雲ひとつない空は、見れば見るほどムカつく。
私は叫んだ。
「雨降れよ!!」
「いきなり!?」
隣に座ってた魔理沙がお茶をこぼしながら驚いていた。
「なにこぼしてんのよ! それ高いんだから!」
「いや、そんなこと言われても…」
とにかく今私はこの天気に苛立っている。
なぜ雨が降らない。
私への嫌がらせか。
受けて立とうじゃないか。
「あの、霊夢? どうしたんだ?」
「雨が降らないことに苛立ってるのよ!」
「…なんで?」
「なんで、ですって?」
「え、いや、…霊夢さん?」
なんでって、そんなの決まってるじゃない。
雨が降らないと…
「私がせっかく育てた農作物がダメになっちゃうじゃない!!」
「…はい?」
「ようやく実がついたのよ? ここまできてダメになったら、私アンタを恨むわ」
「なんでだよ!? 私がなにしたってんだよ!」
「…ただの八つ当たりよ!」
「やめてくれよ…」
「雨なんか待ってないで、水やればいいだろ?」
「その水は私の飲み水として使用してるわ」
「おい」
「だいたいこのお茶だって貴重な水使ってるんだからね!」
「どんだけ貧乏なんだよ…」
「魔理沙…。表にでなさい。相手してあげるわ」
「えっと、…遠慮しとくぜ」
「遠慮なんて魔理沙らしくないわよ?」
「いや! 今日はちょっと調子悪くてな…、じゃな! また来るぜ!」
逃げたか。
まあ、いいわ。
私は今日も空を見る。
雲ひとつないムカつく一日。