注意 このお話はRADWIMPSのオーダーメイドを基にして作っちゃいました。
なので、苦手、主バカじゃないの? イヤンなどの拒否反応を少しでも
示した方は戻るを押したほうがいいかもしれません。
あと、個人的には原曲を聞きながら嗜んでもらえると幸いです。
目を覚ますと私は白いイスに座っていた。
白い机に白い壁。
白い天井に白衣の人。金色の長い髪の毛のきれいな人です。
白衣の人は私に尋ねました。
今からいくつかの質問をします。
私が頷くと、白衣の人は質問をしました。
未来と過去、どちらか一つを選んでください。
質問は変でした。
白い机には二つの写真が並べられました。
一つは金髪の長い髪の人。ツリ目で凛とした顔の女性です。とてもきれいで派手な服装、どこかのお城なのか豪華な装飾品で部屋は満たされています。写真なので確証は持てませんでしたが、多分妖怪。写真からでもわかるくらい、強い妖怪だと思います。
一つは金髪の短い髪の人。娘なのかわかりませんが、女の子に抱きつかれたきれいな人。二股の尻尾があるので、この女の子も妖怪。多分、妖獣だと思います。金髪の短い髪の人も妖怪。九つのきれいな尻尾があります。あと、笑っていると思います。
白衣の人は言いました。
どうしますか
私は変な質問だとも思いつつ、手を伸ばし片方の写真を選びました。
どうして、と言われてもわかりません。
強いて、強いていうなら、優しい人になりたかったからです。
こういうのも何ですが、私は多分強い妖怪だったんだと思います。もちろん根拠はありません。
きっと、何かあって、死んだのか、それに近い状態にあるのだと思います。
悲しいことに、それまでの記憶、思い出と言った方がいいのでしょうか、ほら、走馬灯のように流れるもの、私にはそれが無かったのだと思います。これも根拠はありません。勝手な想像、自問自答です。
元に、私はそれまでの私を思い出すことができません。
ならどうして優しい人に、ですか。
そんなの分かりませんよ。だから言ったでしょ、強いて言うならって。
それに、前に誰かに言われた気がするんです。優しい人は思い出が何なのかわかる人だって。誰かに言われた気がします。
続けて白衣の人は言いました。
それでは次に移ります。腕と脚と口と耳と目、心臓もおまけに二つずつ付けておきますね。
質問じゃありません。質問ではないですが、変です。
私は言いました。
口と心臓は一つでいいです。
口が二つあっても不便なだけです。物を食べるときに二つの口でケンカしてしまいますし、口論になったら大変です。一人でそんなことをするなんて、悲しいだけです。一つで十分役に立ちます。
こういうと、白衣の人は少し不機嫌そうになりました。眉毛が垂れ下がっています。
パチン、と指を鳴らすと白い机の上に服が用意されました。
用意された服を着てみると、サイズはぴったりでした。
白衣の人が言ったように腕と脚と耳と目はきちんと二つずつありました。私の注文通り、口は一つでした。しかし、心臓はまだありません。
白衣の人はまた仕方なく言いました。
心臓も一つと言いましたが、心臓は一番大事なものですよ。両胸に付けた方がいいですよ。
服を着終わった私は、またまた言いました。
恐れ入りますが、この私には右側の心臓は要りません。
私は右側の心臓を差し出しました。
これから私に、大切なものができて、その人たちをギュッて抱きしめた時に、その人たちの鼓動がきちんと胸に響くように、響いていることが解るようにいたいから。
左は私の鼓動で、右はその人たちの鼓動
左はその人たちの鼓動で、右は私の鼓動
独りだとどこか欠けているような
決して独りで生きていかないようい
私はそこで思いました。
どうして私はこんなことを考えているのか。記憶や思い出はわからないはず。今もそれはかわりません。
では、どうしてこんなことを想っているのでしょうか。
この想いは、なんでしょうか。
この、騒がしくも懐かしい、この想いはなんでしょうか。
白衣の人の言葉で私の思考は中断されました。
そういえば、最後にもう一つ質問を
涙もオプションで付けましょうか
これまた変な質問です。私は聞き返しましたが、やっぱり涙でした。
無くても全然支障はないですし、面倒くさいので付けない人もいますので
加えて、味も選べますよ。酸っぱくしたりしょっぱくしたり甘くしたり辛くしたし、どれでも好きなのを選んでくださいな
これまた変な質問でした。
涙ですか
優しい人になりたいと言ったのですから、必要なんでしょうか
そう、優しい人、強い人ではなく優しい人
そうなりたいのですから、決まっているじゃないですか
私は涙の味が書かれた瓶に手を伸ばす。
こちらでよろしいですか。
はい。
それでは以上で質問を終わります。
白衣の人はまたパチンと指を鳴らしました。
最初に選んだ写真と、涙の味が混ざり合って私の中に入ってきます。
その光景は、とてもきれいで、それはきれいで、きれいだったとしか伝えられません。
ほどなくして、私の番は終わりました。
時間にしてみると、数刻の出来事のようです。よくわかりませんが、多分そうです。
私は最後に白衣の人に言いました。
いろいろと、ありがとうございました。お手数をかけました。
白衣の人は、かけていた眼鏡を取って軽く微笑みました。
金色のきれいな髪が、かすかに揺れています。
そして、私は最後に、ホントの最後に、最初から気になっていたことを一つ、尋ねることにしました。
どこかで、お会いしたこ――――――
「らーん、いつまで寝ているの」
「ん、紫、様。どうかなされましたか」
「どうしたもこうしたも、貴方がなかなか起きてこないからでしょう。珍しいこともあるものねぇ、貴方が寝坊なんて。いつもは私が起こされる側なのに、そもそも主人よりも寝ててあまつさえ主人に起こされるなんて、藍にしては本当に珍しい――て、どうしたの? 」
「あ、すいません。少し、先ほどまでどうも変な夢を見ていたようで」
「変な夢ねえ。後で覗いちゃおうかしら」
「やめてください、悪趣味です」
「いいじゃない別に、減るもんでもないし」
「紫様へのただでさえ少ない忠誠心と尊敬が減ってマイナスに突入します。もう近寄らないでください、臭いが移って橙に嫌われます」
「キャウン! 藍の馬鹿、変態、意地悪」
「ちなみに現在進行形で下がり続けていますから」
「ハウン! もう、相変わらず、優しくないわねぇ、藍は」
「失礼な。私はこれでも優しい方ですよ」
なので、苦手、主バカじゃないの? イヤンなどの拒否反応を少しでも
示した方は戻るを押したほうがいいかもしれません。
あと、個人的には原曲を聞きながら嗜んでもらえると幸いです。
目を覚ますと私は白いイスに座っていた。
白い机に白い壁。
白い天井に白衣の人。金色の長い髪の毛のきれいな人です。
白衣の人は私に尋ねました。
今からいくつかの質問をします。
私が頷くと、白衣の人は質問をしました。
未来と過去、どちらか一つを選んでください。
質問は変でした。
白い机には二つの写真が並べられました。
一つは金髪の長い髪の人。ツリ目で凛とした顔の女性です。とてもきれいで派手な服装、どこかのお城なのか豪華な装飾品で部屋は満たされています。写真なので確証は持てませんでしたが、多分妖怪。写真からでもわかるくらい、強い妖怪だと思います。
一つは金髪の短い髪の人。娘なのかわかりませんが、女の子に抱きつかれたきれいな人。二股の尻尾があるので、この女の子も妖怪。多分、妖獣だと思います。金髪の短い髪の人も妖怪。九つのきれいな尻尾があります。あと、笑っていると思います。
白衣の人は言いました。
どうしますか
私は変な質問だとも思いつつ、手を伸ばし片方の写真を選びました。
どうして、と言われてもわかりません。
強いて、強いていうなら、優しい人になりたかったからです。
こういうのも何ですが、私は多分強い妖怪だったんだと思います。もちろん根拠はありません。
きっと、何かあって、死んだのか、それに近い状態にあるのだと思います。
悲しいことに、それまでの記憶、思い出と言った方がいいのでしょうか、ほら、走馬灯のように流れるもの、私にはそれが無かったのだと思います。これも根拠はありません。勝手な想像、自問自答です。
元に、私はそれまでの私を思い出すことができません。
ならどうして優しい人に、ですか。
そんなの分かりませんよ。だから言ったでしょ、強いて言うならって。
それに、前に誰かに言われた気がするんです。優しい人は思い出が何なのかわかる人だって。誰かに言われた気がします。
続けて白衣の人は言いました。
それでは次に移ります。腕と脚と口と耳と目、心臓もおまけに二つずつ付けておきますね。
質問じゃありません。質問ではないですが、変です。
私は言いました。
口と心臓は一つでいいです。
口が二つあっても不便なだけです。物を食べるときに二つの口でケンカしてしまいますし、口論になったら大変です。一人でそんなことをするなんて、悲しいだけです。一つで十分役に立ちます。
こういうと、白衣の人は少し不機嫌そうになりました。眉毛が垂れ下がっています。
パチン、と指を鳴らすと白い机の上に服が用意されました。
用意された服を着てみると、サイズはぴったりでした。
白衣の人が言ったように腕と脚と耳と目はきちんと二つずつありました。私の注文通り、口は一つでした。しかし、心臓はまだありません。
白衣の人はまた仕方なく言いました。
心臓も一つと言いましたが、心臓は一番大事なものですよ。両胸に付けた方がいいですよ。
服を着終わった私は、またまた言いました。
恐れ入りますが、この私には右側の心臓は要りません。
私は右側の心臓を差し出しました。
これから私に、大切なものができて、その人たちをギュッて抱きしめた時に、その人たちの鼓動がきちんと胸に響くように、響いていることが解るようにいたいから。
左は私の鼓動で、右はその人たちの鼓動
左はその人たちの鼓動で、右は私の鼓動
独りだとどこか欠けているような
決して独りで生きていかないようい
私はそこで思いました。
どうして私はこんなことを考えているのか。記憶や思い出はわからないはず。今もそれはかわりません。
では、どうしてこんなことを想っているのでしょうか。
この想いは、なんでしょうか。
この、騒がしくも懐かしい、この想いはなんでしょうか。
白衣の人の言葉で私の思考は中断されました。
そういえば、最後にもう一つ質問を
涙もオプションで付けましょうか
これまた変な質問です。私は聞き返しましたが、やっぱり涙でした。
無くても全然支障はないですし、面倒くさいので付けない人もいますので
加えて、味も選べますよ。酸っぱくしたりしょっぱくしたり甘くしたり辛くしたし、どれでも好きなのを選んでくださいな
これまた変な質問でした。
涙ですか
優しい人になりたいと言ったのですから、必要なんでしょうか
そう、優しい人、強い人ではなく優しい人
そうなりたいのですから、決まっているじゃないですか
私は涙の味が書かれた瓶に手を伸ばす。
こちらでよろしいですか。
はい。
それでは以上で質問を終わります。
白衣の人はまたパチンと指を鳴らしました。
最初に選んだ写真と、涙の味が混ざり合って私の中に入ってきます。
その光景は、とてもきれいで、それはきれいで、きれいだったとしか伝えられません。
ほどなくして、私の番は終わりました。
時間にしてみると、数刻の出来事のようです。よくわかりませんが、多分そうです。
私は最後に白衣の人に言いました。
いろいろと、ありがとうございました。お手数をかけました。
白衣の人は、かけていた眼鏡を取って軽く微笑みました。
金色のきれいな髪が、かすかに揺れています。
そして、私は最後に、ホントの最後に、最初から気になっていたことを一つ、尋ねることにしました。
どこかで、お会いしたこ――――――
「らーん、いつまで寝ているの」
「ん、紫、様。どうかなされましたか」
「どうしたもこうしたも、貴方がなかなか起きてこないからでしょう。珍しいこともあるものねぇ、貴方が寝坊なんて。いつもは私が起こされる側なのに、そもそも主人よりも寝ててあまつさえ主人に起こされるなんて、藍にしては本当に珍しい――て、どうしたの? 」
「あ、すいません。少し、先ほどまでどうも変な夢を見ていたようで」
「変な夢ねえ。後で覗いちゃおうかしら」
「やめてください、悪趣味です」
「いいじゃない別に、減るもんでもないし」
「紫様へのただでさえ少ない忠誠心と尊敬が減ってマイナスに突入します。もう近寄らないでください、臭いが移って橙に嫌われます」
「キャウン! 藍の馬鹿、変態、意地悪」
「ちなみに現在進行形で下がり続けていますから」
「ハウン! もう、相変わらず、優しくないわねぇ、藍は」
「失礼な。私はこれでも優しい方ですよ」
歌詞そのままのストーリーでは「東方好き且つRADWIMPS好きな俺得!」で終わってしまい、どうしても歌詞をより掘り進めた背景や心情の描写が物足りなく感じてしまう。
私的ですが、少し物足りなさを感じてしまいました。
RAD好きとしてはこのような作品が増えるのは嬉しいのでまた書くことがありましたら読みたい
あのMADは素晴らしいです。
そしてあのMADに感動されたのなら、ここ創想話の作品検索で「あやや」を探してみてください。
きっと感動します。
けんじさん好きなのはわかるけど