家に帰る帰り道、僕はずっと花とあの白い花のお姉さんのことを考えていた。 僕には見えなかったお姉さんの顔と、自分と交わした約束、綺麗な花と言った白い花、どれも不自然で、本当にあったことか、理解しにくいほど、夢の感覚がした。
でも、今、こうしているのも本当だし、意識もちゃんとしている。
試しに頬をつねってみると痛みもある。
だけど、ほんの数分、白い花のお姉さんと話した時間だけが、本当に夢に感じた。 そのまま家に着くと小走りで、玄関を開ける。
「ただいまー」
靴を脱いで玄関に敷いてあるマットを踏むと、奥のほうからお母さんが顔を出してこっちを見る。
「たーくん、お帰り~!」
お母さんは、どうやら夕飯を作っている最中らしく、台所からか、いい匂いが漂ってくる。 その匂いだけで、今日は何が出るか分かった。 僕の大好きなものだ。
(お母さんの手作りハンバーグだ!)
その匂いだけで、よだれが溢れてきて、食欲をそそる。 荷物を置きに自分の部屋へ行くと、そこには、僕が趣味で集めている花の写真がたくさんあった。
色とりどりの花や一色の綺麗な花、どれも僕がたまたま、見つけたりして、撮ったものである。 僕はその花たちに優越をつけることが出来ず、写真立てや壁に丁寧に、貼っていた。
(白い花のお姉さんの言う花って、これのどれよりも綺麗なのかな~・・・)
言ってはなんだが、僕は結構、集めてきたほうだと自負していた。 この花たちよりも綺麗なものなんて、ないとまで思うほどである。
(楽しみ・・・)
あのときは、良く見えなかった白い花のお姉さんの顔も全てが見れるだと思うととっても心が弾んだ。
「たーくん! ご飯にしましょ!」
台所のほうから声が聴こえた。 僕は早く明日にならないかとずっと思っていた。 そして、カメラを持って、写真を撮るんだ。 あの白い花も、綺麗な花も全部・・・。
「たー! 一緒に風呂入るか!」
お父さんが、僕を持ち上げて、お風呂へと誘った。 強いお父さんの腕が、僕の憧れでもあった。
「あなた! これからご飯に・・・」
「いいだろ? 直ぐに出るからさ。 ほら、いくぞ~!」
「うん!」
「もう~。 あなたったら~・・・。 待ってますからね!」
僕はこんな生活が大好きだった。 こんな日々が続くとずっと思っていた。 学校も何もかも全てが楽しい。 大きくなったらとか、考える気もなく、幸せな日々が続いている。 大好きだった。
「たーくんは何になりたい?」
「たーは、立派な大人になるんだよな!」
「僕はね・・・。 お父さんみたくなる!」
「おぉ、そうか! 俺みたくか! いいぞぉ! それこそ、俺の息子だ!」
夕飯を食べ、お母さんとお父さんの間に挟まって寝て、朝起きる。 今日は土曜日、休日だ。 お父さんは、今日も仕事で遊べないため、カメラを手に、一杯の朝日を浴びて、外に出る。 これから、僕は白い花のお姉さんのところに行く。
「あれ? たーくん、出かけるの?」
「うん!」
期待と楽しさで心が弾んでいる。 笑みがこぼれて、しょうがなかった。
「とっても、嬉しそうね?」
「だって、白い花のお姉さんに会いにいくの!」
「白い・・・花・・・?」
「うん! じゃあ、行ってきます!」
「あっ、ちょっと! 待ちなさい!」
僕にはお父さんに買ってもらったカメラを手に意気揚々と家を出た。 お母さんが何かを言っていたような気がしたが、全然、聴こえなかった。
「そんな、たーくん・・・。 あぁ・・・」
お母さんは知っていたのだ。 この付近に起きるという神隠しの噂を・・・。
(待っててね! 白い花のお姉さん!)
そんなことも知らずに僕は、満面の笑みで公園を目指した。
でも、今、こうしているのも本当だし、意識もちゃんとしている。
試しに頬をつねってみると痛みもある。
だけど、ほんの数分、白い花のお姉さんと話した時間だけが、本当に夢に感じた。 そのまま家に着くと小走りで、玄関を開ける。
「ただいまー」
靴を脱いで玄関に敷いてあるマットを踏むと、奥のほうからお母さんが顔を出してこっちを見る。
「たーくん、お帰り~!」
お母さんは、どうやら夕飯を作っている最中らしく、台所からか、いい匂いが漂ってくる。 その匂いだけで、今日は何が出るか分かった。 僕の大好きなものだ。
(お母さんの手作りハンバーグだ!)
その匂いだけで、よだれが溢れてきて、食欲をそそる。 荷物を置きに自分の部屋へ行くと、そこには、僕が趣味で集めている花の写真がたくさんあった。
色とりどりの花や一色の綺麗な花、どれも僕がたまたま、見つけたりして、撮ったものである。 僕はその花たちに優越をつけることが出来ず、写真立てや壁に丁寧に、貼っていた。
(白い花のお姉さんの言う花って、これのどれよりも綺麗なのかな~・・・)
言ってはなんだが、僕は結構、集めてきたほうだと自負していた。 この花たちよりも綺麗なものなんて、ないとまで思うほどである。
(楽しみ・・・)
あのときは、良く見えなかった白い花のお姉さんの顔も全てが見れるだと思うととっても心が弾んだ。
「たーくん! ご飯にしましょ!」
台所のほうから声が聴こえた。 僕は早く明日にならないかとずっと思っていた。 そして、カメラを持って、写真を撮るんだ。 あの白い花も、綺麗な花も全部・・・。
「たー! 一緒に風呂入るか!」
お父さんが、僕を持ち上げて、お風呂へと誘った。 強いお父さんの腕が、僕の憧れでもあった。
「あなた! これからご飯に・・・」
「いいだろ? 直ぐに出るからさ。 ほら、いくぞ~!」
「うん!」
「もう~。 あなたったら~・・・。 待ってますからね!」
僕はこんな生活が大好きだった。 こんな日々が続くとずっと思っていた。 学校も何もかも全てが楽しい。 大きくなったらとか、考える気もなく、幸せな日々が続いている。 大好きだった。
「たーくんは何になりたい?」
「たーは、立派な大人になるんだよな!」
「僕はね・・・。 お父さんみたくなる!」
「おぉ、そうか! 俺みたくか! いいぞぉ! それこそ、俺の息子だ!」
夕飯を食べ、お母さんとお父さんの間に挟まって寝て、朝起きる。 今日は土曜日、休日だ。 お父さんは、今日も仕事で遊べないため、カメラを手に、一杯の朝日を浴びて、外に出る。 これから、僕は白い花のお姉さんのところに行く。
「あれ? たーくん、出かけるの?」
「うん!」
期待と楽しさで心が弾んでいる。 笑みがこぼれて、しょうがなかった。
「とっても、嬉しそうね?」
「だって、白い花のお姉さんに会いにいくの!」
「白い・・・花・・・?」
「うん! じゃあ、行ってきます!」
「あっ、ちょっと! 待ちなさい!」
僕にはお父さんに買ってもらったカメラを手に意気揚々と家を出た。 お母さんが何かを言っていたような気がしたが、全然、聴こえなかった。
「そんな、たーくん・・・。 あぁ・・・」
お母さんは知っていたのだ。 この付近に起きるという神隠しの噂を・・・。
(待っててね! 白い花のお姉さん!)
そんなことも知らずに僕は、満面の笑みで公園を目指した。