「は! 敏感な箇所のマッサージは舌でやったほうがいいと、別の世界の私が言っているわ!」
ろんりーろんりー電波確認電波確認。
インストールインストール。
舌マッサージを会得しました。
「さっそく美鈴で試してみよう、そうしよう。めーりーん♪」
次の日、舌が筋肉痛になって泣いている霊夢の姿がそこにあった。
舌マッサージは自分の唾液だけでは足りないので、受ける側をしっかり濡らしておかないといけないんですよ。 by美鈴
<- お仕事モードの霊夢さんを密着取材させて頂きたいのですがいいですよね? 答えは聞いてません! ->
「はぁ? 神社の掃除なら生憎だけど、たった今終わったわよ」
神社に光が差し込む昼間。
お昼ご飯を食べ終わった家庭と、まだ食べてない家庭が分かれるくらいの時間に、烏天狗が来た。
いつも適当な時間に来るが、やっぱり鬱陶しいものだ。
テンションがいつも高く、早口でさらにZUNZUN押してくる。
「いえいえ、そんなどうでもいい片手間な仕事のほうじゃなくてですね、ほら整体師としての……」
「おーけー。そんなに妖怪退治の仕事を取材したいのね? なんなら今、此処で、退治の瞬間を見せてあげるわよ?」
「巫女の本職の瞬間だなんて、そんな恐れ多い。整体師としての一面だけで結構ですよ」
せっかく退魔針の成果が出せると思ったのに、残念と小さな口で呟いた。
お忘れだろうか。そも霊夢が整体師となったのは、針を確実に相手の急所へ突き刺すためだったのだ。
針の節約の為と始めたのが、今では整体師として人里で有名になってしまっている。
もっとも、整体師を目指すと決心した時から、本来の目的など霊夢ですら忘れかけていたのだが。
「生憎だけど、今日は予約が入っていないの。残念だったわね」
「それは好都合、じゃなくてですね。えーっと、取材が出来ないなら私が予約を入れさせていただきますね!」
「はぁ?」
文の考えている事が分かりかねるという風な顔で、霊夢が睨んだ。
不機嫌、バカジャネーノ、というかなんでいつもミニスカなのか。という疑いの眼差し全開だった。
そんな霊夢の熱視線を無視し、文は手にしていたペンとメモを胸の谷間にしまうと、苦笑いしながら話し出した。
「最近むくみが酷くて。足や腕、顔までも少しむくんできてるんですよ」
「太っただけじゃないの?」
「鬼がいる! ここに巫女の皮を被った鬼がいますよ!?」
誤解を招いてはいけないから言っておくが、文は全然太っていない。
むしろスレンダーな方だ。
腕や足は美鈴ほどではないが、しなやかな筋肉で引き締まっている。
腰のくびれもまさに理想の女性のそれで、お尻も安産型で柔らかそうだ。
「それに同性の霊夢から見ても、見とれそうになるほどの美貌の持ち主である。
さらに普段は服に隠れている胸に至っては、四次元ポケットともいえる谷間様を持っている。」
「こら、勝手に自分で付け足すな。私がいつあんたに見とれたっていうのよ」
「えー。私が空から降りてくるとき、いつもポーっとして見てるじゃありませんか」
「それは、パンツ丸出しでよく恥ずかしくないなーって見てるだけよ」
「見られて恥ずかしいパンツは、人生で数回しか穿いた事ありません!」
「そうね、今日はノーパンだったわね」
「うそ!?」
霊夢の重大発言に、ミニスカートをたくし上げて自分の魅惑のデルタゾーンを確認する。
端から見たら、いたいけな少女にイケナイ事をしようとしてる変態女性の図が、そこにあった。
ちなみに、黒のTバックだった。
「ちゃんと穿いているじゃないですか!」
「人の家の前で、しかも家主にパンツ見せびらかすとか……引くわー」
「霊夢さんが変な事言うからですよ!?」
「私が変なのは、今に始まったことじゃないでしょ?」
「自分で言った!?」
この二人は馬が合うのだろうか。
言葉の節々に、小さな笑が含まれている。
こんなやり取りを始めたのは最近のはずなのに、ずっと幼い頃から続けてきたかのような感覚に陥る。
これが「友達」というやつなのだろう。
「ところで文」
「はい、なんでしょう」
「この後の仕事はあるの?」
「んー……今日はもう無いですね。写真の現像も椛に任せてますし」
「そう、なら針を打ち込んでも問題ないのね」
「え? 本当にして頂けるのですか?」
「言ったでしょ。今日は予約はないの」
そういいながら、既に霊夢は家へと入ろうとしている。
持っていた箒を玄関へ立てかけ、くるっと後ろを振り向くと、少女が少し大人になった微笑みを文へ投げた。
「ほら、さっさとあがりなさい。私の気が変わらないうちにね」
「おっじゃましまぁす♪」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はい、こちら射命丸 文です。現在布団の上に下着だけで寝かされています。私はこれから何をされるのでしょうか……」
「村の男を10人ほど連れてきたらよかったかしら?」
「わお。それだけいたら一週間の食費が浮きますね♪」
「私の前での妖怪アピールは死を意味するわよ? プスっとな」
「きゃうっ!?」
治療室(といっても客間だが)に入った文は、霊夢のとりあえず脱げ、という言葉に従った。
無駄にクネクネとセクシーに踊りながら脱ぎ始めた文に、霊夢が浣腸を決めたのはご愛嬌。
布団に泣きながら突っ伏した文が言ったのが、先の言葉である。
「痛かったら言いなさい。こら動くな。力を抜きなさい」
「まるで初体験の時の、男の言う言葉みたいに言わないで下さい」
「だまらっしゃい、発情娘」
トントンと、細い筒に入った針を白い腕につきたてる。
毎日のように記事を書いているからか、腕への疲労もかなり溜まっているようだ。
「そういえばこの前さ、傘のお化けがうらめしやーとかいいながら、私を驚かそうとしたのよ」
「霊夢さんを驚かすことってできるんですかね?」
「あんたに恋人ができたら驚いてあげるわ。……それでね、その子に針を見せてこういったのよ」
『はりってね"辛"って文字で表すのよ。何度も何度も強く差し込んで拷問に使ったり、逃げださないように刺青を彫ったり、その綺麗なオッドアイを刺す責め具にも使えるからなのよ? "辛い(つらい)"や、針で刺したような"辛い(からい)"を表しているからだと、言われているわ』
『さでずむ反対! さでずむ反対!』
「可愛かったわねあの妖怪……どうしたのよ文?」
「は、針を刺している時にそんな話しないで下さい!」
「ふふふ……文の瞳って綺麗よね。うらやましいわぁ……」
「ひぃっ」
「冗談よ。敵に回らない限りはね」
妖怪の掌握術、ここに極まれり。
人を縛るのは、愛と優しさと、恐怖。
全て持っている霊夢に、文はなす術もなく、白い肌を好きなように蹂躙されるより、他には無かったのだ。
「文のこの黒い羽、背中のマッサージしにくいわね。引きちぎろうかしら」
「さでずーむ!?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はい、之でぱんぱんに張っていた脹脛のマッサージも終了。次は仰向けになって」
一番疲労度が高かった羽とその付け根。そして脹脛を重点的にマッサージした。
羽をマッサージするときの内容は、18歳未満は禁止レベルだったので割愛。
簡単に言うと、敏感な羽をマッサージされたことによって、小刻みに痙攣を数回おこしました。まる。
「仰向けですか。ちょっと恥ずかしいですね」
「恥ずかしがってないで、その布団に押し付けられて汗ばんだダブルボンバーを晒しなさい」
「そんなこというから恥ずかしいのですよ!? そ、それに汗ばんだのはさっきの……」
「いいから私に大胸筋をマッサージさせなさい」
「さっきから変な方向に進んでません!? そうだ、腕も足もかなり楽になったので私はこの辺でひゃわぁ」
逃げようとした文の羽を、甘く噛んだ。
白い大地に生える黒い羽が、大きく開かれた。
天狗にとって、羽は弱点なのだろうか。
「物を書くときってね、腕だけじゃなく胸筋もつかっているのよ。このまま放っておくと……垂れるわよ?」
「垂れっ……うぅ、仕方がありません。お願いしますね」
「やるからには真面目にするから安心して……集中が続けばダケド」
「どこまでも18歳未満禁止な雰囲気!?」
「何が18歳未満禁止よ。あんたが勝手に声出してただけで、今日は普通にマッサージしかしてないじゃない」
「いやぁ、記事的には、こうやって過大肥大問題して書かないと、誰も見てくれないんですよ」
「……今日のこと、ネタに使ったら封印するわよ?」
「分かってますよー。私もそこまで無粋じゃないですし。友達を裏切ることはしませんよ」
「ならいいわ。ほらさっさと上向く」
「うぅ……そこからは逃げられませんか……」
漸く観念したのか、羽に負担が掛からないように、文は一度起き上がった。
何枚か羽が布団に散らばっているが、後で片付けさせられるんだろうなぁとか考えながら、布団に再び身を沈める。
二つのメロンが、重力にさからって聳え立っている様は、さすがピチピチギャルなだけはある。
「ふむ……アリス以上、永琳未満って感じね。ズバリ、89ね」
「おしい、四捨五入したら90です!」
「私の世界では、端数は切捨てなのよ」
「ひどいっ! 胸は女性にとってステータスなんですよ!?」
「はいはい、んじゃ四捨五入しなくても90になるようにしてあげるわ」
霊夢は文の横に膝立ちし、両手をうまくつかい、大胸筋の疲労を流してく。
揉むというより、押しながらくるくるとまわす動きにあわせ胸が歪む。
しっとりと汗ばんだ体の独特のにおいが、霊夢の鼻を刺激した。
「どう? 痛くない?」
「はい~すごく気持ちいですこれ。もちろんえっちじゃない方の意味で」
「実は指先と掌の力の入れ具合が難しいのよ。これを取得するのに何回美鈴と練習したか」
「でも腋周辺を通るときはこそばゆいですね。思わず力が入ってしまいます」
「んじゃ腋らへんを重点的にマッサージするわ」
「さでずむ再びですか!?」
言ったとおり腋、というよりも体の側面、胸の付け根辺りを掌で撫でる。
手のあらゆる場所を使い、胸に邪魔されている筋肉を解きほぐす。
これが結構が重労働なのか、霊夢の額や空にもうっすらを汗が滲んでいた。
「そうだ霊夢さん。私が聞いた情報によると、乳がんにならないために先端部を舌でマッサージするといいらしいですよ?」
「母乳が出るようになったら、そこもマッサージしてあげるわ。まずは恋人を作りなさい」
「あややや。それって、霊夢さんが私の彼氏居ない暦1000年の歴史を崩してくれるってことですか?」
「寝言は寝て言え」
右も左も揉み解したあと、おなか周りをマッサージする。
文に便秘や生理不順などなさそうだが、ついでだしという理由でやさしく撫でる。
こそばゆいのか、小さなしゃっくりのような声を出しながら耐える姿を見ながら霊夢は考えていた。
(早苗に聞いたアロママッサージも、試してみようかしら)
「ところで霊夢さん」
「はいな。もうすぐ終わるから、こそばゆいのは我慢しなさい」
「そうじゃなくてですね。霊夢さんって整体師なんですか?」
突然の質問に、霊夢は戸惑ってしまった。
巫女が本業だけれど、人間は神社に来ない。
時々美鈴と一緒に人里で整体をしてる。
ついこの間、閻魔の所まで異変解決に行った。
「うん、私は整体師。だけど、それ以上に巫女よ」
「えぇっと、私としては、整体師か、鍼灸師か、按摩師か聞きたかったのですが」
「あぁ、そういうこと? それなら整体師でもあり、鍼灸師でもあり、按摩師でもあるわよ」
「つまり?」
「最初は鍼灸師、というか針を学んでいたのよね。でも美鈴がマッサージもセットで覚えましょうということで按摩マッサージも覚えたわ」
「ふむふむ。そういえば美鈴さんは霊夢さんの師匠でしたね」
「えぇ。でも人里の男……女もだけど仕事柄、足や腰、背中の骨もずれてたりするのよね。だから整体が必須になったってわけ」
「さらには、整体師のほうが、名前的に人を集めやすいと?」
「その通りよ。でもあんたみたいに整体が必要ない時、私は鍼灸師なのね、きっと」
一通り話し終えて満足したのか、霊夢はタオルを文へと投げてよこした。
それが終わりの合図だと気が付いたのは、背伸びをする霊夢の背中を見たときだった。
こんな小さな体で色々考えて、様々な技術を身につけて。霊夢はどこを目指しているのだろうか。
「ほら、さっさと服を着なさい。風邪引くわよ?」
「霊夢さん……」
「ちょ、いきなり何!? 何勝手に後ろから抱きしめてんのよ!?」
頭一つ文も背が違う。
抱きしめるというよりも、包み込むという感じ。
腕と羽で、暴れる霊夢を押さえ込む。
人間にも妖怪にも妖精にも、どんな種族にも分け隔てなく接するのはどれだけ難しいか。
それを当たり前のようにこなす霊夢は、根本的にきっと……
「優しいのですね、霊夢さんは」
「なっ!?」
「それに、とても暖かいです」
さらにぎゅっと力を込めて抱きしめる。
もう、逃さないというように。
霊夢の心に刺青を彫るかのように。
「痛い」
「あ、ごめんなさい。つい」
「いいわよ別に。美鈴で慣れてるしね……慣れたくないなぁこういうのは」
友達。文と霊夢は友達。だけど、文は……
どうやら刺青を彫られたのは、文の方だったようだ。
いつからだろう。
始めてあったときからだろうか。
それとも針を打たれたときだろうか。
文にも分からないけれど、もうこの気持ちからは逃げられない。
だから最速で、霊夢に宣言することにした。
「という訳で、射命丸 文。霊夢さんを好きになってしまいました!」
「……はぁ?」
「美鈴さんという巨大な壁をぶち破るため、毎日のように来ますので覚悟してくださいね?」
そういって、文は霊夢の前へ素早く回り込むと、瞳と瞳を合わせる。
キラキラ輝く文の瞳と、驚きと戸惑いを含んだ少女の瞳が、お互いの顔を捉える。
そして、十分見詰め合った後、少女の口から出た言葉は。
「意味わかんない」
「分からないですか? こういう意味ですよ♪」
「!?」
まさに最速。
されど最高。
瞳と瞳が。
唇と唇が。
0距離で合わさった。
「どうです? 私のファーストキッスですよ?」
顔を少しだけ離して、吐息がまだ顔に掛かる距離で文は言った。
照れているのか、顔を真っ赤にしながら、霊夢の返答を待つ。
霊夢の震える唇が開かれるのを待つ。
といってもどうなるか、大体予想はついている。ついでに覚悟も。
それでも、文は満足だった。
とっても、素敵な言葉が聞けたから。
その素敵な言葉とは……
<span style="font-size:20pt">「私の初めての口付けを返せばかぁぁぁぁぁ!!」</span>
幻想に、新たな風が吹く。
それは嵐か、春風か。
突風のように駆け抜けていく日々。
それは一つ一つが、幻想郷の大切な思い出になることだろう。
カシャ♪
が、いかがわしい要素は正直ない方がよかった
実に愛されいむ。
冒頭のにとりと雛がリストラされたぁぁぁ!!
あと、微妙にアレな要素はもうちょいオブラートでもよかったかな?
あやや死亡フラグになりませんように
えっちにゃのは…いろんな人が来るところですからね…
>同姓
→同性
>馬がある
→馬が合う
>18歳禁止
→18歳未満禁止
>起き上がった。。
→起き上がった。
>それい以上
→それ以上
えっちなのはいけないと思います!
我にはほのぼのが合っているのかなかな?
>冒頭のにとりと雛がリストラされたぁぁぁ!!
アレ以上はらぶらぶちゅっちゅが濃厚すぎたので、ハッピーエンドで終わらせてみました。
でも結婚生活の様子がときどきみれるかも?
>三角関係フラグ入りましたー
文ちゃんの暴走は霊夢しか止められないってイメージがあるんですよねー
そしてえっちのなのは、ゴシップ並みのでっちあげをめざしたらこうなっちゃいました。反省orz
>舌マッサージ本当に使ってきやがった
だってあんなアリスと霊夢の「ううんごほんごほん(イエナイ)」を見せられたら……ねぇ?
勝手に使ってすいませんまじすいません
お互いファーストキスか……素敵。