はぐはぐ。
目を覚ますと、頬を囓られていた。
「……おいこら、ルーミア」
「んう?」
覆い被さって頬をはぐはぐと囓る影に、私はデコピンを一発お見舞いする。
ルーミアは、あう、と額を押さえて頬から口を離した。
身体を起こし、ベッドの上でルーミアと向かい合う。右の頬に触れてみると、よだれと一緒に見事に歯形が残っていた。
「人の寝込みを襲うな。ついでに勝手に囓るなって言っただろ」
「だってー」
「だってじゃない」
「魔理沙、美味しそうだから」
人の膝の上に乗ったまま、可愛い顔でそういうことを言うものじゃない。
押し倒されても知らんぞ。
「お前に食べられるのは勘弁だって言っただろ」
「食べないよ」
「だったら今してたことは何だ?」
「味わってたの」
私はガムか飴玉か。思わずため息を漏らす。
「魔理沙、やっぱり美味しい」
「お前ホントはそのまま食べる気だったろ」
「食べないのにー」
頬を膨らませて、ルーミアは私を上目遣いに見上げる。
人食い妖怪にのしかかられて、食べるの食べないの会話しているというのもシュールな図だ。
というかこの状況、私はかなり生命の危機のはずなのだが。
ルーミアは不意に目を細めて、私の胸元に頬をすり寄せる。
「食べちゃったら、魔理沙、いなくなっちゃうから。だから、食べない」
「……ルーミア」
「だから、味わうだけー」
「おいこらっ」
再び覆い被さってきて、ルーミアは今度は左の頬にむしゃぶりついた。
引きはがそうとするのも馬鹿馬鹿しくなって、私はため息をついて力を抜く。
はぐはぐ、と痛くない程度に頬を囓るルーミア。
これもまあ、ルーミアなりの愛情表現なのだろう。
ルーミアは人食い妖怪で、私は人間というのが色々とギリギリではあるけれども。
「お前、結局、私のこと何だと思ってんだ?」
その髪を撫でながら、呆れ混じりにそう訊ねてみる。
「魔理沙のこと? んーと」
頬から口を離して、覆い被さったまま私のことを見下ろして。
満面の笑顔で、ルーミアは言い放った。
「大好き」
――いっそこのまま食われてしまった方が気が楽かもしれないと、今だけは思った。
「汝、左の頬をはぐはぐされたら右の頬を差し出せ」
って……!
何かが違う…いや、あってるのか?www
ルーミア可愛いよ!!!
「魔理沙が食べれないなら頬をはぐはぐすればいいじゃない」
と。
うん、これいいわ!
「我、魔理沙のほっぺをはぐはぐする。故に我有り」と…
「人あるところに頬を差し出しはぐはぐしなさい」と
ルー沙?
何か語呂の良いカップリング表記ないかな?
なにはともあれ良い糖分補給になった。
たったそれだけのことで、食べられた気分になる」
という名言を(ry
しかし、そんな我らはこれがお似合い。
「邪な心で右のほおを差し出す者は、左の方へパイルドライバー!」
この作品は酸性か
確かにあの話を読んだ後だと、こういう二人も見たくなります。
ルーミア可愛いよ。
いやそれが第一次の方です。
(日符ロイヤルフレア戦争)
未読でしたので件の過去作も拝見させて頂きましたが、アレを見た後だと余計に余白が足りない…ともかく、良い物を読ませて頂きました。
・・・・・・こんな馬鹿なことを言っても、「流れ星の・・・」を思い出すと、泣きたくなります。
こっちは甘いなぁ
アナタ様は神か悪魔か?
この作品を見つけたときどれだけ嬉しかったか分かるか!?
やっぱルーマリ最高だわ。