着くわね」
「ボキャブラリーに乏しい連中だこと」
何でこんな二人が音楽なんて聴いてるんだ?あいつもそう思ったのか、お互い笑い出してしまった。
とりあえず終わりまでは聞こうとぼーっとしていると、背後から声が聞こえた。
というより、声がしていた。
「小悪魔、いたの?」
「はい、ずっと」
「え?」
アリスは気がついていなかったようだが、ずっと背後で小悪魔はクスクス笑っていたらしい。
どういう意図なのか、本当にわからないなこいつは。
「なんだか後ろで見ていると、お二人はアツアツの夫婦のようです」
「ぶっ!」
「あらそう」
「何言ってんのよ!ふ、ふ……夫婦!?」
アリスはひたすら動揺していた、私はそういう意見もあるかと思って感心していたが。
必死にアリスは否定している。
「夫婦とかありえないから!絶対に!まず女同士で夫婦なんていわないでしょ!」
「じゃあ恋人ですね」
「恋人ぉ!?こ、こ……恋って?恋してるって!?ちが……ないから!絶対ないから!」
顔を真っ赤にして身振り手振りを加えて抵抗を続けるアリス。
言えば言うほど小悪魔も私もたまらなくなり、笑いが止まらなくなった。
「なに笑ってんの!?咲夜、あんたもよ!あんた恋人とか言われてんのよ!」
「え?ええ、そうね」
「そうねじゃないって、わ、たし達、恋人?そうなの?違うでしょ!?」
「さぁ…?」
アリスは否定したいのかなんなのか、もうよくわからなくなっていた。これがパニックってやつか。
「と……とにかく、ね、恋人とか夫婦とか、ないから、ね?」
「はい、じゃあ愛人ですね」
「ぁぁあいじん!?誰が……ってか、誰の愛人よ!誰が愛人なのよ!」
「私の…」
小悪魔がもじもじしながら私の服の袖を掴む。
顔を赤くして恥ずかしそうに即座にスタイルチェンジする小悪魔技だ。
「あんたが、で、私が、愛人!?ふざけんな!」
「じゃあ、アリスさんが本妻でいいですよ」
「じゃああんたが愛人!?やめてよこの泥棒猫!!」
その様子を見ているだけで面白かった。私をダシにして小悪魔がアリスをからかって、一々それを真に受けて怒鳴るアリス。
アリスが私にとって友人なのか恋人なのか、考えることはしなかった。考えたところで答えは出ないし、アリスがこれだけ否定するってことは当面はそういうことはなさそうだ。
「あっと、そろそろ仕事に戻りますね」
「ん、そう」
「え!?……あ、もうこんな時間か」
「今日は帰ったら?別に私の部屋に泊まって行ってもいいけど」
「あ、あんたの部屋!?」
「床で寝ることになるけど」
「あ……なんだ」
ここで残念そうにするのは、想像道理だ。
.
「見て分からない?」
わからないから聞いている。
紅魔館の図書館で、レコードを回して座っているアリスだが、妙なことに周りが静かだ。
「音楽を聴いてるのよ」
「どうやって?……あれ?」
アリスの耳に黒い線が伸びている、その先にある丸いものを耳にはめ込んでいる。
もしかしてイヤホンってやつ?
「これいいわね、音を独り占めしてる感じ」
「音楽って一人で聴くものなの?」
「アンタはプリズムリバーの演奏くらいしか聴いたこと無いんじゃない?」
そういわれると確かにそうかもしれない、普段からそこまで音楽に関心を持っているわけでもなし、良い曲かどうかはほとんどフィーリングで判断している。
「どんなのを聴いてるの?」
「クラシック」
アリスの脇に腰掛ける、目の前にはレコーダーが置いてあるが音は聞こえない。
隣にいるアリスの耳にしか聴こえていない。
「……♪」
椅子に腰掛けて、片耳でクラシックを聴いて、本を読んでいる。
これ以上の贅沢はないだろう。
私がずっと見ているのに気がついてか、アリスが気を使い始めた。
「あんたも聴く?」
「ん?いや、別に」
「もう片方つけたら?」
「んー」
悠々自適なアリスの平和な姿を眺めているのも面白かったが、退屈であることに変わりは無かった。私も音楽を聴いてみるか。
右側にいるアリスの声が聞こえるように、左側にイヤホンをつける。
すると空気を呼んでかアリスもイヤホンを右耳に付け替え、本を閉じた。
とりあえず音楽を聴こうということなんだろう。
「……」
「……うん」
「………」
「………なんかよくわからないけど、落ち着くわね」
それくらいしか感想が言えなかった。
こればっかりは感受性とかそういうのは関係なく、言葉の選び方だろう。
綺麗事を並べてなんとなくすばらしい感じを伝えてもいいが、寒気がするような言葉は使いたくない。
「アンタらしい」
「アリス、貴女だったらなんて言うの?」
「……落ち着くわね」
「ボキャブラリーに乏しい連中だこと」
何でこんな二人が音楽なんて聴いてるんだ?あいつもそう思ったのか、お互い笑い出してしまった。
とりあえず終わりまでは聞こうとぼーっとしていると、背後から声が聞こえた。
というより、声がしていた。
「小悪魔、いたの?」
「はい、ずっと」
「え?」
アリスは気がついていなかったようだが、ずっと背後で小悪魔はクスクス笑っていたらしい。
どういう意図なのか、本当にわからないなこいつは。
「なんだか後ろで見ていると、お二人はアツアツの夫婦のようです」
「ぶっ!」
「あらそう」
「何言ってんのよ!ふ、ふ……夫婦!?」
アリスはひたすら動揺していた、私はそういう意見もあるかと思って感心していたが。
必死にアリスは否定している。
「夫婦とかありえないから!絶対に!まず女同士で夫婦なんていわないでしょ!」
「じゃあ恋人ですね」
「恋人ぉ!?こ、こ……恋って?恋してるって!?ちが……ないから!絶対ないから!」
顔を真っ赤にして身振り手振りを加えて抵抗を続けるアリス。
言えば言うほど小悪魔も私もたまらなくなり、笑いが止まらなくなった。
「なに笑ってんの!?咲夜、あんたもよ!あんた恋人とか言われてんのよ!」
「え?ええ、そうね」
「そうねじゃないって、わ、たし達、恋人?そうなの?違うでしょ!?」
「さぁ…?」
アリスは否定したいのかなんなのか、もうよくわからなくなっていた。これがパニックってやつか。
「と……とにかく、ね、恋人とか夫婦とか、ないから、ね?」
「はい、じゃあ愛人ですね」
「ぁぁあいじん!?誰が……ってか、誰の愛人よ!誰が愛人なのよ!」
「私の…」
小悪魔がもじもじしながら私の服の袖を掴む。
顔を赤くして恥ずかしそうに即座にスタイルチェンジする小悪魔技だ。
「あんたが、で、私が、愛人!?ふざけんな!」
「じゃあ、アリスさんが本妻でいいですよ」
「じゃああんたが愛人!?やめてよこの泥棒猫!!」
その様子を見ているだけで面白かった。私をダシにして小悪魔がアリスをからかって、一々それを真に受けて怒鳴るアリス。
アリスが私にとって友人なのか恋人なのか、考えることはしなかった。考えたところで答えは出ないし、アリスがこれだけ否定するってことは当面はそういうことはなさそうだ。
「あっと、そろそろ仕事に戻りますね」
「ん、そう」
「え!?……あ、もうこんな時間か」
「今日は帰ったら?別に私の部屋に泊まって行ってもいいけど」
「あ、あんたの部屋!?」
「床で寝ることになるけど」
「あ……なんだ」
ここで残念そうにするのは、想像道理だ。
.
確かに咲夜さんが積極的に誘うってのはあまりないかもしれないけど
たまには誘っていいんだよ咲夜さん!
でもこういう静かに待つのもアリだったりする。(どっちだ
個人的に隣同士で片イヤホンしてる咲アリって画が素敵に感じました。
もうアリスは紅魔館に住んじゃえばいいのに!
ところでアリスは勿論なんですが氏の小悪魔の可愛さがパネェ…
アリス(愛人)→咲夜さん←小悪魔(本妻)なのか
咲夜さん(本妻)→小悪魔←アリス(愛人)なのか。
小悪魔が赤面しつつ咲夜さんの服を握ったこととアリスの反応から確実に前者だと思いますが。
「誰が愛人なのよ!」はせっかく言い直したならいらなかったのでは?と。そのほうがわかりやすい気がします。それとも愛人ではなく正妻と書くつもりだったのか……。
それから誤字です。
すると空気を呼んでか……読んで、ですね。
とりあえずなんだこの幸せワールド。もっとやれ。早苗さんも呼ぶといいよ。
音楽を聴いている姿ってすごく綺麗でいいですよね。
咲夜さんは結婚しても他の女の子とイチャイチャしそうですねー
>>8
非常に適切な指摘です、そこの場面は俺が頭の中で考えて、漫画のように絵で妄想して、それを会話だけで表現してしまったという感じで、かなり台詞だけのはちゃめちゃな部分になってしまいました。
よくみると、俺以外が見るとかなり分かりづらい内容です。
あと誤字ですね、ちゃんと調べてから書けって話でした…
早苗さんはどういう風に現れるのがいいかな…