とある幻想郷の朝。
その日も鴉の声で一日が始まった。
「アーリースさん、しっんぶっんです♪」
深い森の奥で、やたら楽しそうな声が響く。
これから始まるロマンスを、心待ちにしているかのような、乙女の声だ。
「あれ~? いらっしゃらないのかな」
ドアをとんとんと叩くが反応が無い。
まだ早朝とはいえ、大体が徹夜で人形を作っているアリスなら起きている時間のはずなのだが。
「部屋の明りは点いていますし……まさか!?」
鴉の予感は嫌な予感。
アリスの身に何か合ったのではないかと、慌てて玄関のドアノブに飛びつく。
そのドアにはもちろん鍵が掛かっているはず。と思い、勢い良くぶち破るくらいの威力で開け放った。
その間わずか0.2秒。全力全速であけられたドアの威力は凄まじかったに違いない。
とまぁ、その結果どうなったかというと。
「アリスさん今助けにいきますからね!」
「朝っぱらから誰? 近所めいわぶっ!!」
バキッ! とか ドガッ! とかそんなちゃちな音じゃない。
人が潰れる音ってあんな音がスルンダー、なんて鴉は案外冷静に考えていた。
目の前で崩れ落ちるアリス。
そして約1分後。。。
「アリスさぁぁぁぁぁん!? 一体誰が、誰がこんな酷いことを!」
おはよう。今日の幻想郷も楽しい一日になりそうです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こんにちは、清く正しい射命丸 文です。
現在午前6時を回ったところですが、私は今アリスさんの家にお邪魔しております。
だれだ本当に邪魔とかいったやつ、ちょっとスカートを穿いて私の目の前に立ちなさい。
……コホン。で、ですね、私の目の前で、何故か、アリスさんが鼻血を吹いて倒れたわけです。
そして幻想郷一やらし、もとい、優しい私が、アリスさんをベッドまで運んで治療をしたんですよ。
せっかくのすけすけシースルーが、鼻血で汚れて大事な場所が見えなくなってしまったのがとても残念です。
あ、そうか。着替えさせればいいのですね。
アリスさんが起きたときに、スケスケからスカーレットに、そして乾いてブラックになっていたら驚きます。
私だって驚きます。
よし、理由が出来たところでさっそく……
「ん……あれ、私……」
「ああああアリスさん。あのですね、これは決してやらしい行為をしようとした訳ではなくて、汚れたお召し物を交換しようとですね」
「あ……文じゃない。おはよう」
「えっと、その……おはようございます」
セーフ? ぎりセーフ?
にとりがキュウリを食べるのに実は、塩がないと食べれられないという情報を暴露するくらいセーフですよね?
「ところでどうして文が、私の上で馬乗りになっているのかしら?」
アウトでした。
あぁ、太もも越しに伝わるアリスさんの体温あったかいなり。
「とりあえず降りてよ」
「嫌です」
即答。もちろん即答ですとも。
だって私アリスさんの事好きですから。
「じゃぁ状況説明を求めるわ」
「アリスさんが玄関先で倒れていたので、介抱してました」
「玄関? そういえば騒音で目が覚めて、それから……」
「OH、まいすいーとはにー。きっと貧血だったんでしょう」
「そうかしら」
「ちゃんと寝るときは寝ないといけませんよ?」
「えぇ、ありがとう。今度からそうするわ。で、いい加減降りてくれない?」
「嫌です」
いきなりですが、私はアリスさんが好きです。
飲み会などで、一人でひっそりと飲んでおられる姿が好きです。
酔うと、魔理沙さんの愚痴をえんえんと聞かされるのは、ちょっとつらいけれど。
そんなことより、重なり合っている太もも同士が汗ばんできて、実に健康的だと思いませんか?
「まったく思わないわね。ついでに言っておくと、こんな状況で告白されても困るのだけれど」
「私の考えていることが分かってらっしゃる!? まさかアリスさんはさとり妖怪だったのですか!?」
「全部しゃべっていたわ。そして玄関での事、思い出したのだけれど?」
なんてこったい。
全部筒抜けでした。
告白はもっとロマンチックにいきたかったのですが、仕方ないですね。
仕方ないついでに、一線越えちゃいましょう。
「いいから、降・り・な・さ・い」
「痛い痛い! 太ももの内側を抓られると半端なく痛いですよ!?」
「知ってるわ」
アリスさんも、まさかのさでずむ勢でした。
霊夢さんに毎朝、蹴られて起こされている私も、これには涙しそうです。
「泣いてもいいから退いて。着替えたいのよ」
「あ、これは失礼、気が付きませんでした」
生お着替えとあらば、特等席で見なければいけませんよね。
上からよりも、下から見上げるようにするのがポイント高いのです。
揺れる下乳バンザイ。
「一応言っておくけれど、こっち見ないでよ?」
「私も一応言っておきます。分かりました」
「貴女が一応がダメでしょう! あぁもう、上海ちゃんと見張ってて」
アリスさんの言葉に従っているのか、強い眼差しで人形が私を見上げています。
私はアリスさんを見上げています。
GJ美乳。
「あ」
「どうしたの文?」
「と言う間に、着替え終わりましたね」
「いつも人形に服を着せてるもの。自分できるのも慣れているわ」
「なるほど……ん?」
まぁいいでしょう。眼福でしたし。
「なんかもう、貴女達に着替えを見られるのも慣れてきたわ……慣れたくなかったのだけれど」
「達、ですか?」
「貴女、魔理沙、さらに遠見の魔法をパチュリーが使っているわ」
「モテモテですねアリスさん」
後で魔理沙さんは締めておきましょう。
パチュリーさんは、私と気が合いそうなので許します。覗きとは乙女の浪漫ですし。
「まったく、私には本命がいるのに」
「そうですよね。アリスさんには私がいるのに」
「ちがうわよ」
「またまたー。恥ずかしがらなくてもいいんですよ?」
「一体、貴女の脳はどういう構造しているのかしら。一度バラして見たいわね」
「えぇっと……もしかして、私ふられました?」
「もしかしなくて、ふったわ」
アリスさんにふられました。
上海人形さんの服のほつれを直しながら、そっけなく。
普通女の子は告白されたら、少しはときめいたり、ドキドキするんですよ?
やっぱりアレですか。告白の仕方がまずかったですか。
では仕切り直してみましょう。
「アリスさん……好きです。私と付き合ってください!」
「嫌よ」
「なぜに!?」
「だから、本命がいるって言っているじゃないの」
なんということでしょう。
飲み会の席で愚痴を聞いたり、酔ったアリスさんに膝枕してあげたりしたのに、フラグは立たなかったようです。
ゆるすまじ本命さん。
「むむぅ。でしたらその本命さんを教えてください」
「言ったら諦めてくれるのかしら?」
「場合によりますね。魔理沙さんでしたら殺してでも奪い取ります」
「そう、なら大丈夫ね。だって私が好きなのは、貴女と一緒に住んでいるあの子だもの」
私と一緒に住んでいる?
うーん……私は一人暮らしなのですが……
そうか! 分かりましたよ!
「つまり、普段の私ではなく、新聞記者としての私ってことですね!」
「違うわ」
「ガーン!」
もう分かりません、降参です。
結局、私の恋が実らなかったということしか、分かりません。
私は失恋の世界でも最速なんですね。
あ、今うまいこと言った。
「ふられてしまったので、失恋の悲しみを背負ったまま、私は帰りますね」
「はいはい。いつも新聞配達お疲れ様」
「これからも文々。新聞をよろしく!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ということがあってですね。ふられちゃいました。あ、おかわり」
「大盛でいい?」
「特盛で!」
「ん……はいどうぞ」
「ありがとうございます! 霊夢さんの作ったご飯は本当に美味しいですね~」
「ほめても何もでないわよ」
「衣食住を提供していただいているだけでも、おお助かりですよ」
「勝手に住み込んでるだけのくせに」
「だって、ふられたときは霊夢さんの膝枕が、一番いいんですよー?」
「知らん」
「ところで、私また綺麗になりましたかね?」
「は?」
「だって、失恋の数だけ人は綺麗になるって言うじゃないですか」
「あんたは妖怪でしょ」
「そうでした」
「でもまぁ……あんたは綺麗かな」
「知ってます」
「こいつ……」
「ところで巫女巫女霊夢さん」
「何よ、ミスターカラテ」
「私と付き合ってください」
「嫌」
「でしたら、私と結婚してください」
とある幻想の夜。
その日も鴉の鳴き声で終わった。
その日も鴉の声で一日が始まった。
「アーリースさん、しっんぶっんです♪」
深い森の奥で、やたら楽しそうな声が響く。
これから始まるロマンスを、心待ちにしているかのような、乙女の声だ。
「あれ~? いらっしゃらないのかな」
ドアをとんとんと叩くが反応が無い。
まだ早朝とはいえ、大体が徹夜で人形を作っているアリスなら起きている時間のはずなのだが。
「部屋の明りは点いていますし……まさか!?」
鴉の予感は嫌な予感。
アリスの身に何か合ったのではないかと、慌てて玄関のドアノブに飛びつく。
そのドアにはもちろん鍵が掛かっているはず。と思い、勢い良くぶち破るくらいの威力で開け放った。
その間わずか0.2秒。全力全速であけられたドアの威力は凄まじかったに違いない。
とまぁ、その結果どうなったかというと。
「アリスさん今助けにいきますからね!」
「朝っぱらから誰? 近所めいわぶっ!!」
バキッ! とか ドガッ! とかそんなちゃちな音じゃない。
人が潰れる音ってあんな音がスルンダー、なんて鴉は案外冷静に考えていた。
目の前で崩れ落ちるアリス。
そして約1分後。。。
「アリスさぁぁぁぁぁん!? 一体誰が、誰がこんな酷いことを!」
おはよう。今日の幻想郷も楽しい一日になりそうです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
こんにちは、清く正しい射命丸 文です。
現在午前6時を回ったところですが、私は今アリスさんの家にお邪魔しております。
だれだ本当に邪魔とかいったやつ、ちょっとスカートを穿いて私の目の前に立ちなさい。
……コホン。で、ですね、私の目の前で、何故か、アリスさんが鼻血を吹いて倒れたわけです。
そして幻想郷一やらし、もとい、優しい私が、アリスさんをベッドまで運んで治療をしたんですよ。
せっかくのすけすけシースルーが、鼻血で汚れて大事な場所が見えなくなってしまったのがとても残念です。
あ、そうか。着替えさせればいいのですね。
アリスさんが起きたときに、スケスケからスカーレットに、そして乾いてブラックになっていたら驚きます。
私だって驚きます。
よし、理由が出来たところでさっそく……
「ん……あれ、私……」
「ああああアリスさん。あのですね、これは決してやらしい行為をしようとした訳ではなくて、汚れたお召し物を交換しようとですね」
「あ……文じゃない。おはよう」
「えっと、その……おはようございます」
セーフ? ぎりセーフ?
にとりがキュウリを食べるのに実は、塩がないと食べれられないという情報を暴露するくらいセーフですよね?
「ところでどうして文が、私の上で馬乗りになっているのかしら?」
アウトでした。
あぁ、太もも越しに伝わるアリスさんの体温あったかいなり。
「とりあえず降りてよ」
「嫌です」
即答。もちろん即答ですとも。
だって私アリスさんの事好きですから。
「じゃぁ状況説明を求めるわ」
「アリスさんが玄関先で倒れていたので、介抱してました」
「玄関? そういえば騒音で目が覚めて、それから……」
「OH、まいすいーとはにー。きっと貧血だったんでしょう」
「そうかしら」
「ちゃんと寝るときは寝ないといけませんよ?」
「えぇ、ありがとう。今度からそうするわ。で、いい加減降りてくれない?」
「嫌です」
いきなりですが、私はアリスさんが好きです。
飲み会などで、一人でひっそりと飲んでおられる姿が好きです。
酔うと、魔理沙さんの愚痴をえんえんと聞かされるのは、ちょっとつらいけれど。
そんなことより、重なり合っている太もも同士が汗ばんできて、実に健康的だと思いませんか?
「まったく思わないわね。ついでに言っておくと、こんな状況で告白されても困るのだけれど」
「私の考えていることが分かってらっしゃる!? まさかアリスさんはさとり妖怪だったのですか!?」
「全部しゃべっていたわ。そして玄関での事、思い出したのだけれど?」
なんてこったい。
全部筒抜けでした。
告白はもっとロマンチックにいきたかったのですが、仕方ないですね。
仕方ないついでに、一線越えちゃいましょう。
「いいから、降・り・な・さ・い」
「痛い痛い! 太ももの内側を抓られると半端なく痛いですよ!?」
「知ってるわ」
アリスさんも、まさかのさでずむ勢でした。
霊夢さんに毎朝、蹴られて起こされている私も、これには涙しそうです。
「泣いてもいいから退いて。着替えたいのよ」
「あ、これは失礼、気が付きませんでした」
生お着替えとあらば、特等席で見なければいけませんよね。
上からよりも、下から見上げるようにするのがポイント高いのです。
揺れる下乳バンザイ。
「一応言っておくけれど、こっち見ないでよ?」
「私も一応言っておきます。分かりました」
「貴女が一応がダメでしょう! あぁもう、上海ちゃんと見張ってて」
アリスさんの言葉に従っているのか、強い眼差しで人形が私を見上げています。
私はアリスさんを見上げています。
GJ美乳。
「あ」
「どうしたの文?」
「と言う間に、着替え終わりましたね」
「いつも人形に服を着せてるもの。自分できるのも慣れているわ」
「なるほど……ん?」
まぁいいでしょう。眼福でしたし。
「なんかもう、貴女達に着替えを見られるのも慣れてきたわ……慣れたくなかったのだけれど」
「達、ですか?」
「貴女、魔理沙、さらに遠見の魔法をパチュリーが使っているわ」
「モテモテですねアリスさん」
後で魔理沙さんは締めておきましょう。
パチュリーさんは、私と気が合いそうなので許します。覗きとは乙女の浪漫ですし。
「まったく、私には本命がいるのに」
「そうですよね。アリスさんには私がいるのに」
「ちがうわよ」
「またまたー。恥ずかしがらなくてもいいんですよ?」
「一体、貴女の脳はどういう構造しているのかしら。一度バラして見たいわね」
「えぇっと……もしかして、私ふられました?」
「もしかしなくて、ふったわ」
アリスさんにふられました。
上海人形さんの服のほつれを直しながら、そっけなく。
普通女の子は告白されたら、少しはときめいたり、ドキドキするんですよ?
やっぱりアレですか。告白の仕方がまずかったですか。
では仕切り直してみましょう。
「アリスさん……好きです。私と付き合ってください!」
「嫌よ」
「なぜに!?」
「だから、本命がいるって言っているじゃないの」
なんということでしょう。
飲み会の席で愚痴を聞いたり、酔ったアリスさんに膝枕してあげたりしたのに、フラグは立たなかったようです。
ゆるすまじ本命さん。
「むむぅ。でしたらその本命さんを教えてください」
「言ったら諦めてくれるのかしら?」
「場合によりますね。魔理沙さんでしたら殺してでも奪い取ります」
「そう、なら大丈夫ね。だって私が好きなのは、貴女と一緒に住んでいるあの子だもの」
私と一緒に住んでいる?
うーん……私は一人暮らしなのですが……
そうか! 分かりましたよ!
「つまり、普段の私ではなく、新聞記者としての私ってことですね!」
「違うわ」
「ガーン!」
もう分かりません、降参です。
結局、私の恋が実らなかったということしか、分かりません。
私は失恋の世界でも最速なんですね。
あ、今うまいこと言った。
「ふられてしまったので、失恋の悲しみを背負ったまま、私は帰りますね」
「はいはい。いつも新聞配達お疲れ様」
「これからも文々。新聞をよろしく!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ということがあってですね。ふられちゃいました。あ、おかわり」
「大盛でいい?」
「特盛で!」
「ん……はいどうぞ」
「ありがとうございます! 霊夢さんの作ったご飯は本当に美味しいですね~」
「ほめても何もでないわよ」
「衣食住を提供していただいているだけでも、おお助かりですよ」
「勝手に住み込んでるだけのくせに」
「だって、ふられたときは霊夢さんの膝枕が、一番いいんですよー?」
「知らん」
「ところで、私また綺麗になりましたかね?」
「は?」
「だって、失恋の数だけ人は綺麗になるって言うじゃないですか」
「あんたは妖怪でしょ」
「そうでした」
「でもまぁ……あんたは綺麗かな」
「知ってます」
「こいつ……」
「ところで巫女巫女霊夢さん」
「何よ、ミスターカラテ」
「私と付き合ってください」
「嫌」
「でしたら、私と結婚してください」
とある幻想の夜。
その日も鴉の鳴き声で終わった。
黑髪組のあやれいむ
いいじゃないですかこの結局
…次は是非レイアリバージョンをお願いします!
だがそれがいい!
霊夢と文の子供ってもしかして最強じゃないかと思う今日この頃。
見える、見えるぞ。未来で弾幕る4人の子供の姿が!
>ええ、何の問題もないカップル二組です。
カップル成立おめでとうございます! 捨てる彼女あれば拾う彼女ありですね。
>次は是非レイアリバージョンをお願いします!
お姉さんな霊夢と甘えるアリスですって!?
>まさに一粒で二度美味しい。
幻想郷は春度が高くて、ほらそこでも仲良しさんが、そこにも、そこにも(ヨーダヴォイス
>結局あやれいむか!
会員ですから! もう結婚しちゃいなよこの二人。
>なんて最高な結局なんだ
幻想郷は愛という名の結界に包まれているのですね。らぶらぶちゅっちゅ
>やはりマリアリだったか・・・よっしゃぁ!
魔理沙の動作にいちいちドキドキするアリスを妄想するともう、あぁかわいいな。
ニヤニヤありがとうございます。感謝。