Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

天狗と巫女にスキマと鬼の暇つぶし

2010/06/09 03:05:39
最終更新
サイズ
11.58KB
ページ数
1

分類タグ

■注意
ほんのちょっとえっちぃ表現をしています(’’*
本当にほんのちょっとでもそういう表現されてるのが嫌!
というかたはブラウザバックをご利用下さい!


















とある晴れた日博麗神社境内。
いつものように巫女は暇を潰す為に箒を持ち掃除を始めた。

そんな霊夢に天から声が聞こえる。

「こーんにーちはー!清く正しいっ」
「文じゃない。」
「……できれば、最後まで聞いて欲しかったです。」
「何よ、いつもどおりのセリフしか言わないくせに」

文は不貞腐れ、いいもん、いいますもん。清く正しい射命丸でーす!と一人山に向かって叫んでいた。
仲間に向かって自己紹介か。こいつは。

「ああ、そういえばあんたさぁ」
「はい?」
「この前帰るとき、食べちゃいたいとか言ったわよねぇ」
「…あー、そんなことも、ありました、かねぇ…?」

まさか掘り起こされると思っていなかった話題に文の視線は宙を舞う。

「それでさぁ、考えたんだけど」

嫌な予感しかしない。

「はい…」

ニコニコ笑う霊夢は不敵そのもので。

「食べられる前に食べちゃえばいいのよね。今日文がきたことだし、鳥鍋にでもしようかなぁ。」

予感は的中。

「ちょっ!!酷いっ!動物虐待反対!!」
「何が動物よ、生きとし生けるものは食物連鎖ってのがあるのよ。
 あんたは私の血肉になりなさい!」
「いっやっでっす!!全力でお断りさせて頂きます!」

逃げようとする文の腕を霊夢がわしっと掴む。
まさか衰えた?私の反射神経…そんなことを考えながらダラダラと汗を流す文。
そんな文を見て霊夢は満足そうな顔をしている。

「…まぁ今日は勘弁してあげてもいいわ。で、今日は何用?」
「……はぁ、助かります…えっと、今日はですねぇ、実はしn」
「いいわ、結構よ。間に合ってる。」
「だから、まだちゃんと要件いってないじゃないですかっ!」
「前にも言ったでしょう、予測できるセリフはいらないわ。」
「むむむっ、別のセリフだったらどうするんですかっ!」

今日の文は食い下がらなかった。
鳥鍋扱いされたことに少しムカッとしたのも事実だが、毎回引き下がっては天狗の名が恥じる。

「ほーぉ。何を言おうとしたのかしら?」
「たっ、たとえばですよ?し、しんでください!とか!」
「………」
「……………」

霊夢の顔は笑みを浮かべている。しかしその顔はだんだん引きつる。
一方文のほうは段々顔面蒼白になっていく。

「あぁー?やぁーーーあ???」
「はっ、はいっ…」
「覚悟、できてんでしょうねっ…!」

霊夢は次の瞬間、針やらお札やら陰陽玉やらを出して攻撃耐性にはいった。
もう既に警戒態勢に入ってた文はすぐさま後退し、風を押し出し上空へ逃げていた

「まて文!逃げんな!喧嘩売ってきたのはあんたでしょう!?」
「嫌でぇえす!巫女には喧嘩は売っても売りませんから!さよぉならぁあっ」

さすが最速。文はすんなりと戦線離脱をし、霊夢は残った憤りの行き場を失い宙に弾幕を拡散させた。

「…冗談だって分かってても文に言われるのは嫌なのよ。もう…」




……

そんな状況を茂みからこっそり見ていたスキマ妖怪‘八雲紫’が唸る。

「…じれったい。」
「あー、これはじれったいなぁ」

反応したのは鬼、伊吹萃香。
さらに後ろにはあからさまに迷惑そうな顔をした2名。

「…じれったいかもしれないけどさぁ、なんで私が巻き添えされてるんだ?」
「……文様を呼びに来ただけなのに…」

霧雨魔理沙と犬走椛の2名だった。
この意外な組み合わせ。事の発端は紫の行動だった。
なんていうことはないのだが、紫がスキマでちらっとみたら文と霊夢がやり取りをしているのを目撃。
面白そうなので萃香を誘って観察しにきたのはいいのだが、邪魔者2名が上空からやってきたので、スキマで撃退。
もとい、自分の駒として拘束したのだ。

「そもそもじれったいってなんなんだよ。私にはイチャイチャラブラブしてるようには見えなかったぜ?」
「あーら、そうね、あれだけ見るとそうかもしれないわ。
 でも実際あの二人は心の奥底で互いを求めているはずなのよね。」
「へー、そういうふうにはみえないんだがなぁ…」

魔理沙が意外そうな声をあげている横で椛は冷静だった。
それに気付いた萃香が少し突っついてみる。

「そこの天狗、えーっと椛だっけ?あんたはそんな驚かないんだね。」
「…それくらい、知ってましたから。」

あくまで冷静にあの二人の関係を見ていた。

――ま、こいつもあの鳥が好き見たいだしな。
誰にも聞こえないくらいの声でぽそりと萃香は呟いた。

「ま、そこでですわ。作戦を立てようとおもいまして。」
「さ、くせんん…?」
「まぁ、ようは二人を突っつこうっていう話だよ。」
「突っつくっていってもなぁ。何をどうするんだよ。」

紫は至極楽しそうに言う。

「貴方達はただ傍観者でいてくれればいいわ。起こった事を見届けてくれればね。」
「……まぁ、逃げられないしわかったよ。」
「そこの犬っころもいいかしら?」
「犬じゃありません!…まぁ、仕方ないですね。文様の為にもなりそうですし。」

満足そうに紫が微笑み、提案(離脱不可)をした。

「そうね、白狼の天狗には私についてきてもらうわ。
 魔理沙は萃香についていきなさい。私は霊夢を、あなたは文を。妥当な線でしょう?」
「そーだねぇ、それが一番いいかもしれないね。なんで天狗を私につけないのかわからないけど。」
「ちょっと考えがありますから。白狼は借りるわ。」
「うーげぇ、ってことは文を追うのかよめんどくさいなぁ…」
「…わかりました。」

チーム別けも決まった所でお互いは行動に移すことにした。
紫と萃香の目が絡む。

「いい、萃香。つっつくのよ?」
「ああ、わかってるよ。」

二人は至極楽しそうに笑うとお互いの目的の人物の元へと向かっていった。




境内に風が流れた。
最近霊夢には風を感じるとふと空を見上げる癖ができていた。

「…風の色の区別が出きればいいのに。」

ポツリとつぶやいた言葉を汲んだのは

「あら、どうしてかしら?」
「んっげ。紫…」

スキマ妖怪、八雲紫。その後ろには紫の側には相応しくない白狼天狗。

「何の用よ。」
「あらつれないわね。それより質問には答えてくれないの?」
「答える義務がないからね。あんたに言っても理解できないだろうし。」

理解できない、というのはただの逃げだった。
教えるわけにはいかない。馬鹿にされるのが落ちだ。

「ふーん、ま、よいのだけれど。ねぇ、椛。」
「はい?」

にこっと微笑んだ紫は椛に軽く脅しをかけるように手を伸ばす。

「あなた、あの天狗、射命丸文と仲が良かったわよねぇ。」

笑顔の奥から見え隠れする圧倒的な妖気に椛は、ただただ頷く事しかできなかった。




その頃文は暇つぶしにふわふわと空中散歩を楽しんでいた。
早く飛ぶわけでもなく、ただ風任せの空の散歩。
考えることはいくらだってある。新聞のネタが大半だが。
しかし今は別のことを考えていた。

「…なーんで私はあそこでああいう事言うかな。」

もともと自分がお調子者だということは自覚していたが…
さすがに霊夢でも、冗談で言われたとしてもショック受けられるんじゃないか。
そんな事をふわふわ舞いながら考えていた所に聞きなれた嫌に楽しそうな声が響いた。

「おー、いたいた!文ー!!」
「…萃香さん……」

外れていて欲しいがこればかりは間違わない。
露骨に嫌な顔をして迎えたが、後ろにいた人物に意表を突かれた。

「…と魔理沙さん?」
「うっす。」
「何してるんですか、魔理沙さんと萃香さんが一緒だなんて…」

萃香はキシシ、と笑って楽しそうに話す。

「いやー、ブン屋はどうだい?調子は。」
「…はぁ、まぁまぁ……ですが。」

文はあからさまに警戒をしている。萃香はおかまいなしだが。

「いやー、ネタがあるからさ、是非提供しようかと思ってね。」
「へ、ね、ネタですか?」

警戒モードから一転、文の目はキラキラと輝きだした。

「そう、ネタ。それも特大の。」
「是非っ是非教えてください!」

魔理沙はその様子をじーっと呆れた顔で眺めていた。
――あーあ、私は知らないぜ、どうなっても…。




「実はねぇ、丁度偶然しってしまったわけなんだけども」

所変わって博麗神社では紫が楽しそうに霊夢に話し出す。

「…なによ?」
「ふふ、この椛って子がね、あの射命丸文とね…」

椛はどんなとばっちりを喰らうのかビクビクしながら紫の行動を見ていた。
紫は椛の様子はお構いなしに霊夢にそっと耳打ちした。

「こ・い・な・か らしいのよぉ」

「…へ?」
「…はっ?!」

狼なので耳はいい。どんなにこそっと喋っても椛にははっきりと聞き取れた。

「ちょ、そんな」

事実はない! と言おうとした矢先真後ろにできた隙間から手が2本。
いとも簡単に椛の口を押さえ込んだ。

「むーぅうぅ」
「ふふ、で、面白い話を聞いたのよ」

正直、文と椛がそういう関係だということはかなり衝撃を受けたが、霊夢は冷静に見えるように自分を取り繕う。
こいつは全てわかった上で私をからかいに来てるのだから、反応なんてしてたまるか。という霊夢の意地だ。

「………面白い話?」
「お耳、おかしなさいな」

いわれるがままに霊夢は耳を貸す。
紫がこしょこしょと話す内容に霊夢はだんだんと顔を赤く染めていく。
それと同時になんとも微妙な顔つきになっていった。恥じらいやら嫌悪やら苛立ちやらを抱えたなんともいえない顔。

先程も話したが、狼は耳がいい。どんなにこそっと喋っても椛には全て聞き取れている。
霊夢の視線は椛に固定されている。椛は殺気をひしひしと感じながら、顔を真っ赤にして、呻いていた。
(…っ文様とそんなこと、してないって…!紅白に殺される…ッ)

紫は楽しそうに話を続けていた。


…勝手に作った下ネタ話を。



「でっ、その時のれいむ、ピーーーーーがピーーーーッなんだよなぁあぁ」

こちらでも萃香さんが絶賛禁止ワード発動中。
魔理沙は呆れ顔で萃香の様子を見ていた。
(…こんな姑息な嘘に文が騙されるわけないだろう、常識的に考えてさ。)

「…でっ、ぜぇぜぇ……霊夢ったらさ、本当かわいくて、まじでピーーーぜぇはぁ」

萃香は青い顔をしながら必死に喋っていた。
(こいつも動悸が激しくなる程、嘘を吐くのが嫌ならこんなことしなきゃいいのに。
 騙せるわけないんだから…さ……)

ブスリッ



「っ…? えーーー!?」
「ぶひゃははははははははははははっ!!!」

いきなり響いたのは魔理沙の驚いた声と萃香の大きな笑い声。
二人の目の前には文が、微妙な顔をして立っていた。
手元には、文の大切な大切な文花帖に、文のペンがぶすりと…貫通。

「はっ、え!?それ貫通するようなものじゃないよな!?」
「あーっ!笑った笑った!」
「…………」

文は一言も発せずに赤い顔で二人を交互に見ている。
そしてようやく搾り出した言葉が

「…さっきの話、本当なんですか?」

その言葉を聞けて満足したような萃香がけろりと答える。

「さぁ?知りたかったら霊夢の所に行けばいいんじゃない?答えてくれると思うよ。」

文はむむむっと声を上げると俯いて考え始めた。

「……そうします。裏が取れない事は、記事にしないようにしているので。」
「そうかいそうかい、それがいいさ」

萃香はにやっと笑って手を振った。
同時に文は大きく飛び、博麗神社の方向へ飛び立った。

「…まっさか、文があんな嘘で騙されるなんて、思いもしなかったぜ…
 後ノート貫通な…本当にびっくりしたぜ……」
「だっろぉ?いいもん見れたよ!っと、そうだそうだ、紫に連絡しないと。」

そういい取り出したのは陰陽玉。

「…それって」
「うん、地下いくときに使ってた奴だよ。紫にさっき渡されたんだ、連絡が便利だろうって。
 おーい、紫ぃーゆーかーりー?」
『……はいはい、何かしら?』
「そっちに向かったよ、文。」
『了解。こちらも今撤収した所よ。』
「ああ、で、頼みたい事があるんだ」
『何かしら?』
「…スキマだしてくんない?あいつの速さにゃ私らはおいつけんからおいしい所見逃してしまう」
『…ああ、そうね』



「みっ、巫女っ!!」

博麗神社、空から降ってきたのはいつもの鴉天狗。

「…文……あんたに聞きたい事があるんだけれど」
「わ、私だって貴方に聞きたいことがあるの!」

霊夢は気まずそうに話し、文は記者モードがすっかり抜けてあたふたしている。

「椛と付き合ってるって本当?」
「萃香さんとごにょごにょな関係って本当ですかっ!?」

二人は同時に声を出し、お互いに呆けた顔をした。

「……え、ごにょごにょって何よ。」
「…ごにょごにょっていうのは、その…あの…えっと、お付き合いしているのかなと」
「…してないわよ…!あんたこそ椛と付き合ってるの?」
「それは、何情報ですか…そんなわけありません。」

二人が二人して深いため息をつき、よかったぁー、と言う。
そしてその言葉を聞きお互いがお互いを見る。

「…良かったって、何よ」
「…良かったって貴方だって言ったじゃないですか。」
「……別にこっちのことよ」
「……私だってあっちのことです。」

お互いがお互いをじっと睨んで時間が少しずつ進んでいく。
次の瞬間、二人がクスりと笑い出した。

「……文、お茶飲んでいく?」
「そうですね、頂きます。」

二人は横に並びゆっくりと神社へ向かっていった。



■おまけてきな。

一方、草むらでは。

紫「…おかしい、何故あれでくっつかないのかしら?」
萃香「わー、見事なスルー能力だね、二人とも」
魔理沙(スルーっていうのか、あれ…)
紫「…うーん、案外手強かったわね」
萃香「だなー、また今度作戦練らなきゃいけないかな?」
紫「そうね、でも十分遊んだし、飽きたからしばらくはいいわ」
魔理沙「やっぱり暇なだけだったんだな…」
椛(えー…これから博麗の巫女に近付けないな…まぁいいけど)
紫「あ、そうそう、また何かするときは呼ぶかもしれないからよろしくね、お二方」
魔理沙・椛「勘弁…」
あやれいむは私の、いや世界の希望。
霊夢→(⇔)←文←椛 の図が大好きなんです。
必要ないけれどそういうのを入れてしまいました。
誤字脱字があればお知らせください(゚ω゚*)
Misaki
コメント



1.ケトゥアン削除
あやれいむ来た!
これで今日も勝つる!
そうそう!これがあやれいむなんだよ!
2.奇声を発する程度の能力削除
何かもうあやれいむばっかですね…
3.名前が無い程度の能力削除
未曾有のあやれいむブームが来ている!
4.オオガイ削除
私も霊夢⇔文←椛の関係が好きです。
良いあやれいむ、甘々で美味しいですね。
感謝です。