「な、なぁ霊夢」
「何よ」
「アリスは私のことどう思ってると思う?」
「聞きたい事があるなら本人に聞けばいいじゃない」
「そ、そんなことできる筈ないじゃないか」
「少なくとも私に相談するより良いと思うわよ」
「もういい、霊夢には二度と頼らない」
「はいはい」
行ってしまった
あいつはいつでも忙しく飛び回って何でも自分で解決しようとする
それなのに私に相談するという事は相当悩んでいるのだろう
確かに私は人に頼られるのが好きだし
いつも頼られないあいつになら尚更だ
でも、さっきの話題だけは相談に乗るものではない
あの話題は人に答えてもらえば簡単だが
それじゃ駄目なのだ
自分の力で乗り越えてこそだ
それに、あいつだけが悩んでいるわけじゃない
私だって……
「大丈夫よ、私は霊夢の事愛してるから」
「……紫」
「なぁに?」
「急に表れて人の心を読むなぁー!!」
「悩みなんて無さそうなアホ面しやがって」
霊夢は意地悪だ私が困っているのを見て楽しんでいるに違いない
困ったなぁ、私が相談できる相手なんて限られてる
霊夢が頼りにならなかったら後は……
アリスは論外
パチュリーは本の借り過ぎで怒られたばっかりで相談できる雰囲気じゃない
咲夜は主人姉妹にべったりで役に立たなさそう
妖夢は私より後ろにいそうだしなぁ
紫はいざというときは頼りになるけど普段は何処にいるのか分からないし
慧音は堅物だからこういう話とは距離を置いていそう
ウドンゲと永琳はベタベタだし
輝夜と妹紅は歪み過ぎて参考にならない
て言うか、幻想郷の連中は相手の気持ちを無視して
自分の気持ちをぶつけてる奴が多すぎて話にならない
「あぁーどうしよー、アリスの心でも読めた……
そうだっ!!」
私は思いつきに従って行動を開始した
「さとり~ん」
「嫌です」
「え~」
何も言う前に断られた
うぅ、せめて話くらい聞いて欲しいぜ
「聞かなくても分かりますよ」
そうだったそうだった
こいつは覚りなんだから話さなくても傍にいれば伝わるんだった
「私は人の心を読んで人に教えるほど性根は腐ってません」
「そういわずにさー
お願いだよー
お前だけが頼りなんだ」
本当に困った、さとりに断られたら本当にどうしようもなくなってしまう
「頼むよー」
「…………」
「何でもするからさー」
「……何でもですか?」
「何でも、何でもするから」
「……そうですね
じゃあ、惚れ薬って作くれますか?」
「……一応聞くけど
何で惚れ薬が居るんだ?」
「こいしに振り向いてもらうためです」
「こいし?
こいしなら、誰がどう見てもお前にべったりじゃないか」
「そんな事ないですよ、口では『好き』って言ってますけど
実際は私に会いに来る事なんて滅多に無くて最近も全然会ってないんですから」
「でも、あいつの行動はほとんどが無意識なんだろ?
じゃあ、あいつが口にしてる事に嘘はないんじゃ……」
「それでも……」
そうか、こいつも一緒なんだ
私と一緒で好きな人の気持ちが分からなくて
いいや、こいつだけじゃない、皆そうなんだ
その事に気付かせるために霊夢は…………
「ありがとな」
「…………?」
恋って言うのは人をどうしようもなく弱くする
けれど、人は強いものだから
その弱さをいつか乗り越える
そうやって強くなっていくんだ
それなのに私は逃げてばっかりだった
恋色魔法使い失格だな
気付かせてくれたさとりに礼を言って地上に向かう
今からアリスに伝えるんだ
私が不安に思っている事
私がアリスをどう思っているのか
私がアリスとどうなりたいのか
今私は散歩中だ
「憎らしいほどいい天気ね」
私の暗い心をまるで無視したように空は晴れ渡っている
「まったくなんなのかしら、最近の魔理沙は
私の顔を見てそわそわしたかと思うと
何も言わずに逃げるみたいにすぐどこかに行ってしまうし」
今度会ったら問い詰めてやろう
「ア~リ~ス~」
「え……?」
空から魔理沙が降ってきた、私はそれを慌てて受け止める
どういうことだろう
考え事をしていたらその相手が空から降ってくるのだ混乱しない方がどうかしている
「アリスッ!!」
「ふぇっ?」
私に抱きかかえられたままの魔理沙が真剣な表情で私の名前を呼ぶ
「私はアリスが好きだ、私はアリスと恋人になりたいしもし可能なら結婚したい
アリスは私の事をどう思ってるんだ?」
「…………は?」
それだけを一息で言いきると静かに私の反応を待っている
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って」
「何だよ?」
「意味が分からないわ」
「何がだよ、言った通りの意味だぜ」
「じゃあ、聞くけど私が同じように空から降ってきて同じ事を言ったらどう?」
「…………」
考えてるみたいだ
「う」
「う?」
「嬉しすぎるんだぜ」
あぁ、こいつも相当混乱しているみたいだ
まぁ、こっちはそろそろ落ち着いてきたが
取り敢えず、今の状況を整理しよう
事態は結構簡単だ
今のは魔理沙なりのプロポーズか何かで今はその返事を待っていると
「はぁ……」
「で?どうなんだ?」
「分かったから落ちついてまずは降りなさい」
「嫌だ」
「じゃあ、私はあなたが降りるまで答えないわ」
「……うぅ~」
ようやく観念したのか、魔理沙は私の腕から降りた
「で!答えは!?」
「…………」
「…………」
答えなきゃ駄目なのかしら
「…………」
駄目みたいね
はぁ、こういうのは私のキャラじゃないんだけどなぁ
「き、嫌いじゃないわ」
「…………」
うわぁ
目に涙をいっぱい溜めて上目遣いで睨んでくるぅう
可愛すぎてもっと眺めていたい衝動をおしこらえる
「……愛してるわよ……」
「声が小さい」
今更だが何故私はこんなに責められているのだろうか
どうせ魔理沙が思いつきでやってるだけの事に無理矢理付き合わされてるなのに
ちょっとムカついたから意地悪してやろう
「……愛してるわよ」
「…………っ!!!!」
さっきと声の大きさはさして変わらない
でも、今度は魔理沙の耳元で囁くように呟く
案の定魔理沙は顔を真っ赤にして恥ずかしがっている
魔理沙はいつもの態度から
皆にがさつだとか男勝りだと思われてるけど
実は私の知っている誰よりも乙女なのだ
だから、耳元で甘い言葉を囁いてやるだけでオーバーヒートしてしまうのだ
「……」
「魔理沙?」
「…………」
これは駄目そうね
きっと暫く戻らないわ
取り敢えず家に帰ろうかしら
続きはそれからね
終
「何よ」
「アリスは私のことどう思ってると思う?」
「聞きたい事があるなら本人に聞けばいいじゃない」
「そ、そんなことできる筈ないじゃないか」
「少なくとも私に相談するより良いと思うわよ」
「もういい、霊夢には二度と頼らない」
「はいはい」
行ってしまった
あいつはいつでも忙しく飛び回って何でも自分で解決しようとする
それなのに私に相談するという事は相当悩んでいるのだろう
確かに私は人に頼られるのが好きだし
いつも頼られないあいつになら尚更だ
でも、さっきの話題だけは相談に乗るものではない
あの話題は人に答えてもらえば簡単だが
それじゃ駄目なのだ
自分の力で乗り越えてこそだ
それに、あいつだけが悩んでいるわけじゃない
私だって……
「大丈夫よ、私は霊夢の事愛してるから」
「……紫」
「なぁに?」
「急に表れて人の心を読むなぁー!!」
「悩みなんて無さそうなアホ面しやがって」
霊夢は意地悪だ私が困っているのを見て楽しんでいるに違いない
困ったなぁ、私が相談できる相手なんて限られてる
霊夢が頼りにならなかったら後は……
アリスは論外
パチュリーは本の借り過ぎで怒られたばっかりで相談できる雰囲気じゃない
咲夜は主人姉妹にべったりで役に立たなさそう
妖夢は私より後ろにいそうだしなぁ
紫はいざというときは頼りになるけど普段は何処にいるのか分からないし
慧音は堅物だからこういう話とは距離を置いていそう
ウドンゲと永琳はベタベタだし
輝夜と妹紅は歪み過ぎて参考にならない
て言うか、幻想郷の連中は相手の気持ちを無視して
自分の気持ちをぶつけてる奴が多すぎて話にならない
「あぁーどうしよー、アリスの心でも読めた……
そうだっ!!」
私は思いつきに従って行動を開始した
「さとり~ん」
「嫌です」
「え~」
何も言う前に断られた
うぅ、せめて話くらい聞いて欲しいぜ
「聞かなくても分かりますよ」
そうだったそうだった
こいつは覚りなんだから話さなくても傍にいれば伝わるんだった
「私は人の心を読んで人に教えるほど性根は腐ってません」
「そういわずにさー
お願いだよー
お前だけが頼りなんだ」
本当に困った、さとりに断られたら本当にどうしようもなくなってしまう
「頼むよー」
「…………」
「何でもするからさー」
「……何でもですか?」
「何でも、何でもするから」
「……そうですね
じゃあ、惚れ薬って作くれますか?」
「……一応聞くけど
何で惚れ薬が居るんだ?」
「こいしに振り向いてもらうためです」
「こいし?
こいしなら、誰がどう見てもお前にべったりじゃないか」
「そんな事ないですよ、口では『好き』って言ってますけど
実際は私に会いに来る事なんて滅多に無くて最近も全然会ってないんですから」
「でも、あいつの行動はほとんどが無意識なんだろ?
じゃあ、あいつが口にしてる事に嘘はないんじゃ……」
「それでも……」
そうか、こいつも一緒なんだ
私と一緒で好きな人の気持ちが分からなくて
いいや、こいつだけじゃない、皆そうなんだ
その事に気付かせるために霊夢は…………
「ありがとな」
「…………?」
恋って言うのは人をどうしようもなく弱くする
けれど、人は強いものだから
その弱さをいつか乗り越える
そうやって強くなっていくんだ
それなのに私は逃げてばっかりだった
恋色魔法使い失格だな
気付かせてくれたさとりに礼を言って地上に向かう
今からアリスに伝えるんだ
私が不安に思っている事
私がアリスをどう思っているのか
私がアリスとどうなりたいのか
今私は散歩中だ
「憎らしいほどいい天気ね」
私の暗い心をまるで無視したように空は晴れ渡っている
「まったくなんなのかしら、最近の魔理沙は
私の顔を見てそわそわしたかと思うと
何も言わずに逃げるみたいにすぐどこかに行ってしまうし」
今度会ったら問い詰めてやろう
「ア~リ~ス~」
「え……?」
空から魔理沙が降ってきた、私はそれを慌てて受け止める
どういうことだろう
考え事をしていたらその相手が空から降ってくるのだ混乱しない方がどうかしている
「アリスッ!!」
「ふぇっ?」
私に抱きかかえられたままの魔理沙が真剣な表情で私の名前を呼ぶ
「私はアリスが好きだ、私はアリスと恋人になりたいしもし可能なら結婚したい
アリスは私の事をどう思ってるんだ?」
「…………は?」
それだけを一息で言いきると静かに私の反応を待っている
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って」
「何だよ?」
「意味が分からないわ」
「何がだよ、言った通りの意味だぜ」
「じゃあ、聞くけど私が同じように空から降ってきて同じ事を言ったらどう?」
「…………」
考えてるみたいだ
「う」
「う?」
「嬉しすぎるんだぜ」
あぁ、こいつも相当混乱しているみたいだ
まぁ、こっちはそろそろ落ち着いてきたが
取り敢えず、今の状況を整理しよう
事態は結構簡単だ
今のは魔理沙なりのプロポーズか何かで今はその返事を待っていると
「はぁ……」
「で?どうなんだ?」
「分かったから落ちついてまずは降りなさい」
「嫌だ」
「じゃあ、私はあなたが降りるまで答えないわ」
「……うぅ~」
ようやく観念したのか、魔理沙は私の腕から降りた
「で!答えは!?」
「…………」
「…………」
答えなきゃ駄目なのかしら
「…………」
駄目みたいね
はぁ、こういうのは私のキャラじゃないんだけどなぁ
「き、嫌いじゃないわ」
「…………」
うわぁ
目に涙をいっぱい溜めて上目遣いで睨んでくるぅう
可愛すぎてもっと眺めていたい衝動をおしこらえる
「……愛してるわよ……」
「声が小さい」
今更だが何故私はこんなに責められているのだろうか
どうせ魔理沙が思いつきでやってるだけの事に無理矢理付き合わされてるなのに
ちょっとムカついたから意地悪してやろう
「……愛してるわよ」
「…………っ!!!!」
さっきと声の大きさはさして変わらない
でも、今度は魔理沙の耳元で囁くように呟く
案の定魔理沙は顔を真っ赤にして恥ずかしがっている
魔理沙はいつもの態度から
皆にがさつだとか男勝りだと思われてるけど
実は私の知っている誰よりも乙女なのだ
だから、耳元で甘い言葉を囁いてやるだけでオーバーヒートしてしまうのだ
「……」
「魔理沙?」
「…………」
これは駄目そうね
きっと暫く戻らないわ
取り敢えず家に帰ろうかしら
続きはそれからね
終
マリアリはこうでなきゃ!